ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回で『悠里の誕生日編』は
最後になります。
視点は海未ちゃんになります。
相変わらず暗い内容です…

それではどうぞ。



第110話 12月12日 夜

「どこに行っちゃったんですか…?」

 

時刻は18時。

ことりから悠里君が

行方不明になったという電話を聞いてから

2時間くらい経った…

そしてある事を思い出す…

 

「璃夢という子が関係してるのでしょうか?」

 

ちょうど昨日。

穂乃果から電話があって

悠里君が書いた恋愛小説を読んでいて

少し眠くなってしまい、その後に

不思議な夢を見たと言っていました。

その夢は幼い頃の悠里君と1人の女の子が

楽しそうに遊んでいたという夢…

その女の子の名前は璃夢という名前だったと…

 

「そういえば、ことりも同じ事を……」

 

ことりが見た夢は、

何処かは分からない場所で

もう1人の自分と璃夢という女の子が

口論していたという夢…

ただ具体的な内容が分からないと言う点だった…

 

「もしかして悠里君の初恋の相手って…」

 

私は『青い本』をバックから

取り出し登場人物の欄を開き読み返す。

どうゆう訳か悠里君は登場人物の性格や

プロフィール等の細かいところまで記していた…

読みやすくていいんですが…

 

「これって穂乃果の事ですね…」

 

登場人物の欄に6人の女の子が書かれていた。

1人は太陽のように明るくて考えるより

まず行動をする女の子…

これは穂乃果そのものだった…

 

「私の推測からだと…」

 

私が見た夢の中でも

璃夢という女の子は出てきました…

そこで登場人物のヒロインを璃夢に

当てはめて考えてみる。

そこで導き出した答えは……

 

「悠里君がいるのは神田明神の墓場でしょうか…」

 

直感なんて私らしくないですけど

ただ何となく分かるんです。

 

「…行ってみましょう」

 

現在の時刻は18時30分。

私は急いで神田明神に向かう事にした。

 

 

 

 

 

ーー神田明神ーー

 

 

 

 

 

「静か過ぎます…」

 

神田明神に着いたのは

いいんですが……

 

「隠し通路って何処なんでしょう?」

 

確か境内の何処かに、

墓場に続く隠し通路があるって

『青い本』にも書いてありました。

私が隠し通路を探そうとすると…

 

「…そこの人、誰?」

 

背後から低い声がしたので

立ち止まり振り返ると……

 

「心結君…?」

「…なんだ、海未さんですか」

 

今日デパートで出会った

不思議な雰囲気を出している男の子、

心結君だった…

 

「…何しに来たんですか?」

「わ、私は散歩に…」

 

淡々とした声で私に聞く心結君の左目は

何かを探るような感じだったので

私は嘘を言おうをしましたが…

 

「嘘ですね」

 

アッサリと見抜かれてしました。

でも……

 

「心結君は、どうしてここに?」

「…ここに用事があるからです」

 

心結君の言い方には何か含みのあるような

感じがします。もしかして悠里君の居場所も

知っているのでは……

そう思った私は心結君に聞く事にした。

 

「あの、悠里君はここに来てますよね?」

「…それを聞いてどうするんですか?」

 

途端、心結君は警戒心を出しながら

私に言ってきた……

そして…

 

「…確かに悠里兄は()()()()よ」

「教えてください!!、悠里君は何処にいるんです!?」

 

その言葉を聞いた瞬間、

私は心結君に詰め寄っていた……

 

「…なら証拠を見せてください」

「えっ……?」

 

証拠って一体何の事なんでしょう?

私は疑問に思いましたが、

心結君の次の言葉で理解する…

 

「知らない人に悠里兄の過去を安易に触れて欲しくないので」

 

その意味は直ぐに分かった。

今日出会った心結君からしてみれば見知らぬ人に

悠里君の過去に土足で踏み入れるような事はするな。

つまり要は私が悠里君の幼馴染みである事を証明すればいい…

でも何を見せればいいのでしょうか?

身分証明書は信用性が低いですし…

 

「あ、ちょっと待っててください?」

 

ふと思い出したのは、

『青い本』である。

私はバックから『青い本』を取り出し

心結君に見せる……

 

「これじゃダメですか…?」

「……」

 

心結君は『青い本』を取ると

ページをめくりながら私を見る。

 

「分かりました。悠里兄がいる場所まで案内します…」

「ほ、本当ですか!?」

「…はい。僕についてきてください」

 

そう言うと心結君は

歩き始めました。

私は置いて行かれないように

早歩きでついて行きました。

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神境内、森の奥ーー

 

 

 

 

 

 

「こんなところに道があったなんて…」

「…地元の人でも分かりませんから」

 

私と心結君は、

神田明神の境内の森を歩いているのですが

隠し通路の場所が本殿の近くにある

小さな社が入り口だったんです…

お地蔵様でカモフラージュしてあったので

全く気づきませんでした……

 

「悠里君は毎年来てるんですか…?」

「…そうですね、僕もですけど」

「心結君が会いに来てる人って……」

「…その本の最終章の前に答えがありますよ」

 

言われるままに『青い本』のページをめくる。

そこに書かれていたのは

『家族』、『ヒロインの妹』……

 

「…まぁ早い話、()()()()()()()()()()()()

「じゃ、じゃあ『ヒロインの妹って』……」

「……」

 

心結君は何も言わず黙ったまま。

つまり心結君の初恋の女の子…

更に『ヒロインの妹』というのは

璃夢の妹という結論が出る…

 

「…ちょっといいですか?」

 

少し小さい広場に着き

心結君は少し華やかな墓石の方に

向かった。

…誰かのお墓でしょうか?

 

「心結君、これは誰のお墓なんですか?」

「…()()()のお墓です」

「えっ……!?」

 

心結君は今なんて言った?

すると私の表情が分かったのか…

 

「…海未さん、これが証拠です」

 

手招きをしていたので

私は墓石の近くに行く…

 

「…動揺しないでくださいね?」

 

心結君は墓石に設置してある

スイッチのような物を押した。

すると墓石が動きだした…

代わりにカプセルのような形状に

変化した。

そこで私が見たのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安らかな表情で眠ってる花怜だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「か、花怜……?」

 

どう、してこんな……

 

「花怜姉の遺体は世間から揉み消される可能性が

あったので、それを回避する為に悠里兄が

この場所を選んだんです。」

 

悠里君は花怜を助けるために殺したと

花怜が言ってましたが、遺体がどうなったかは

私達は知らなかった……

 

「…ティア姉達も知ってますよ。この場所は」

 

スイッチを再び押し

墓石に戻しながら

心結君は呟いた……

 

「……こっちですよ」

 

穂乃果とことりに何て言えば……

私は心結君のあとをついて行きながら

悩んでいた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー神田明神、森の奥の大広場ーー

 

 

 

 

 

 

「ここが……」

 

着いた場所は

さっきよりも敷地が広い場所だった。

 

「…悠里兄を呼んで来るので待っててください」

「あ、はい……」

 

本当は私も行きたかったのですが

今は行ってはいけない気がしたので

心結君の言う事を素直に聞く事にしました。

そして心結君は森の奥に消えた…

 

「きっと聞いても……」

 

答えてはくれないと思う。

本当は何があったのかを聞きたい。

けど無理に聞いてしまったら

悠里君を傷つけてしまいそうだから…

 

「…みーちゃん?」

「えっ……」

 

ふと聞いた事がある声…

振り返ると悠里君がいた…

私は何も言わずに悠里君に近づく。

 

「…あの」

「心配、したんですよ…」

「…いなくなった理由、言わなきゃダメ?」

「悠里君が言いたくないなら無理に言わなくていいです」

 

私が悠里君に伝えてあげるべき言葉は

これが最善なんじゃないかと思う。

 

「…みーちゃん、ありがと」

 

そう言ってくれるだけでも

私は嬉しいんです…

だから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もう悠里君の傍を離れませんからね……)

 

 

 

 

 

 

 

今日の出来事は忘れてはいけない。

ヒントは段々と分かってきました。

きっと答えは他の誰でもない

私自身にしか分からない事ですから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




敢えて何とも言えない
終わり方にしたのは
ちゃんと理由があります。
2期が終わった後のストーリー
『高校3年生編』で海未ちゃんが
主役の章で必要な事なので
このような話で終わらせました。
次回もよろしくお願いします。


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