ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。
予告通り視点は、
海未ちゃんになります。

それではどうぞ。


第109話 12月12日 夕方

えっと…

今の時間って

こんにちはでいいのでしょうか…?

園田海未です。

私は今デパートに来ています。

 

「はぁ…」

 

私が溜息を吐くのには

理由があるんです。

それは…

 

「悠里君が欲しい物が全く浮かびません…」

 

今日は12月12日。

つまり悠里君の誕生日なんですが

何を渡そうかと思いデパートに来たのは

いいんですが…

 

「何を渡せばいいんでしょうか……」

 

さっきから同じ事ばかり

言ってる気がします…

だって全然浮かばないんですよ!?

しかも幼馴染みで初恋の人にですよ!?

誰か助けてくださいよぉ!?

 

「あら。ウミ」

「うぅ…何を渡せば…」

「ウミー?」

「兎も好きって前に言ってましたし…」

「もしもーし?」

「…やっぱり、うさ耳を私が付けて悠里君に…」

「……はぁ」

「ダメですっ///、流石にそういうのは……」

 

すると私の肩をトントンと軽く叩かれたので

振り返ってみると見知った顔がありました。

 

「百面相しながら何ブツブツ言ってるの…」

「ティ、ティア……?」

「それにしても珍しい物が見れたわ♪」

 

つ、つまりティアは……

 

「最初から見てたわよ?」

「いたなら声をかけてくださいよ!?」

「何回も呼んだのに気づかなかったウミが悪い」

「うぅ…///」

 

この後ティアに誤解を解きました。

ついでに穂乃果達には内緒にしてほしいとも

お願いしました。

 

「ティアはどうしてここに?」

「ユーリの誕生日プレゼントを買いに来たのよ」

「ティアもですか?」

「ユーリに本でもあげようかなって思ってね」

 

私とティアはデパートの5階にある本屋に来ています。

それにしても……

 

「本が多いですね……」

「新しくできた場所でね?、私も来るのは初めてなの」

「そうなんですか?」

「まぁね。あら…?」

 

するとティアは立ち止まり

本を選んでいると思われる

年下の男の子とみられる子を

ジッと見ていました。

 

「あの子、もしかして……」

「ティアの知り合いなんですか?」

「確証はないけど、ちょっと近くに行ってみましょ?」

「えっ!?、ちょっとティア!?」

 

ティアってこんなに好奇心旺盛でしたっけ?

私はティアの後を追いかけると……

 

「…なんか視線がって、ティア(ねぇ)?」

「やっぱりココロだったのね」

「…声かけてくれればよかったのに…」

「人違いだったら嫌でしょう…?」

「…それもそだね」

 

えっと、会話に入りにくいです…

すると私に気づいたのか……

 

「…あ。どうも葉月心結(はづきこころ)です…」

「そ、園田海未です……」

「ウミなんで畏まってるのよ……」

 

いえ。この子から未柚ちゃんと同じ

雰囲気を出してたのでつい…

 

「そういえばココロ?」

 

ティアは心結君に気になった事が

あったのか……

 

「ここ、警備員が多いのは気のせい?」

「気のせいじゃないよ。

前に()()()()があったから

警備を強化してるみたいだよ。

ぽやぽやした女子高生が解決した

って警備員の人が言ってた。

…まぁ僕もさっき聞いたんだけどね」

「あら。そうだったの」

 

…心結君。今とても物騒な事を

淡々と言いませんでしたか?

ティアもティアで平静を装ってますけど……

 

「もしかして解決したのってルナだったり?」

「…ティア姉、当たり」

「やっぱし……」

「…瑠菜姉だし、そこは許容しようよ」

 

溜息を吐いているティアを

心結君が宥めていました……

 

「そういえばココロ、今年はミユの喫茶店の

お手伝いとかは行くの?」

 

えっ?、未柚ちゃんの?

 

「…未柚姉(みゆねぇ)から電話がきたら行くよ?」

「あら。じゃあ今年も忙しくなりそうね?」

「…どうせティア姉も行くんでしょ?」

「ユーリ次第ってところかしら」

「…悠里兄は多分、行くんじゃない?」

 

2人の会話から察するに

悠里君は去年も未柚ちゃんの喫茶店の

お手伝いに行ってたみたいです…

 

「…じゃあティア姉、僕は行くね?」

「あら、どこか行くの?」

「色々と。それでは海未さん、失礼します」

「あ、はい……」

 

そう言うと

心結君は下の階に行ってしまいました。

なんて言えばいいんでしょうか……

 

「不思議な子ですね…」

「あの子を一言で表現するとそんな感じかしらね」

「ティア、心結君って右目が悪いんですか?」

 

私が見た時、

心結君は右目に眼帯を付けていました。

更に左側の髪をサイドテールに結んでいた。

なんとなくですが未柚ちゃんだけでなく

悠里君にも雰囲気が似てた気がします……

 

「あの子も色々あるのよ…」

「そ、うですか…」

 

恐らくこれ以上は

聞いてはならないのであろう。

ティアの目を見て分かった。

すると携帯電話の着信音が鳴った…

 

「ことり?」

 

画面を確認すると

電話の相手は、

ことりだった……

 

「もしもし?」

『海未ちゃん大変なの!?、ゆーくんが!!』

 

電話の向こうで、

ことりが慌てていた。

 

「落ち着いてください、どうしたんですか?」

『ゆーくんが行方不明になっちゃったの!!』

「…えっ?」

 

行方不明?

悠里君、が……?

 

『ことり達も捜してるから、海未ちゃんも

ゆーくんが行きそうな場所を捜して!!』

 

それだけ言うと

ことりは通話を切った…

 

「ウミ、すぐ捜すわよ!!」

「でも悠里君が行きそうな場所って…」

「今カレンとルナから連絡がきたけど、

説明は後でするわ!!」

 

どうしてこうなってしまったのか…

私とティアは走りながら

そう考える事しかできなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回で『悠里の誕生日編』は
最後になります。
頑張りますのでよろしくお願いします。

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