ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。
予告通り視点は、
ことりちゃんになります。

それではどうぞ。


第108話 12月12日 昼

私は今、走っていた……

 

「はぁ…、はぁ…」

 

正直こんな休日に走ったのは

初めてかもしれない……

 

「ゆーくん、どこなの……?」

 

ゆーくんを捜してるのには

理由があったから…

きっかけは穂乃果ちゃんからの電話だった。

 

 

 

 

 

 

ーー2時間前ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は、

ゆーくんの誕生日♪

この日ことりは穂乃果ちゃん達に内緒で

1人で出かけていた。

実は瑠菜ちゃんも一緒に行く事に

なってたんだけど瑠菜ちゃんが寝坊して

遅れるから先に行っててっていう連絡があったの。

 

「時間まで喫茶店で瑠菜ちゃんを待とうかな」

 

私は携帯電話を取り出し

瑠菜ちゃんに、昔行ってた喫茶店で

待ってるね?とメールを送った。

しばらくすると返事がきた。

 

 

 

 

 

 

 

差出人:明美瑠菜

 

件名:今行くね~

 

日付:12/12 11:00

 

メールありがと~。

昔行ってた喫茶店でいいんだね?

ことりちゃん~、席取っておいて~

あ、もし相席しかなかった場合は、

ことりちゃんに任せるよ~

 

 

 

 

 

 

 

って内容だった。

う~ん、相席かぁ…

流石にならないと思うけどなぁ…

瑠菜ちゃんのメールに苦笑いしながら

私は喫茶店に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー喫茶店ーー

 

 

 

 

 

 

「あ、あれぇ…?」

 

えっと…

今、喫茶店に着いたんですが

予想以上に人が多いです。

すると店員さんが…

 

「いらっしゃいませ。1名様ですか?」

「えっと2人なんですけど、1人が遅れると…」

「2名様ですね?、少々お待ちください。」

 

空いてる席を確認しに行ったのかな?

でも結構、満席っぽいし……

そんな事を考えていたら店員さんが戻って来た。

 

「申し訳ありません…、相席で良ければご案内しますが…?」

 

よりによって相席だった。

でも相席の人に迷惑なんじゃ…?

すると私の表情が分かったのか…

 

「常連の子ですから、大丈夫ですよ?」

 

店員さんが笑いながら言った。

うーん、でも瑠菜ちゃんは私に任せるって

言ってたし……

よし…

 

「じゃあ相席でお願いします。」

「かしこまいりました。こちらへどうぞ」

 

案内された場所は外のテラスだった。

この辺りの席、初めてかも……

 

「あ、お客様。相席のご協力ありがとうございます。」

「…いえ。気にしないでください…」

 

店員さんと話してる子は、

右目に眼帯を付けていて

不思議な雰囲気を出している。

更に左側の髪をサイドテールに結んだ

ちょっと変わった男の子だった…

 

「では、お決まりになりましたらお呼びください」

「あ、はい……」

 

とりあえず席に座る。

それにしても、この子って年下だよね…?

すると私の視線に気がついたのか

メニュー表を渡してきた。

 

「…ごめんなさい、気が利かなくて…」

「あ、ううん全然気にしてないよ!?。」

「…そうですか。ならいいですけど…」

 

ど、どうしよう~!?

この子の表情が分からないよぉ~……

未柚ちゃんと同じオーラが放ってるから余計に…

うぅ~、瑠菜ちゃん早く来て~……

 

「お~い。ことりちゃん~」

 

来たー!!

 

「瑠菜ちゃん、遅いよ~」

「ごめん~ごめん~、…あれ?」

 

すると瑠菜ちゃんは、

相席の男の子をジッと見る。

すると視線に気がついたのか…

 

「…瑠菜姉(ルナねぇ)?」

 

と言った。

…えっ?

 

「あ~!、やっぱり心結(こころ)だ~♪」

「えっ!?、瑠菜ちゃん知り合いなの!?」

「うん~♪、わたしの弟だよ~♪」

「弟!?」

 

瑠菜ちゃん、弟いたんだ…

 

「…()()()()()()の間違いでしょ?、瑠菜姉…」

「え~?、似たようなもんでしょ~?」

「…あ。葉月心結(はづきこころ)です…」

「み、南ことりです…」

 

なんでだろう?

やっぱり雰囲気が未柚ちゃんに似ているから

畏まっちゃうのかな……?

 

「ところで瑠菜姉、今日はお出かけ?」

 

瑠菜ちゃんが席に座ると、

心結くんが瑠菜ちゃんに聞いてきた。

 

「うん~、ゆうくんの誕生日プレゼント買いに~」

「…あぁ。悠里兄のね…」

「心結は~?」

「今から1人でちょっとね…」

 

そう言うと

心結くんはテーブルに置いて

あった会計伝票を取り…

 

「じゃあ僕は行くから…」

 

あれ?

あれって私達の伝票だよね…

すると瑠菜ちゃんが…

 

「心結~、わたし達の分も?」

「…うん。気にしないで…」

「えっ、でも心結くんに悪いよ…」

「ことりさん、細かい事は気にしないでください…」

 

そう言い残すと

心結くんは帰ってしまいました。

なんか…

 

「不思議な子、だね…」

「まぁ心結にも色々あるから…」

 

突然、瑠菜ちゃんの口調が変わった。

 

「心結も、ゆうくんと同じだから……」

「えっ?」

「なんでもないよ~」

 

…あれ?

いつもの瑠菜ちゃんに戻った…

そして30分くらいして私達は

喫茶店を出た。

 

「じゃあどこで買う~?」

「えっと…」

 

そんな時だった……

 

「電話かな?」

 

携帯電話の着信音が鳴ったので

画面を確認すると穂乃果ちゃんからだった…

 

「もしもし?」

『あ、ことりちゃん!?、大変だよ!!』

 

電話の向こうでは穂乃果ちゃんが

かなり慌てた様子だった…

一体どうしたんだろうと思った。

 

『ゆうちゃんがいなくなちゃった!!』

「えっ…!?」

 

いなくなった?

ゆー、くんが…?

 

『今、花怜ちゃんと2人で捜してるの!!

ことりちゃん、ゆうちゃんが行きそうな場所を捜して!!』

 

それだけ言うと

穂乃果ちゃんは通話を切った…

 

「…どうしよう、瑠菜ちゃん」

「さっき花怜ちゃんから念話がきたんだけど、

説明は後でするから、ゆうくんを捜すよ!!」

 

瑠菜ちゃんの表情は真っ青だった…

たぶん花怜ちゃんから詳しい内容を聞いたんだ。

だけど…

 

(嫌な予感しかしない…)

 

私達2人は、

ゆーくんが行きそうな場所を

手分けして捜す事になった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回の視点は、
海未ちゃんになります。
暗い話が続きますが、
次回もよろしくお願いします。

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