ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回の話は『悠里の誕生日編』です。
前回の予告通り、とにかく暗いです。
最初は悠里の視点になります。

それではどうぞ。



第106話 12月12日 明朝

懐かしい夢を見た……

 

「ねぇねぇ悠里君、これ見て♪」

 

女の子は嬉しそうに僕に言う。

 

「もう!、聞いてるの!」

 

僕が聞いてないと見えたのか

頬を膨らませながら言った…

なので僕は…

 

「聞いてるよ、どうしたの璃夢ちゃん?」

「私がライブで歌ったCDができたって♪」

「ほんと!?、凄いや!」

 

あぁ、そうだった……

最初はアイドルとして歌えるだけで充分だったのか

いつの間にかCDができて……

 

「そ、それでね、えぇぇと……///」

「璃夢ちゃんー、具合でも悪いのー?」

「あ、あのね?…、こ、これ!!」

 

顔を赤くしながら1枚のCDを僕に渡してきた。

 

「悠里君にあげる///」

「え、いいの……?」

「いいの!、私が悠里君にあげたいの///」

 

この時の僕は凄く嬉しかったけ……

 

「うん。僕、大事にするね!」

 

こう言うと決まって……

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへ♪、私は、そんな悠里君の笑顔が……」

 

 

 

 

 

そこで視界は暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーピピピッ!、ピピピッ!ーー

 

 

 

 

 

 

 

けたたましく鳴り響き渡る

目覚まし時計を止める……

 

「そっか。今日は……」

 

僕はカレンダーの日付を見る。

今日は12月12日。

僕の誕生日であると同時に、

母さん達の命日でもある……

そして……

 

「……()()()()()()()()()()()()()

 

正直、自分の誕生日なんて

どうでもよかった……

ハロウィンの時に母さんが言ってたけ……

 

『母さん達の事はいいから今年は璃夢ちゃんに会ってあげなさい?』

 

僕は去年、一日中ずっと墓場で過ごしてたけど

花怜ちゃん達に見つかって説教されたんだよね……

この話には続きがある。

実は夜中に璃夢ちゃんに会ってきた。

そこで残りの1日を過ごした……

 

「…行こうかな」

 

準備は昨日の内に済ませてある。

時刻は午前3時45分……

この時間は寝てる人が多い筈だから僕にとっては好都合。

だから敢えて目覚まし時計を、この時間にセットしておいた。

あとは……

 

「携帯電話は置いて行こう……」

 

これは去年もやった。

けど花怜ちゃん、ルーちゃん、ティアちゃんに

見つかってしまった。

……何故かって?

 

「……怒るよね、絶対」

 

今からやろうとしてるのは、

花怜ちゃんとの念話の拒否……

正確には()()()()()()()()()……

これを行うと花怜ちゃんでさえ僕が今どこに

いるのかでさえ完全に分からなくなる。

 

「……ゴメンね」

 

現在休眠状態の

花怜ちゃんに僕は謝り

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーバシュッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繋がっていた何かが途切れる音が

僕の脳内に鳴り響いた……

遮断が成功したみたい。

 

「……いいんだ。自分の誕生日なんて」

 

玄関のドアを開け

外に出る……

やっぱり薄暗い……

今日は僕だけじゃなく()()()も来る。

僕にとっては弟のような子で

落ちこぼれの僕を悠里兄(ゆうりにぃ)と呼ぶ。

正直、そんな資格ないけどさ……

 

「早く行かなきゃ……」

 

まだ誰も起きてない時間…

僕は周りの人達を起こさないように

静かに目的地に向かう事にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




内容が少し短くなって
しまい申し訳ありません……
最後に悠里が呟いた『あの子』の
正体は『サンシャイン!!』の主人公です。
設定や容姿イメージも決まってますので
ひょっとしたら近々公開するかもです。
次回は穂乃果ちゃん視点になります。
暗い話が続きますが、
次回もよろしくお願いします。

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