ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はサブタイ通りの
内容になっています。
前回の予告通り、
視点は海未ちゃんです。

それではどうぞ。


第101話 明かされる悠里の初恋の女の子

お、おはようございます…

そ、園田、う、海未です。

今日はですね?

ゆ、悠里君が遊びに来るんです……

 

「今は何時でしょうか…?」

 

昨夜は、

今日の事で中々寝付けず

何とか眠れたのですが……

 

「は、8時30分!?」

 

目覚まし時計を手に取り、

時間を見ると1時間も寝過ごして

しまいました……

すると部屋の向こうから……

 

「海未~?、まだ寝てるのですか~?」

 

お母様の声が聞こえたので

私はすかさず……

 

「い、今行きます!」

 

私は慌ててリビングに向かいました。

 

「お、おはようございます……」

「おはよう海未。あなたが寝坊なんて珍しいわね?」

「うぅ……///」

 

リビングに着くと

お母様が朝食を作っていました。

私は席に座る。

 

「あの、お父様は……?」

「道場にいるわ。もう少しで戻って来ますよ」

「珍しいですね、お父様が……」

 

お父様は武道をやっています。

私も小さい頃からやっているのですが

未だに勝てません……

私も越えられるように精進しなければ!

あ。話が逸れてしまいましたが、

いつも、この時間には

お父様は先にリビングにいるのですが

今日は戻ってません。

疑問に思っていると、お母様が……

 

「悠里くんが来るからかもしれませんよ?」

「悠里君が……?」

「あの人、悠里くんに負けた事を根に持ってるのかしらねぇ…」

「えっ!?、お父様が!?」

「あら?、海未は知らないの…?」

「初耳ですよ!?」

 

お母様は平然とした顔で

知らなかったの?と

言いたげな表情をしていました。

 

「まずどうしてそんな経緯になったのですか!?」

「それはねぇ…」

「戻ったぞ」

 

お母様が説明しようとした時、

丁度お父様が道場から

戻ってきました。

むぅ……

 

「海未。どうした?」

「むぅ…」

「あなたがタイミング悪いからですよ…」

「俺が悪いのか?」

「ほら、海未も拗ねないの」

「……はい」

 

拗ねてたつもりはないんですが…

私は、お母様が作ってくれた

朝食を食べる事にしました。

 

「そう言えば、何の話だったんだ?」

「あなたが昔、悠里くんに負けた事ですよ…」

「あぁ、その話か。懐かしいな…」

 

お父様が理由を聞いた途端、

お母様が説明をすると、

納得したかのように懐かしんでいました。

 

「海未、今日まで知らなかったみたいで……」

「なるほどな……」

 

お父様は苦笑いしていました。

 

「どうしてそんな事になったのですか?」

「海未。小さい頃に稽古の時間が多かったのは覚えてるか?」

「あ。はい……」

 

小さい頃、

私は家の跡を継ぐ為に

稽古の時間が多く穂乃果やことりと

遊ぶ時間が、あまりありませんでした。

それと何の関係が…?

 

「それを見かねた悠里くんが、

海未がいない時を狙って訪ねて来てな……」

「私がいない時ですか…?」

「小さい子供が竹刀を片手に、

道場破りよろしくという感じだったな……」

 

そんな悠里君、想像ができません…

 

「それって、いつ頃なんですか?」

「お前が悠里くんと会って2週間くらいだぞ?」

「藍里ちゃんと悠人さんも一緒だったわね。」

「全員で驚いたな。悠里くんの強さに……」

「あなた、開始5分で負けたわよね」

「か、開始5分ですか!?」

 

正直、信じられません……

いくら何でも

お父様が手加減するとは思えませんし……

 

「あれは確か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー回想ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時は忘れもしないな。

ちょうど悠人と藍里が家に遊びに来た時だな。

 

「こんにちはー♪」

「どうも…」

「藍里ちゃん、悠人さん。いらっしゃい」

「2人共、変わらずで何よりだ」

 

確か、この時は

道場で悠人と勝負する約束だったな。

あいつとは武道を鍛えあう仲だったからな…

 

「しかし悠人。どうした?」

「……何がだ?」

「お前が自分から本気の勝負をして

ほしいと言うとは珍しいと思ってな……」

 

悠人は自分から勝負しようと

言う奴じゃないのは昔からの事だ。

過去の大会でも目立った戦績はないが

特に玄人の選手に注目される。

俺も悠人の実力は認めている。

 

「……完膚泣きに負けてしまって自信無くした」

「は?」

 

今こいつは何て言った?

 

「言っておくが、藍里じゃないぞ……」

「じゃあ誰だ?。該当するのが藍里しか思い浮かばん」

「悠里に負けた」

「お前と藍里の息子だよな。うちにも娘がいるが……」

「そうだ。本気でやって負けた。ちなみに藍里もだぞ?」

「信じられん……」

 

ふむ。

そう言えば海未が

男の子の友達が出来たと言っていたが……

 

「悠人さーん」

「…藍里?」

 

道場の入り口を見ると

藍里がニヤニヤした表情で俺達2人を見てきた。

すると……

 

「可愛い道場破りが来たわよー♪」

「「おい待て。今なんて言った!?」」

 

あいつ、サラッと道場破りが来たと

言ってなかったか!?

すると道場に入って来たのは、

海未と同い年くらいの子供だった。

 

「…悠里?」

「どーじょーやぶりにきましたー」

「悠人。まさかこの子が……」

「…ああ。さっき話した俺と藍里の子供の悠里だよ」

「藍里に似すぎないか?」

「…それは同意だ」

 

するとトコトコと

俺と悠人のところに

来た悠里くんは……

 

「しょーぶしてください!」

「それは構わないが……」

「僕が勝ったら、おねがいがあります!」

「分かった。受けてたとう」

 

すると悠人は……

 

「…いいのか?」

「お前の子供の実力が知りたくてな」

「…悠里が勝った後の事もか?」

「俺もやすやすとは負けんよ」

 

そんな感じで

悠里くんと勝負する事になった。

いつの間にか妻や藍里が来ていた。

 

「悠里ー。怪我しないようにねー?」

「はあーい」

「はう♪、カメラ持って来ればよかったわ…」

「藍里ちゃん、このカメラ良ければ使う?」

「っ!?。使う!、いや使わせて!」

「はい。どうぞ」

「これでアルバム40冊目がコンプリートできる♪」

「…はぁ」

 

というか藍里の奴、

親バカになってないか……?

アルバム40冊目って……

あ。悠人も慣れたという表情してるな…

 

「悠里くん。準備はいいかい?」

「だいじょーぶです!」

 

しかし変わった持ち方を

するな……

竹刀を逆手に持つとは…

悠人や藍里も順手持ちだというのに……

 

「それでは、始め!」

 

掛け声が始まった瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーバシュ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい1本。悠里の勝ち」

「わーい!」

 

俺は正直、何が起こったのか

分からなかった。

すると悠人が……

 

「…この写真見てみろ」

 

恐らく藍里が撮った物だろう。

写真を見てみると、悠里くんが

小手先の部分を的確に打っている所だった。

あんな一瞬で……

 

「俺の負けだ。お願いとは何かな?」

「みーちゃんのお稽古の時間を減らしてください!」

「海未の?」

「みーちゃん、友達と遊ぶ時間が少なくて

さみしいって前にいってたんですー」

 

……なるほどな。

娘の自由時間を増やしてほしいと

いう願いか。

 

「分かった。約束しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とまぁ。こんな感じだ……」

 

お父様が話し終わると

私の中で疑問が解決しました。

確かに、その次の日から

稽古の時間がかなり減り

穂乃果達と過ごす時間も増えました。

 

「そう言えば海未?。悠里くんは何時頃来るの?」

「…あ。聞いてませんでした……」

 

お母様に言われて

思い出しましたが悠里君が

何時頃に来るか聞くのを忘れてました。

 

「ごちそうさまです。今から聞いてみます」

「あらあら♪、よっぽど楽しみなのね?」

「そ、それは…」

「俺は悠里くんなら任せてもいいぞ?」

「お父様まで///」

 

そ、そういうのは

まだ早いです……///

告白すらしてないというのに……///

 

「へ、部屋に戻ります!」

 

私は逃げるように

部屋に向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー海未の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうやって電話しましょう?」

 

今更ですが、

悠里君は、この時間は

起きているのでしょうか……?

時刻は、間もなく10時になる時間帯…

そんな事を考えていたら玄関のチャイムが

鳴った……

 

「海未ー?、悠里くんが来ましたよー?」

「ふぇ!?、は、はい!」

 

ちょ、ちょっと待ってください!?

私まだ着替えてませんよ!?

私は急いで着替え、玄関に向かう事に……

 

「み、みーちゃん大丈夫……?」

「大丈夫、です……」

 

玄関に着くと

悠里君が心配そうな表情を

していました。

原因は走ってきた私なんですけどね……

 

「悠里くん、よく来たな」

「みーちゃんパパ。お久しぶりです…」

 

すると、

お父様がやって来ました。

 

「今から道場に来てくれないか?」

「あ、はい……」

「あなた。いきなり過ぎますよ?」

「僕は大丈夫です…」

 

お父様と悠里君は

道場に向かって行きました。

すると、お母様が……

 

「気になるなら見てきたらどうです?」

「は、はい……」

 

私も気になるのは

事実なので道場に

行くことに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー園田家、道場ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、勝敗は……?」

「その事なんだが、昔と同じでいいぞ?」

「分かりました」

 

ここで私は疑問に

思った事があるので、

お父様に聞いてみました。

 

「…あの、防具は着けないんですか?」

「ああ。彼の覚悟を直で見たくてな…」

 

お父様は素振りをしている

悠里君を見ながら言いました。

 

「悠里くんのところに行ってあげたらどうだ?」

「は、はい」

 

お父様に言われ

私は悠里君のところに

行った…

 

「ゆ、悠里君!」

「……?」

「そ、その…///」

 

すると悠里君は

私の頭を撫でながら…

 

「…僕、頑張るよ」

「は、はい///」

 

そして悠里君は

お父様と正面から向かい合う。

 

「悠里くん、準備はいいかい?」

「…はい」

「海未。開始の合図を頼む」

「わ、分かりました」

 

私なんかが務まるのでしょうか……

ふと、悠里君を見ると

お父様が話してた通り竹刀を

逆手に持ちながら構えていた…

 

「始め!」

 

開始の合図を告げると、

悠里君は目にも止まらない速さで

接近していた。

お父様が竹刀を振りかぶると

いつの間にか悠里君は背後に移動していました。

 

(あ、あの構えは……!!)

 

ほんの一瞬だけ溜める構え……

あの構えは藍里さんが得意としていた

相手に休む隙を与えない連撃の構えだった。

 

「……絶連牙(ぜつれんが)

 

あの技の特徴は、

受けきれば、お父様が勝ち

もしできなければ悠里君が勝ち

という分かりやすい極めてシンプルな

結果を要求する技だった……

 

 

 

 

 

 

ーーバシンッ!!ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お父様の竹刀が完全に弾かれ

悠里君が竹刀を突き付け……

 

「……僕の勝ちです」

「悠里くん、強くなったな…」

「…そんな事ないです」

 

勝敗は悠里君の勝ちになった。

私は悠里君の元に行き……

 

「悠里君かっこよかったです///」

「……あ、ありがと」

 

すると、お父様が……

 

「いやー。若いってのはいいな。

俺もそんな時期に戻ってみたいな……」

 

この後も

散々からかわれました……

うぅ。悠里君の前で恥ずかしいです…///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー海未の部屋ーー

 

 

 

 

 

 

夜になり悠里君が帰った後、

私は今日の事をノートに書いていました。

何故かは分かりませんが、

そんな気分だったんです…///

 

「そろそろ寝ましょうか……」

 

時刻は、22時45分。

時間が過ぎるのは早いですね…

ふと、傍に置いてあった

『青い本』に目がいく……

 

(何でしょう、この嫌な感じは…)

 

昨夜に見た夢は、

藍里さんが血まみれになりながら

誰かを捜して…

その誰かは恐らく悠里君の事……

この夢も、本に書いてあったのと

全く同じだった…

私は不安になりながらも目を閉じた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、神田明神の近くにある

墓場でしょうか……?

私が夢の中で目覚めた場所は

神田明神の近くにある、

墓場だった…

ここは綺麗な湖や亡くなった人へと

花畑がある場所だった…

今はどうなってるかは分からないですが……

 

 

 

 

ーーキンッ!!、キンッ!!ーー

 

 

 

 

 

後ろで刃物のような金属音がしたので

音を頼りに近寄ってみると

そこにいたのは……

 

(悠、里君……?)

 

悠里君がプラスチック型の刀を逆手に

持ちながらフードで顔を隠した男と戦っていた…

次の瞬間……

 

「目障りだ!、とっととくたばれ!!」

「っ!?」

 

男の掌底を直撃してしまい

悠里君は地面に叩きつけられた……

 

「キサマアアアァァァ!!!!!!」

 

すると、

何処からか怒号が聴こえた

その声の主は男の背後を捕らえていた…

 

「っ!?、ちぃ!!」

 

背後の殺気に気づいた男は

寸前のところまで回避した……

 

「あの女!、ここまで来やがったか!」

 

その少女は男の言葉を無視し、

倒れている悠里君の傍に駆け寄った。

 

「悠里君っ!!、悠里君っ!!」

「…璃夢(リム)、ちゃん…?。なん、で…」

「…私、言ったでしょ?。ずっと傍にいるって……」

 

()()と呼ばれた少女は、

自分が血まみれになってるにも関わらず

悠里君の事を心配していた……

 

「おい女、俺を無視するとはいい度胸だな!」

「………」

「…るさいわね」

「ああ?」

 

私は、その少女の目を見て

恐怖を感じた。

何故なら……

 

()()()()()に何の恨みがあるの……?」

 

その目は最近、

見たばかりの目……

悠里君が自殺未遂を起こす時の

狂気的な目だった……

 

「そんな落ちこぼれ死んで当然だ!

それとも夜月(よづき)の人間がおかしいのか?」

 

その言葉を聞いた瞬間、

少女の目が更に変色した……

以前、ことりや瑠菜のような

()()()()()()()()()ではなく、

更にドス黒い()()に変わる……

 

「……コロス!!、コロス!!、コロス!!!」

「な、なんだこいつは……」

 

そして再び倒れていた

悠里君を傍に行き…

 

「悠里君は私が守るから……」

 

自分の武器と思われる

パン切り包丁を2本を持ち……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()にこれだけの怪我をさせた事

……アンタ、死ぬ覚悟はできてるんでしょうね!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を最後に

視界が暗くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悠里が海未の家に
遊びに来た回を執筆してみました。
そして最後に悠里の初恋の子を
ちょっとだけ出してみました。
このオリキャラは2期が終わった後の
ストーリーでの海未編で関わらせる予定です。

最後のオリキャラ、夜月璃夢(よづきリム)プロフィール

誕生日:悠里と同じく12月12日、いて座

享年:12月12日、12歳

血液型:A型

容姿イメージ:『怪談彼女』の黒川夢乃

性格:出番が来たら解禁(お分かりの方もいると思いますが…)

彼女の脳内思考:9割は悠里の事、残り1割も悠里の事

一人称:私

この子が最後のオリキャラです。
出番が来たら、「あ。璃夢(リム)だ!」という
感じでお願いします。
次回もよろしくお願いします。

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