ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の予告通り、
今回は海未ちゃん視点になります。

それではどうぞ。


第96話 海未、お見舞いに行く

園田海未です。

私は悠里君の

お見舞いに病院に来ています。

 

「悠里君、無理してないでしょうか・・・」

 

昨日、ことりが

お見舞いに行った後に

電話で穂乃果と一緒に聞いたのですが

悠里君は怪我が完治してないのにも

関わらず、最終予選のライブを

観に来てくれた事を聞かされた時は

二重の意味で驚いてしまいました・・・

 

「13号室、ここですね・・・」

 

私は入る前に、

どんな顔をして入ればいいか

一瞬、躊躇ってしまいましたが

いつも通りに入ろうと決め、

病室のドアを軽く叩いた・・・

 

「あ。ど、どうぞ・・・」

 

聞こえてきたのは

ほんの少しだけ慌てた声をした

悠里君の声でした。

私が中に入ると・・・

 

「ぁ、みーちゃん・・・」

「悠里君、体調はどうですか・・・?」

「あまり無理しない程度なら大丈夫・・・」

 

私が隣に座ると

悠里君は何かを作っていました。

形状から見て、アクセサリーでしょうか・・・?

 

「悠里君、何を作っているんです?」

「誕生日プレゼントかな・・・」

「誰かの誕生日なんですか?」

 

私が疑問に思いながらも

聞くと、悠里君は苦笑いをしながら・・・

 

「その子の誕生日が1()()1()()なんだけど、

その日ってもう元日でしょ?

だから毎年、この時期にプレゼントは何がいいか

考えてるの・・・」

 

その時の悠里君の目は、

喜んでくれたらいいなという

優しい目でした・・・

 

「僕ね?、女の子が喜びそうな物とか

分かんないから、結局その子のイメージに

合いそうな物をあげてるんだよね・・・

花怜ちゃん達に聞いても、僕があげた物なら

喜んでくれるよしか言ってくれないし・・・」

 

悠里君は落ち込みながら

自分には女の子が喜びそうな

物が分からないと言います。

ですが、私から見たら

花怜と同じ事を言うと思います。

実際、穂乃果は悠里君から貰った

キーホルダーを片時も離さず持っていましたし。

 

「ちなみにコレなんだけど・・・」

 

そう言うと悠里君は、

私に作っている物を見せてくれました。

 

「これは、『髪留め』ですか・・・?」

「うん、安っぽくて笑っちゃうでしょ・・・」

「そんな事はないですけど、コレ光ってませんか?」

 

外見は何の変哲もない髪留めですが、

何故か宝石のように光っていました。

疑問に思っていると悠里君は・・・

 

()()()()()するの難しいね・・・」

 

・・・えっ?

今、悠里君は何て言いました?

私の聞き間違いでなければ、

この髪留めは、元は()()であり

更に悠里君が加工したという意味に聞こえます。

私は冷や汗をかきながら悠里君に・・・

 

「こ、これって、ほ、宝石なんですか・・・?」

「・・・そうだよ?」

「ち、ちなみになんていう・・・」

 

すると悠里君は

キョトンとした表情をしながら・・・

 

()()()()()()だけど・・・」

 

・・・悠里君は、

どうして平然としてられるのでしょうか?

私、聞かなかった方が良かった気が・・・

 

「・・・みーちゃん、大丈夫?」

「ゆ、悠里君。それって本物なんですよね・・・」

「うん、ティアちゃんと真姫ちゃんに調べてもらった。

2人共、顔が引き攣っていたけどね・・・

なんでだろうね?」

 

ティアと真姫が、そんな顔を

していたという事は本物みたいですね・・・

ま、まさかとは思いますが・・・

 

「ゆ、悠里君。もしかして穂乃果のも・・・」

「・・・あぁ、あれも宝石だよ?」

「ちなみになんていう・・・」

()()()()系だったかな・・・」

 

・・・穂乃果。

悠里君から貰った誕生日プレゼント

大事にした方がいいですよ・・・

 

「・・・ほのちゃんには内緒ね?」

「言えるわけないじゃないですか・・・」

 

そういえば悠里君は、

私が小さい頃に、手作りのブレスレットを

私の誕生日に渡してくれたのを思い出しました。

それだけじゃなく、私の誕生日に合わせて

お父様やお母様にもプレゼントを渡していましたね。

予想外のサプライズに、お父様とお母様も

感極まって泣いていましたし・・・

 

「あ、お見舞いの品。ありがとね・・・」

「えっ?」

「昨日の夜に、みーちゃんママ達が来てくれて・・・」

「お母様とお父様も悠里君の事を心配してましたから・・・」

 

私が悠里君が大怪我して入院してる事を

話したら、血相を変えていました。

特に、お母様が大慌てしたのは今でも驚いてます。

普段は落ち着いてますが、悠里君の事になると

人が変わったように心配性になります。

 

「・・・退院したら、みーちゃんの家に行っても大丈夫かな?」

「は、はい///、でも無理だけはしないでくださいね?」

「あー、うん・・・」

 

悠里君が退院したら

穂乃果とことりの3人で迎えに行こうと

決めてたんです・・・

また無茶するんじゃないか不安だったから・・・

そんな事を考えていたら面会時間の終わりが

近づいていた・・・

 

「では私は帰りますね?」

 

本当は悠里君と

もう少しだけ・・・

私の考えてる事が分かったのか

悠里君は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとね、みーちゃん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑顔で私に

言ってくれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お気づきの方もいるかもしれませんが
悠里が誰に誕生日プレゼントを作って
あげているかというと・・・
次回は穂乃果ちゃん視点になります。

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