ラブライブ!~忘れられた月の彼方~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の予告通り
今回は、ことりちゃん視点になります。
少し暗いかもしれません。

それではどうぞ。


第91話 その日の放課後 その4

ことりは、

瑠菜ちゃんと2人で

先に帰ってしまった

ゆーくんを捜しています。

だけど・・・

 

「ここにもいないね・・・」

「他の場所にいるのかな~?」

 

一見、瑠菜ちゃんは

ペースを崩してないように

見えるけど、目つきが鋭かった。

ゆーくんの事が心配だからだと思う・・・

 

「ねぇ。瑠菜ちゃん・・・」

「なあに~?」

「ゆーくんがワインを飲んでたって本当なの?」

 

ことりが聞いた瞬間、

瑠菜ちゃんは溜息を吐きながら・・・

 

「うん。飲んでたよ・・・

ゆうくん、目が真っ赤になるくらい

飲んでたからね・・・」

「でもなんで・・・?」

 

すると瑠菜ちゃんは・・・

 

「気を紛らわしたかったんじゃないかと思うよ。

ゆうくんだって人間だもん。

それに普通の人だったら精神崩壊を起こしても

おかしくないしね・・・

ゆうくん。あの日以来、

喜怒哀楽の『哀』しか見せなくなったから・・・」

 

言われてみれば、

ゆーくんの笑った顔なんて見てない。

学校でも常に寂しそうな表情ばかりだった。

 

「転入初日の時、ゆうくん笑ってた?」

「えっ・・・?」

「ことりちゃんの表情を見る限りだと、

ゆうくん笑ってないみたいだね・・・」

「ど、どうして?」

「あのさ。ことりちゃんさ・・・」

 

瑠菜ちゃんは

真剣な顔で、

ことりの目を見ながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんで瑠菜ちゃんまで

同じ事を言うの・・・?

 

「今日さ変わった事なかった?」

「そ、それは・・・」

 

瑠菜ちゃんは多分、

ことりが()()()()に会ったのを

知っている・・・

何故かは分からないけど、

そう感じたから・・・

だから私は・・・

 

「実は今日ね・・・」

 

瑠菜ちゃんに、

ゆーくんを保健室に連れて行ったあとの

出来事を全て話した。

 

「わたしと同じだね」

「えっ?」

 

瑠菜ちゃんと同じ・・・?

 

「わたしも中学1年の時に、ことりちゃんと

()()()()をして悩んでた。

もう1人のわたしは、ゆうくんの事を常に考えてて

逆に凄いなあ~って思ったの~。

ゆうくんが大怪我した日に、どうすればいいか

1人で考えた。わたし自身がどうしたいか・・・」

 

どうしたいか・・・?

 

「でも結局は、()()()()()()()()()()()()()

答えなんだよね~。わたしは見つけたけど~♪」

 

すると、ほんの一瞬だけ

もう1人の瑠菜ちゃんが視えた気がする。

なんで視えたんだろう・・・

 

「あ、ティアちゃんから電話だ~」

「ゆーくんが見つかったのかな?」

 

この時の私達は、

ゆーくんが見つかって良かったと

思っていました。

ティアちゃんの声を聞くまでは・・・

 

『ルナ!?、聞こえる!?』

「ティアちゃん?」

『ユーリが、ユーリが・・・!!』

 

ティアちゃんの声は

私達でも聞いた事ないくらい

慌てた声だった・・・

 

「落ち着いて。ゆうくんに何があったの?」

『さっきウミがユーリを展望台がある公園で見つけたのよ』

「それで?」

『ユーリが展望台の柵に乗って、そ、その後・・・』

()()()なんて言ったら、わたし怒るよ・・・?」

『・・・ええ。』

「近くに海未ちゃんはいるの?」

『ルナ、あなたまさか・・・』

「ちょっと海未ちゃんに代わって?。力ずくでも!!」

 

瑠菜ちゃんの目からはハイライトが消え

緑色の目が急に()()()()()()()()()()

に変わった・・・

 

「海未ちゃん、ゆうくんはどうしたの?」

『わ、私が止めようとしたら柵が割れて・・・』

 

電話越しに聞こえてきたのは

泣いている海未ちゃんの声だった・・・

 

「・・・展望台がある公園なんだね?」

『る、瑠菜。わ、私・・・』

「そこで待ってて。すぐ行くから・・・」

 

電話を切った瑠菜ちゃんは

近くにあった電柱に向かい・・・

 

「うあああああああああああああああああ!!!」

 

ことりでも聞いた事がないくらいの

叫び声で殴りつけていた。

地面には小さなクレーターができていた・・・

 

「る、瑠菜ちゃん。ゆ、ゆーくんは・・・」

 

そして瑠菜ちゃんは

顔も上げず俯きながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()って・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う、嘘・・・

ゆー、くん・・・?

 

「とりあえず展望台がある公園に行くよ・・・」

 

ことりには瑠菜ちゃんの言葉が

聞こえなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー展望台ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展望台に着くと

海未ちゃんとティアちゃんだけじゃなく

穂乃果ちゃん、花怜ちゃんもいた。

 

「・・・何があったの?」

 

瑠菜ちゃんが聞くと

花怜ちゃんが答えた。

 

『私と穂乃果ちゃんも今着いたばかりなんだけど

海未ちゃんが、ゆうり君が飛び降りたのを

見たらしいの・・・』

 

花怜ちゃんが目線を

海未ちゃんに向けると

海未ちゃんは泣いていた。

隣では穂乃果ちゃんも泣いていた。

大粒の涙を流しながら・・・

 

「うっ、うぅぅ・・・、ゆ、悠、里君・・・」

「ゆ、ゆう、ちゃん・・・」

 

私はここで、

信じたくない光景を

見る事になってしまった。

展望台の柵を見ると割れていて

近くに行くと血痕が付いていた・・・

 

「い、いやぁ・・・!!」

 

どうして今日まで

ゆーくんの傍にいてあげれなかった?

ち、違う!!。こ、ことりは・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう見てられないわ。あなた少し邪魔だから、

ゆーくんを助ける間、眠っててくれないかしら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

 

 

 

 

 

「こ、ことり・・・?」

「こ、とりちゃん・・・?」

 

海未ちゃんと穂乃果ちゃんが

私を見てくるけど、

正直どうでもよかった。

どうせ、あの2人が言ってるのは

()()()の事だと思うしね・・・

 

「あら意外ね。ルナ以外にも()()なんて」

 

ティアちゃんは

私と瑠菜ちゃんを見ながら

納得したように頷いていた。

 

『瑠菜ちゃん。ゆうり君の感情どんな感じか分かる?』

 

すると瑠菜ちゃんは

()が知ってる嫌な表情に

なってた・・・

 

「早く助けないとL()v()5()に移行しそうだよ・・・」

 

なら時間がないのも同じじゃない!

 

「まぁ、わたしは止めても行くけど・・・

()()()()()()も行くんでしょ?」

 

本当、瑠菜ちゃんには

敵わないわね・・・

ゆーくんと同じで・・・

 

『ことりちゃん、体に負担はないの?』

 

花怜ちゃんが

心配そうに私の事を見てくる。

 

「平気よ。むしろ花怜ちゃんは大丈夫なの?

ゆーくんの憑依体でしょ?」

『ううん。私より、ゆうり君をお願いね?』

 

やっぱり、花怜ちゃんは

()()()と同じで

自分の事より、ゆーくんの事を

考えてるわ・・・

私も見習いたいくらい眩しくて・・・

 

「じゃあ行こう~。ことりちゃん~」

「え、ええ・・・」

 

ていうか、

瑠菜ちゃん・・・

全然見分けがつかないわ・・・

目の色で判断するしかないじゃないの。

私は行く前に、

海未ちゃんと穂乃果ちゃんの方を向いた。

 

「ゆーくんを助けたら、2人が知ってる

()に戻るから、少しの間だけ

借りていくわね・・・」

 

そして私と瑠菜ちゃんは、

ゆーくんが落ちた辺りに向かって

柵が割れた展望台から飛び降りた・・・

 

(もう絶対に・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

あんな思いだけは・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バイバイ、ことちゃん・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆーくんに、

これ以上辛い思いなんて・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対にさせない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は、悠里が飛び降りた現場に
着くまでの流れ執筆してみました。
最後が、まぁアレですが・・・
どうかお許しください。
実は連載当初からやる予定だったんです・・・
次回は、ことりちゃんのターンになります。
一体どっちの
ことりちゃんかな?。かな?


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