俺ガイル短編SS集in炊飯器   作:EX=ZERO

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ラストです。


八幡「もしも俺の兄妹が小町じゃなかった場合」その3

take⑮ 南

 

八幡「おはようさん」

 

南「……。」スタスタ

 

八幡(我が妹は相変わらず冷たいですね)

 

八幡「……。」モグモグ

 

南「……。」ムグムグ

 

八幡(まあ俺が作った飯食ってくれるだけでもまだいいほう…か)

 

 

南「……ねぇ」

 

八幡「なんだよ?」

 

南「兄貴さ、この前学校で振られたみたいじゃない

  そういうのやめてくれる?うちにも話題が来てて正直キモいんだけど」

 

八幡「おまっ……そうか、いや…すまん」

 

南「なにが「すまん」なの?なんでうちの学校にまで広がってんの!?

  どんな告白の仕方したらあんな悪評まみれになんのよ!

  はぁ…なんでうちの兄貴がこんな馬鹿なんだか…嫌になる」

 

八幡「冗談でもそうでなくてもそういうのは本人の前で言うのやめてね」

 

八幡(どんなって言われても普通に告白して普通に振られただけなんですけど

   南ちゃんの中で俺の告白ってどんな悪魔の所業にランクアップしてるのん?

   折本さんなにしてくれちゃってんの、女子のネットワーク舐めてたわ…)

 

南「それとさ、今度の日曜友達遊びに来るから

  その間適当に外行っててくれない?キモイ兄がいるって思われると嫌だし」

 

八幡「へいへい…んで何時頃だ?朝だったらお断りだぞ、プリキュア見なきゃいかん」

 

南「ハァ!?キモっ…あんたいい年こいてなんつーもん見てんのよ!」

 

八幡「バカ野郎プリキュアはな、幼稚園児でも見てんだぞ?

   見てないお前のほうが遅れてるんじゃねえの?」ヘラヘラ

 

南「意味わかんないし!それに友達来るの午後からだから勝手に見てればいいでしょっ!」

 

八幡「お、おう…」

 

八幡(しかし、今時の女子っぽい頭悪そうな言葉遣いといい

   いつの間にか開けてるピアスといい、これは不良化とか始まってないか?

   お兄ちゃんなーんかちょっと心配だぞ?)ジー

 

南「っ!?

  ね、ねえちょっと…そ、そんな目でうちをみないでよっ…

  あ…う、うちもちょっと言いすぎたかもしれないけど…ひっ!?」ビクッ

 

八幡「あの、ちょっと南ちゃん?

   目を合わせただけで脅されたように振舞うのやめてね、別に怒ってないからね」

 

南「ほ、ホント…?うちの事お、怒ってない?」

 

八幡「俺がこの程度罵られたくらいで可愛い妹を怒ったりするかよ」ポンポン

 

八幡(だが俺は断じてマゾじゃない

   罵声罵倒されてもそれを上回って妹が可愛いだけだ)ナデナデ

 

八幡「ん?」

 

南「なっ…なななっ……///」▼頭撫でられてる

 

八幡「あ、いやすまんつい昔の癖でっ…」サッ

 

南「し、死ねっ!」ダッ

 

八幡「待て、話せばわかっ…はぁ」

 

八幡(そういや、親父にもこんな態度だったよなこいつ

   なんというか…あれだ、年頃の女は難しいな)

 

南(馬鹿兄貴馬鹿兄貴馬鹿兄貴馬鹿兄貴っ…!!!!)カァア...!

 

 

 

 

teke⑯ 相模

 

八幡「うし、俺の勝ちな」

 

相模「あちゃー、また兄さんの勝ちか 兄さんもう一回、もう一回勝負しよう」

 

八幡「おういいぞ、何べんでも相手になってやる」

 

 

相模「……。」

 

八幡「………。」

 

相模「そういや兄さん、この前部活に変な奴が出てきてさ」

 

八幡「部活ってたしか遊戯部だったか?」

 

相模「そうそう、なんかコート着た変なデブでさ

   言葉一つとっても痛すぎて正直きっついの、でさ、中身も似たような感じでお粗末なの」

 

八幡「よしわかった、可愛い弟の視界を汚すそいつをぶっ潰せばいいんだな?」ギロッ

 

相模「ま、待って待って兄さん怖いからっ!特にその目!ホラーゲームよりタチ悪いよ!

   そうじゃなくて、ただそういう事があって愚痴ってただけで…もう追い返したから!」

 

八幡(ひどい言われようだな、弟思いのいいお兄ちゃんをホラーゲー扱いか)

 

八幡「だだそう言う奴はしつこいかも知れないからな

   そいつが面倒だったときはちゃんと俺に相談してくれよ?」

 

相模「いや大丈夫だって、あのデブたぶんぼっちだからさ

   たぶん呼ぶ仲間もいないかわいそうな人だか…ら……」

 

 

八幡「……。」←ぼっちでかわいそうな人

 

 

相模「ご、ごめん兄さん……」

 

八幡(やめて、謝らないで…!余計に悲しくなるから)

 

八幡「あのな弟よ、別にぼっちが悪いことじゃない

   その証拠にあのゲームだって魔王を4人がかりでボコるより

   一人の勇者が魔王を倒したら王様だってそっちを褒めて褒美までくれんだぞ?

   相対的に言えばぼっちはカッコイイんだよ、決して悪じゃない」

 

相模「あー…なんだろ、そう聞くとなんか兄さんがかっこよく見えてきた」

 

八幡「だろ?」ニヤァ

 

相模「でもやっぱ僕は一人は嫌だね、友達一人もいないとか寂しすぎるよ」

 

八幡「……。」←友達一人もいない寂しい人

 

相模「ちょ、兄さん!?ハメやめて!そんなガチにならなくても…!」

 

八幡「………。」カチカチカチッ

 

相模(あ、これダメだ兄さんマジモードだわ…)

 

 

 

 

 

take⑰ めぐり

 

八幡「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……お兄ちゃんもうダメ死にそう…」グテーン

 

めぐり「ええっ…!?お兄ちゃん大丈夫…?」

 

八幡「めぐりぃ…お兄ちゃん疲れちゃったよぉ…癒して」

 

めぐり「えっ?ど、どうすればいいの…かな?」

 

八幡「家族に癒されれば死にそうな疲れも取れると思うんだけどなぁ…」チラッ

 

めぐり「あうっ、どうしよ…あ!カーくんいいところに」ヒョイ

 

カマクラ「ニャ?」

 

八幡「?」

 

めぐり「や、やっほー八幡くん!ボク猫のカマクラだよー!

    疲れた八幡くんを癒すスーパー猫ちゃんなんだよー(裏声)」フリフリ

 

八幡「!」

 

めぐり「八幡くんの疲れよ疲れよーとんでけー!(裏声)」ブンブンッ!

 

カマクラ「ニャァー」

 

八幡「………。」

 

―ピロリン

 

めぐり「ふえっ!?」

 

八幡「スーパー猫ちゃんって…おまっ…ぷっ」

 

めぐり「嘘っ、撮ったの!?ちょ、ちょっとお兄ちゃん消して!消してよ!!」アセアセ

 

八幡「えー、でも可愛かったぜ?ほら」ピッ

 

<ハチマンクンノツカレヨツカレヨートンデケー!

 

めぐり「キャー!お兄ちゃん消してよ恥ずかしいからっ!!」

 

八幡「なんでだよ、ほらすっげえ可愛いだろ?」

 

めぐり「うう!ううっっ…!!け、消してよっ…!こんなっ……!」グズッ

 

八幡(いかんやりすぎたっ!)

 

八幡「っ!?す、すまん消すからっ!」ピピッ

 

めぐり「うう…お兄ちゃんのイジワルっ……」クスン

 

八幡「めぐり…カマクラと一緒に俺を癒そうとしてくれたんだろ…?

   その、つい嬉しくなって調子に乗っちまった…本当に悪い」

 

めぐり「…もう、撮ったりしないでよっ…?」

 

八幡「ああ、しないしない

   しない…からさ、いつものアレでお兄ちゃんを癒してくれないか?」

 

めぐり「え?あれまたやるの…?

    って!もう騙されないよっ!お兄ちゃんまたスマホで撮る気なんでしょっ!」

 

八幡「撮らない撮らない、ほら見ろめぐり、スマホの電源切ったぞ?

   んでこれをテーブルにっと…ほらこれで撮れないだろ?

   誓って俺はスマホで撮ろうとしない、信じてくれるか?」

 

めぐり「あ、ホントだね、それなら…い、いいかな

    うう…で、でもこれ恥ずかしいんだよ…?もう私中学生なのに…」

 

八幡「中学生になった今でも似合うってすごい事なんだぞ?めぐりは誇っていい」

 

めぐり「すごい事なんだ…そっか、よっ、よーし…」

 

 

 

めぐり「めっ…『めぐめぐめぐりん♪めぐりんぱわー☆』」キラーン!

 

 

 

 

八幡「かわいい…」デレデレ

 

めぐり「も、もう終わり!おしまいっ!」カァア...!

 

八幡「おう、ありがとうなめぐり!おかげですっかり疲れが取れちまったよ」ツヤツヤ

 

めぐり「ふふっ、どういたしまして」

 

八幡「さーて、可愛い妹から沢山元気もらったし

   理系の勉強にでも力入れようかなっと!」スタスタ

 

めぐり「頑張ってねー」フリフリ

 

めぐり(良かった、お兄ちゃんが元気になって)ニコニコ

 

 

―・・・―

 

 

 

 

八幡「……。」

 

 

八幡「………。」スッ

 

▼ボイスレコーダー

 

―ピッ 

 

<メグメグメグリン♪メグリンパワー☆

 

八幡「………。」

 

 

 

 

八幡「ふひひっ…」ニタァ...

 

 

 

 

 

take⑱ いろは

 

いろは「おーにーいーちゃん♪」

 

八幡「うっ…!ど、どうしたいろは」

 

八幡(やべえ、すげえ笑顔だこのパターンは…)

 

いろは「あのねぇ、雑誌のコレすごく可愛くてね、学校で流行ってるの

    だから私も欲しいなーって、ららぽに売ってるらしくてさ、だからお兄ちゃん…」

 

八幡(うわっ…この雑誌の偏差値、低すぎっ…!)

 

いろは「買って☆」ニコッ

 

八幡(来たかっ!天使みたいな悪魔のおねだりっ…!)

 

八幡「い、いろは…さすがに何度も買わされると俺も今月厳しくてだな…」

 

いろは「…スカラシップ」ボソッ

 

八幡「っ!?」ビクッ

 

いろは「お兄ちゃん頭いいからねー、取れたんだよねー?

    でもあれー?たしかスカラシップって学費免除だったよねぇ?

    おかしいなぁ私お兄ちゃんがパパとママから学費もらってるの見たような…」チラッ

 

八幡「」

 

いろは「これは一度パパとママに聞いてみなきゃねー」

 

八幡(俺の…努力の錬金術がぁ……)クスン

 

八幡「…わかった、わかったからっ!明日土曜だし買ってやるよ……」

 

いろは「え?なーにっ?」クスクス

 

八幡(このガキっ…!)

 

八幡「い、いろはお嬢様っ…明日の土曜、買い物に行きま…しょう」

 

いろは「うん!ありがとう♪そういう優しいお兄ちゃん、私は好きだよっ?」キャルン

 

八幡「ぐっ……」キュン..!

 

八幡(悔しいっ…!でも妹があざと可愛すぎるっ…!)ビクンビクン!

 

いろは(お兄ちゃんもイケメンな方だけどあの目と性格と社交性がね…

    あーあ、お兄ちゃんみたいになんでもお願い聞いてくれて

    かっこよくて優しい男どこかにいないかなー)ハァ

 

 

 

 

 

take⑲ かおり

 

かおり「え、何?お兄ちゃんまた振られたわけ?ウケる」ププッ

 

八幡「いやウケねえから、兄の失恋をウケるの一言で片付けないでね?割と傷ついてますよ?」

 

かおり「でも今月もう3回目じゃん、お兄ちゃん影で失恋王とか呼ばれてるんですけど」

 

八幡「なん…だと…?」

 

かおり「ま、広めたの私だけど」フヒヒッ

 

八幡「なんてことしてくれるんですかねこの子は」

 

かおり「ていうかさ、お兄ちゃん女の子にがっつきすぎ

    はっきり言うけどそういうとこが振られる原因なんじゃないの?後目ね」

 

八幡「うっ…わ、わかってはいるんだがその、気持ちがな…」

 

かおり「だいたい友達どころか知り合いですらない子にいきなり告白って…

    お兄ちゃん第一印象最悪なんだからまず無理、そういう童貞臭いのもマイナスだよ」

 

八幡「わっ、悪かったな童貞でお前だって処女だろーが!」

 

かおり「うわっ…妹にそんな事言っちゃうとかそういうのウケないよお兄ちゃん…」

 

八幡「はぁあ…女子は童貞童貞馬鹿にするくせに男子が処女処女言うとこんな扱い

   ああ、この世の中はやはり腐りきっている、俺は働くのをやめた」

 

かおり「そういうの働いてから言ってよ、お兄ちゃんニートじゃん」

 

八幡「ニートじゃない、専業主夫見習いだ」

 

かおり「どのみち兄の将来がヒモ志望とか割とないんだけど

    他人事ならウケるけど身内だと笑えないよ」

 

八幡「おい、他人事ならウケちゃうのかよ」

 

かおり(でも…そのくせ主夫力だけは無駄に高いとかね…学校に持ってくお弁当

    友達から私が作ってるみたいな雰囲気になっちゃってるんだよね

    今度料理教えてとか結構言われれてんだけどどうしよっ…)

 

 

 

 

 

 

take⑳ 玉縄

 

玉縄「それでロジカルシンキングがウィンウィンでコクーンがパージして…」クルックルッ

 

八幡「……。」

 

玉縄「そしたらそこでファルシのルシがアウトソーシングのコミットで…」クルックルッ

 

八幡「あー、すまん弟よお前が何を言ってるのかさっぱりわからん」

 

八幡(後その手の動きはなんだ、やたらヌルヌルしててちょっとキモいわ

   意識高くすんのはいいが完全に別物になって空回りしてっぞ?)

 

玉縄「……。」ピタッ

 

玉縄「…はぁ……あの兄さん?今の時代言葉もどんどん変わっていくんだから

   少しでも覚えないと古い時代に取り残されてしまうんだよ?」

 

八幡(おい、普通に喋れんじゃねえかよ)

 

八幡「心配すんな弟よ、そんなもん覚えようがいまいが俺はずっとおいてけぼりさ」フッ

 

玉縄「に、兄さんはそういう選択肢をチョイスするかもしれないけど

   僕は時代に取り残さるのは嫌なんだ、彼女に思いをオーソライズするためにも僕は…!」

 

八幡(もうお前のソレ…意識高い系というよりもはやただのルー語愛好家じゃねえか

   俺の知り合いに似たようなのいるぞ?ケプコンとかゴラムとかうるせえ叉焼が)

 

八幡「…待て、お前の好きな女ってたしか…折本だったよな?」ピクッ

 

玉縄「あ、うん…その、一目惚れだったんだ…//

   僕が優れた生徒会長としてエビデンスする事ができたら彼女に僕の気持ちを…」クルックルッ

 

八幡「…お前知らないのか?俺が前に告白したのってアイツだぞ?」

 

玉縄「!?」

 

八幡「んで振られて、次の日に黒板に晒されて、中学時代笑いものってわけだ」

 

八幡(年1つしか違うのになんであの時ロリコンのレッテル貼られたのか未だに理解できん

   折本と高校被らない様にしたおかげで大事な弟と別の学校になっちまったじゃねえか)

 

玉縄「そ、そんな…じゃあ兄さんの弟である僕が彼女にこの思いを告げたら……」

 

八幡「あー……多分だがアイツ大爆笑して

  『兄弟揃って告ってくるとかマジうける』とか言いそうだな

   んであっけなく玉砕、後日言いふらされて学校中の笑われ者になるぞ」

 

玉縄「そ、そんな彼女がっ…!?僕の、僕にとってのミューズが…そんなひどい事を」ガーン

 

八幡「弟よ、お前は意識高めるより現代知識詰め込んだほうがいいぞ?

   女子に幻想を抱くな、今時の女子高生なんざみんな折本みたいなもんだ」

 

玉縄「くふぅ…し、知りたくなかったそんなボトルネックキャズムは…」ガクッ

 

八幡「おいだんだん言葉が意味分かんなくなってるぞ」

 

八幡(てか、この有様でこいつが会長の生徒会ってきちんと機能できてんのか?

   まさか役員達もこいつみたいな意識高い系(笑)じゃねえだろうな…)

 

 

 

 

 

takeFINAL 小町

 

八幡「やっぱり俺の妹はお前だけだよ」ナデナデ

 

八幡(戸塚は血が繋がってない方がいいしな)キリッ

 

小町「ふぇっ?え??」

 

END

 

 

 

 




補足ですが相模とはアニメ版には登場しない遊戯部部員という1年生のキャラです

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