蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第7話!!!


よ、よーし・・・今週から3本投稿しちゃうぞー(ガクガク…)





人を説得するときはハート掴んでからいこう

<前回までのあらすじ>

 

 

喜べ!ンミチャーがアイドル活動に参加してくれるってよ!!

いや~、ありがてぇ話だ、参加しないとなったらどうしようかと思ったぜ。

 

 

となると・・・アイツも肌がよく見えるようなきわどい衣装を着ることになるのか・・・

あの恥ずかしがり屋の海未が着てくれるのかねぇ・・・

まあ、それも楽しみだな!

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

(タッタッタッタッタッタッタ)[走り抜ける音]

 

 

 

 

 校舎内を走り、穂乃果たちがいる教室に向かう海未。

 その顔には何の迷いもない自信と喜びにあふれていた。

 

 

 

 

早く穂乃果に伝えたい!

私が思うこの気持ちを!

みんなと一緒にいたいこの気持ちを!!!

 

 

 

 

 長い廊下を走り抜け、穂乃果がいる教室にたどり着きその扉を開いた。

 

 

 

(ダンッ)[扉が開く音]

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」

「「海未ちゃん・・・?」」

 

 

 

穂乃果とことりが不思議そうに私の方を見つめています・・・

当然でしょうね、息を切らしながら急に教室の扉を開いたんですから、そう感じるのも無理はありません。私は急いでこのことを伝えたかったのですから。

 

 

 

「穂乃果!ことり!聞いて下さい!!」

「えっ?」

「どうしたの?」

 

 

 

大きく息を吸って吐いて、心を落ち着かせます。そして・・・

 

 

 

「私、一緒にやりたいのです!」

「「えっ!?」」

「穂乃果とことりと一緒にスクールアイドルをやりたいのです!」

 

 

 

そう私が言い終えると同時に、2人が私に抱きついてきました!

はわわわわ・・・・!?

 

 

 

「ほ、穂乃果・・・!こ、ことり・・・!?」

「海未ちゃんありがとう!!海未ちゃんと一緒にできるなんて嬉しいよ!!!」

「私も嬉しいよ!一緒に頑張ろうね!!」

 

 

 

ああ・・・これが、私が求めていたものなのですね・・・あらためて、その素晴らしさに感動しました・・・

 

 

 

「はい!2人ともよろしくお願いします!」

「うん!よろしくだよ!」

「これからもよろしくね!」

 

 

 

こんな私を温かく迎えてくれる2人の優しさに涙が出てきそうです。

 

 

 

 

 そう思いながら海未は親友の2人を強く抱きしめたのだった。

 

 

 

 

 

――

―――

―――― 

 

 

 

「そう言えば、蒼一が私たちの活動を協力すると言ってましたが、穂乃果たちは知っていましたか?」

「私は知らないなあ~。穂乃果ちゃんは?」

「・・・」

「穂乃果・・・知っていたんですよね?」

「えっ!そうなの!?」

「えっ!?い、いやぁ・・・そのぉ・・・昨日電話した時に蒼君が、私が考えたことを全力でバックアップするってことを言っていたんだけど・・・」

「どうしてそれを昨日のうちに話してくれなかったんですかぁ!!」

「今度話せばいいかなぁって思ってたんだけど・・・やっぱりダメ?」

「ダメです!」

「うぅ・・・ことりちゃ~ん!!海未ちゃんがいじめるよぉ~!!」

「よしよし、だいじょうぶですよ~」(なでなで)

「もう、ことりは穂乃果に甘すぎです・・・」

 

 

 

穂乃果は私に叱られるといつもことりに甘えるのはなんとかしてほしいです。

べ、別に、私もことりにあ、甘えたいなんて気持ちはありませんから!

 

 

 

「海未ちゃん。蒼くんが私たちのことを支援してくれるって言うけど、具体的にどういうことをしてくれるのかなぁ?」

 

 

 

あっ!そうでした、蒼一から頼まれていたことがあったことを忘れていました。

 

 

 

「ことり、そのことなのですが・・・」

「?」

「蒼一は私たちに歌と踊りの指導をしてくれると言っています。しかし、この学校周辺にはそうしたことを行う練習場所がありません。そこで、蒼一はこの学校でその指導がしたいと言っているのです」

「「ええっ!!!」」

 

 

 

その言葉に、ことりに抱きついていた穂乃果も目を見開いて驚いた様子でした。まあ、私も聞かされた時も同じような反応をしましたね。

 

 

 

「でもでも、蒼君は男の子だよ?女子校の音ノ木坂に入れてもらえるの?」

「わかっています。そこでことりにお願いがあるのです」

「私に?」

「はい。蒼一はことりから直接、理事長に掛け合ってほしいと言っておりました」

「お母さんに!?」

「ことりが頼りなのです。私からもおねがいします」

「ことりちゃん、蒼君がいればこの活動がうまくいく可能性が高くなると思うの。だから、お願い!」

「う~ん・・・」

 

 

 

ことりは首を傾げ、少し困った表情を見せていました。いくら親子だからと言っても、簡単にいくとは思ってはいませんが、私たちがお願いするよりは効果があると思っています。

 

 

 

「・・・・うん、わかった!なんとか説得してみるよ!」

「ありがとーことりちゃん!」

「ありがとうございます、ことり」

「私も蒼くんがこの学校に来たら楽しくなるんだろうなぁって思っただけだよ」

「あっ!あと、明弘も指導に来てくれると言っておりました」

「えっ!弘君も来てくれるの!!」

「やったー!弘くんもいると楽しさが倍増するよ!!」

「そうですね、蒼一に明弘、2人がいれば私たちの活動の大きな助けとなるでしょうね。あと、穂乃果、蒼一たちがこの後、穂乃果の家に行くと言っていました。この件について話し合いたいとのことです」

「えっ!?そうなの!まずいよ、今部屋のなか汚いんだけど・・・」

「まったくもう、私も手伝いますから早く行って片付けますよ!」

「は~い・・・」

 

 

 

穂乃果も年頃の女なのですから部屋の片づけくらいはしてもらいたいものです!

では、早速行って片づけをしに行きましょう。

 

 

 

「それじゃあ、今からお母さんの所に行って話してみるよ!」

「ことりちゃんお願いね!」

「ことり、お願いしますよ」

「うん、任せといて!」

「海未ちゃんとウチで待っているからね!」

「うん、わかった!」

 

 

 

そう言うと、ことりは急いで理事長室の方に向かって走って行きました。

なんとかうまくいってくれればいいのですが・・・

 

 

 

「ねぇ、海未ちゃん」

「どうしました、穂乃果?」

「あのね、少し昔のことを思い出したんだ」

「昔ですか?」

「うん、私と海未ちゃん、ことりちゃん、蒼君に弘君。この5人で色々なことをしていたことをね」

「そうですね。穂乃果か蒼一が遊びを考え、私たちはそれに従って遊んでいましたね」

「うん、またあの頃のようにみんなで一緒にいることができるのかなぁって思ってたらうれしくなっちゃって・・・」

「ふふっ・・・実は、私も同じようなことを考えていたんですよ」

「えっ!海未ちゃんも!?」

「はい、毎日、無邪気に遊んでいたことを今でも思い出します。・・・そして、私を導いてくれたことも・・・」

「ん?海未ちゃん何か言った?」

「・・・いえ、なんでもありません」

「?」

 

 

 

私と穂乃果は学校を出て、すぐに穂乃果の家に向かいました。

さて、ことりの方は大丈夫なのでしょうか・・・?

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

え~と・・・お母さんがいる部屋は・・・ここだ!

 

 

 

この学校の中でも一番立派な扉があるこの部屋が私のお母さんがいる理事長室。

今の時間だったら会っても大丈夫だよね?う~ん・・・まず、確かめてみないと・・・

 

 

 

(コン、コン)[ノック音]

 

 

 

 

『どうぞお入りなさい』

 

 

 

 

あっ!お母さんの声だ。よかった、今いるんだ。

 

 

 

 

 ことりはドアノブを回して、扉に入った。そこには、椅子に座る理事長の姿ただ一人だけだった。

 

 

 

 

「失礼します」

「あらことり、何の用かしら?」

 

 

 

 

 音ノ木坂学院・理事長 南 いずみ

 数年間の教員生活を送った後、音ノ木坂学院の理事を務めていた夫と結婚し、ことり生むがその後、夫が死別し、急遽、音ノ木坂学院の理事長となったのが10年近くも前のことである。

 

 

 

「お母さん、大事な話があるの」

「大事な話?」

 

 

 

 

 娘の真剣な表情を見たいずみは察して、ことりを近くに呼び寄せる。

 

 

 

「どういうことかを話して頂戴」

 

 

 

 ことりの目の前にいるいずみは今、ことりの母親としてではなく、()()()() いずみとして、そこにいた。

 

 

 

 

「お母さん、この学校が無くなるって言っていたよね!それで、私と穂乃果ちゃんたちとどうにかしようって、考えを出し合ったの!」

「それでいい考えは思い浮かんだの?」

「うん、私・・・ううん、私たちがスクールアイドルになって、この学校の入学希望者を増やそうと思っているの!」

「スクールアイドル!?」

 

 

 

 

 いずみは驚愕した。さすがに考えてもいなかったことだったからだ。確かに、世間ではスクールアイドルは若者を中心に人気があるとは聞いていたが、まさか、この学校で、しかも、自分の娘がアイドルとなるとは考えてはいなかったのである。

 

 

 

 

「こ、ことり・・・自分が何を言っているのわかっているの?」

「わかっているよ、お母さん!だから、私はここに来てお母さんと話をしているの!」

「だからって、そんなことで人が集まると思っているの?」

「わからないよ、本当にうまく行くなんてわからないよ!」

「だったらどうして・・・・」

「お母さんが言っていたもん!やらないで後悔するより、やって後悔した方がいいって!それに、やらなければ何も成し遂げることはできないとも言ったのはお母さんでしょ!!」

「ことり・・・」

 

 

 

 いずみは何も言えなかった。ただの娘のわがままで言っているのであるならば、押し返すことは簡単だった。だが、いずみ自身が過去にことりに言った言葉をそのまま、自分に帰ってくるとなると話は変わる。自分の言った言葉に責任を持つのが親として教師として当然のことである。そこを押し曲げることだけは彼女自身が許さなかった。

 

 

 

 

「・・・はあ、わかったわ。ことりたちの思ったようにやりなさい」

「お母さん!」

「ただし、無茶なことだけはしないように」

「うん!」

「・・・そうなると、顧問か指導者が必要になるわねぇ・・・」

「お母さん、そのことなんだけど・・・」

「ん?なあに?」

「その・・・私たちの指導に蒼くんと弘くんが手伝ってくれるって言っているんだけど・・・

いい?」

「えっ!蒼一君たちを講師としてこの学校に呼ぶの!?」

 

 

 

 

 いずみは蒼一と明弘と面識があった。ことりを幼い頃からずっと一緒に遊び、よく面倒を見てくれた2人であったので信頼を置いていた。だが、ことりたちが懸念していたように外部の人間、しかも、男子大学生を招き入れることは決して容易なことではなかった。例え、それが自分が信頼している人であってもそうである。

 

 

 

「・・・ことり、さすがにそれは難しいわ・・・」

「どうしても・・・だめ・・・?」

「色々と手続きをしなければならないし、あと、先生方にも全校生徒にも伝える必要があるからねぇ・・・残念だけど諦めてもらえるかしら」

「そんなぁ・・・」

 

 

 

 ことり自身も理解していた。スクールアイドルをやることを願う以上に難しいことであるということを・・・

 

 

 しかし・・・

 

 

 

 

ここまで来たんだから、なんとかして通して見せないと・・・!

 

 

 

 

 ことりの決意は固かった。何としてでも押し通そうと、ことりはありとあらゆる考えを脳内で渦巻かせていた。

 

 

 

 

ハッ・・・!そうだ!

 

 

 

 

 ことりの脳内で一つの考えが閃き出た。その内容とは・・・

 

 

 

「・・・お母さん」

「ん?なあに?・・・!!」

 

 

 

ことりの一言で、前を向いたいずみはことりの起こしている行為に釘付けになった。

 

 

 

 ことりは・・・

 

 

 左手で胸元をつかみ・・・

 

 

 目を潤わせて・・・

 

 

 誰も聞いたことが無いような、あんま~~~い声で・・・

 

 

 

 

 

 

『「おねがぁ~~い!!!」』

 

 

 

 

 

 

 と、言い放った・・・

 

 

 

 

 

(ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!!!)

 

 

 

 

 

 不意に放たれたことりの必殺ボイス〔脳トロボイス〕により、いずみは(ハート)を打ち抜かれた・・・!

 

 

 

 

 

 

 

<ザー・・・ザッ!>

 

 

 

 

 

(次回へ続く)

 




よーしよしよーし!!!これでよし!!!
超・個人的な理由で投稿ペースを上げて、自分の首を絞めまくっている、うp主です。


今回、初めてことりママ・南いずみを登場させました。この作品の注意事項でも触れたように、既存のキャラに苗字や名前を加えて登場させていますので、今後、聞き慣れない名前が飛び交うかもしれませんが、その大半は既存キャラですのでご注意を!

また、第三者視点からの見方についても少し改善してみました。
口調や間隔を空けるなどして、見分けを付かせようとしているのですが・・・わかりますかねぇ?
何かいい方法があれば教えて頂けないでしょうか?



今回の曲は、
うp主が初めてやったPCゲームの続編である『車輪の国、悠久の少年少女』から

片霧烈火/『少年少女よ、大志を抱け』

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