蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第74話


【*】祭りのあと

 

 

 

【前回までのあらすじぃぃぃ!!!】

 

 

文化祭当日、沙織・バジーナ(槇島 沙織)が率いるサークル『充電機関』の公演は無事に行われ、ちょっとしたアクシデントに見舞われたものの、蒼一と明弘はステージに立って歌い踊り尽くすことができた。

 

 

 

そして、現在、サークル主催の打ち上げを行っているところだ―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

[ 大学・広間 ]

 

 

 

 

『それでは~~っ!!! 公演を無事終了することができたことを祝して………カンパァァァァァァァイ!!!!!!!!』

 

 

『カンパァァァァァァァァァァァイ!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 朝に発した気合の掛け声と同じくらいの声量が部屋中に響く。

 

 

 沙織さんの音頭に合わせて、各メンバーは飲み物が注がれたコップを手に乾杯の掛け声を発していた。 男女も問わず未だにそんなに大きな声を出す力が残っているとは………宴会で使う力は別腹みたいなものか。

 

 

 

 

「やぁ~やぁ~御二方~♪」

「沙織さん!」

「ども、お疲れっス!」

「いやいや、大したことないでござるよ~。 拙者は、まだまだ疲れておりません故、これからが本番なのでごりますよ~♪」

 

 

 陽気な声で笑いながら登場してきた沙織さんは、ビールジョッキを片手に挨拶をしに来た。 こんな時にも、いつものオタクファッションやって来て、この宴会を盛り上げようとしているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、なぜに1人だけビールジョッキなんだよ…………

 

 

 

 

「それにしても、宗方殿の銀時氏、滝殿の歳三氏のコスプレ。なかなかにお似合いでしたぞ~」

「気に入ってもらえて何よりです」

「しかし~、滝殿も十四郎氏のほうの土方で登場すれば、それはそれで楽しかったでござろうに」

「へっへっへ~……んにゃ、俺も最初はそうしようかと思ったんですけどね。 生憎、ウチの中にはそれが無かったわけでして……それで歳三の方を選んだわけっすよ」

「むむむ、そうでござりましたかぁ~……拙者にひとこと言っていただければ用意したでござるよ?」

「そうだったんですかい!? ……あちゃぁ~、ソイツァへまこいたぜ」

「ふふふ……ですが、それはそれで中々にいい組み合わせだったと思いますぞ~。 その後の撮影会では、御二方に群がる人が大勢いたでござるし♪」

「う~ん……あれはすごかったなぁ………」

「フッフッフ………まったくぅ~、モッテモテ何でござるなぁ~宗方殿は~♪ あんなにかわいらしい乙女たちに囲まれるとは何ともうらやましい限りでござるよ~♪」

「よしてくださいよ……アイツらとはそんな間柄じゃないですよ………」

「………とは言うものの、モテる男は辛いですぞ~♪」

「は、はぁ………」

 

 

 沙織さんは、“ω(こんなかんじ)”の口をしながら俺のことをからかってくる。 沙織さんからはそう言う風に見られていたのか…………

 

 

 公演が終了した直後、コスプレした出演者たちを撮影する時間が設けられていて、観客たちは好みのキャラのところに向かっていって撮影を行っていたのだが………

 

 

 

 なぜか、俺と明弘と一緒に写真が撮りたいという人がドッと押し寄せてきて、それらすべてに対応し終えるのに時間がかなりかかってしまっていた。 その中には、穂乃果たちμ’sメンバーと洋子の姿もいて、またしても抱きつかれたりするなどの被害を受けていたのだ…………

 

 

 

 思い返すだけで頭が痛くなる…………

 

 

 

 

 

 

「宗方殿、滝殿」

 

 

 にこやかだった沙織さんの表情に少し引き締まった。

 

 

 

「この度は、拙者たちに御助力して下さり誠にありがとうございました!」

 

 

「「!!?」」

 

 

 ジョッキに注がれた液体をこぼさないように、沙織さんは丁寧に頭を下げて俺たちにお礼を言ってきた。 突然のことで、俺たちはどうしようかと戸惑ってしまった。 途中参加してきた俺たちに対して、そのような対応をとられるとは思ってもみなかったからだ。

 

 

 

「ちょ!! そんなにかしこまなくてもいいじゃないですか!」

「いえ、急に御二方に出演して欲しいと願うばかりか、1曲だけのところを2曲もやり、アクシデントに見舞われていたにも関わらず、それでもやってくださったこと……そして、今日一番の見せ場を作ってくださったことに感謝しているのでござるよ!!」

「沙織さん…………」

 

 

「そうだぜ、バジーナからの礼はありがたく受け取っておいた方がいいぞ」

「そうよぉ~、バジーナが頭を下げてお礼を言うなんて滅多にない事なんだからね~」

 

 

「柴田先輩……! 相良先輩……!!」

 

 

 

 ステージ衣装から普段着に着替え終えた姿で2人はフラフラっと俺たちの話しに入ってきた。 2人からの言葉を受けて、俺は沙織さんからのお礼を受け取ることにした。

 

 

 

「沙織さん、こちらこそありがとうございます。 沙織さんのおかげで俺自身がやらなければいけないことをあらためて見つけることができたと思います」

「そう言っていただけると、拙者も心が休まるでござるよ」

 

 

 そう言うと、穏やかな表情を見せてくれた。

 

 

 

 

 

 

「あ~~!! むぅ~なぁ~かぁ~たぁ~~~、今ボクのことを名字で呼んだねぇ~???」

「えっ!? そ、それが何か???」

「もぉ~~~……今のボクは“シャル”なの! ここにいる時はちゃんとシャルって呼びなさいよぉ~~!!」

「わ、わかりましたわかりましたからって、抱きつかないでくださいよ! ………って、酒臭ッ!!? シャルさん、アルコール入ってるんですか!?」

「それがどぉ~したって言うのよ~? ボクはダンスと酒が無いとやってらんないのよ~!」

「だ、だから近い近いぃ!! 離れて離れてぇ!!!」

 

 

 フラフラした状態でこっちに来たと思ったら、なんだ、シャルさんが持っているコップから明らかに濃度の高いアルコールがプンプン匂って来る。 それを今何杯飲んだのかはわからないが、すでに酔いが回り過ぎていることはよくわかる。 …………って、くっさッ!!! おっそろしいくらいにくっさッ!!!!

 

 

 

「あっはっはっは!! 宗方くん、諦めたまえ。 こうなったシャルはとってもしつこくってな、酔いつぶれるまでこうなのだよ」

「マジッすか!!? 勘弁して下さいよ!!!」

「うへぇ~~……ん~……宗方って、よく見ると良い顔をしてるじゃないの~~………どれどれ、お姉さんが遊んであげるわよ~??」

「ゲッ!? そ、それだけはマジで勘弁してくださいぃぃぃぃぃ!!!!!」

「フフフ……その様子だと、まだ青いのね………いいわ~、熟しきれていない果実を食べるのもいいかもしれないわねぇ~♪」

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 抱きつかないでぇぇぇぇぇぇぇ!!!! 誰か助けてぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 今日までのシャルさんの姿を見ていると、元気で明るい人だなぁ、といった印象が俺の脳内にインプットされたばかりだったのだが、今のこの瞬間にて、その情報にさらなる上書きをしなければならなくなったようだ。 この人はお酒が入ると、猛獣のような性格に変わって襲いかかってくるッ!! しかも、恐らくそれは男性に対してなのだろうな……こんなにも猛烈に俺の貞操を狙ってくるだなんて、かなりの強者(つわもの)と見える!! ……てか、力強すぎぃぃぃ!!! いつぞやの穂乃果たちと同じくらいのパワーが発揮してんじゃないのかって感じだぜ!! なぜだ………なぜ、こんなくだらないことに関して、女と言うのは本領発揮するんだよ!!! 意味分かんない、どうにかしてくれ、助けてくれェェェェェェ!!!!!!

 

 

 

 両肩をガッシリと掴まれ、逃げ場などすでにないという状況に陥ってしまった俺は、シャルさんの顔を押さえつける最後のかなめを何とかして護っているのだが、押してくる顔の力と引き寄せる腕の力が合わさって、俺の押さえつける力よりもはるかに強い引力を生み出してしまったのだ!

 

 

 

 だ、だめだぁ………も、もうおしまいだぁ………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ! ボクが新しい世界へといざなってあげr…(ゴスッ!!)ヘブシッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「………シャル……やり過ぎ…………」

 

 

 

 俺のハジメテ(意味深)が絶体絶命なことになりそうだったその時、シャルさんの後ろから藤堂先輩がやって来て、頭部目掛けてチョップを一撃喰らわせて気絶させてしまった。

 

 

 ……あ、危なかったぁぁぁ………もう少しで嫌な体験をするところだった…………

 

 

 

 

「藤堂先輩……ありがとうございやしたぁ………」

「………酒を飲むといつもこうだ………問題は無い、すぐに排除しておく………」

「お、お手柔らかにしておいてくださいよ…………」

 

 

 ビシッと親指を立てて、わかったと言わんがばかりの表情で伝えてくると、気絶したシャルさんの首根っこを掴んで、そのままズルズルと引きずり始めていった。 まるで、ドナドナと出荷されていくようにしか見えないな………

 

 

 

 

「………!」

 

 

 すると、何か思い出したかのように体を震わせて振り向いてきた。

 

 

 

「………宗方………」

「は、はい………」

「………確か、μ’sの関係者だったな………」

「え?……あ、はい……そうですが、それが何か………?」

 

 

 

 俺の言葉を聞いた瞬間に、藤堂先輩は俺に駆けよって来て手帳と同じくらいのノートを俺に手渡してきた。 へ? これは一体………?

 

 

 

「………メンバー全員のサインを頼む………」

「…………はい?」

「………シャルの排除代として請求する………」

「あっ、はい……わかりやした………」

「………フンス………」

 

 

 

 

 そう言うと、早々とシャルさんを引きずってこの部屋から退場していった。

 

 

 ………しかし、何で俺にこれを手渡してきたんだろうか…………?

 

 

 

 

「ほっほぉ~さっすがはクリーク殿、発展途上中のスクールアイドルのサインを早めにゲットしようとは、手が早いですなぁ~♪」

「どういうことです?」

「ふっふっふ………クリーク殿は我がサークルの中でも、かなりのアイドルオタクなんでござるよ~。 最近、流れに乗っているμ’sのことが気に入ってファンになっていた様子でありましたので、今のうちにサインを手に入れようと思ったのでござろう」

「アイツのアイドルに対する熱量はハンパないからなぁ~。 部室内に飾ってあったアイドルポスターもすべてアイツのモノだからな。 そのおかげで、余計にカオスな部屋となっちまったけどな!」

 

 

 

 なんと……まさか、こんな身近にμ’sのファンがいたとは思いもしなかったな………

 このことをアイツらに言ったら驚くかもしれないな………

 

 

 

「御二方はこの後どうするでござるか?」

「どうするといいやすと………このサークルに入るかってことですかい?」

「御名答でござるよ、滝殿。 ですが、別段、無理に入れとは言いませぬ。 そちらはそちらでやらねばならないことがあるのでござろう?」

「………! そうですね、そっちを優先させないといけなくなりますね……」

「ならば、我がサークルに席は置いておいて、仮部員みたいな形にしておきます故、ヒマな時にいつでも来てくだされ~♪」

「え!? そんなこと許しちゃってもいいんですか?」

「だいじょーぶ、だいじょーぶ♪ だって、ここに集まっているメンバーなんてのは、今回のためだけに集まってくれた仮部員にすぎないんだから、宗方くんたちが心配することなんてないさ」

「それはそれで、いささか問題な気がするのですが………」

 

 

「まあまあ、いいじゃねぇか兄弟。 気軽にあそこに行くことができるなんていいことじゃねぇか。 せんぱ~い、あそこにある漫画とかゲームとか漁ってもいいですかい?」

「おー! いいともいいとも~、存分に遊んでくれたまえ~!! そんならこの俺も参戦して、対戦または協力プレイと行こうじゃないの~♪」

「いいですねぇ~!! そんじゃあ、早速、CoDでもやってみます?」

「おっと!? 滝くん、もしかしてFPSが出来ちゃうのかい? そいつは楽しみだ♪」

 

 

「「ふっふっふっふっふっふっふ………………」」

 

 

 

 

 おーお、黒い黒い。 目を光らせながら怖い顔をしちゃってさ……ありゃあ、無双でもしてしまいそうな感じだよ………

 

 

 まあ、なんだ。 明弘の言う通り、あの部室が使えることってのは、こっちにとって悪い話でもない。 それに、大学における俺たちの新しい場所となれるやもしれないし、この人たちに何かと世話になるやもしれない………そう考えたら、いいこと尽くめではなかろうか?

 

 

 ふぅむ……どう考えても、今のところでは何の問題もなさそうだし、入るだけ入っておくか。

 

 

 

「沙織さん。 俺たちはあなたの言うように、このサークルに身を置かせてもらいます」

「お~! それはありがたいことですなぁ~♪ ではでは、これからもよろしくお願いいたしますぞ、蒼一殿!」

「そうですね……いつまでも名字読みってのは、感じが悪いですからね……では、沙織さん、よろしくお願いいたします」

 

 

 

 そう言って、俺は沙織さんと握手を交わし、このサークルの一員となった。 同じく明弘もこの一員として活動することとなるのだ。

 

 

 

 

 

「ところで蒼一殿」

「ん、なんですか?」

「拙者が口出すことができるような立場ではないのでござるが……蒼一殿が関わっておられるスクールアイドルのことについてなのですが…………」

「それが……一体どうしたというんですか?」

「はい、拙者から見るに、μ’sはもう少し活動の場を広げていくべきではないかと考えているのでござるが、いかがなものでしょう?」

「なんと!!」

「拙者が入手した情報によれば、μ’sの知名度は数多く存在するスクールアイドルの中でも急速に上がっていることは確かなのでござるが、それは全体を見た場合であって、トップクラスと比べるとまだまだと言ったところでござるよ」

「うぐぐ……そこを言われると何も言い返せないな…………」

 

 

 

 ひょいと意外なことに沙織さんの口から俺たちの活動について意見を述べてくるだなんて考えもしなかったので、正直なところ驚いている。 それに少し痛いところもついてくるところをみると、ちゃんと俺たちの活動のことを見てくれているということがひしひしと伝わってくる。

 

 

 

「そこで拙者からの提案でござる………μ’s内でチームを編成してみてはどうでござるか?」

「チーム!? それは一体どういうことですか!!?」

「まあ、落ち着くでござるよ。 拙者が調べた中では、トップクラスと呼ばれるグループのほとんどはデュオもしくは、トリオなのでござる。 つまり、μ’sの9人グループと言うのは異例とも言えるのでござるよ」

「確かに……あのA-RISEと呼ばれるグループも3人でやっているし、その方が効率は良いかもしれないけど………」

「その効率の良さを取り入れるべきではないかと拙者は思うのであります。 3人ずつであれば、ちょうど3チームは作れそうですし、その利点を生かして各地にライブを行ってはどうでしょう?」

 

「!!!」

 

 

 

 そうか! なるほど、その手もありか! まだ、9人になったばかりだからこれからのことはじっくり決めていこうかと思ってはいたが、早めに決めておけば後で効率よく事が進んでくれるやもしれないことを推測していくと、これは沙織さんの提案に乗ってみるのも手かもしれないな。

 

 

「なるほど、その提案良いかもしれませんね。 帰ってから考えるようにさせていただきます」

「おや! 拙者の意見が良いように運んでいくのであればこれほど嬉しいことはござらんよ。 あとは、蒼一殿の考えにお任せするでござるよ」

「まったくです。 俺も沙織さんの言葉を聞いて気付かされましたよ。 数多くの人から支持を受けるには、一部のところに留まるのではなく、様々な場所に赴いていくことも必要であることを考えさせられました。 ありがとうございます」

「いえいえ、とんでもござらんよ。 拙者はただ意見を述べただけでござるよ」

 

 

 

 そう言って、ニカニカと白い歯を少し見せながら微笑む姿は大人と言える落ち着いた雰囲気をにじませていた。 それはどこか先を見据えているかのような眼差しを俺に向けつつ何かを言いたげそうな感じだった。

 

 

 

「8月初頭に関東地方で、ほぼ同時期に複数のライブが行われるでござる。 そのライブに各チームを参加させて知名度を上げてラブライブ出場への切符を手に入れる………すばらしい流れとは思わないでござらぬか?」

「なるほど……それは良いですね……! 御助言、感謝いたします。 沙織さんの言う通り、それを目標に頑張らせていただきます」

「うぬ、それがよろしいかと思いますぞ」

 

 

 同時期の複数のライブか………さすがにそこまでは考えてはいなかったな………ここ東京を中心にこれまでと同じようにネットを使った宣伝をしていくことが良いことかと思ってはいたが、アイツらがどれだけの場数を踏んだかによって結果が左右されることもある。 ネットでは、味あわせることができないものを生のライブで見せることが出来なければ、優勝どころか出場すらあやしくなる………

 

 

 ならば、いっその事、アイツらなりに考えさせる期間を与えるという名目上、チームとして各地を回らせてライブを行わせることが必要になるかもしれないな………更なる、ファン獲得のチャンスも得られるってわけだ………

 

 

 これは重要な案件だな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さおりぃ~~~!!!! 来たわよぉ~~~~~~!!!!!!』

 

 

 

 サークルメンバー話し声でざわつく中に、甲高い声が部屋の隅々にまで透き通るように響いた。 全員の視線は、外との出入り口となる扉に集中した。

 

 

 そこに立っていたのは、男女の2人。 女性の方は、俺たちと同じくらいの歳だろうか?少し子供染みた顔をしていて、いかにも強気そうな感じがする。 その連れだろうか、男性の方は、俺たちよりも年上のような気もしなくもないが、眉を引きずらせている表情はとても自然なかたちになっているので、毎日苦労していることがあるのだろうと推測することができる。 苦労人なんだな、と男性に対してそんな感情を抱いていた。

 

 

 

 

 

「おおおお!!!! きりりん氏!!! 京介氏!!! 会いとうございましたぞ!!!!!」

 

 

 

 沙織さんは、その2人をみるやいなや、すぐさま飛び出ていった。 そして、あの2人の前に立つと握手を交わして何かを語り合いだしているようだった。 はて、あの2人は一体誰なんだろう………?

 

 

 

 

 

「や、や、や!!! あ、あの女性は!!?」

「どうした明弘? あの女性を知っているのか?」

「知っているも何もあの女性はモデルの高坂 桐乃だぞ!! 兄弟、これとばかりは知らないとは言わせねェぞ!!」

「嫌マジで知らん」

「だぁぁぁぁぁぁ!!!………損している……こんな文武両道な美少女モデルを知らないだなんて……兄弟……どうにかしてるぜ!!!!」

「そ、そこまで言うものか……?」

「ああ!! そこで言ってやるゥゥゥ!!!」

「うへぇ……意味がわかんねぇ…………」

「こうしちゃぁいけねぇ………早速、ご挨拶に行ってくらぁぁぁ!!!」

 

「お、おう…………なんなんだ、アイツは?」

「ふむ、いたしかたないと思うよ、蒼一くん」

 

 

 そう言って、俺に話しかけてくるのは、柴田先輩だ。 どうやら、沙織さんとあの人たちとのことを何か知っているようだ。

 

 

「彼女は現在最も輝いているモデルだからね、明弘くんが居ても立っても居られないのはよくわかるよ」

「そうなんですか? 俺はあまり世間のことなんか知らんので、ああいったことには無知なんですよ」

「ふっふっふ、そういうこともちゃんとチェックしておくことも重要だぞ、蒼一くん」

「は、はぁ………それにしても、何故、モデルのあの人と沙織さんは面識があるんですか? そっちが気になっているのですが………?」

「ふぅむ、俺もバジーナから聞かされただけなのだが、どうやら、彼女たちは中学時代からの知り合いらしくってな、何分、同じ趣味で交流することになったんだと言うらしいのだよ」

「そうなんですか………ただの友人、ってことなんですか?」

「そのようだね、それしか言ってなかったね」

 

 

 

 柴田先輩はそう言って、彼女たちの関係について話をしてくれた。 確かに、沙織さんとあの女性とは、友人関係みたいな雰囲気を表情や少し聞こえる話し声で何となく察することができるのだが、あの男性と話す時には、何故かぎこちなくなっているように見えたのは、俺の錯覚なんだろうか?

 

 

 いずれにしても、俺はあの中に入っていこうとするのは、いささか気が引けてしまうため、ここで柴田先輩と飲みながらこれからのことについての話をし合うこととなった。

 

 

 

 

 

 

 そして、この宴会が終わる頃には、今後の活動方針を頭の中で整えることが出来ていたのだった。

 

 

 

 

 

 あとは、実行するのみだな…………

 

 

 

 

 

 片手に注がれた飲み物を最後の一滴まで残すことも無く飲み干してこの会場を後にした。

 

 

 

 

 

(次回へ続く)

 







どうも、うp主です。


いろいろと立てこんでいたり、悩んでいたりしていて、更新に時間がかかるようになってきました。 月10本以上投稿していた時期が懐かしく感じている今日この頃………そのくらいの妄想力と気力を分けてもらいたいくらいですわ。



さて、そんなこんなで1ヵ月かけました『大学乱舞!!』は最終回を迎えることができました。
ある意味で、ここまでの話が長く感じてしまっているのはなぜなんだろう………
やっぱり、疲れているのかなぁ……俺……?


でも、今回ようやくクロスオーバーということに挑戦することが出来て良かったと感じています。 今後も、沙織をはじめとするキャラたちがこの世界線で走りまわる予定にしておりますので、そこのところも要チェックやね。


次回からおよそ3話は、基本ゆったりとした感じの話しをするようにしております。

そして、それが終われば新編が待っております。
どういう話なのかは、おいおい話すことにします。


さて、もう12月となり、今年の終わりも近づく頃ですが、

あの企画もそろそろ再始動させていただくことになります故、年末年始も忙しくなる作品となってしまうでしょう………


ただ、生誕祭に被らないようにしたいのは、どうにかならんのかなぁ……


まあ、そこもおいおい考えさせていただきますので、今後もよろしくお願いします。




今回の曲は、

祭りと言えば、祭囃子! 和楽器! 大太鼓!!!

というわけで、和太鼓が躍動するこの音楽をどうぞ。


同人PCゲーム『東方輝針城 〜 Double Dealing Character.』より

ZUN/『始原のビート』

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