第50話
【前回までのあらすじィィィ!!!!】
穂乃果たちの赤点回避計画で俺が提案した勉強法を実践させることとなった俺たち、μ’s。
勉強法を伝授した後、俺は家に帰って勉強をしようと考えていたのだが、そんな時、1人の女の子に出会う。そして、その場に絢瀬も登場した!
この後、一体どうなるんだぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
そして、この話は今月中に終わるのかぁぁぁぁぁ!!!!!???????
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――
―――
――――
[ 某所・公園 ]
「「…………………………」」
俺と絢瀬は公園にあるベンチに腰掛けていた。
絢瀬と正門で会って、そのまま、この子と一緒に近くの公園に行くこととなったのだが…………なんやねん……この重ったらしい空気は?ついさっき、絢瀬に『少し、頭冷やそうか?』と言わんがばかりの説教をした後にこの状況って……………
「はい!これをどうぞ!!」
「あ、ありがとう………ん?」
この場の空気を良い意味でぶち壊してくれる一投が放たれた!!
この子から手渡されたのは、意外!それはラーメン缶ッ!!!アキバ名物のこのアッツアツの缶を持ってくるなんて……………いいセンスだ!!
………………って、なんでやねん!!!!!!
「亜里沙、その人にはそれでいいから私は冷たいものにして」
「は~~~い♪」
おいいいいいい!!!!こんのぉ!!嫌がらせか!?俺にはこのアッツアツの塩分豊富な食物を与えて、自分は冷たいティーですか?!放課後ティータイムですか、このヤロー!!!
「おめぇ………まだ、怒ってんのかよ…………」
「別に、そう言うわけじゃありませんから」
「そうでなかったら俺にこれを勧めるんじゃないよ………」
「欲しそうな顔をしていましたからそのままにしただけです」
ふざけるなッ!!誰が好き好んでこれをこの状況下で食べるんだよ!!!
「それで、何の用ですか?」
「それはこっちのセリフだ。何故、ここに来させたんだよ………」
「亜里沙があなたに会いたがってたから、その機会を与えただけよ」
「ふ~ん、そうか………あの子は亜里沙って名前なのか………」
「亜里沙に触れたらその腕をへし折りますよ」
「誰がするかよ。つうか、さり気なく俺の腕を機能停止させようとするな!」
「男なんて、何をするかわからないでしょ……」
「しない、こっちからはしないさ。だが、あっちから触れてきた時はどうしようもないがな」
「その時は、首の骨を折ります」
「もしかして、俺はすでに詰んでる状態だとぉ!?」
何それ怖いんですけど………現代社会怖いよぉ~~~理不尽な攻撃が俺の心を蝕むよ~~~~
「はい!お姉ちゃん!!!」
「ありがとう。……………」
「……………(ブホォ)」
絢瀬の表情が固まった。
それもそのはずである。亜里沙ちゃんから手渡されたものは絢瀬の注文通りの冷たいものだった……
…………冷たい、コーンポタージュだけど…………
「あ、亜里沙……これだけじゃ喉が乾いちゃうからお茶を買ってきて……」
「はい!わかりました!!」
そう言って、亜里沙ちゃんはまた走りだしていった。
「あの子は良いギャグセンスを持っているようだ………漫才をさせたら面白いかも……」
「やめて、私の妹に手を出さないで」
「やはり妹だったか………どおりでよく似てるわけだ……」
「えっ?」
「よく似ているだよ、お前に。あの無邪気さ、好奇心の塊、興味を持ったらそれにくっつくように離れようとしない……昔のお前を見ているようだ」
「………そう………先輩から見て私は変わって見えるのですか?」
意外だった。絢瀬の口からそんな言葉が出てくるなんて思いもしなかったのだから。再会した時に、何も話すことが無いと跳ね返したのに今はこうして話してきている。
どういった、心情の変化があったのだろうか?
俺はあの時から感じたことをそのまま伝えることにした。
「そうだな………あの時と比べたら全くの別人だな………今のお前からは熱を感じられない、むしろ、冷たい。凍えるような冷たさを感じる」
「…………そう……先輩からはそう見えるのですね………」
一瞬、絢瀬の鋭い目が緩んだように見えた。それは何かを悲しむような目で遠くを見つめて思い更けていたようにも感じ取ることができた。が、瞬時のことだったのでそれが何を意味するものなのかを捉えることは出来なかった。
「お姉ちゃん!はい、お茶だよ!」
「ありがとう亜里沙」
亜里沙ちゃんが持ってきたのは、間違いなく冷たいペットボトルに入ったお茶だった。
三度目の正直というものなのか、ようやくまともなものが出てきたのだ。
亜里沙ちゃんはそのまま、俺と絢瀬の間に座った。
「宗方さんは大学に行きながらもμ’sとして活動しているのですか?」
「μ’sのメンバーではないけどな。ただの支え役としているだけさ」
「支え役ですか?」
「ああ、スクールアイドルをやろうと言い出したのは、彼女たちだし、俺はメンバーとして歌って踊ることなんて出来るわけがないからこうした立場にあるのさ」
「へぇ~そうなんですか~」
「亜里沙ちゃんはどうやってμ’sを知ったんだい?」
「それはですね、お姉ちゃんが持ってきてくれた映像を見て知ったんです!」
「えっ?」
「亜里沙!」
亜理紗ちゃんの発した思いもよらない言葉に俺は驚いた。
「まさか……あの講堂でのライブの映像を撮ってネットにあげたのはお前だったのか……」
「………そうよ………」
「そうか………皆まで言う必要はない………」
俺は絢瀬の口から出た三言で何を思ってそのようにやっていたのかを察した。
ネットにあげたのは、ただその映像を多くの人に見てもらうだけではなく、批判を受けることを待ち望んでいたのだろう。だが、実際はそのようにならなかった。逆に、多くの評価を受けることになり、俺たちが躍進するきっかけとなってしまったのだ。当初から、俺たちの活動を認めていなかった絢瀬にとって、大きな誤算だったに違いない。
しかし、この場で堂々と俺に言うことは出来ない。
μ’sに憧れている自分の妹がここにいるのにそのようなことは言えるはずもないのだ。これは亜里沙ちゃんに対する優しさから出た行動なのだ、察してあげることが正しい返答なのだろう。
「このライブの映像を見ていると自然と勇気が湧いてくるんです。私も頑張ろうって気持ちになるんです。だから、私はμ’sが好きなんです!!」
「そうか…それはありがたいことだな……」
何とも無邪気で真っ直ぐな笑顔なのだろうか。その笑顔から小さな光が照り輝くように周りを明るくさせてくれる…………
ふと、昔のことを思い出した………………
俺の後ろを何度も何度も追いかけ、滑ったり、転んだりしてもめげないで追いかけてきた小さな光を…………その光は何のために俺を追いかけてきたのか、その答えはわからなかったが、とても居心地のいい毎日であったと感じている。
それと同じ光を放つ者が今ここに………
そして、
「亜里沙ちゃん、すまないがこれで何か飲み物を買って来てくれないか?」
俺は財布から150円を取り出して手渡した。
亜里沙ちゃんは快く引き受けてくれ、自販機がある方に走っていった。
「「………………」」
2人だけになったことで、また、静寂が戻ってきた。
「亜里沙ちゃんは俺たちの事を応援してくれるらしいぞ。それでも、俺たちとやり合う気か?」
「………やると決めたのに途中であきらめるなんて出来ないわ………」
「はぁ………頑固なヤツだ。そこは昔から変わらねぇな………」
一度決めたら最後までやりきる、そうした心情を胸に行動をしていた絢瀬の決意は他の誰よりも強く固い。だが、時にその頑固さが裏目に出ることもしばしばあった。
それが昼間の理事長室での出来事だ。あのまま、絢瀬の我を貫いていればどうなっただろうか?至って簡単な答えだ、それは音ノ木坂の廃校までの時間が急激に短くなる結果を招くことになるのだ。どのようなかたちでそうなるのか、そこまでは想像もつかない。だが、現・生徒会長である絢瀬が我を忘れて暴走すれば………………経過よりもまず、結論が出てしまうのだ。
「絢瀬、お前がこれから何を言おうが何をしようが俺たちは立ち止らない。ただ、ひたすら前に進んで行くだけだ。そして、必ず俺たちで廃校の言葉を音ノ木坂から消し去る!」
「………そう………なら私も、私なりのやり方で私の学校から廃校という言葉を消し去って見せるわ。必ず…………必ずよ……………」
その時、絢瀬の目に光が輝いて見えた……………
(次回へ続く)
どうも、うp主です。
なんと50話に突入することが出来ました!!
1話から見てくださっている方々、途中から見てくださっている方々、毎度のことですがありがとうございます。
未だに、第一期が終わらない状況が続いておりますが、長々とやっていくつもりなので、長い目で見守ってくださいませ。
さて、絢瀬編第4話でしたが、どうでしたか?
絢瀬の妹・亜里沙の初登場回となりましたが、亜里沙ってこんな感じでしたっけ?正直にいえば、亜里沙ってどんな感じの子なのかがはっきりしていません。
頭の中では、ロリーチカみたいな子なのかなと思いながら書いています。(ロリーチカが分かって、亜里沙が分からないって、何!?)
今後も関わらせていきたいと思います。
今回の曲は、
TVアニメ『おとぎ銃士赤ずきん』より
田村ゆかり/『童話迷宮』
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