蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第49話





要するに覚えとけば赤点にはならない

【前回までのあらすじ!!!】

 

 

音ノ木坂学院理事長・南 いずみからラブライブ出場の許可(仮)を得ることができたが、穂乃果たちが今度のテストで赤点を取らないことを前提条件としたものだった!

そこで急遽、俺たちは勉強会をやるハメになってしまった!!

 

 

 

あと、次回で50話なんだって!!割と早かったじゃないか………(cv和平)

 

 

 

 

 

 

 

 

―― 

――― 

―――― 

 

 

 

[ アイドル研究部・部室内 ]

 

 

 

『今日からテスト週間なので、一切の活動を制限して勉強に集中してもらいます!!』

 

 

海未のこの宣言が行われた後、机の上には各学年の国・数・英・理・社・その他のあらゆる教科書や問題集が勢揃い!そこに、明弘の勉強道具もあわせると、4学年分のものがここにあると言う異様な光景が目の前に現れた。

 

 

海未とことりが穂乃果担当、真姫と花陽ちゃんが凛ちゃん担当、希がにこ担当、そして、俺が明弘の担当といったかたちで勉強が始まった。

 

 

「兄弟ぃぃぃ………今度の考査はどこら辺が出るんだよぉぉぉ………」

 

 

こちらは大学生の範囲勉強を行うことに。大学での科目考査では、哲学、社会学、人文学、心理学といった人が持つべき基礎的な知識が集まっている教科から出題されることとなっている。だが、これまでの穴埋め形式のテストとは異なり、1つの論文形式のものを1科目ごとに作らなければならないと言う難しさ。ただ、内容を覚えるだけでなく、自分の中でその知識がかたちとなって応用できなければいけないと言うものなのだ。

これを毎度毎度こなしている学生たちは本当にすごいと思うぜ………

 

 

 

「お前の苦手なのは哲学か………なら、古代の3大思想家ソクラテス・プラトン・アリストテレスのところを勉強するんだな」

「うっそだろ!?3ハゲたちの思考を読み取れってか!!?い~や~だぁ~!!!!」

「ちゃんと講義を受けなかった、己の身を呪うがいい」

 

 

コイツときたら講義が始まると同時に机に突っ伏して堂々と寝ていやがっていたもんな………教授も頭を抱えて悩んでいたっけな?内容を理解しているのならまだしも、『全くわからないから寝ているんだ!』と、何かに強いられているんじゃないかと思ってしまうほどのドヤ顔で話してくるのだから、しょうもないのだ。

 

 

 

「ったく、俺の書いたノートを読んでそれを頭の中に叩き込め!要点は捉えているから問題は無いだろう?」

「おお!流石兄弟だ!!ありがてぇ!!!」

 

 

講義中にまとめた自分のワークノートを手渡すと、それを喰らい尽くし舐め尽すような姿勢で読み始めた。この状態になると、ありえないほどの集中力を発揮するので簡単に覚えてくれるのだが、出来ることならば普段からそうやってもらいたいのだが………………

 

 

 

 

 

 

 

「穂乃果、そこの答えが違っています!」

「あ~ん!!もうわかんないよ~~!!!」

 

「凛、この訳、最初から間違っているわよ」

「んもー!!何を言っているのかわからないにゃ――!!!」

 

「にこっち、そこ違うで」

「んなっ!?そんなわけないでしょ、この天才・にこにーの答えが合ってないなんてそんなはずは……」

「間違いを認めんと、ワシワシするでぇ~?」

「すみませんでしたやり直させていただきます………」

 

 

 

こっちはこっちで大変なことになっているな。というか、ワシワシって何?あのいやらしい手付きから考えると………揉んじゃうのか……胸を………?

 

そんなことを平然とやってしまう希、恐ろしい子だわ………!!

 

 

 

「お~い、そっちは大丈夫か~?」

 

「ダメ……もう無理………」

「凛もお手上げだにゃ~………」

「解らない……でも、ワシワシされたくない………」

 

「普段からちゃんとやってないからですよ!」

「予習・復習をやっていれば簡単にできることなのにね」

「ずっと避けてきていたやろうなぁ~」

 

 

穂乃果たちの予想以上のダメさに、海未たちも困り果てている様子だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっし……それじゃあ、みんなの教科書を貸してくれ」

 

 

「「「えっ?」」」

 

 

「いいから貸しな、赤点だけは回避したいんだろ?」

「うん、わかった………」

 

 

そう言って、穂乃果たちから苦手科目の教科書を手に取り、その内容を読みあさる。

 

 

「海未、真姫、希、テスト範囲はどこら辺だ?」

「二次関数です」

「第3章の時制のところよ」

「ウチらは三角関数やで」

 

 

すぐさま、俺は海未たちから聞かされたところのページを開き、要点となる部分を俺の持つメモ帳に書き出す。穂乃果たちが出したこれらすべての科目に当てはまることは…………

 

 

 

 

「要は、みんな形が出来ていないんだ。公式とか、文法とか……そう言ったことが、頭の中にインプットされていないから出来ないだけなんだ。実際、穂乃果は掛け算ができない理由が掛けることの意味が理解できていないからなんだろう?」

「うん……あれって、足し算と違ってどうしてあんなに数が増えるのかが解からないよ」

「つまり、掛け算という形が出来ていないからこうなる。それでだ、みんなには赤点をギリギリに回避するために、今回のテストのためだけの即席勉強術を伝授するぞ」

 

 

 

「「「えっ!?」」」

 

 

 

「蒼一!それは、後になると忘れてしまうと言うことになるのではないのですか?それでは勉強した意味がないのではないではないですか!?」

「海未、確かに即席と言ったが、これをやり続ければ必ず自分のものになる。だが、今はそんな時間も猶予もない。だから、即席と言ったんだ」

「!……まさか、蒼一それって…!!」

「真姫が思っている通りだ。この1週間で、基礎だけをバッチリ固めさせて、テストの基礎問題は全問正解をさせて、中堅、難問は限りなく答えないという脆刃の剣・戦法だ」

 

 

 

 

「「「「えええええ!!!?!?」」」」

 

 

 

 

海未、ことり、真姫、花陽ちゃんは俺の提案を聞くと大声で叫び驚いた。無理もない、そんな勉強法なんてどこにも存在しないし、ましてや、解答しないと言う切り捨て法なんて、世の中のゼミの講師が聞いたらぶったまげるだろうよ。

 

 

 

「そ、そんな方法で出来ると言うのですか!!?」

「出来る」

「な、なんでそんなことが堂々と言えるのよ!!!?」

「あそこに、成功例がいるからだ」

 

 

と、俺は明弘に向けて指をさした。

 

 

 

 

 

「……嘘………!!」

「嘘じゃないさ。実際、アイツの中学・高校のときの学力は絶望的だったがこの方法で何とか切り抜け、終いには、それが形となって大学に進学できるほどの頭になったんだから保障は出来る」

 

 

 

 

「「「やる!!だから教えて(にゃぁ)!!!!!」」」

 

 

 

 

穂乃果たちは俺の話を聞くと飛び付くように迫ってきた。よっぽどまずいと感じているのだろうか……。俺はその方法を伝え始め、次に、教科書に書かれてある要点の個所をそれぞれに指示した。また、海未たちにも、この1週間、勉強の指導者として見てもらいたかったので、同じようなことを伝えることにしたのだ。

 

 

 

ちなみに…………

 

 

 

 

 

 

 

「宗方さん!もっともぉ~っと、わからないところを教えてほしいにゃ!」

「あぁ………わりぃ……………俺、英語不得意だからこれ以上は無理………」

 

 

 

『ええええええええええええ!!!!!!!!!??????』

 

 

 

この部屋に居る、明弘以外の人がその事実に驚愕した。

 

 

 

だって………難しいやん………覚えるだけで必死なんだもん………応用なんてできねぇよ………

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

[ 音ノ木坂学院・正門広場 ]

 

 

 

「ふぅ……あとは何とかやってくれるだろう…………」

 

 

 

穂乃果たちの事は海未たちに任せ、俺はそのまま家に帰って今度の考査のための勉強を行うつもりだ。ここでやってもよかったのだが、気が散ってしまうため集中できないと言うのが問題となり、この選択を採ったのである。

 

 

さて、このまま帰るか…………

 

 

 

 

 

この広場に生徒はあまりいない。テスト週間に入っているからほとんどの部活が停止していることや早めに下校しているので、この時間帯から下校する生徒は少ないのだろう。

 

 

「只でさえ、生徒数が少ないのにこの様子を見ると余計に寂しくなるな………」

 

 

 

そんな閑散とした広場を後にするように正門をくぐりぬけた。すると……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あのぉ!!」

 

 

どこからか女の子の声が聞こえた。

 

 

声の主は誰なのか、言葉が放たれた方に声を向けると、身長がにこと同じくらいかそれ以下の小さな女の子がそこに立っていた。

制服の柄を見るとこの学校の生徒ではなさそうだ………それに、金髪でこの青い瞳は………!

 

 

 

「……絢瀬…………?」

「はい!絢瀬です!!」

「んなっ!?」

 

 

そんなバカな!?絢瀬が小さくなるはずなんて………まさか、APTX4869でも飲んでこんな姿に!!?いや、そんなはずは………

 

 

「μ’sの宗方 蒼一さんですよね!!」

「ん……あ、ああ、そうだが………」

 

 

俺のことを知らない?ということは、この子は俺の知っている絢瀬では無い。だとすると……

 

 

 

「わぁ!!やっぱりそうなんですね!!μ’sの楽曲やダンスを1人でやっている天才というのは本当なんですね!!」

「い、いやぁ……そうではない。いろいろと脚色されているようだが、俺はそこまで出来ない。楽曲は編曲程度だし、ダンスだって考えたのは俺ではないんだ」

「え?そうだったんですか……?」

「そうだよ。それで、キミは俺に会うためにここに来たってことなのかい?」

「はい、一度お会いしたかったので、お姉ちゃんをここで待つのとついでに来たんです!」

「お姉ちゃん……?」

 

 

お姉ちゃん………まさか……!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「亜里沙」

 

 

 

 

 

広場の方から声が聞こえた。

 

 

俺のよく知っているあの声だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………絢瀬…………」

 

 

「……宗方…………先輩…………」

 

 

 

この子と比べて、決して穏やかではない鋭い目つきでこちらを睨むように見ている彼女こそ、俺が知っている、絢瀬 絵里だ。

 

 

 

 

(次回へ続く)

 

 

 

 

 





どうも、うp主です。


なんだかんだ言って、なんともう50話になるんだとか。まさか、ここまで長々とやることになるとは、思ってもみませんでしたよ~。
う~ん、50話もいくことだし、ここら辺で、何かしようかな?企画みたいなことでもいいのですが、何か要望があればやってみようかと思います。

ああ、例えば、ウチのオリジナルキャラを使いたいでもかまいません。その際は、制限は掛けることになりますがご了承ください。




さて、絢瀬編3話です。
特に、凝った話としてはいないのですが、ここで蒼一が教えている勉強法は自分が実際に行っていた勉強法です。そのおかげで、赤点を採らずに済むどころか高得点を狙えるようになっていったということがありました。
しかし、英語だけは…………………

さて、次回は絢瀬との対話となります。ここも原作とは違った内容ですが、どうぞ、見ていってください。





今回の曲は、

自分を真のオタクとして開眼させてくれた作品です。

TVアニメ『バカとテストと召喚獣』より

麻生夏子/『Perfect-area complete!』

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