蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第48話





少し……頭を冷やそうか?

 

【前回までのあらすじ!!!】

 

 

 

新作PVを投稿したことによりアイドルランキングが急激に上がったμ’s。

 

そんな彼女たちに朗報が飛び込んでくる!

そう、今年の夏にスクールアイドルの祭典、『ラブライブ!』が開催されることになったのだ!!

 

 

蒼一はすぐに、海未と真姫に新曲を作るように指示を出し、彼女たちは『ラブライブ!』に向けて、前進するのだった。

 

 

そんな時、理事長室の扉から耳を澄ませていると、理事長・南 いずみの口からこの言葉が発せられた!!

 

 

 

 

 

『音ノ木坂学院は、来年度より生徒募集を取りやめ、廃校とします』

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、作者よ………原作と違うことになってないか?」

 

 

いいえ、これでいいのですよ……これで……(ニヤリ)

 

 

「(一体、何を考えているのやら…………)」

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

[ 理事長室・室内 ]

 

 

 

(ドンッ!!!)

 

 

 

「いずみさん!!!廃校と言う話は本当ですか!!!!!!!」

 

 

 

 

「宗方先輩!?」

 

 

「蒼一君!……そうですか、聞かれてしまいましたか………」

 

 

 

 

いずみさんの口から『廃校になる』という言葉を聞いた俺は居ても立ってもいられなくなり、そのまま、部屋の中に入り込んだ。

急に中に入ってきた俺の姿を見て、絢瀬といずみさんは驚いた表情をこちらに向けてきた。

だが、いずみさんは何かを悟ったかのように、すぐに平静を取り戻していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お母さん!私はそんなこと全然聞かされていないよ!本当になくなっちゃうの!?」

「今の話は本当なんですか!?本当に廃校になっちゃうんですか!!?」

 

 

 

俺が入っていくのに続いて、他のメンバーたちも続々と中に入って来て、事の真相を確かめようといずみさんに詰め寄ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

「みなさん、落ち着いて。今すぐに廃校になると言う話ではないのですよ」

「どういうことですか?」

「今からおよそ1ヶ月にオープンキャンパスが開かれることになっているのです。そこで見学に来てもらった方々にアンケートをとってもらい、その結果次第で廃校にするか決めると言う話よ」

 

 

なるほど、そう言うことなのか……今すぐにそうなると言う話だったら、俺の計画が御破算になるところだった。だが、それは1ヶ月の猶予しか俺たちにないということを指示している。

 

 

ぐずぐずしている暇はなさそうだな……………

 

 

 

「それで、蒼一君たちは私に何か用があったのかしら?」

「ああ、そうでした。実は、いずみさんにお願いしたいことがありまして……」

「何でしょうか?」

「まずは、この資料を見てください」

 

 

 

俺はいずみさんに、さっき印刷したラブライブの資料を手渡し、その内容を説明した。

 

 

 

「ラブライブねぇ……」

「日本全国で一斉TV中継されることになっているそうです」

「もし出場できることになれば、学校の名前をたくさんの人に知ってもらうことができると思うの!」

「開催日程は8月末頃だとしていますが……どうでしょう、それまで廃校の話を遅らせてくれるのであれば、結果を出すことは出来ます!」

 

 

アイツらがラブライブという目標を据えてやることでやる気も一段と上がってくれるはずだ。

そうすれば、このまま好調に順位を上げていくことができ、8月までにはラブライブに出場することができるところまで行けるだろうと考えている。

 

 

まずは、いずみさんからの推しがなければいけないのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は反対です」

 

 

やはり、喰らいついてきたか………絢瀬!

 

 

「理事長は学校のために学校生活を犠牲にするようなことはするべきでないとおっしゃっておりましたよね?であるならば、こうした活動はするべきでないと判断しますが、どうなんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうね…………でも、エントリーするくらいなら許可しても構わないわ」

 

 

「理事長!!?」

 

 

 

よし、いずみさんからの許可を得ることができた。しかし、本当に簡単に許可してくれるとは………もう少し、詰め寄ってくるかと思ったのだが……

 

 

「待ってください!!どうして簡単に許可するのですか!!私には納得できません!!」

 

 

絢瀬は納得がいかないようで、いずみさんに迫っていった。

 

 

「私が提案したこの企画は駄目で、こっちはよし、だなんて酷過ぎないですか!?」

 

 

いずみさんは机に置かれていた書類を手に取った。

あの書類が絢瀬が考えた企画書なのか。一体、どんなことが書かれているのだろうか?

 

 

「絢瀬さん、あなたはこの書類の内容が問題ないと言って私に渡したのですよね?」

「はいその通りです」

「ですが、()()()()()私の目には不備があると判断しています。ですから、私はこの企画を通すことができないと言っているのですよ?」

 

 

この書類も?……あの書類の他にも作成していたものがあったのか?

 

 

「な、何が問題なのですか!?問題があるのならば言ってください!!」

「あなたはその企画を誰かに確認してもらったことがありますか?そうした段階を踏まないものを私に見せられても許可できないのです」

「そ、それは………」

 

 

絢瀬はいずみさんの言葉に動揺していた。

それは多分、いずみさんが言うように、誰にも確認をしないで自分の解釈のみで作り上げてきたものなんだろうな。

 

 

 

そうか………絢瀬のその悪い癖は未だに治っていなかったのか………

 

 

 

 

 

 

 

「……では、理事長から見て、この企画のどこが悪いのか意見をいただいてもよろしいですか?」

 

 

 

んな?!あ、絢瀬は一体何を言っていやがるんだ!!それをマジで言っているのだとしたら、かなりの重症だぞ!!

 

 

 

いずみさんは困り果てた表情で絢瀬にこう言い返した。

 

 

 

「絢瀬さん………私からは意見を出すことはもう何もないわ………それに、これはあなた自身が考えなければいけないことなのですよ?」

「ですから!!私では難しいと判断したので理事長からの意見を聞きたいのです!!!」

 

 

絢瀬は机に両手を置き、身を乗り出すようにさらに迫っていった。

その様子を見ていた明弘や海未たちは「まずい!」と察したようで、それぞれの口から様々な驚嘆の言葉が飛び出し、驚いた表情をしていた。

 

 

 

 

その束の間、いずみさんの表情が険しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絢瀬さん………あなたは何も「スト―――――ップ!!!!!」」

 

 

 

いずみさんが喋る前に、2人の中に入って絢瀬をいずみさんの前から遠ざけた。

 

 

 

「な、何をするのよ!!!」

 

 

どうやら、絢瀬はこの状況を全く理解していなかったようだ。

このバカには、少し言わねぇとわからねぇようだな……………

 

 

俺は絢瀬に迫り、いずみさんたちに聞こえないボリュームで話し始めた。

 

 

「おい、このバカが!お前の感情論を理事長にぶつけてんじゃねぇよ!!今のお前を見ていてよくわかった………お前がどんな企画を作ったのかわからねぇが、この学校のためにならねぇものだということだけは理解できる!!この学校はお前だけのものじゃねぇ………この学校にいるすべての人のものだ!!ソイツらの事を考えないで企画なんて作るもんじゃねぇよ!!」

 

「…ッ!!」

 

 

絢瀬は苦虫を噛んだような顔をしながら俺の話を聞いていたが、その目を見ていると今にも襲いかかってきそうな威圧を示していた。

 

 

「少し、頭を冷やして来るんだな……」

 

 

 

 

俺はそのまま絢瀬を外に追い出すように退室させた。このままにしていても何も解決されないどころか、新たな問題を起こしかねなかったのだから、こうするほか無かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

 

絢瀬を退室させたことで、この場に緊迫していた空気が解けていくのを感じ取った。明弘たちも同じように緊張を解いて安堵していた。

 

 

 

 

 

 

「……蒼一くん、ありがとうね」

 

 

いずみさんは一息ついた様子でそう言ってきた。

 

 

 

「いえ、あのままにしておけば更なる問題が生じかねないと察しただけです。それに、今の絢瀬にいずみさんの本心を打ち明ければ、立ち直れなくなるでしょう」

 

 

口論が激しくなる程度で終わるのか、それとも、そのままペナルティを突き付けてしまうのか………そういったことが、脳裏に過っただけだなのだから………

それに、人にはキツく当たることができるのに、自分がそうされると弱いと言う脆刃の剣の持ち主なのだから余計に心配になってしまうのだ。

 

 

 

 

「こうしたことの後で申し訳ないのですが、俺が渡した資料通りに話を進めても構わないのですか?」

「そうですね………これがここにいるみんなが考えた結論であれば、私はこれを突き返すことはしません。ですから、その通りに事を進める()()をしてください」

()()……ですか。何か問題がありますか?」

「そうですね、勉強を疎かにしてはいけないと言うことです。あなたがたは我が校の宣伝をしているのですから、そのお手本として、勉学も部活も両立していることを示してもらいたいのです」

「なるほど、文武両道ですね。それに学校は勉強を行う場所ですからね」

「そうです。ですから、みなさんには今度の試験で誰か1人でも赤点を採るようなことがあれば今回の話は無かったことにします。よろしいですか?」

「わかりました。その辺は大丈夫かと思います」

 

 

 

 

 

すると、後ろの方から只ならぬものを感じ取った。

振り返ってみると、穂乃果・にこ・凛ちゃん、そして、何故か明弘が膝をついて落ち込んでいたのだ。

 

 

 

 

 

おいおいおいおい…………まさか………な………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

[ アイドル研究部・部室内 ]

 

 

 

「お前たち………現状を説明せよ………」

「大変申し訳ございません」

「ません」

 

 

部室に戻ると、すぐさま3人に勉強の進行具合を聞いているところでごぜぇやす。

 

まず、穂乃果は数学が苦手で、凛ちゃんは英語が苦手であることが判明した。それぞれに学力審問をしてみると、穂乃果は中学2年レベルでしかも掛け算が危うく、凛ちゃんは英語は肌に合わないと根本的にダメであるということだ。

 

 

んで、にこはというと……………

 

 

「に…に……にっこにっこにーがあ…赤点なんて、と…取るわけないでしょ……(震え声)」

 

 

めっちゃ動揺していた。

 

 

ちなみに、苦手としているのは数学Ⅱだという。あ~……これはめんどくさいヤツだ………

 

 

 

「蒼一、穂乃果は私が見ることにします」

「凛は私に任せといて」

 

 

海未と真姫が率先して勉強を教えることを引き受けてくれたことに俺は猛烈に感動している!!これが友情パワーなんだね……!!

 

 

 

 

 

「にこっちはウチに任せといてや!」(ヌッ)

「……お前はどこから出てきたんだよ………」

 

 

希がテーブルの下から出てきたことに俺を含め、メンバー全員が驚いている。ホント、お前はどこからでも出てくるようになったんだな………まるで、四谷さんみたい………

 

 

結果として、それぞれにサポートが入ってくれたことで、メンバーのテスト勉強は何とかなりそうだな…………あとは…………………

 

 

 

 

 

 

「ちなみに、お前は何がダメなんだ?」

「………て、哲学…………」

「……少しは努力をしろ!!!」

 

 

こちらも今度の大学で行われる試験の勉強を頼まれることに……………

 

 

はぁ、どうしたもんだろ………

 

 

 

 

 

 

(次回へ続く)

 






どうも、うp主です。


絵里編 第2話ですがどうでしょうか?
大体はこんな感じの絵里が話の中心人物として動くことになります。


非常にドライな人になっていますが、ご了承ください……………


さてさて、次回も頑張るか!





今回の曲は、


TVアニメ『魔法少女リリカルなのはStrikers』より


水樹奈々/『SECRET AMBITION』

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