蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第47話


близкий друr(親友) ~絢瀬編~
タイミングが重要だ!


 

 

【プロローグ】

 

 

私は小さい頃からバレエをやっていた。

きっかけは、おばあさまからの勧めで始めたものだけど、練習をしていくうちに上達していくのが楽しくなっていた。その様子を見て、おばあさまも大喜びしていたわ。

 

 

私はおばあさまの喜んでいる顔が見たかったからバレエをやっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今年の優勝者は………―――――――です!!!』

 

 

 

私は一番になることができなかった………

 

 

 

 

何年もあの表彰台に立とうとした。

けど、どんなに練習や努力を重ねても、あの高みに到達することは出来なかった。

 

 

何度も、何度も、何度も、何度も、何度も…………………………

 

 

 

 

 

私は気が狂わんばかりに必死で練習をし続けた…………が、練習をすればするほど結果は悪くなる一方だった。練習や大会でずっと見ていて下さったおばあさまの表情も、いつしか不安そうな顔へと変わっていってしまった。

 

 

 

私が………私がもっとしっかりしていれば、いい結果を見せることができるのに………

 

 

 

もっと………自分に厳しくならないと………すべては結果のため………

 

 

 

もっと…………………

 

 

 

 

 

 

 

もっと……………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

[ アイドル研究部・部室内 ]

 

 

「おお!この前のPVのおかげで、また順位が上がっているぞ!!!」

 

 

 

「「「やったぁ――――――!!!!!」」」

 

 

 

 

μ’sの新しいPV『これからのSomeday』が思った以上に好評だったようで、再生数と共にアイドルランキングが、ググ――――――ッと上がってきたわけだ。明弘たちが、ことりからの注文を忠実に再現したセットを用意し、さらには、大がかりな演出を行うために何度も撮り直しをし、最後に編集をかけるといった、とてつもなく手間のかかったことをしたのだ、これであまり上がりませんでした、という結果になってしまっては泣いてしまうぜ!

 

 

 

「やったね!これで私たちの学校の人気が高まってくれるよ!」

「すぐにはならないと思うけど、確実にそうなっていると思うね!」

「そうですね、これだけの人が見てくれているのですから、自ずと高まってくれることでしょう」

 

 

 

穂乃果たちは口々に言い、PVにかける期待を高まらせていた。

 

 

 

 

 

 

 

すると……………

 

 

 

 

(ドンッ!!!!)

 

 

 

部室のドアが勢いよく開いて、そこから3人が飛び出してきた。

 

 

 

 

 

「宗方さん!!た、大変ですぅ!!!」

「スクープをお持ちいたしましたよ!さあさあ、聞いて下さい驚きなさい!!!」

「兄弟ィィィィ!!!!!!一大事が起こったぞ!!!!!!!!」

 

 

花陽ちゃん、島田、明弘の3人が揃いもそろって、息が上がり目であるにもかかわらず大声で叫びながら入ってきた。まるで、嵐が入ってきたかのようだ!!

左から……台風・ハリケーン・サイクロンと言ったところか?

 

 

 

って、全部同じじゃん!

 

 

 

 

「まずはこれを見てください!」

 

 

最初に行動に出たのは花陽ちゃんだ。

そのまま、部室内のPCの前に座り、何かを検索し始めた。

 

 

 

その間に、遅れながらも真姫と凛ちゃんが入室してきた。

どうやら、彼女たちは花陽ちゃんたちに呼ばれたそうだ。

 

 

 

「みなさん、これを見てください!!」

 

 

全員の視線がPCの画面に集中した。

 

そこに見えていたのは……………

 

 

 

 

 

「ラブライブ!…………………………ってなに?」

 

 

 

『ズゴォ!!!!!!!!』

 

 

 

穂乃果が自信満々に叫んだかと思いきや、不抜けた声で何これ?と言ったために、ここに居る全員がズッコケた。知っているのか、雷電!!的な展開になることを期待していたのにガッカリだ!!

 

 

 

「穂乃果先輩知らないんですか!!?」

「うむむ・・・これは仕方ありませんね、私たちが教えてあげるしかなさそうです!!」

「しょうがねぇ・・・いいか、ラブライブ!って言うのはな・・・!」

「今年から行われることになった全国のアイドルたちが競い合い頂点を目指す大会、それがラブライブ!です!!」

「エントリーしたアイドルの中でも上位ランキング20位までのグループだけが出場することが許される、まさにアイドルの甲子園!」

「出場するグループは数々の大会に出場して賞を採る実力者ばかり!!」

「その中には、あ、あの前年度、全国学生アイドル大会優勝グループ・AーRISEがいるんです!!!」

「現在のランキング1位を独走しているので、出場は待った無しですぅ!!!」

「あ、圧倒的な存在だぜぇ・・・・」

 

「う、うん・・・そうだね、何となく分かった気がするよ・・・・」

 

お、おう・・・・お前たち少し落ち着こうか・・・・

目の色変えて話すから穂乃果が引いてしまっているじゃないか・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんな大会があるのか……

 

 

「はぁ~~~こんな夢のような祭典があるなんて、感激です!!チケットはいつ発売されるのでしょうか?特典はなんなのでしょうか~~~?」

「おいおい花陽ちゃん、まさかその大会を観に行くのか?」

「当たり前です!見に行きたいに決まっているじゃないですか!!」

「花陽はアイドルの話をするといつもこうだからね」

「凛はこっちのかよちんも好きだにゃ~」

「あはは…確かにそういう性格だったな…俺はてっきりその大会に出場するものだと思っていたぜ」

「ええぇぇぇ!!!そ、そんな私たちがその大会に出場するだなんて恐れ多いことですぅぅぅ!!!」

 

 

 

目をギラギラと輝かせていた花陽が急に萎縮してしまった。

相変わらず、キャラの変化が早いなぁ~。

 

 

「そうだよ!折角、スクールアイドルをやっているんだから目指してもいいと思うよ!!」

「俺も賛成だぜ、兄弟!やったらいいと思うぜ!」

「今のところ順位は徐々に上がってきていますし、このまま行けば出場は出来ると思いますよ」

「それに出場するまで順位を上げれば廃校の話だってなくなるかもしれないよ」

 

 

そうだな……出場できるほどの人気が出れば、自然とこの学校に人が集まってくれるに違いない。

 

 

「よし、その路線で行ってみるか!という事で、海未、真姫。新しいのを頼むぜ!」

「わかりました。私もラブライブ出場を目指して頑張って書いてきますね!」

「そう簡単に曲が思い付くものじゃないけど……まあ、努力してみるわ」

「ああ、頼むぜ」

 

 

着実に実力と共に人気も得るようになってきた時に、こうした話はまさに渡りに船。

この船に乗らないわけにはいかないな。

 

 

この一手が、穂乃果たちをさらに強くしてくれるに違いない。

 

 

 

「宗方さん。あとですねぇ~、参加条件として学校の許可を得るようにとあるのですが、どうします?」

「どうします?って、そりゃあ頼みこむに決まってるじゃないか」

「頼みこむって……まさか、あの生徒会長にってことじゃないでしょうね?」

「兄弟、さすがに俺もアイツにお見込むってのは気が進まねぇよ」

 

 

真姫と明弘は見るからにして嫌そうな顔をして語りかけてきた。

そりゃあそうだ、絢瀬と会うのはあの後以来だから、良くは思っていないのだろう。

 

無論、この俺もだがな………だから、この方法で行くしかないだろう………

 

 

 

 

「お前たち、島田の言葉をちゃんと聞いてなかったのか?」

 

「「ん?」」

 

「島田は、()()()()()()()()って言ったじゃないか。それに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だろう?」

 

「「………………あっ!!まさか!!?」」

 

「そうさ、この学校には俺たちの活動を初めから許可してくれた人がいるじゃないか。今からその人に会いに行こうじゃないか」

「なるほど!確かにすんなり許可してくれそうな感じがするぜ!!」

「すんなり許可してしまうのはどうかと思うけど、大丈夫そうね」

 

 

 

俺もあの人が簡単に許可してくれそうな感じがする様子が目に浮かぶし、何を考えているのかすら、とんと見当もつかない。親は子に似て、子は親に似るってか……だとしたら、勘弁してほしいな……

 

 

 

 

 

 

(ドンッ!!!)

 

 

「あんたたち!遂に……遂にこの夏に開催されるわよ!!スクールアイドルの祭典が!!!」

 

 

さっきの花陽ちゃんたちと同じようにドアを勢いよく開けて、にこが入ってきた。

しかし、その話は遂さっきしたばかりでな………………

 

 

「にこ先輩、その話はもうみんなに伝わってますので、もういいですよ~」

「ちょっと!!!さり気なくお役御免扱いしないでよ!!!」

 

 

 

タイミングの問題だったなこれは………

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

[ 理事長室前 ]

 

 

「ことり先輩のお母さんがこの学校の理事長だったなんて知らなかったにゃ~」

「案外、言われてみるまで気付かないものなんだな、ことりといずみさんの関係」

「普通は知られるモノなんですが………ただ単に、興味が無かっただけじゃないでしょうか?」

 

 

うん、島田のその意見に一票!

 

凛ちゃんって、穂乃果と同じように何か抜けているところがあるからそうなんだろうな。

というか、入学式とかで顔を見ているし、名前も見ていれば何となく察するものなんだけどなぁ………

 

 

 

「それじゃあ、中に入るぞ」

 

 

俺が扉の取っ手に手をかけたその時、中から大きな声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

「待ってください!もう少し待ってくれないのですか!!!」

 

 

 

 

 

 

 

この声は…………絢瀬か!一体、いずみさんと何の話をしているのだろうか?

 

 

 

 

扉の戸を少し開けて中をのぞいてみると、絢瀬がいずみさんに迫って話をしていた。

 

 

 

そして、いずみさんの口から出てきた言葉は…………

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。でも、これは決定事項なのよ…………音ノ木坂学院は、来年度より生徒募集を取りやめ、廃校とします」

 

 

 

 

 

 

 

なん…………だと…………!!!?

 

 

 

 

 

 

いずみさんの口から出てきた言葉に、俺とここに居る全員の体が凍った…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

(次回へ続く)

 

 

 

 

 





どうも、うp主です。

大学の講義中に執筆をしているトンデモ人間をやっております。



なんやかんやで、8月も中盤を過ぎて後半戦突入ですか……………
あれ?今月中に第一章終わることができるの???

なんか心配になってきたなぁ…………


そんな心配はさて置き、絵里編にようやく入れた…………

はい、ここで皆さんにご注意してもらいたい。
この編に出てくる絵里は………





かなり、ヤバイ人です。

なので、いつものことですが………



エリーチカファンのみんなァァァ!!!ごめんねぇぇぇ!!!!!!!

でも、大丈夫。グロテスクなことにはならないはずだから…………


とは言っても、他の作家様方が作られた作品内での絵里の方がヤバイと思いますけどね………
それに対抗するつもりはないですが、アニメよりか、かなりシリアスに行こうと思います。


では、次回もお楽しみに!




今回の曲は、

TVアニメ『エル・カザド』より

FictionJunction YUUKA/『romanesque』

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