蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第45話





いい汗をかくと嫌なことを忘れられる

 

 

【前回までのあらすじ!!!】

 

 

 

「リーダーに必要なものとはっ!!それは~!

 

 

 

情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!そしてェ、なによりもォ―――――――……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……速さが足りない!!」

 

 

 

 

 

「違う!!それは最速(クーガー)理論だ!!!!」

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

[ 某ゲームセンターアキバ店 ]

 

 

「次は、ダンスで勝負よ!今度は、歌のように甘くは無いわよ。使用するのは、この『アポカリプスモード・エキストラ!!!』」

 

 

 

まだ、にこはみんなの実力を測るために、このような手段に出たが、そんなことをしても意味がないと思うのだがな……。さっきと同じような結果が見えているんだけどな………

 

 

 

 

 

「う~~ん…………」

「どうした、凛?」

「うん…凛ね、運動は得意だけどこういったことはやったことが無いからわからないんだ~」

「え?」

 

 

 

おや?これはもしかして、にこにとっては好機なんじゃないだろうか?

慣れないメンバーに対して、にこ自身は手慣れているモノをやらせるなんて……策士じゃのぉ…

 

 

 

 

 

 

 

…………って、あっちで穂乃果たちがクレゲを楽しんでいやがる…………本来の目的も忘れているようで、何よりですなぁ……

 

 

 

……ん?おっ!!アレは……………!!

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか出来たにゃー!」

 

 

 

おやおや、意外とあっさり出来ちまっているじゃんか。しかもスコアは…………おお!!!AA!!!最高ランクを叩きだすとはやるじゃないか!!!

 

 

 

「やるじゃぁ~ん、凛ちゃ~ん!!」

「えへへ、滝さんの指導のおかげだにゃー!!」

 

 

 

いやぁ~俺のおかげだなんてぇ~照れちまうぜぇ~~~~~

凛ちゃんは元々、運動神経がかなり良かったし、俺の動きにだってついて行くことが出来たくらいだからな。だが、初見でこのゲームをそのスコアでクリアしちまうなんてさ、只者じゃぁねぇよ!

 

 

 

くぅ~~~~………俺も久々にやりたくなってきたなぁ~~~~~!!!

 

 

 

 

「出来たー!!」

「割と簡単にできましたね」

「まさか、ここまでやれるなんて……」

 

 

穂乃果と海未と矢澤は楽々Aランク。

 

 

 

 

 

「ちょっと、激しいのは難しいなぁ~…」

「はぁ…はぁ……体力をつけてなかったらバテていたわ……」

 

 

ことりと真姫ちゃんは難色を示しながらも何とかBランク。そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ………はぁ…………ぴ………ぴゃぁぁぁぁぁ………………………」

 

 

今にも倒れそうな感じになっている花陽ちゃんはCランク………

 

 

 

 

 

だ、だが………!!!

 

 

 

こちらの視点から見える花陽ちゃんのOO(ダブルオー)が、飛び跳ねるごとにたゆんたゆんと揺れるッ!!もっと激しい曲をやらせたら………と、トランザムするんですかねぇ?(願望)

…………さ、最近の女子高生は、ハッテンしてんなぁ~~………(遠い目)

 

花陽ちゃん。キミのダンスランクはCだったけど……そのOO(ダブルオー)はD……いや、それ以上かもしれないね!御馳走様ですッ!!!!

 

 

 

 

 

「明弘、今何を想像していましたか?」

「う、ウミチャー?!ど、どうしたと言うんだ…ま、まるで俺がいかがわしいことをしているかのような言い草じゃないか!」

「そうですけど。あなたのいかがわしい思考を読み取った気がしたので………」

「そのようなことがあるはずがございません」

「……本当ですか?」

「決して、そのようなことはございません」

「………その言葉を信じましょう」

 

 

 

 

あ、あっぶねぇー!!何だ……海未はエスパーなのか?人の思考を読むのが得意なのか?

 

 

はっ!も、もしや………花陽ちゃんのOO(ダブルオー)からGN粒子が流れ出て、俺の思考が粒子と共に流れ出ていったのか!!……ということは、海未はイノベーターなのか!?

 

 

これが人類の革新なのか………………

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなバカなことを考えながら花陽ちゃんのむn…ゲフンゲフン……OO(ダブルオー)をまじまじと見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?もう終わったのか?」

 

 

みんなのダンスが始まる前に、どこかに消えてしまっていた蒼一が帰ってきたようだ。ったくよぉ、一体どこをほっつき歩いていたんだ………………よ……………?

 

 

 

 

 

「……兄弟………その物体は何だ……?」

「ん、これはニャンコ先生のぬいぐるみだな!!」

「……何体あるんだよ……」

「5体だ!!」

「獲り過ぎぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

 

ダンスそっちのけで何をやっているんだぁぁぁぁ!!?ニャンコ先生?!腕に抱えることができるくらいのほぼ等身大サイズのを何で5体も持ってんだぁぁぁぁぁ!!!!!??

 

 

 

「はわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!なにこれかわいいぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

「ん、ことり欲しいか?」

「いいの!?」

「ほら、1つだけだぞ」

「あ、ありがとぉ!!!!はわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!ふわふわ、もふもふ~~~~♪かわいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

ニャンコ先生を手に入れた瞬間に、ことりが大暴走をし始めたぞ?!おいぃぃぃぃぃ!!!!こうなった時のことりは手が付けられないんだぞぉぉぉぉ!!!!!!

 

 

ことりの暴走が始まったものの、その周囲には何の影響も出なかったのが幸いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蒼君!弘君!!これやってみてよ!!」

 

 

 

穂乃果が俺たちにあのゲームをやって見せてほしいと催促がかかった。言うまでもなく、俺は端っからやるつもりだったんだけどさ、蒼一が乗ってくれるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいだろう、一回だけやってやろうじゃないか」

 

「!」

 

 

 

好機…!このゲームを使って蒼一と勝負したろうじゃないか!!!さっきのカラオケでは負けちまったが、ダンスは俺の得意中の得意!しかも、蒼一にダンスを教えたのもこの俺だし、今でも最強のダンサーだ!!これだけ好条件が詰まっていると言うのに敗北することはあるだろうか?

 

 

 

 

 

いや、ない!!

 

 

 

 

 

 

 

「ふっふっふ………兄弟、ちょうどいい機会だから、そのゲームでリベンジさせてくれよ……」

「何?さっきのカラオケのリベンジ戦をここでおっぱじめる気か?」

「あたぼうよ!!今度こそ、蒼一に敗北という2文字を刻ませてもらうぜ!!!」

「ほぉ………ならばよし!その勝負乗らせてもらうぞ!!!」

 

 

 

こうして、俺と蒼一の対決、第二回戦が行われることになったわけだ!!

 

 

さて、選曲はどうするべきか………出来るだけ難しく、かつ、蒼一が知らねぇものにしねぇとな…………。とは言っても、ここにある楽曲は、どれも蒼一の家にあったものばかり………どうしたものか…………………ん?おっ!!こういうのがあるのか!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「何を踊るのか決めたのか、明弘?」

「あぁ、たった今決めたばかりだぜぇ………。ふっふっふ……これで負けて、この楽曲を蒼一の敗北の舞とするがいいさ……!」

「ほざけ、その言葉をそのままにして返してやるぜ………。いつまでも、お前の下に居ると思うなよ……?俺は頂点を目指す者ぞ」

 

 

くっくっく…………その威勢はいつまで続くかな?楽しみだぜ………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が選んだ曲は………これだ!!!」

 

「……ん?これは知らないな………」

 

 

よしっ!!予想通りの返答が来たぞ!!!これで勝てる確率が大幅に上がったぜ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んな?!な、な、なんでその曲を選んだの!?」

 

 

俺が選択した楽曲に対して、にこが声を荒げた。

 

 

 

「どうしたんですか、にこ先輩?」

「どうしたもこうしたもないわよ……………。あの曲はこのゲームの中でも最難関鬼畜曲と呼ばれていて、数々の玄人たちの悲鳴を上げさせたほどのもの……………。しかもそれを、配信から半年経っていても誰1人としてクリアすることができなかった地獄級(インフェルノモード)でプレイするなんて、どうにかしているわよ!!!!!」

 

 

 

「ふははははは!!!そうだよ、矢澤!!俺は蒼一を倒すためにこの曲を選んだのさ!!だが、俺自身も初見だが、クリアできる確証がある!!!そう……この俺ならできる……俺だからこそ完全勝利(パーフェクト)を成し遂げられるのだよ!!!」

「御託を並べりゃあ勝てるのか?いいや、違うね。勝つ……!ただ我武者羅に勝つのみだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『Set!! Are you ready?』

 

 

ゲームの開始準備の合図が来た!俺と蒼一は身構え、その時をコンマ秒で待ち望んだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『GO!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

合図とともに、今までに見たこともないほどの矢印が飛び出てきやがった!!!

1秒ごとに10か?………いや、それ以上の矢印が襲いかかる………!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、それがどうしたというのだ?

 

 

多いのであれば、それに合わせるように体の反応速度を急激に上げちまえばいいのさ!!

 

 

ギアを上げるぜ!!!

 

 

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」」

 

 

 

俺がギアを上げる瞬間と合わせるように蒼一もギアを上げてきた!!!

くっくっく、コイツはおもしろくなってきやがった!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「「↑↑→→↑↑↓→→←↑↑↑↓→↓↓→←←↑↓↓→→↑↑↑↑→↓↓→→↓←→↓↓↓↓↑←←↓↓↓→→→→↑↑↓↓↑→→↓↑↑↑→↑↑←←→↓↓↓↓↑→←↑→↓↓↓→→↑↑→↓↑↑↑↑→→↓→→→↑→←←↑↓↓↓↓←↑↑↑→↑←↓↓↓↑→↑↑↓→→↑←←→↑→←←↑↓↓→↑↑→→→→↑←↓↓→→→↓→←……………」」

 

 

 

 

 

 

くっ……!!まさか、ここまでやれるようになっていたとは……俺の動きと同等に合わせてきやがるとは……。くっくっく………やはり、お前はすげぇヤツだぜ………蒼一!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『インフェルノモード、パーフェクト!!!!!』

 

 

 

「「よっしゃあ!!!!!!!!」」

 

 

俺と蒼一はこの楽曲をミスなくクリアすることができた。しかも、驚いたことに俺たちの点数はまったく同じだったのだ。

ふっ、久しぶりにいい汗をかいちまったようだな……。最早、対決など不毛だな……。

俺は思わず右手を差し出した。蒼一も同じように右手を出してきたので、互いに手を打ちあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこからともなく叫ばれる大歓声がこの空間を包み込んだ。

 

 

どうやら、俺たちが踊っている様子を見ようと多くのギャラリーたちがいたようだ。

ははっ!!やはり、いいものだな。こうして観客が見ているところでパフォーマンスをやるって言うのはたまんねぇよ!!!

 

 

 

俺たちは満足しきって、ギャラリーたちにハイタッチを交わしながらその場を立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………もう、どうでもよくなってきたわ………」

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

[ 部室内 ]

 

 

「う~~~ん、なかなか決まらないね~~~~」

 

 

 

ゲームセンターから戻ってきた俺たちは、そのまま部室に戻り、リーダーはどうするのかという話し合いを再開し始めた。しかし、全員の能力値を測ったもののリーダーとして相応しい人物を見つけることができなかったのである。

 

 

 

「歌は真姫ちゃんがよかったけど、ダンスがそこそこなんだよねぇ~。一方、ダンスは凛ちゃんがよかったけど、こっちも歌がそこそこって感じなのかな?」

「それで、結局誰が相応しいんだ?」

「それは!この私、矢澤 にこに決まっt…」

「もう、蒼一でいいんじゃないの?」

「おいおい真姫、言っただろ、俺はお前たちと同じように舞台に立つことは出来ないんだって。お前たちの中で決めなければいけないんだぜ?」

「歌もダンスもすごくよかったと思いますし、悪くないと思います!」

「花陽ちゃんまで………」

「だ~か~ら~!!私がリーダーになればいいのよ!!」

 

「却下ね」

「難しいと思います…」

「何か物足りないにゃ」

「あきらめろ、にこ。一年生の支持率は0だ」

 

「現実は非情すぎるわ!!!!」

 

 

 

 

まあ、にこがリーダーに選ばれないのはわかってはいたんだけどね。

 

 

 

「しっかし、リーダーを1年にやらせるのも酷だし、ここはやはり、上級生である2年生に任せるべきじゃあないか?」

「む、無理です!!私にはできません!!!」

「私もパスかな……どちらかと言えば裏方の方が多いし……」

「となると、最終的に穂乃果ってことになるが……」

 

 

 

 

 

 

 

「ん~~~……私はリーダーが無くてもいいんじゃないかなぁ?」

 

 

「「「「「「「「え????????」」」」」」」」

 

 

穂乃果の口からとんでもない言葉が飛び出て来た。いらない?リーダーが?そりゃ本気かよ!!?

 

 

 

「無くてもって……穂乃果、それはどういうことですか?」

「うん、リーダーがいなくても全然問題ないってことだよ。今までだってそうやってきたんだし、これからもそうやっていてもいいんじゃないかなぁって」

「リーダー無しのグループなんて聞いたことが無いわよ!」

「私ね、考えてみたんだけど……みんながリーダーってのはどうかなって?」

「みんながリーダー??」

「なんかね、1人1人がリーダーとしてステージに立ってね、順番に歌っていくのって、いいなぁって思ったんだ!どうかなぁ?」

 

 

みんながリーダーとして順番に歌っていくか………なるほど、実に穂乃果らしい考えだな。

 

 

 

 

「悪くないな。真姫、明弘、そうしたことができる曲とダンスはつくることができるか?」

「まぁ……作れなくは無いとは思うけど……やってみるわ」

「おもしれぇ!それならちょうどいい考えが浮かんでいたところさ!!」

「他に異論があるヤツはいるか?」

 

 

そう聞いてみると、全員納得したような顔をしてうなずいた。

 

 

 

 

 

 

「よ~~~し!!そうと決まれば、早速練習しに行こう!!!」

 

 

 

穂乃果は立ちあがって、誰よりも早く屋上に向かって駆けて行った。

俺たちもその後に続いて行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

「でも、本当にリーダーは無くてもよかったの?」

「何を言っているんだことり。もう、すでに決まっていたじゃないか」

「そうですよ、最初から決まっていたんですよ」

「何にも捕らわれずによぉ、今一番やりたいこととか、面白そうなことを怪しむことなく真っ直ぐに突き進んでいく能天気なヤツ。それがアイツってなわけさ」

「しかも、周りを巻き込ませるという強引なことができるのは、穂乃果しかいませんからね」

「確かに…そうかもしれないな」

 

 

結果的に穂乃果がリーダーを務めることになったのだが、みんなは薄々気づいていたのではないだろうか?穂乃果の持っている人徳が大きな力となり、みんなを巻き込むように引っ張ってきたのだ。無論、この俺もそれに巻き込まれた被害者である。

そして、改めて穂乃果の言葉を聞いて気が付いたんだ。リーダーに相応しいのは誰なのかって……

 

 

 

 

「みんな――――!!!早く練習しようよ!!」

 

 

 

やれやれ、少しはこちらのことに気を掛けてもらいたいものだ。

 

 

 

「そんじゃ、いっちょやっちゃいますか!!」

 

 

 

 

(次回へ続く)

 






どうも、うp主です。


学校の授業が再開されて、投稿するタイミングをかなり逃してしまいました。スマセン……(><;)



さあ、前回と今回とで蒼一と明弘の実力が見えてきたと思われます。歌がうまくって、ダンスもすごいって………ジャニーズ(育成組)顔負けじゃないですか!

私は、歌ならこのくらい出すことはできそうですが、ダンスは万年Bランクかも……



さて、次回でこの話は区切られ、また新たな話へと展開していきます。その話がこの章の終りとなります。そしたら第2章に突入ですよ!

さて、がんばろうかな!!



今回の曲は、

TVアニメ『機動武闘伝Gガンダム』より

鵜島仁文/『Trust You Forever』

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