第43話
【前回までのあらずじィィィ!!!!】
にこの加入(実際は、こっちがドル研に入部)したことにより、μ’sは事実上、学校公認のスクールアイドルとして活動するようになった。
蒼一たちは兼ねてより計画していた、次の曲について話し合いがされていた。
そんな時であった………
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「ど~も!広報部で~す!!!」
部室のドアをドーンという大きな音を鳴らして入ってきたのは、広報部部長の島田である。
この様子だと、俺たちμ’sがアイドル研究部に所属することとなって、ようやく学校公認のスクールアイドルとして活動することができるようになった、ということを聞きつけたんだろう。
んで、その取材に来たってところだろう。
「いやぁ~、μ’sがとうとう学校公認されることになって本当に良かったですね~。一時はどうなることやらとハラハラしながら見ていたんですが、いやぁ~そうですか、そうですか………これはこれで万事よしってとこですかねぇ~~~?」
「相変わらずテンションが高いヤツだな……まあ、島田の言うとおりここまで漕ぎ付けることができて本当に良かったと思っている。だが、これは始まりに過ぎないさ。俺たちは廃校を何とか阻止しなければならない。そのためには、学校全体が目的を1つにして取り組まなければならねぇ……その始点を作ったに過ぎないさ」
「ほうほう…それじゃあ、以前話していたように、ここの生徒たちの支援が必要になると?」
「なるな……いや、必ず必要になる!!今度制作するPVはこの学校を撮影場としたいと思っている。そのためには、どうしても生徒の力が必要になる。俺たちの活動の宣伝も兼ねて協力してくれる生徒の募集もしてくれないか?」
「ふっふっふ……そんなことは私の手にかかれば、御茶の子さいさいですぅ~!!」
「お、おう……頼んだぞ……」
にひひ、と笑いをこぼしながらササッとメモ帳を取り出して何かを書いている。
多分、俺の注文したことを書いているのだろうが、いつかの新聞みたいにいろいろと脚色が加えられるのだろう。その構想を今あの中に………
考えただけで頭が痛くなってきた……
「しかし、洋子はそのためにわざわざこちらに来たのですか?」
海未が何かに疑問を抱き、島田にそう投げかけた。
「あぁ、そうでしたそうでした。自分のことで手いっぱいになり、危うく忘れてしまうところでした。これはいけない……そうです。今のとは別にお願いがありまして………」
「お願い?洋子ちゃんそれは何かなぁ?」
「はい。先程ですね、生徒会長がこちらに来まして、学校紹介のPVを作りたいので協力してもらえないでしょうか、とお願いされたのですよ」
「生徒会長が自ら願い出てきたのか。となると、何か意図がありそうだな……」
「私もそう思います。先輩方の話を聞いていても、生徒会長から直々に願い出るなんてことは過去にも無かったそうなので、何かあるに違いないとは思ってはいます」
「だが、俺たちには関係ないことじゃねぇか?大体、生徒会が何をやろうと俺達には関係ないんだしよ。それに学校紹介の映像なんて、どこの学校でも当たり前なことじゃねぇか。深く考える必要なんかねぇよ」
明弘の言うことにも一理ある。だが、今の学院の事を考えれば、絢瀬が何をしようとしているのかが分かる。さすがに、PVのみでどうにかなるというわけではない。その他にも何かしらの手段を使ってくるのかもしれないな………
「と言うわけで、早速、みなさんの事をこのカメラの中に収めさせてもらいますよ~♪」
島田はカバンの中に仕舞っていたビデオカメラを手に取り、μ’sのメンバー紹介を行い始めた。
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『高坂 穂乃果 高校2年生 我が音ノ木坂学院のスクールアイドル・μ’sの発起人であり、リーダーを務めているその人である』
「は~い、いいですよ~」
早速、学校紹介のPV制作に乗り出す、島田。
その制作に、何故かナレーションとして参加している、明弘。
どういうふうにすればいいのかわからないので、適当にポーズを決め込む、穂乃果。
「なんじゃこりゃあ………」
「(スッ・・・)なんやって言われてもなぁ、撮影やけど?」
「……希ぃぃぃ……急に現れるなよ………」
「気配を消して近づくなんて、誰にでもできることやん」
「誰にでも出来てしまっては困るんだが……」
希は一応、生徒会としてPV制作を見守るためにここに来たという。
だが実際には、絢瀬が生徒会室でピリピリと緊迫した空気を作っているために逃げてきたというのが本音だそうだ。それって、まずくないか?希にとっても、絢瀬にとっても………
「う~ん……何か物足りないですねぇ……なんというか、こう……インパクトが欲しいです!!爆発するくらいの演出が欲しいです!!」
「おい待て、何さり気なく戦隊モノの演出を入れようとしてんだ?」
「島田、ここは俺に任せろ!俺の銀河万丈さん並のナレーションで盛り上げて見せるぜ!!」
「いやいや、そういうの求めていないから。学校紹介だからな?なんでも鑑定団ではないからな?」
「果たして、鑑定はいかに!!!」
「だからやめろー!!そして、声をそれっぽく似せるな!!」
「とは言っても、このままと言うのは、マズイと思いますよ。人を引き付けるような演出は欲しいです!!」
「まずは、普通に撮影しようか。その後に、編集とかで何とかすればいいじゃないか?」
「う~ん……そうしますか……」
島田は納得がいかないような顔をしたものの、普通にメンバーの撮影に臨んでくれた。
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「……んでだ。撮れた映像がこれってどうよ……」
島田から渡された映像に映っていたのは、穂乃果の今日一日の様子(総集編)だった。授業をまともに受けていると思いきや、すぐに居眠りに入る。食事の供であるランチパックを食べ、寝る。典型的なダメ人間の構図であった。
「ち、違うもん!これはただ、疲れていただけで………」
「毎日こんな感じじゃないですか!」
「ギクッ!」
「はぁ、お前と言うヤツは………しかしよく撮れているなぁ」
「それ、私が撮ったんだ♪」
「ことりちゃんが!!?」
「気付かれないように撮るなんて初めてだったから、すっごくドキドキしちゃったよ。でも意外と無理しないで出来たからよかった~♪」
「よ、よくないよ!!!」
穂乃果、そこは俺と同じ意見だ!!
ことりの発言を聞いた時、何やら悪寒が走ったような気がしたんだ……
最近、ことりが気配を消してストーカーみたいなことをすることがあって困っていたところに、今度は盗撮ときた!そのスキルまで向上してしまったら、俺の平穏な日常が脅かされてしまうかもしれない……!!
「滝さん、これにナレーションを付けるとしたらどうします?」
「そうだな……
穂乃果 それはいつもだらしない。
ほのか カバンの中には常にパンが詰まっている。
HONOKA 赤点ギリギリなのに平然と居眠りを決め込む女子高生。
HO☆NO☆KA! そんな破天荒な性格の彼女に明日はあるのか?いや、ない!!」
(cv.若本)
「ちょ、ちょっと待ってよー!!!これは酷過ぎるよ!!!!」
「何を言うか!これはありのままの穂乃果ではないか!!!」
「ありのまますぎるよ!!」
「自宅に居る時よりか、ましだろ?」
「それは!…………………否定しない………」
「否定できるようになれよ!!!」
「せやな……このナレーションは使えるかも……!」
「希!何トチ狂ったことを言っているんだ!?」
結局、穂乃果のこの映像はボツと言うことになり、まともな状態で臨んだ映像を使用することとなった。ちなみに、海未の映像もあったが、これは何の問題もなかったため、そのまま採用させてもらった。
「あぁ、やっぱ海未はいいな。まともなヤツが1人いると流れが変わる……あぁ、こんなに嬉しいことは無い!」
「それにかわいい仕草もオマケで付いてきたというありがたさ!」
「これがいわゆるクーデレってやつですか……参考になります」
「プリティやね♪」
「か、からかわないでください!!!!!!!!!!」
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「さあ、一年生の諸君!!!この俺にキミたちのすべてを見せてくれええぇぇぇぇぇ!!!!!」
一年生メンバーを中庭に招集して撮影を行い始める明弘たち。
開幕早々、ブッ飛んだ発言をしたこのバカは横から猛ダッシュでやってきた海未によって……
(ゴスッ!!!)
「ぐわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
………轟沈した。
「た、滝さん!大丈夫ですか?!」
「花陽さん、この人にそんな慈悲を与える必要はないですよ……」
「で、でも……園田先輩の膝蹴りが滝さんの横顔に直撃してここまで飛んでいったんですよ!私、心配で心配で………」
天使……!圧倒的天使ッ……!!!ここに慈悲深き天使様が降臨なさったぞ!!
明弘、お前は花陽ちゃんの後光に当たって、その不純な心を洗い流してこいや。
「花陽ちゃん……俺は大丈夫だ……。こんなもん、かすり傷にすぎねぇ……。だが、少し眠くなってきたようだ………すまねぇが、俺がいなくてもPVを完成させてくれよ……あれは…いいものだ…(ガクッ)」
「た、滝さあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!」
[ 滝 明弘
「……さあ、邪魔な奴もいなくなったし、ちゃっちゃと終わらせるよ~」
「「「「「「「は~い!!!!!!!!」」」」」」」
「え゛え゛え゛え゛え゛!?放置しちゃうんですかぁ!!!!??」
「大丈夫大丈夫、日の光を30分くらい当ててやればすぐに復活するから」
「太陽電池みたいな構造ね、意味わかんないわ……」
「あはは♪滝さんはいつもおもしろいにゃ~♪」
「海未も、もう少しいい方法で止めないか?」
「そうしたいのも山々ですが……言葉で言ってどうにかなる相手でしょうか?」
「無理だな!」
「即答ですね……ですから、こうして力でやるしかなかったのです……」
力でって……アイツを10mくらい吹き飛ばすくらいの力を普通の女子高生が持つものなのだろうか?しかも、スカートを穿いた状態で飛び膝蹴りって……もう、ストリートファイターでいいよ、海未……
「じゃあ、撮影を再開しま~す☆…では、最初にクールビューティー・西木野 真姫ちゃ~ん!」
「ええっ?!なんで私からなの!?」
「一年生の中でも、特に大人びていて、まともそうに見えたからですぅ~…ほらほらぁ~、カメラは今も回っているんですよぉ~~~~」
「ま、待ってよ!まだ、準備が……「(じぃ~~~~~~)」…と、撮らないで!!!」
「だめでしたぁ~……じゃあ、次は、一年生期待の天使・小泉 花陽ちゃ~ん!!!」
「えええっ!!?私って、そういう扱いになっているんですか!?」
「さっきのもそうだけど、花陽ちゃんの体からあふれ出てくる癒しオーラとその優しさ、これを天使と言わずして何と言うのです!!」
「は、恥ずかしいですぅ……誰か助けてぇぇぇ・・・・・・・・・」
「ありゃりゃ、顔が隠れちゃ撮れないですよぉ~~……仕方ありません…ではでは、みんなの元気・星空 凛ちゃ~~~ん!!!」
「にゃぁ♪もう、待ちくたびれたにゃぁ~~~」
「すみません、いろいろとありましたので……」
「それじゃあ、凛が今からやるのを撮ってほしいにゃー!」
「え?な、何をすんですかぁ???」
「いっくよ~~~!!とりゃあぁ!!!」
「おお!!ホップ、ステップ、ジャンプ…って、連続ハンドスプリング!!?最近の子はそんなことまで出来るんですか!?…って、どこに行くんですか~~~!!待ってくださ~~~い!!!」
真姫は準備できてないから撮影拒否。
花陽ちゃんは恥ずかしすぎて、もうそれどころの問題じゃない。
凛ちゃんは……どっかにいった……
もう、カオス展開過ぎて撮影どころの問題じゃないんですが………
「これは終わる気配が無いな…」
「せやね……みんな、個性的すぎるんやね~」
「そう言う問題ではないのだが……仕方ない。希、予備を貸して」
「そう言うと思って、用意しとったんよ。ホイ」
希から手渡された学院の予備のビデオカメラを手に取り、島田たちに任せても進まないので、俺が撮影を行うことに決めた。
μ’sのことからメンバーの紹介、練習風景など、こちらが伝えたいことが分かるように説明したり、質問内容の誘導を行う等々、そういった脚本をすべてこっちがやるハメになってしまった。だが、思った以上にスムーズに事が運んで行けたため、良しとしている。
その他の編集は、あの後で完全復活を遂げた明弘にすべて任せて、完成度の高いPVに仕上げることができたそうだ。しかも、μ’sだけじゃなくその他の部活動のPVも編集をして、学校紹介のPVが一層魅力的になったそうだと希は話していた。
そういえば、にこの紹介の時に、急に髪のリボンをほどいて別人格を作り出そうとしていたので、その時の映像はボツということにした。
この映像は、数少ないμ’sのブラックボックス(黒歴史)行きとなったのは言うまでもない。
(次回へ続く)
ドーモ、うp主です。
穂乃果誕生祭の時に、11連ガチャで久しぶりのURが出てきてハイテンションになっております。
……しかし、穂乃果がRですら出なかったというオチが付いているって……どうにかしてるぜ!!
しかし、なんやかんや言って、40話以上の話を書き、毎話平均100回も見てくださる視聴者サンには感謝しております!そして、お気に入りもあともう少しで30件!他の作家サンの作品と比べれば、まった~~~~~りやっておりますから、このくらいが限界じゃね?とも思っております。
しかし、この作品は当初の計画を予想以上に天元突破しちゃいまして、『50~60程度で終わるんじゃね?』と友人と談笑していた2月頃を振り返ってみると、ありゃまあ!なことになっちまったぜ!!(笑)
現時点で、第一章を50話程度で終わらせるつもりでやっておりますが、俺の中では、まだ、1/4程度なんです………
つまり……200話行くんじゃね?(震え声)
そ、そんなに書けるのか?!
や、やればできるんじゃないかなぁ………
と、ともかく。
今後も、このペース(ギア上げもします)でやっていきますので、よろしくお願いします!!
今回の曲は、
TVアニメ『少女革命ウテナ』より
奥井雅美/『輪舞 -revolution-』
更新速度は早い方が助かりますか?
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ちょうどいい
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もっと早くっ!
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遅くても問題ない