第29話
【前回までのあらすじ?】
待ちに待った時が来たのだ!
過去の多くの話が無駄ではなかったことの証のために。
再びスクールアイドルの理想を掲げるために!
物語完走を成就するために!
ラブライブよ・・・・・私は帰ってきたぁ~~~~~!!!!!!
By うp主(CV.大塚 明夫)
(※翻訳:ファーストライブ、いよいよ始まります!)
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「ようやく始まるんだな、兄弟・・・・!」
「あぁ、吉と出るか凶と出るかわからん大博打だな・・・・!」
ついに・・・この日がやってきた。
アイツらの・・・・穂乃果たちの最初のライブが・・・!
俺たちが立つ正門広場はまだ閑散としている。
あと数分もすれば、この場所も学院生は一斉に下校や部活動勧誘などで慌ただしくなるのだろう。
その時こそ、勝負時なのだ!!
昨日のチラシ配りで分かったようにどれだけの人があの講堂に来てくれるのか予想はついている。だが、それでもそこに1mmもの可能性があるのならば、俺の考えを上回った結果であって欲しい!アイツらを指導し、共に励んできた立場だからこそアイツらに希望を与えてやりたいのだ…
頼む!予想が外れてくれ!!!!
(キーンコーンカーンコーン~♪)
学校のチャイムが鳴った・・・・
これからどうなるのか全く想像もつかない未知世界がそこに広がろうとしている。
俺たちは不安を抱きながらも臆することなく自分が成さねばならない場所へと向かっていった・・・・
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「あっ!蒼君!!!!」
「いい加減にしなさい!」
控室、つまり、体育館準備室には穂乃果、海未、ことりがすでに本番の準備を行っていた。チャイムが鳴ってすぐこちらに来たのだろう、みんなの顔から汗が出ているのがはっきりとわかる。
・・・・んで、その状態で穂乃果は俺に突っ込んできたというわけ・・・
まあ、いつものようにあしらうんだけどな・・・・日常茶飯事だし。
「今回も失敗した~☆」
「この俺に同じ技は通用しないぞ?それで、お前たちは準備できたか?」
「うん、大丈夫だよ蒼くん!穂乃果ちゃんと海未ちゃんの衣装もばっちりだよ!」
「おお、これはすごい!」
今回のライブのためにことりが作った衣装はすばらしかった。練習もあった中で、あの短期間にこれだけのものが一人でできると言うのはすごいものだ。
「よく出来てるじゃないか、パーフェクトだ、ことり!!!」
「やった!蒼くんに褒めてもらえてよかった~。この日のために精一杯頑張ったんだ甲斐があったよ~!」
とても満足そうに笑顔で答える。
あれ・・・?そういえば、海未の姿が見えないような
・・・・・・って、あっ!?
どこにいるのかと思ったら、この部屋の扉の横に衣装とジャージ下を着ながらうずくまっていたのだ。これじゃあ、俺の視界に入らないわけだ・・・・・。
しかし、何故そんな恰好をしているのだ?
「それが・・・スカートが短いって言って・・・」
「あ~・・・恥ずかしいのか・・・・」
「そうです!!こんなに短いなんて聞いてないですよ!!!こ、これは、す、すごく・・・破廉恥な姿です!!!」
今にも泣き出しそうな感じが・・・・あっ、もう泣いているか・・・あ~・・・こうなると、結構面倒なことになるんだよなぁ~、本番まであともう少しだし・・・・・
・・・・ええい!仕方あるまい!!!
「穂乃果!ことり!海未からあのジャージ下を取っておやり!!」
「「は~い♪」」
「えっ!?ちょっ!まっ、待ってください!!まだ、心の準備がああぁぁぁ!!!!」
俺は何も見てないぞ~。体を180°回転させて、壁しか見てないからなぁ~。うわ~、なんて真っ白な壁なんだろ~。これが数十年も前に作られた建物とは思えないくらいの真っ白だよ~(棒)
「終わったよ~♪」
ことりの合図で180°回転し、海未たちを見る。
海未はまだ、恥ずかしさが残っていてモジモジしているが、3人が一緒に並んだ状態を見るとどうだろう、穂乃果たち着るそれぞれの衣装カラーがきれいなかたちとなって立っている。
悪くない・・・・悪くないぞ・・・!!!
「おぉ~~!!いい絵になるじゃないか!!海未、恥ずかしがることなんてない、似合っているぞ!」
「ほ、ほんとうですか・・・?」
「ああ、もちろんだとも。それに穂乃果たちも似合っているぞ」
「やったね、ことりちゃん!」
「えへへ♪」
おまけに海未の特訓もあったおかげか、穂乃果たちの体が引き締まっているようにも感じられる。
やったね!
「本番まであともう少しだから気持ちを整えておけよ?」
「「「はい!」」」
「それじゃあ、俺は準備があるから先に行くな」
そう言い残して、最後の宣伝と諸々の確認をするため、この場を立ち去ろうとした・・・・
「待って!蒼君!!」
穂乃果が俺の手を両手で掴んで出ていくことを阻んだ。
振り返って見ると、穂乃果は手には汗を、足は震え、引きつった笑顔でこちらを見ていた。
「どうした?」
「正直に言うとね……怖いんだ……私がやろうとしていることが本当に正しいことなのかって」
「お前・・・」
「前にね、アイドル活動をしたいことを生徒会にお願いしたことがあるんだ。その時にね、生徒会長に、『あなたたちがやろうとしていることは無駄なことだ』って言われたんだ。今、この講堂にどのくらいの人がいるのかわからない。でも、誰もいなかった時、私がやってきたことって何だったんだろうって思うんだ・・・」
「穂乃果・・・」
「穂乃果ちゃん・・・」
「蒼君・・・私がやっていることって、無駄なことなのかな?意味が無いことなのかな?」
「・・・・・・」
正直、焦った。
最悪なシナリオを自分なりに考えてはいたが、まさか、先に穂乃果が弱音を吐くとは思わなかった。だが、俺に話さないでそのまま本番を迎えさせていたら酷いことになっていただろう・・・
俺は穂乃果の方を向き、汗でぬれた手をもう一方の手でしっかりと握りしめた。
「穂乃果、お前のやっていることは正直にいえば無謀に近いものなのかもしれない。傍から見れば、無駄なことにしか見えないかもしれない。でもな・・・・・」
俺は視線を穂乃果の後ろに立つ、海未とことりに向けた。
「お前は1人なんかじゃない。お前の後ろに立つ親友や機材をいじくり回している明弘やそれを支えているヒデコちゃん、フミコちゃん、宣伝をしてくれている島田にミカちゃん。そして、俺がいる。1人では無理かもしれないが、お前には・・・穂乃果には大切な仲間がいる」
「蒼・・・君・・・!」
「そいつらがいる限り決して無駄にはならない。無謀なことだって乗り越えられる。だから安心しろ、穂乃果なら出来るさ。自分を信じろ、そして、お前を信じてくれる仲間を信じろ。いいな?」
「・・・う・・・うん・・・!」
穂乃果の瞳から涙がこぼれ落ちた。
「涙を流すのはまだ早いぞ?泣くのは終わった後に流すものだ、今は・・・」
穂乃果の手を握っていた両手を放して、人差し指で自分の両ほほを持ちあげた。
「笑顔だ」
すると、穂乃果は笑い出した。それに呼応するかのように、海未たちも笑い出した。溜まっていた感情が笑いとなって吐き出ていっているのだろう、そう感じ取れた。
ふと、鏡に自分の姿がチラっと映った。
その姿を見ると・・・・まぁ、なんてひでぇ顔をしてんだ俺はぁ・・・・
穂乃果たちが笑っていた理由ってのは、コレかよ・・・
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「穂乃果、もう大丈夫か?」
「う、うん・・・ぷふふっ・・・」
「笑うなバカ!」
「だ、だってぇ~・・・ぷふふっ・・・」
未だに、笑いが取れかけていない状態が続いている穂乃果。(+ 後ろの2人)
だが、もう不安などは感じられない表情をしている。それを見て俺は安心した。
「それじゃあ、行ってくるぞ」
そう言って、今度は本当にこの場から立ち去ろうとした・・・・
「蒼君!」
振り返ると、満面の笑みを浮かべた3人がそこに立っていた。
「「「ありがとね」」」
「あぁ、がんばれよ」
俺はその場を立ち去り、すぐさま明弘のもとに向かっていった。
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「明弘!待ったか?」
「とんでもねぇ、待っていたんだ・・・」
明弘は講堂の一番後ろの席にどっしりと構えるようにして座っていた。
しかし、その表情は険しく、焦りを表に出しているかのように足を揺すっていた。
「兄弟・・・・・なっちまったようだな・・・・・」
その意味は俺とコイツ以外にしか分からないだろう・・・なんせ、その意味というのは・・・・
「最悪のシナリオの完成待ったなしだぜ?コイツ・・・」
明弘以外、観客がいない光景がそこにあったからだ・・・・・
(次回へ続く)
うp主です。。。
超☆深夜テンションで書いていたらこうなっちゃいました。
結果オーライな内容なんでこれはこれでいいかも・・・?
これで準備は整いましたわ。
次回が本当のライブです。
現在、その内容を執筆しておりますが、話の容量は今回の倍になるかと思います。
つまり、過去最高容量でお送りすることになるやもしれないということです。
(ぎゃー!!つ~ら~いぃ~~~!!!)
・・・・とはいっても、次回でやっと一区切りができそうです。
その後の話もほぼTVシリーズに沿った形にはしておりますが、今回までの話で、なんか変な描写があったりしていましたよね?そのことについても、次々回に話せればなぁと構想しております。
ようやく、タイトルの意味について語れるよ・・・
次回もよろしくお願いします。
今回の曲は、
『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』より
coba&宮沢和史/『ひとりぼっちじゃない』
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