第24話
【前回までのあらすじ】
蒼一「メイド喫茶に極上カレー・・・そういうものもあるのか・・・!」
明弘「いや、訳わかんねぇよ・・・・」
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秋葉原。
若者、特にオタクと呼ばれる者たちの聖地とも呼べる場所。
周りを見渡せば、萌え、萌え、萌え、燃え・・・・ん?まあいい。
そんな場所で俺は東京では珍しいチャンカレ―を食べにメイド喫茶に行く。
何故、そんな場所に御当地料理が食べられるのか・・・俺にはわからん。
だが、そんなカレーの話をしていたら・・・・
腹が・・・・・減ってきた・・・・・・
(ポンッ)
(ポンッ)
(ポンッ)
「って、お~~~~い!!!ドラマ版ゴローちゃんスタイルはやめろ!!そして、カメラワーク三段活用も再現しなくていいぞぉ!!!」
「何をするんだ明弘。せっかく、人が気持ちを高めているのに横やりを指すんじゃないよ」
「最近、メタいことをしていないからってこんな時にやるな!!ただカレーを食うためにそこまでテンションを上げなけりゃあいけねぇのかよ!!」
「明弘・・・・カレーを食べるときはね、誰にも邪魔されず、自由で・・・なんというか・・・救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで・・・・・・」
「だああああ!!!うるさ―――い!!!少し落ち着けぇ!!!」
そう言って、明弘は俺に向かってきた。俺はしょうが無いと思いながら・・・・・・
(グッ)
右手で明弘の左手首を掴み・・・・
(バッ)
左腕を背中にまわして・・・・
(ギュッ)
明弘の左腕をくの字に曲げてその間に俺の左腕を通して力一杯絞る・・・・
「があああああああああ!!!!!」
アームロックの完成である。
「あああああああああ!!!!そ、それ以上はいけないいいいいいい!!!!」
少し熱くなりすぎたかな?
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「・・・・躊躇なく決めやがって・・・・」
「・・・すまないと思っている・・・」
あんまり長くやっちゃあ悪いもんね、すぐに解いたよ。でもな明弘、人の気分を害するような行動を取っちゃいいかんのだと思うのだよ。
そして今は、そのメイド喫茶に向かって前進あるのみなのだよ!
「確か、この通りを真っ直ぐに行ったところにあるぞ」
「そうか、ならば急いで行こう」
「おいおい、そんなに急がなくても逃げないぞ?」
「腹が減っている人間は我先にと食べ物にありつこうとするんだよ」
「そうなのかい?つうか、本当に腹が減っていたのかよ」
そうでなければ、急いではいないさ。
さて、ここを真っ直ぐに行って・・・・・
横断歩道を渡った先の二階にあるんだよな・・・・・
「あっ・・・!あれか・・・!!」
「おうよ!あそこだぜ」
おお、あのメイド喫茶にあるのか。では、早速行くとしますか。
・・・・・・・ん??
その時、俺は違和感を感じる光景を見た。
向かい側の歩道、しかも、路地に入りそうな所に穂乃果たちと同じ音ノ木坂の制服を着た女子生徒が一人いた。それだけならば問題ない。だが・・・・
その生徒を囲むように数人の男たちが群がっている光景を目の当たりにした。
「明弘、アレを!」
「ん?・・・・ありゃあ・・・!!」
明弘の目付きが変わる。それと同時に顔をしかめている。どうやらコイツも確信したようだ、これは・・・・
「「JK狩りだな」」
俺たちの意見は一致した。その瞬間、男たちは女子生徒を路地の中に連れ込んでいった。
「・・・んのやろぉ!!!」
明弘の怒りが高まった。コイツは変態だが、女をいじめたり、痛めつけるような光景を忌み嫌い、また、そのようなことをする輩は何が何でもぶっ潰す考えを持っている。そんな猛獣を野放しにはできなかった。
「まだ、抑えろ。すぐに反対歩道に行くぞ!」
俺たちは来た道を引き返し、横断歩道を渡った。時間的には1分もかかっちゃいない、すぐに追いつける!さっきの男たちが入っただろう路地を確認して、中に入り込んだ。
そして、発見した・・・・・
「見つけた・・・・」
男の数は4人。体格や恰好から見て、全員20代くらいだろうか?薄気味悪い笑い声を出しながら2人の女子生徒を見ていた。
・・・・・・ん?2人???
男たちが囲んでいた女子とは別にもう一人の女子がそこにいた。
「・・・かよちんを放すにゃ!!!」
どうやらあの女子の友達のようで助けに来たようだ。
「へっへっへ・・・・助けに来たのにわざわざ俺たちおもちゃになるために来てくれたのかい、子猫ちゃ~ん?」
「「「ふぇへっへっへっへっへ・・・」」」
「う、うるさいにゃあ!!・・・早く、かよちんを放すにゃあ!!!!」
「うぎゃ!?」
その子は勢いよく飛び出していき、一人の男の顔面にパンチを喰らわせた。
だが、多勢に無勢、さらには男と女との力量の差もあり、全く歯が立たない様子だった。その子は、あっさり捕まってしまったようだ。
この状況はマズイ・・・!
俺はこの状況下での戦略を考えた。携帯を取り出し、この周辺の地図を表示させる。
ふむ、どうやら男たちがいる場所は一方通行で奥に別の道があるようだ・・・・距離としては、左程ない。
「明弘、俺の指示に動け」
「ああ・・・」
「まず、明弘はあの男どもの背後に回ってもらう。そこで待機して、俺が右腕を高く掲げたら飛び出て一気に制圧する。いいか?」
「おっし!任せろ!!!」
「準備ができ次第メッセージを送れ、その時にこちらも動く」
「・・・セット完了、いつでも送信可能状態にして置いたぜ」
「流石だ・・・それじゃあ、女子生徒奪還作戦に入る。いくぞ」
「おう!」
説明をし終えると、すぐに明弘は来た道を走ってゆきヤツらの背後に回っていった。今のところ、ヤツらの行動に異常は無し、あとは、手順どおりに行くか・・・・?
(ブゥゥン)
「きたか!」
大きい音が出ないようにバイブ音にして連絡を受け取る。
『準備完了』
アイツを送り出して1分も経たないで背後に回りやがった。・・・さて、あとはタイミングだが・・・・
「おうらっ!!!」
(ドゴッ!)
「ガハッ・・・?!」
「りんちゃん!!」
「!!!?」
助けに来た子の腹に拳が入る鈍い音が響き渡った。
あのやろう・・・捕まえて身動きの取れない女の体に拳をいれるとか正気の沙汰じゃあねぇようだな・・・・
怒りが頂点にまで膨れ上がりそうだった。・・・だが、怒りに身を任せればミスをしてしまう。2on2ならばすぐさま出ていくことはできるが、2on4で人質が2という状況。勝てる可能性はあるがリスクが高い。被害を最小限に抑えて終了するためにはタイミングが・・・・・・
(ジジ・・・・ジジジ・・・・・)
その時、両方の女子生徒が男たちの手から離れ、地面に座り込む状態になった。
この瞬間を逃すわけにはいかなかった・・・!!!
「行くか・・・俺の一世一代の大博打をやってやろうじゃねぇか!!」
持っていた荷物を全て投げ捨て、武器も持たない状態でヤツらに向かっていった。
これが吉と出るか、凶と出るか・・・・・
・・・まさに、神のみぞ知ることとなるだろう
(次回へ続く)
どもです。
ほんわかしそうな感じになると思ったか?残念、シリアスでした☆(チクショーメ!!
ギャグは書いていてホントにおもしろい・・・・けど、シリアスも嫌いじゃないかも・・・。これまでの話を見てみると、シリアス率が圧倒的に多いことに驚いている。
こんなはずでは・・・・・
仕方あるまい、これが現実なのだから・・・
さて、次回は・・・・戦闘します。鼓舞せよ蒼一!明弘!!
ということで今回の曲は、
PCゲーム『装甲悪鬼村正』より
小野正利/『MURAMASA』
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