蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第17話


小さな希望をみつけた

 

 

 

 

 

第16話

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何で蒼一はあんなことを言ってきたのだろう・・・

 

 

蒼一から言われた時、何故か全身に悪寒を感じたわ。それは何かに包まれるような・・・いや、何かに支配されているような感じがした。

 

 

怖かった・・・・ただ、怖かった・・・・

 

 

今でも忘れることができないこの気持ち・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『罪悪感』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は・・・・・私は・・・・・・・

 

 

 

 

蒼一はまた来るって言っていた。私はどんな顔をして会えばいいの?こんな気持ちのまま、蒼一に会えるの?私には・・・・・もう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ?!まただ、またあの人の声が・・・!!

 

 

あの人は・・・・私を許してくれるの・・・・?

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫から曲をもらい、それの演奏を生で聴けて心が躍るはずなのに、今は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

 

「はぁ・・・・やっちまったかなぁ・・・・・」

 

 

俺があんなことを言わなければ、真姫も哀しまずに済んだのに・・・・

そう思うとこっちも哀しくなってきた・・・・

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・か・・・・」

 

 

 

 

前に、そんなことを誰かに言われたような気がした・・・・確かに、俺自身の過去を振り返ってみれば当てはまるのかもしれないな・・・・

 

 

 

そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・・()()・・・()()()・・・・

 

 

 

 

 

 

辛い過去を振り返りながら歩いていたら、もう屋上に出る扉の前まで来ていた。

 

 

「いけないな・・・こんな悲しい気持ちのままアイツらに会ったら心配させてしまうな・・・」

 

 

俺自身はあまり気付かないが、心に思っていることはよく表に出ると親に言われていた。それにアイツらはそういった人の感情を読み取るのが鋭い。今、いい流れがこちらに来ようとしているのにそれを絶ち切るようなことはしたくない。例え、それが個人的な悩みであってもだ。俺自身がしっかりしなければ、アイツらが哀しい思いを抱くことになるんだ。

 

 

今は、この気持ちを心の奥に仕舞いこんで、曲を手に入れることができた喜びだけを抱いてアイツらに会うとしよう・・・・・

 

 

 

気持ちを整えて、俺はドアノブを強く回して外に出た。そして・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明弘!穂乃果!海未!ことり!喜べ、曲が手に入ったぞ!!!」

 

 

「ダニィ?!」

「ほんとなの!?」

「本当ですか!?」

「ほんと!?」

 

 

「ああ、本当だ。それがこれだ!」

 

 

俺は、懐に入れていたCDケースを取り出し、みんなに見せた。

 

 

「やったぁ!!」

「やりましたね、蒼一!」

「ここに私たちが歌う曲が入っているんだね!」

「ああ、そうだ。実際に聴いてみたらいい曲だった。早速、聴いてみてくれ」

 

 

CDケースを穂乃果に手渡すと、穂乃果たちは感動しているように見えた。

自分たちが様々な人に歌い届ける最初の曲がそこにあるのだから感動しないわけが無いだろう。みんなそろって目を輝かせて、そのCDケースを見つめていた。

 

 

 

「やったじゃねぇか、兄弟。これでどういう踊りにするかが見えてくるってやつよ!」

「今回は俺がやったんだ、今度はお前の番だぞ?しっかり頼むぜ?」

「おいおい、誰に口を聞いているんだ?お前を指導し、俺たちであの舞台まで昇りつめた男だぞ?」

「へへっ、わかってるのならそれでいいのさ」

 

 

踊りに関してはコイツの右に立つ者はいないだろう。なんせ、コイツは俺をこうした世界に引きずり込ませた張本人でもあるし、日本一の踊り手だからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蒼君!あのね、私たちの方でもいいことがあったんだよ!!」

 

 

穂乃果が目を輝かせて言ってきた。

 

 

「いいこと?お前たちの方でも何かあったのか?」

「はい、それがですね・・・」

「蒼くん、見たらびっくりするよ」

 

 

穂乃果がポケットの中から折りたたまれた一切れの紙を俺に差し出してきた。

 

 

これは一体?

 

 

 

「蒼君、開けてみて!」

 

 

 

 

 

穂乃果の言うとおりに開いてみると、そこには文字が書かれていた。

 

 

 

「み、みゅー・・・ず?」

 

 

見慣れない文字だな。ギリシア文字か?ガンダムタイプのコードネームで使われているのしか見たことが無いから曖昧だが、確かこういう風に言うんだっけ?

 

 

 

 

「これはどうしたんだ?」

「あのね!洋子ちゃんが昨日、設置してくれた募集箱の中にね、入っていたんだよ!!」

「なに?ということは!」

「はい、これは私たちのグループの名前です」

「文芸を司る9柱の女神たちのことを指すらしいんだ!いい名前だよねぇ~」

 

 

 

 

これが俺たちのグループの名前か・・・・

 

 

 

 

ふっ、何だろ・・・・さっきまで、哀しい気持ちを抱いていたのに、無性にうれしい気持ちが込み上げてくる・・・・こういう小さな喜びが俺を励ましてくれるんだよな・・・・前も・・・そして、今も・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、誰が書いてくれたのだろうか・・・・」

 

 

 

俺はその紙切れに書かれてある文字をじっと見つめていた。

 

 

 

「・・・・ん?」

 

 

 

紙を触れている指に違和感を感じ、紙を裏返して見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ・・・」

 

 

 

紙の隅に小さく何かが描かれていた。それを良く見てみると、帽子をかぶった毛玉の絵だった。

 

 

 

「この絵・・・・もしかして」

 

 

 

俺はこの絵とそっくりなものをケータイストラップにして持ち歩いているヤツを知っていた。ああ、そうか、そうだったのか・・・・アイツがやってくれたのか・・・・。

 

 

 

 

 

「今度、何か奢ってやるか・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の哀しい気持ちを打ち払ってくれた俺の女神様に感謝をしなくちゃ罰が当たるもんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとな、希」

 

 

 

 

気持ちを完全に切り替えることができた俺は早速、今日の練習を始めるのだった。

 

 

 

 

(次回へ続く)

 






ども。


こんな感じで話を進めておりますが、ファーストライブまであともう少しと言うところまで来ました。その前に・・・・・真姫ちゃんの話ver1をどうにかしないとです。

前にもお話ししたように、真姫ちゃんはかなりのキーキャラになっております故、ピックアップした話が続くのです。もうちとだけ続くんじゃよ。



今回の曲は

高垣彩陽/『Brand New Smile』

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