第166話
それはまさに、青天の霹靂と言わざるを得なかった。
身を隠そうと壁に近付いた瞬間、突如目の前に植木が現れたのだ! 正面に、しかも遠くは無いが距離もあったはずなのに急に現れるだなんて、手品でも見せられている気分だ!
いや、そんなことよりも早く避けな―――
「―――――っ!」
植木は息を飛ばすと同時に、2つの拳銃から弾丸が弾き出された。弾丸は上下左右のどこにもブレない直線を描き、空を切った。
それも2発も、だ。
何もしなければ弾丸は身体に直撃し、否応なしに
しかし、ただ黙って終わるわけにはいかないんだ!
「くっ―――!!」
俺は咄嗟に身体を後ろに仰け反った。
そこに勢いも加わり身体全体に回転が掛かり、ぐるりとその場で大きなバク転を描く。結果これが功を奏したのか、2発の弾丸は仰け反る腹部をかすめて過ぎ去って行った。マトリックスか、ブラックラグーンのようなガンアクションらしい動きだよ、これ。咄嗟とは言え、良くできたものだと自分でも感心したくなる。
……っと、そんな悠長なことは言っていられなさそうだ……
「――――っ」
さっきのはまだ初弾にすぎない。植木は畳み掛けるように2発目、3発目と次々に弾丸を弾き出す。後ろに一回転した俺は、地面を蹴り飛ばし、身体を捻らせて避ける。本物の弾とは違って、目が良ければ素人でも避けることができるのがエアガンの性質。このくらい、避けられないものではなかった。
だが、こちらが反攻できるほどの余裕はない。身体を捻らせることに手一杯でトリガーが引けない。たとえ引けたとしてもだ、照準が定まらないから無駄弾になってしまう。残弾数も少ないのだ、できるだけ不利な状況を作ることは避けたかった。
しかし、まさかここまでとは……とんだやぶ蛇を突いてしまったようだ……。腑抜けた様相に隠れて本性が捉えられなかったが、今ならわかる……! コイツは、相手するには危険すぎる……!
目元を刃物のように鋭く尖らせ、触れると切れそうなほど引き締まった表情からは、野性味とたくましさを感じさせられる。命の炎を燃え盛らせ、覚悟を決めた男がそこにいる……!
相手にとって不足は無い。が、一瞬にして変貌した姿の落差が大きすぎて、こちらの頭では追い付かなかった。
とりあえずは一旦距離をおきたい。最接近のままではこちらに優位は無く、今は植木の独壇場になりつつある。だからこそ、こちらが余裕を持てるような距離が欲しかったのだ。
しかし、そう易々と譲ってくれる相手ではない。拳銃を鈍器のように振り回しては俺に振り投げては撃ってくる。ガンアクションと言うよりガン=カタか……体術と銃火器を組み合わせた接近格闘術。戦闘力を通常の120%も上げてくれるという必殺の技。それを見事に扱えているとは、スティーブン・セガールも口を大きく開いて笑ってくれるだろうよ……。どっちかと言えば、緋弾のアリアかもしれんがな……。
けど、悠長なことは言ってられそうにもないようだ。植木の腕を振りかざすスピードは次第に速くなり、身体をよじらせて避けるには難しくなってきている。しかも、腕を伸ばす程度の距離をおけば、トリガーを引いて発砲してくる始末。これでは充分な距離を置くことさえ出来やしない。弾丸が無くなることを待つか、それともここで撃たれるか……
さて、どうしたものか………
すると、どこから来たのか頭にある言葉が過った―――
『スネーク、まずCQCの基本を思い出して――』
「――――!」
フラッシュバックの如く言葉が聞こえたその刹那、全身が覚醒しだした。
植木の攻撃を避けた瞬間、手にしていたサブマシンガンを放した。そして最接近し、空になった手で植木の胸ぐらを掴み伸びた片腕も手にかけた。
「―――っ、うぉっ!!?」
その次の瞬間、俺の肩に植木の身体を乗せると、力の限りを尽くして投げ飛ばした。いったい何が起こったのかと、不意に投げ飛ばされた植木の顔にはそんな驚きが見えた。
「ぐはっ―――!」
空中を大きく回った植木の身体は地面に叩きつけられた。植木は落ちる直前に受け身をとっていたために怪我をすることは無かったが、体制を大きく崩したことや理想としていた距離を取ることができた。
しめた――、そう思った俺はすぐにホルダーから拳銃を取り出し撃ちだした。しかし、この行動を予測していたのか、今度は植木が地面を蹴り身体を捻らせて避け始めた。おまけに余裕があるのか反攻までして牽制してくる。おかげで決定打どころか身体に当てることさえできずに壁に隠れられてしまった。
せっかくのチャンスを水泡に消し去ってしまった、と言うわけだ。
「やるじゃん、アンタ」
「……そりゃ、どうも」
壁伝いに植木の声が聞こえる。まだあそこに留まっているのか……だが、このままでは埒が明かない。攻めるか、守るか……どちらを取るにも姿が見えなければ手の打ちようがない。何せ、未だに理解できないところがある。考えろ……せっかくのチャンスを無駄にしないためにも……
「アンタのさっきのってさ、柔道? あんなに綺麗に決まるモノなのか?」
突然何を言い出すのかと思ったら、さっきの技のことか? こんな状況でよくそんなことを……だが、会話すれば位置は把握できる。
「柔道か……確かにそうとも言える。だがこれは、CQCだ。あらゆる武術を総結集させた対接近用武術。だからあんな芸当ができたわけだ」
「ふ~ん、CQCねぇ……。なんだかおもしろそうじゃん」
「……は?」
「それ、できたらおもしろくない? いろんな技が使えるようになったらさ、できることが増えるって考えるだけで楽しく思えるじゃん!」
「………!」
一瞬だが、思わずたじろいでしまった……。どういうわけか知らないが、植木はひょこっと壁から顔を出して、いかにも嬉しそうな表情でこちらを見てきたのだ。にかにかと嬉しそうにする植木の顔を見ていると不思議な気分になる。敵意があるわけでもなく、どちらかと言えば楽しそうだ。
こうやってあの顔を見ていると、凝り固まった気持ちが解れていく感じだ。強い敵意があるってわけじゃなさそうだし、むしろ遊んでいるようで……
遊び、か……。よくよく考えれば、さっきまでずっと切迫した気持ちで闘っていたな。楽しいとかあんまり考えてなかった。これは命のやり取りなんかじゃない、ただ単純に自分の力量と技量を確かめ、ともに闘うことで向上させていくもの……。難しく考える必要なんて無いんだ、思いっきり楽しめばいい……それだけで十分なんだ……!
そう思うと身体から力みが抜けていったように思えた。
「そう、か……なるほど、そういうことか……くっくっくっく……」
「ん、どうした?」
「いや、すまない。キミに言われれて気付いたことがあったんでね。礼を言わせておくよ」
「――――? 何かよくわからないけど、まあよかったじゃん」
「それと、教えてやってもいいぜ。このCQCを」
「ホントか!」
「ただし、だ。これで俺を倒せるか、だがな」
「へぇ~、なるほどわかりやすいな。じゃあこれが終わったら教えてな!」
って、それは俺が負けるの確定ってことなのかよ。なんちゅう自信なんだ。しかし、さっきの動きを見る限りじゃ有言実行するやもしれない。
でもな、だからと言って簡単にやられるわけにもいかないじゃん? 悪いが抗わせてもらうぜ……!
「おもしろい。だったら、やってみるんだな」
地面に落したサブマシンガンを拾い上げ、ハンドガンとともに構える。そうした意味では、この闘いは負けられなくなったな。
「いいぜ。俺もいつでもいけるからな」
植木の方も準備ができたみたいだな。あちらからけしかけて来るってこともありそうだが、コイツなら、フェアにやろうと言えば乗ってくれそうな気がする。試してみるか……?
「それじゃあ、お互い合図を出したら再開ってことでいいか?」
「ああ、構わないぜ。そうしてくれると助かるわ」
やっぱり乗ってきたか。ノリがいいから来るとハッキリしていたからできたが、他のヤツでは絶対にしないだろうよ。だが、おかげで不意打ちを貰うことは無くなったかもしれない。そうした意味では大きなことかもしれない。
「それじゃあ、せーの、っと言ったら始めるでいいか?」
「いいぜ。それで始めようか」
壁からわずかに出しながら顔をゆっくりと頷かせた。
「始めるぞ――」
合図をし始めた。
「「せぇー……のっ!!」」
お互いの声が思った以上に重なり、勢いよく出て行った。植木はやはり
対する俺も拳銃とサブを両手で握り締めながら照準を合わせる。弾数や連射性で言えばこちらの方が圧倒的に優位だが、弾を切らす方では不利である。サブの弾倉は明弘にいくつか持たせたから残りがない。慎重に使っていかないとな。
お互いの照準が定まった瞬間、双方の火器が火を吹いた―――
―
――
―――
――――
戦闘が始まったのはここだけではない。
もうひとつの戦場では一進一退の激戦が始まっていた。
「てりゃりゃりゃりゃりゃああああ!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ライフルを片手に駆け回り、相手が見えたらすぐに掃射。隠れたら
お互いすでに5,6もの弾倉を使い果たし、手持ちも少なくなるばかり。互いにどのくらいダメージを与えたのかと言っても、かすり程度で致命傷なものは何一つ得られていない。身体機能を何ひとつ欠けさせることなく十数分もの戦闘を繰り広げていた。
「そろそろ疲れてきたのではないですかなぁ? 顔色が悪くなっているようでござるよ~?」
「へっ、余計な御世話やな! そんなら沙織やって、ちょいと息が
「ほぅ……それは聞き捨てなりませんなぁ~……ベッドイン・ザ・ホスピタルになるのは清一郎だけでじゅうぶんでござる!!」
怒りと私怨をぶつけ合いながら互いに一歩も譲らない。互いの実力を認め合っている2人だからこそできる芸当とも言えるのやもしれない。
「(弾倉も残りがあと1つになってしまったでござるな……)」
「(残り1つで何ができるって言うんやねん……)」
「(この調子では脚の動きを止めることさえできませんなぁ……)」
「(ライフルが使えなくなったらハンドに変えればええだけの話や)」
「「(かくなる上は……0距離からの直接攻撃しかない!)」」
切迫する緊張感が漂う中、2人が出した結論は同じだった。互いに相手の現状を把握できていないことや、自らの現状も鑑みてこのまま拮抗状態が続けば先に自滅してしまうと考えたからだ。
しかし、同じ現状と同じ戦略を打ち立てている2人が当たったとしても、表面上では現状維持のままになってしまうだろう。ただ唯一、盤上では測れないものがある。それは―――
「いざ、突撃ぃぃぃ!!」
「血ぃ迷うたか沙織っ!?」
彼女たちは戦略通りに行動しない、できない、ということだ。
沙織は両手で抱えるようにライフルを持つと、佐野のいる方向に向かって全力で走りだした。突然の彼女の行動に驚きの声を上げる佐野だが、その表情はまるでこうなることを予想していたかのようにほくそ笑んだ。
「(血気盛んになっとる今の沙織なら十中八九突っ込んでくると踏んどったで!)」
おまけにこちらに銃を構えることなく突き進むのだから、佐野からすれば恰好の的でしかない。佐野は残り最後の弾倉を装填すると、ライフルの照準を沙織に合わせて撃ち放った。勢い余った弾丸は沙織に向かっていく。沙織も止まらずにいるため、これで決着がつくと確信できる。
しかし―――
「―――ふふっ♪」
くすっと軽く息を吐いた沙織は、手元から何かを取り出すとそれを前に放り投げた。驚いたことにそれは、佐野の放った弾丸の斜線上にちょうど重なり、放った弾丸がそれにぶつかり弾いたのだ。さらに同時に、沙織は佐野から見て右側に走り抜け、佐野の視界から消え去ってしまった。
しもたっ―――!
佐野が反応した時には、すでに沙織はいなくなり、弾数は半分も消費してしまうミスを犯してしまう。主力武装であるライフルがこれでは闘うには不利。弾数を無駄に消費してしまったのは正直キツかった。
「沙織のやつ、使い終わったマガジンを投げる無茶しよって……こないな
表面の幅が広い弾倉にほぼすべての弾丸を当てることになるとは思いもしなかっただろう。捉えた的に寸分違わず当てる彼の精密射撃があだとなってしまう。銃口を少しでもずらしておけば当たったのかもしれない、と少し後悔の念に駆られる。
しかし、まだ闘いが終わったわけではない。逆転できるチャンスはいくらでもあると自分に言い聞かせると、気持ちを切り替えて、沙織が逃げ走って行った方向に銃を構えつつ前進させた。
佐野が立つこの場所は視界がやや開けた場所で、盾となる壁が少ない過疎地帯となっている。一方に注意を向け続ければ背後を取られてしまう危険性も孕んでいる場所でもある。そんなことに気がつかない佐野ではなく、背中を壁伝いになりながら警戒を厳とさせた。沙織のことだからどこから攻撃してくるかわかったものじゃない、と神経を尖らせた。
沙織が入って行った一本道の入口に立った佐野は、左にライフルを持たせると右で拳銃を握りだす。素早く反応するには銃身が短い方が有利であるとして、これで索敵を行いだす。短い銃身を壁越しにゆっくり出し、人影はあるのかと見渡し始める。入口右に立っていては見える範囲も制限されるので、足早に入口左へと行動するとここからも辺りを見渡した。
どちらから見ても沙織は見えない。奥の方に逃げてしまったのか? いや、今の状況こそ沙織にとって好都合であるのにみすみす放棄するなんてありえない。まだ近くに隠れているはずだとこの一本道に入って行こうと銃を構え直した。
その時だ―――
影に隠れて息を潜ませる存在が忍び寄っていた。
佐野の背後を捉え、じっと機会を伺っている。
距離は充分にある。
振り向いたとしてもすぐに撃ち倒せるものでもなく、ましてや気付くことさえも難しいとされている。
これも沙織の作戦なのだろう。相手が狙撃を使うならばこちらも動揺の手口を使えばいい。卑怯と罵られても勝てばよいのだ、と心の内で思うのだろう。闘いとはそう言うモノなのだと彼女は割り切っているはずだ。
だからこうして隙しか見せない彼の背中に狙いを定め、トリガーを引く覚悟を見せる。気配を消し、極限にまで高まった緊張を抑え付けて目の前の目標に全神経を集中させた。悲願の勝利がこの手で決まる、と。
そして放たれた――一発の弾丸が彼の背中に向かって直進していく。もう止まることのない彼女たちの勝利のカウントダウンが目前に迫った。
着弾―――
放たれた弾丸は衣服を抉るように佐野の身体に撃ち込まれた。
勝った―――!
誰しもがそう思った。
「――勝ったと思うたか? 沙織っ!」
「―――ッ!?」
だが、佐野は動いていた。
確かに撃ち込んだ! あの身体に! 間違いなく当たったはずだ!
しかし、この考えは当てた本人の意思とはまったくの真逆だった。表情が強張り、見開いた目でこの光景を見て驚愕していた。確かに弾丸は彼の身体に撃ち込まれた。だが、背中ではない。ライフルを手にした左腕だったのだ。
気付かれていた。佐野は背後から微かに感じた視線に早く感知し、身体の一部をやられてもやむなしとの気持ちで弾丸を受け、振り向き様にライフルを構えた。まだ硬直が進んでいない腕に力を振り絞ると、トリガーを引き、残り十数発しかない全弾を掃射した。
不意を突かれ咄嗟に行動できなかったのか、
「どうやら勝ったのは、ワイの方やったな」
勝ち誇った声を漏らす佐野は倒れた
「なっ……!?」
アナウンスが鳴ろうとしていた直前、彼の違和感は現実のものとなった。彼が倒した
「……お膳立ては済ませたよ、バジーナ……さあ、ボクの働きを無駄にしないで……」
『――
序盤で満身創痍にされた藤香だったのだ!
「ッ……し、しもた……!」
自分が狙った相手が違っていたことに気が付いた佐野は、どっと吹き出る汗を吹き飛ばしながら身体の向きを変えた。するとそこに彼が狙っていた相手が、ちょうどそこに銃口を構えて不敵な笑みを浮かばせて立っていた。
「今回は……拙者の勝ちでござるな……♪」
「くっ……沙織っ、おまっ……!」
佐野の敗北がほぼ確定する。いまここで弾丸の雨を放たれれば避けきることなどできない。身体で防いだとしても胴体を撃ち抜かれるのも時間の問題だった。
沙織のトリガーが引かれる。無数の弾丸が一気に佐野を目掛けて飛び出て行った。身体が鉛のように固く動きが鈍る。どうしようもない状況。ただやられるのを待つのみなのか―――
「――いや、まだやッ!!」
鋭く尖らせた目をカッと見開かせ身体に力を込めた。ぶちぶちと線を千切るように鈍い身体を動かし、弾丸を避け始める。ほぼ至近距離と言える中で発射された弾丸を避けるなど常人の動きではない。言葉通り、死に物狂いになりながら彼は全身の力を振り絞った。
もうちょいや……もうちょいはよ動いてや……!
心の中で念じながら身体を動かすも、数発の弾丸が彼の身体に当たり、かすめたりしている。ただ、まだ戦闘不能状態にないからと喜び、一気に距離を詰めた。
「――――っ?!」
その驚きの行動に一番驚いたのは沙織であったことは言うまでもない。この状況でなぜここまで動けるのだろうか? 確実に追い詰めたはずなのに、なぜ?! と困惑の色が濃くなっていく。互いに死力を尽くしての闘い故に、常人の範疇を越える出来事が起こってしまうのは当然なのやもしれないが、ここまでくるともはや予想もつかない。
「ワイは勝つと心に決めたんや。せやから何が何でも勝ちにいくのが当たり前、立ち止まったらそれこそ終わりなんや!」
何発もの弾丸を被弾してまでもなお彼は止まらなかった。それが功を奏したのか、沙織の懐にまで身体を移動させ、弾丸を避けきることに成功した。
「もろうたで!」
勝利を確信させた佐野は、右手で握り締めた拳銃を構えだす。銃口は彼女の腹部。しかも、その距離は0。マンに1つ外すことのない距離だった。
もはやこれまでか、と沙織の敗北が決まろうとしている最中、沙織の手から何かが零れ落ちた。丸い物体……? 落ちて行く物体に目が走ると、捉えたそれに佐野は驚愕した。
「ばっ、ばく―――!!?」
佐野が言い終えるよりも先にそれは地面に落ち、カツンと音を立てて弾んだ。すると次の瞬間、丸い物体からガスが勢いよく吹き出し始めたではないか。佐野が驚愕するのも無理もない。何故ならそれは、ガス式手榴弾だったからだ!
「沙織、てめぇ――!!」
「ふっ、死なば諸共でござる―――」
これまでかと思われた沙織の最後の手段――自爆。銃弾を撃ち込むよりも確実に相手を倒すことができる。だが、同時に自分さえも巻き込まれてしまう自殺行為だった。これでもしなければ佐野には勝てない、そう感じていた沙織の苦肉の策と言えよう。
起爆寸前になった手榴弾を止める術は、残されていなかった――――
(次回へ続く)
ドウモ、うp主です。
なんやかんやで意外と話数を稼いでしまいました今回の話。
接近戦の話がしたかったの!ちょっとだけMGSとか沈黙のアレとか文字で起こしてみたかっただけなのよ!!
とまあ、言い訳はこの辺にしまして……
ぶわっと始まったこの話も次回で終わらせます。
絶対、絶対だよ?絶対終わらすからね!(震え
次回もよろしくお願いします。
今回の曲は、
『SNAKE EATER』
更新速度は早い方が助かりますか?
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ちょうどいい
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もっと早くっ!
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遅くても問題ない