蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第13話


ひとりだと言ったな、あれは嘘だ。

 

 

<前回までのあらす・・・・>

 

 

 

 

「さあ、お前たちィィィ!!第9話で出来なかった柔軟をビシッバシッやっちまうぞー!!」

「「ふ、ふええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

「脚を開いて手を前に伸ばせぇぇぇ!!!」

「「ぐぐぐ・・・・もう無理!!!」」

「もっと伸ばせぇぇぇ!!海未!ことりのアシストに回って!!」

「はい!任せてください!!」

「えっ!?う、海未ちゃん待って!!」

「駄目です!これくらいできないと後で大変なことになりますよ!!」

「いやいや、海未ちゃん!大変なことは今起こっているんだよ!!穂乃果たちの筋肉が伸びすぎて千切れそうなんだよ!!!」

「だいじょ~ぶッ!!そんなことはならないように手加減はしてやる。だが、千切れた時はドンマイ☆ということで!!」

「「い、いやあああぁぁぁぁぁぁ!!!」」

「いくぞ!!」

「はい!」

「「せぇぇぇの!!!」」

 

 

 

 

(ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・)

 

 

 

 

 

「「痛い痛い痛い痛い!!!ああああああああああ!!!!」」

 

 

 

 

 

 

「これは鬼ですね・・・・」

 

 

 

音ノ木坂学園は今日も平和だった。

 

 

 

 

~終~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わるな!!!!」

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

「あっ・・・肝心なことを聞きそびれちまった・・・」

 

 

 

俺にとっては重要なことなのだが、真姫のことを考えた時に何故か背中の古傷が痛みだしたのだ。これには何か意味があるのだろうと考えていたのだが、当の本人を前にしても、何も感じられることは無かった。ただあるとしたら、真姫の名前を言った時に何かを思い出しそうになったということだ。

 

 

 

あれは一体・・・?

 

 

 

 

それに・・・・

 

 

 

 

「真姫は何で悲しそうな表情で弾き語っていたのだろうか・・・・」

 

 

 

 

この事についても聞いておきたいな、まあ、何故そこまで詮索するんだと言われそうだけど、気になっちまったんだから仕方ねぇじゃん。あんなに音楽のことを語ることができるのに、あの表情を見たら何故なんだろうって思うんだよ。私、気になります!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、明弘たちがいるだろう屋上に向かいますか」

 

 

 

一応、真姫に海未が作った詩を渡すというミッションは達成されたことだし、あの事は、また今度聞くとしようか。後は、真姫が曲を作ってくれるかが心配だな・・・

 

 

 

「アイツならやってくれる、なんかそんな気がするんだよなぁ」

 

 

 

どこからそんなことが言えるのだろうか?安心しろ、俺も解らん。あえて言うならば、勘かな?アイツを見ている限りでは悪いヤツじゃなさそうだし、やることはキッチリとやってきてくれそうな?

・・・・まあ、そんな感じだ。

 

 

 

 

「屋上へつながる階段は・・・・ここか」

 

 

 

 

学校の中心に位置するこの階段を上れば屋上に行くことができる。

さて、早くいかねぇと、練習時間が無くなちまうぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

 

 

「・・・なに・・・・これ・・・・?」

 

 

 

 

階段を三段飛ばしで駆け上がり、屋上に出るドアを開けたら・・・・・

 

 

 

 

・・・・なんということでしょう。

 

 

 

 

穂乃果とことりがサイバイマンの自爆によって倒されたヤムチャみたいな状態で倒れているではありませんか・・・・

 

 

 

 

 

「どういうことだってばよ・・・・誰か説明してくれよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・それなら、私が説明しましょう」

 

 

 

・・・って!島田!!!何故、俺の背後にいるんだよ!!!明弘と同じようなスキルでも持っているのか?

 

 

 

「先ほどですね・・・・明弘さん主導の柔軟体操が始まりまして・・・」

 

 

 

 

あっ・・・(察し)

 

 

 

 

 

 

「・・・詳細は上の方をスクロールして確認してください」

 

 

 

メメタァ・・・・!!!!

 

 

 

おーい!久しぶりのメタ発言だぞー!!でも、わかりやすーい!!

 

 

 

 

 

「よお!遅かったじゃねぇか」

「あぁ、少し手間取っちまった。・・・んで、どうしてこうなるまでやったんだ?」

「あははは・・・・・・すまないと思っている」

「途中で止めておけばよかったものの・・・・穂乃果たちにはまだ無理があったろうに・・・・」

「だが、限界突破したおかげで柔軟は完了したぜ」

「う、うん・・・・・」

 

 

 

朝練(第9話参照)を見ていて、穂乃果たちの体の柔軟性が恐ろしいほど足りないことは分かってはいたんだけど、こうなるまでやる必要性は無かったと思うんだけどなぁ・・・・明弘に頼んだ俺も悪いのだがな・・・・

 

 

 

 

「蒼一、来ていたのですか。作曲の方はどうなりましたか?」

「ああ、海未が作ってくれた詩を例の1年生に渡してきたぞ。作曲してくれるのかどうかは解らんけどな」

「そうですか。後は結果を待つのみですね」

「そう言うことだ」

 

 

 

 

海未が頑張って作ってくれた詩なんだ、いい結果になるに違いないだろう・・・・勘だけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ~~~~~う~~~~く~~~~~ん~~~~~~!!!!」

 

 

 

 

げぇ!!!?穂乃果!!!

さっきまで倒れていたのにもう復活しやがった!!だが、あの時の俺とは違うのだよ、あの時とは!!

何の準備もしていなかったから直撃を喰らってしまったが、今は防げる自信はあるぞ!!ふはははは!!!穂乃果よ、その攻撃見破ったりぃぃぃ!!!

 

 

 

 

「ダーーーーイブ!!!!」

 

 

 

 

プールに突っ込むように、体を真っ直ぐにして俺に向かって飛び込んできた!!!

 

 

 

 

だがッ!!!!

 

 

 

 

 

(ガシッ!!!!)

 

 

 

 

 

「ほへ?」

 

 

 

 

穂乃果はまるで予想もしなかったような声と顔をしている。ふっふっふ・・・それもそうさ、俺の腹に飛び込む寸前に穂乃果の横に入り込み、穂乃果の腹の部分を腕でがっちりと掴んで抱えている状態にしたからな!腕一本で俺の横っ腹に抱き抱えるような感じになったが、これで穂乃果の動きを封じ込めたぞ!!

 

 

 

 

「残念だったな、今回は俺の勝ちのようだな」

「ふえぇぇ!!!そんなぁ~~~!!」

 

 

 

 

そんなぁじゃねぇよ、あんなもん二度も喰らいたくねぇ!俺を殺す気なのかコイツは!!

 

 

 

 

「ったく、穂乃果も起きたことだし、練習を始め・・・ハッ、殺気!!!」

 

 

 

 

俺の後ろから何かを感じる!!穂乃果がやって来た方向から何かを感じる!!

 

 

 

 

「あっ!!!」

 

 

 

 

そう、気付いた時はすでに遅かった。穂乃果ばかり気にしていて、もう一人の存在を忘れていたッ!!!

 

 

 

 

 

 

「え~~~~い♪!!!!!」

 

 

 

 

 

まさか、ことりも同じようにダイブしてくるなんて思わなかったのさ・・・・

 

 

 

 

(ゴッ!!!!)

 

 

 

 

「ぐおおおおおおおおおおおお!!????」

 

 

 

 

あの時、穂乃果から喰らったあの衝撃を今度はことりによって甦らせてくれちゃったよ・・・・しかも、背中に・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「音ノ木坂は今日も平和でした、っと!」(メモメモ

 

 

 

 

 

おい、島田、終わらすなよ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

「お前ら、あれなの?俺を殺す気なの?」

「違うよ、これは挨拶みたいなものだよ!」

「殺人的ダイブを人は挨拶とは言いません」

「ことりのは違うよ、ことりのは愛だよ!」

「何故そこで愛ッ!?」

 

 

 

こんな挨拶を仕掛けてくる幼馴染がいるなんて、どうにかしてるぜ!!!

もっと、普通の挨拶は出来ないのかよ!!!

 

 

それに比べて、海未はすごいな。きちんと礼儀正しく挨拶してくれるもんな、しかも、お辞儀付きときた!

 

 

 

「・・・海未は俺の唯一の癒しなのかもしれない・・・・」

 

「ふぇ?!な、何を言い出すのですか蒼一!!」

 

 

 

ああ、その反応もいいわ・・・やっぱり、癒しだわ・・・・・

 

 

 

「お~い、兄弟、茶番はそこまでにしてくれ。島田と話し合っていて気付いたことがあるんだが・・・」

「ん?どうしたんだ?」

「それがさ、一応、俺たちはスクールアイドルとして活動をしているんだろ?だったらよぉ、何かグループ名を決めておいた方がいいじゃねぇのか?」

「あー・・・・それもそうだな」

 

 

 

明弘にしてはいいことを言うじゃん。確かに、グループ名は必要だな。名前によって人気が出るかでないのかが決まるからな。重要な一件だな。

 

 

 

 

 

 

「蒼一さん、私からの意見なんですけどよろしいですか?」

「あぁ、構わないさ。何でも言ってくれ」

「はい。では、今回のスクールアイドル結成はこの音ノ木坂学院の廃校を阻止することが目的であることを先ほど明弘さんから聞かせていただきました。この目的を達成するには生半可な人気では難しいと考えています。それ故、全国的に知名度を上げる必要があります。ですが、すぐには難しいだろうということは蒼一さんたちも重々承知でしょう。そこで、まずはこの学院の生徒からの支持を手に入れる必要があるのです」

「あぁ、この問題と言うのは、ただの一部活動のみが行動していくには限界がある。学校全体が協力して達成していく必要があると俺は考えている。学院の生徒の支持を集められるいい方法は無いか?」

「はい。一つはですね、生徒会からの支持があること。もう一つは、興味を抱かせることができるような企画を打ち出すことでしょう」

「ふむ、生徒全体を指揮する生徒会がバックに付いてくれれば自ずと支持は生まれやすいということか」

「そういうことです。後者の方は、付いてくれない場合の手段です。今のこの状況でも活用することは出来ますが、企画によって左右されます」

「生徒会の方には知り合いがいるから何とかなるかもしれないがあまり期待は出来ないな・・・。後者の方はまだ考えは思い浮かんでいないが、島田は何かいい考えを持ってそうだな」

 

 

 

 

そう問いかけてみると、わかってましたかと言わんばかりの笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

「私もアイドルのことについての情報は多少ですが入手しています。その中で、人気を手に入れているアイドルと言うのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()か、()()()()()()()()()()()()()()()()という二択であると考えています」

「なるほど、今のおれたちの状況を鑑みれば前者はありえないな・・・となると・・・」

「結論的には後者になるっていうのが手っ取り早いってやつかぁ」

「御二方の言うとおり。私が言うのもなんですが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「ひどいッ!!!」

「穂乃果、口を挟まない」

「・・・そこでですね、私はこのグループはファンで創っていくというコンセプトを打ち立てていくのがおもしろいのではないかと、考えています」

「ということは、グループ名もファン・・・いや、今は生徒が考えて決めるってことなんだな?」

「そういうことです♪」

 

 

 

 

なんて斬新的な考えなんだ・・・!まあ、言いかえれば放り投げているようなもんなんだけど・・・・

だが、おもしろい!自分たちも参加して一つのことを作り上げていくというのは、体育祭や文化祭などのクラスの雰囲気に近いものかもしれない。それに支えていったことで人気が出るようになっていけば俄然やる気が出るものだろう。

 

 

 

「それじゃあ、どうやってグループ名を決めるかだが・・・・」

「その辺は抜かりありませんよ」

 

 

 

そう言うと、島田は少し大きめな箱を取り出してきた。てか、それどこに仕舞っていたの?

 

 

 

 

「この箱の中に自分たちの考えた名前を記入した紙を入れてもらい、その中から選んでいくのはどうですかね?」

「う、うん、それはいいと思うぞ・・・・しかし、島田はいいのか?俺たちにここまで協力して?」

「いいんですよ、私の独断で動いてますし・・・それに、今、生徒の間で話題沸騰中のお二方を密着取材ができるんですから~広報部部長からみれば、これほどありがたいものは無いんですから♪」

「お、おう・・・」

 

 

 

それはつまりあれかい?ずっと俺たちのことを観察しているつもりなのかい・・・・俺が言うのもなんだが、なんて暇なヤツなんだ・・・

 

 

 

 

「それでは、今日の取材はここまでにしておきますか。ではでは、こちらの箱を設置してから帰らせてい頂きます~。では、また明日もよろしくお願いしますね~♪」

 

 

 

 

む、むぅ・・・こっちもこっちで嵐のようなヤツだな・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「蒼一、話も済んだようですし、練習を再開しますがよろしいですか?」

「わかった、海未。よし、明弘、始めるぞ!」

「おうよ兄弟!!」

「穂乃果とことりもちゃんとついてこいよ」

「は~い!」

「私もがんばるよ!」

「海未も難しいと思ったら無理をするんじゃないぞ」

「わかっています」

 

 

 

 

「そんじゃ、記念すべき俺たちの最初の練習を始めるぞ!!」

 

 

 

 

「「「「おー!!!!」」」」

 

 

 

 

 

まだ、俺たちはスタート地点に立ってもいないそんな状態だが、いずれ、最終地点を見つけてそこに付き進めることができるようにしていきたい。・・・できることならば、何も起こらなければいいのだが・・・・。

 

 

 

 

(次回へ続く)

 

 

 

 






疲労度120%の状態が続いている日常を送っております、うp主です・・・・

・・・・やばい、辛い・・・・。



前回入れるはずだった蒼一の二つの疑問・・・・先送りで・・・。

べ、別に忘れていたわけじゃねぇし・・・これも計算の内だし・・・(震え声)



実際、真姫の話はこの物語の最初の山場だと言えると思います。
・・・そっちを先に執筆しているとか・・・何やってんだか・・・

それに合わせて“現在”の話をしているから、こちらとしては書きやすくって助かっているところもある。ふっふっふ、いけるな!!



今回の曲は、

ことりの技が蒼一に当たった時に流れただろう(処刑用)BGM

来兎/『MELTY BLOOD』

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