第133話
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ハァ―――ハァ―――ハァ―――……
息が重い……身体も思うように機能してくれない………。
汗と涙が、ともに大粒の滴となって床に零れ落ちていく………。
出し切った――いま持てるすべてを使って、この一曲を歌いきった。 技術をかなぐり捨ててまでも、俺は最後まで感情だけで歌い続けた。 その結果、原曲とは一体何だったのか、自分でもそう疑ってしまうレベルにまでおかしいことになっていた。 ご本人様たちが聴いたら、目ん玉引ん剥いて驚いちまうだろうよ………
だが、これでいい――。
この一曲に、俺の伝えたかったこと、すべてを詰め込んだんだ。 後悔なんてしない、やりきったことへの達成感しか見当たらなかった。
自分の吐息が壁を伝って聞こえるほど、会場内は静寂に包まれている――最前線で見上げている観客たちは、この世のモノではない何かを見ている、そんな表情をしていた。 そんな顔を見ると思わず、してやったり、な気持ちになって頬が緩みかかる。
パチ……パチ………
小さく、何かが弾けるような音が聞こえた―――
それを皮切りに、無数の炸裂する音が鳴り出す! ドッ、と大波が押し寄せたかのような勢いが会場中に広がり、豪雨が降り注がれるような拍手喝采が耳に入ってくる!
たくさんの……、たくさんの声が聞こえてくる……。 あぁ、なんて懐かしい感じなんだ……。 喜びに湧き立つ観客の拍手が新芽に注がれる恵みの雨のように、押し寄せてくる観客の熱気が全身に安らぎを与える布団のようだ。 そして、身体中から噴き出す、歓喜と感謝の気持ちが留まることを知らなかった――!!
あぁ……、俺はやっと、ここに戻ってくることができたんだ―――
満身創痍になりかかりつつ、そう心の中で呟くのだった。
『アポロオオオオオォォォォ!!!』
「―――――っ!!」
幾千もの観客らの声よりも、はるかに大きく轟かせた雄叫びが身体に響いてきた!
ふと、視線を正面に落とすと、観客らが立つ場所に一閃の光が降り注がれた。
『この時、この瞬間を……俺は、待ち望んでいたぞ!!』
声高に雄叫びをあげるその男は、仮面下でニヤリと笑って見せた。 その姿を見た観客らは、あまりの唐突な出来事に頭が付いていけず、その場に硬直してしまったかのように思えた。
無理もない、なにせ、ここに集まる観客はその男にも会いたいがために集まってきたのだから。 しかも、その男と肩を並べられるくらい間近にいるのだ、動揺するのも無理もない。
観客らは、その男に羨望の眼差しを向ける。
『さあ!! 宴の始まりだ!! 道を開けろオオオオォォォォ!!!』
バッ、と右手を前にかざし、俺に向かって指を差した。 すると、かざした方向に立っていた観客らが一斉に退き始めた。 迅速に、着実に道が切り開いてくるその様子は、聖人が海を2つに分けたかのように思える。 そして、俺の前にまで続く一方通行の道が出来上がったのだ!
『おう、ありがとよ、おめぇら! 愛してるぜ!!』
フッ、俺でも言わないクサイ台詞を口に出しやがって、まったく、アイツらしいな……。
やや関心気味に頷いていると、アイツはスタートダッシュを決めて、猛スピードでこちらに急接近する。 その姿を見て、観客らは歓声を上げ、熱情を高めていく。 アイツもそれに応えるように両手を広げ、笑いながら走りぬけた。
ステージ間近にまで接近すると、ダンッ、と大きく足を踏み込ませると、バネのように勢い付けて高く跳び上がった。 くるりと空中で一回転してみせると、自分の身長よりも高位置であるこの場所に、軽々と降り立ったのだ。
ゆっくりと俺の前に立つ明弘は、持っていたマイクを下げて、俺にしか聞こえない声で語りかける。
「なんだ、やけに清々しい顔をしてんじゃねぇか」
「ふっ、それを言うならお互い様だろ?」
ふふん、と鼻で笑って見せる明弘に、やや苦笑気味に笑みをこぼしてしまう。 明弘だって、何故か分からんがいい顔をしていやがったのだ。
「それはともかくとして、先にやらなくちゃいけないことがあるな」
「そうだな、兄弟。 こんだけのファンが待ち望んでいやがったんだからよ、サービスくらいしてやんなよ?」
くっくっく、と笑い出す明弘をよそに、俺は1歩前に踏み出して観客らに近付く。 観客らは俺たちのことを見て俺たちへの声援がヒートアップしだした。 もう、待ち切れない様子に、マイクを握り締めた。
『――お前たち!! 待たせたな!!!』
俺が
が、だからこそだ。 待っていてくれた人たちのために、俺たちが出来ることを全力で、やらなくちゃいけないんだ!
『俺たちは、とある事情により、長きに渡って活動を止めてしまった。 応援してくれている皆にはすまないことをしてしまった……。 その代償として、俺たちはもう、こうした大会に出場することは叶わないだろう……
しかし! 俺たちは歌い続ける! そこに、皆がいる限り、応援し続けてくれるお前たちがいる限り、俺たちは全力を尽くして歌い踊ろう!!
さあ、集え!! 長きに渡ってくすぶり続けてきた、我が同胞よ!! 今こそ、歓喜の声を上げよ!! 終わることの無い、素晴らしき
復活の宣言が下される―――
その勅令が下ると同時に、ドッと観客らの歓喜の声が声高らかに、地を揺らしあげるくらいに轟いた。 まさに、会場全体が一致して叫んでいるみたいで、迫力に圧倒されてしまう……!!
これが……みんなからの期待、なのか……!! 下手すれば、押し潰されてしまいそうになるが……ふっ、どうってことないさ。 これしきのことで、もう問題なんて感じやしない。 ならば、抱えてみせるさ、これら全員分の想いを……!!
『さあ、さあさあさあ!! 始まりだ、始まりの時間だぁぁぁ! 今宵の月は何とも見事な円、こんなありがてぇ時に歌わねぇヤツなんざ、もったいねぇ! お前たちも気が狂わんばかりに歌いまくれぇぇぇ!!』
『遅れるヤツがいるのなら途中下車をオススメだ。 ついて来れるヤツだけついて来い!』
『気持ちを押し殺すな、さあ、歌いまくるぞ!!』
『Are you ready……?』
『『Let’s Party!!!』』
さあ、神話の続きを書き綴ろう―――
〈ザ……ザザ―――――――――――ザッザッ!!!〉
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ウワアアアアァァァァァ―――!!!!
観客らの熱狂が臨界点を振り切った!! 男たちの雄叫び、女たちの絶叫が会場を渦巻き、天高く突き抜けたみたいだ!!
気持ちを高ぶらせる観客らの羨望の眼差しは、2人の男たちに向けられた。
一人はアポロと、もう一人はエオスと呼ばれているこの2人。 彼らこそ、あの伝説のスクールアイドル、RISERなのだ。 誰もが彼らに憧れ、彼らを目指し、恋い焦がれた存在――一時期、人々の前から忽然と姿を消し、もう二度とその姿を見ることはないのだろうと望みを捨ててしまおうとしていた時に、だ。
彼らは還ってきた―――
何の前触れも無い、それは突然のおしらせだった。 それを知った人々の目は流星の如く輝きだした。 彼らを知る者にとって、これ以上の吉報は存在しない。 彼らを見たことがある者は、その時の感動をもう一度…! と。 見たことがない者は、諦めかけていたのに見れるだなんて…! と、互いに高ぶる気持ちを抑えられずに会場へと駆け込んだのだ。
そこで彼らが見たモノ――それこそ、彼らが求め続けていたモノが、煌びやかに着飾ってそこに立っていた。 何も変わることも無く、彼らの理想通りの姿で立っていたのだ。
その姿を見て、人々は歓喜に沸く。 ある者は声が枯れるまで絶叫し、ある者は叫び過ぎて倒れこんでしまう。 しかし、それこそが、RISERのライブ特有の症状なのだ。 騒いで、叫んで、ぶっ倒れるまで全力で楽しもうとする。 心の奥底から満足するために彼らは歌い、踊り切った―――
限界の先まで超えた彼らは、互いに荒れた呼吸をしあう。 アポロが歌い、エオスが合流してからさらに2曲――2人の代表曲を披露したのだ、呼吸が乱れない方がおかしかった。
呼吸を整えながら、2人はマイクの音を消し、互いに言葉を交わしだす。
「なぁ、兄弟……。 いま、俺はさいっこうに楽しいわ……!」
「奇遇だな……俺もいま、とてつもなく楽しい……! またお前と、こうして立つことが出来てさ……!」
「たはっ! それはそうだな。 俺もここに立てて嬉しかったぜ、蒼一……」
周囲から歓声が鳴り響く中で、2人は、2人だけの会話がなされている。 共に、再び歌うことが出来たことに感謝し合う、2人の友情が、さらに強固なものに変わっていくように思えるのだった。
「それと、蒼一はもう舞台からはけていいぞ……」
「…………!? それは一体……?!」
「蒼一を待っているヤツがいる、そう言ったら、分かってもらえるか?」
「……………!!」
明弘のその言葉に、蒼一はハッとしだす。 彼が交わした約束を、果さなければならないという使命感を抱くのだ。
「あとのことは、俺に任せろ。 なぁ~に、残りのソロでなんとかしてやんよ。 その間に行ってこいや」
「………っ! すまない……!」
明弘のその対応に、蒼一は感謝の言葉がうまく見つからなかった。 絞り出すように出てきたその一言ですら、満足のいくような言い方にはならなかった。 だが、去り際に互いに交わしたハイタッチが、言葉の代わりとなり伝わりあうのだ。 それが、2人の間に通う以心伝心のようなものなのだろう、交わした後の表情は互いに良いものに変わっていた。
蒼一、アポロは腕を高らかに掲げ、観客らの声に応えながら舞台袖へとはけていったのだった。
残された明弘は、ニタリ、と白い歯を見せる笑いをして観客らの前に立つ。 そして、このライブの終演を告げる歌を、彼は歌うのだった。
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通路に靴音が反響する―――
アポロ――いや、蒼一は、その長い道のりを一心不乱に走り続けた。 くたくたに疲れ切った顔に、尾を引き摺るような重い身体が、彼の行く先への足かせとなっていた。
「―――どうして早く動けないんだ……」
こんな大事な時に動いてくれないだなんてと、そんな自分の身体の異常さに嘆息が漏れ出てしまう。 全力を出し切った、彼があのステージで見せたモノすべてに、彼の力強い想いが意志となってカタチに現れた。 それを表現するには、ありったけの体力が必要とされ、当然あるだけすべてを使いきったのだった。
「もって、くれ……まだ、俺には……!」
壁に身体を寄り掛からせ、疲れた身体を休ませるのだが、動かないことが返って疲労を二乗させてしまう。 大粒の汗を額から零れさせ、肩で大きく息を吸い上げる。 身体に取り込んだ空気は循環し、悪いものだけを口から大きく吐き出すのだが、それでも体調が整うことはなかった。
ふらっ、と身体を傾けさせてしまうそんな時だった―――
「なぁ~に、そんなところに突っ立ってるのかしら?」
「!!」
背中から甘く小洒落た声が背中をつつくように聞こえてきた。 一瞬、肩を強く跳ねあげてしまうが、それが誰の声なのか解った途端、安心感を抱く。
「なっ……に―――」
彼は思わず、後ろに立つ人の名前をつい口に出してしまいそうになる。 が、それは寸前のところで終わってしまう。
背中に何かが触れたような感覚を抱いたからだ。
その行為に彼は驚いてしまうのだが、後ろの女性はさらに話を続けさせた。
「あなたはここで倒れてはいけないわ。 あなたを待っている人が、ずっと同じところで佇んでいるはずよ。 あの子のために、ほら行きなさい……」
ずっと同じところで、その言葉を聞いた瞬間、彼が求める彼女が今どこにいるのかを割り当てた。 そうかそうかと、納得がいくみたいに小さく頷くと、教えてくれた女性の方に身体を向け感謝を伝えようとする。 だが―――
「―――後ろを振り返ってはダメよ。 いま振り返れば、あなたはきっとずっと立ち止まったままになる。 振り返らずにただひたすらに進んで行きなさい」
「なっ……!」
思いがけないその言葉に耳を疑ってしまう。 後ろを振り返るなと言う難題を押し付けることに何の意味があるのだろうと、思ってしまう。 ただ彼は、体力的にもかなり危うい状態にある。 もし振り返ってしまったとしたら、身体中に張り巡らさせた堅い緊張が一気に外れてしまうことを、感覚として身体から訴えてきていた。 そのため、彼は歯を食いしばるほど悔しそうに俯いた。
「さあ、行きなさいよ―――!!」
ドンッ、と強く背中を押されて3、4歩だけ前に進むと、それを皮切りに足もどんどん前に進ませ始める。 一歩、また一歩と少しずつ前に踏み出し助走を付けた。 行けぇ! 背中をさらに強く押し出す彼女の声が、寄りかかる身体を押し出す勢いとなり、見事に彼はまた走り始めた。
たどたどしい、生まれたての小鹿のように足を震わせつつも、次第にピンッと伸びていく身体に力が入りいつもと同じように走り出すのだった。
去り際、彼は背中を押してくれた彼女に一言告げた―――
「必ず、お前のもとにも戻ってくるからな……。 それまで、少しの間、待っててくれ……!」
そう言い残すと、彼はまっすぐに、不格好ながらも立って走り出していったのだった。
「何よそれ……ホント、アンタってバカなヤツなんだから………」
彼の後ろ姿を見送った彼女は、ポツンと呟きを落とした。 彼女のトレンドマークである笑顔が零れ落ちていくのに、その声はどこか寂しげに聞こえる。
左右にまとめた髪が、いつも以上に黒く、力が抜けて低く垂れさがって見えたのだった。
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その通路は、とても冷たく感じた―――
外では煌々とライトが点灯し続け、熱気も高まっているというのに、この場所だけ明りが消え、冷え切っていた。 一歩ずつ歩くたびに、コツコツと靴と床同士がぶつかる快音を鳴らす。 音は真っ直ぐに伸びてゆき、そのまますぐに反響して戻ってくる。 一番奥までそんなに距離はないようだ。
暗がりの中で、薄っすら映った標識には、こう書いてあった。
『スタッフ控室はこの先まっすぐ』
俺は駆けた―――
足に羽根でも付いたみたいに軽やかに、風のように颯爽と駆け抜ける。 気持ちも逸り出す。 この先に待っている、そのことを思うだけで早く逢いたいと思うのだ。
そして、ようやくその扉の前に立つ。
その時間、わずか8秒足らず――この通路を駆けて辿りついた時間だ。 その程度の時間さえも惜しく思えるほどだ。
待ちに
ガチャ―――――
最後の、扉が開いた―――――
「―――――ッ!!」
光が目に射し込まれてくる――――!
目を瞑りたくなるなるほどに眩しい閃光が走った――――!
その時の俺は、多分、別世界に言ってしまったのだろうと思った。 白い光に包まれ、見えるものすべてが色鮮やかで見劣りするモノなど何もなかった。 まるで、聖別されたモノだけを置くことが許される場所、まさに天国そのものかと目を疑ってしまう。
その光の先に見えるモノ――純白のドレスのように輝きを放ち、装飾を施す必要もない衣装を身に纏い、風で洗ったようなそのやわらかな髪を靡かせる。 スッと背筋を伸ばし、胸を張る姿勢は、少し背伸びをしているかのようで幼く思えてしまう。
だが表情は、優美に整われ、この世のモノとは想像もつかないくらいの愛らしさが見えた。 そんな表情が俺に向けられると、さらに増して愛くるしくなって俺を見つめ続けたのだ。
ドキッ、とこのまま心臓が止まってしまいそうになるほど、心が大きく揺れ動く。 もし、ここで本当に心臓が止まってしまったとしても、あの顔を見れただけで充分に幸せだ。
心の中で、いま歓喜の歌が鳴り響いている、そんな気分だ。
そして俺は、この手を前に差し出し、その名を呼ぶ―――――
「――――ほの、か――――?」
すると、途端に―――――
「そう、くん――――」
なんとも安堵の籠った声なんだろう、声が耳に入った瞬間、気持ちの抑えが利かなくなって―――――
「――――穂乃果!!」
俺は、感情を曝け出しながら大きく叫んだ!
「――――蒼君!!」
向こうも溢れんばかりの声で叫んだ!
そして、堪らなくなった俺は、仮面を投げ捨ててそのまま駆けて彼女を、穂乃果を、愛しい俺の恋人を――――
「穂乃果ぁ!!」
「蒼君っ!!」
強く抱きしめあったのだ……!!!
早く駆け寄ったからか、穂乃果を抱きしめると、勢いのあまり抱き上げてその場を何度も回転したんだ! ダンスのようにくるくると何度も回り踊ったようだ。 なのに、俺たちはそんなことに気にも留めず、屈託のない笑い声を共にあげたのだ。
「穂乃果ァ! 俺は、約束通りにお前を迎えに来るって! お前を一番最初に抱きしめるって!!」
「うん!! 戻ってきてくれた……蒼君が、ちゃんと戻ってきてくれた……!! 穂乃果は、ちゃんと信じてたからね! 信じていたんだからね!!」
「あぁ…! 知っているとも!! 穂乃果はきっと俺のことを信じていると思っていたさ! だって、お前は……! 穂乃果は俺の……! 俺の……大事な、世界中でたった一人の穂乃果なんだから!!!」
「~~~~っ!! うん……!! ありがと……、ありがとう……蒼君……!」
目の辺りをじんわりと潤わせながら、穂乃果は嬉しそうに声をあげる。 その姿から、穂乃果が本気で俺のことを思い続けてくれていたことを知ると、余計に強く抱きしめたくなる。 もう、離したくないくらいに強く、やさしく留めておきたい。
「―――蒼君」
相槌を打たれ、何かと顔を寄せると―――
『んっ―――――――』
穂乃果と唇が重なり合った。
「――――んぅ、うんっ。 穂乃果……!」
「えへへ、お帰りなさいのキス♡ 穂乃果からの贈り物だよ♪」
かわいらしく頬を薄っすらと紅潮させ、恥ずかしがること無くしてみせたのだ。 満面の笑み、そこから出た贈り物は、俺の範疇を超えたモノだ。 嬉しさのあまり顔を沸騰させてしまいそうになる。
ただ――俺も穂乃果に返したい、と思うようになり、穂乃果の頬に触れる。
「―――それじゃあ、俺からも伝えなくちゃな」
再びゆっくりと顔を近付け、向き合うようになる。 黒真珠よりも光り輝くその瞳をジッと見つめながら語りかける。
「穂乃果がそう言うふうにやるのなら――――」
きちんと整えた表情なり、引き寄せると――――
「ただいま――――」
「うん、おかえり――――」
そう応えると、2人はまた、ゆっくりと唇を重ね合わせる。 しっとりと、とろけてしまいそうなこの瞬間は、世界一美しい時間と言えた。
夢を再び追いかけるられること、その瞬間を愛する人と共に過ごせることの幸せに、心の奥底から安堵するのだった。
その時、夜空に2つの流れ星が流れていった。 まるで、俺たちを讃えているかのように、美しかったのだ。
(次回へ続く)
ドウモ、うp主です。
これで山場が終わったぁぁぁ!!!と伸び伸びしているところです。。。
ここまでが長かったような感じで、いや、本当に長かったですねぇ……あとは、少しだけ書いてこの章を閉じることにします。
多分、2話でどうにかなるんじゃないかと思っている次第。
では、次回もよろしくお願いします。
…よっし、久々にイチャラブできる……!(ボソッ
今回の曲は、
TV『アクセル・ワールド』より
KOTOKO/『→unfinished→』
更新速度は早い方が助かりますか?
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ちょうどいい
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もっと早くっ!
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遅くても問題ない