蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第102話


群青色を熱く染める

【前回までのあらすじ】

 

 

 ようやく夏合宿が始まった俺たちμ'sは、早速、真姫の母・美華さんが用意してくださった別荘に到着する。 そして俺たちは、廃校阻止に向けて精一杯の練習を行っていくことに……なるのだろうか?

 

 

 

――

―――

――――

 

 

 

「それでは、みなさん。 準備運動も終わったことですし、早速練習に取り掛かりましょうか!」

「準備運動って………」

 

 

 何故か3割増しに気合いが入っている海未は、いつもの練習着に着替えて俺たちの前に立っていた。

 と言うか、お前の言う準備運動というのは、俺のことをしっちゃかめっちゃかすることなのか? おかげで、またしても色々なモノを搾り取られそうになったわ………

 

 それのせいなのかは分からんが、海未だけでなく他のみんなもイイ感じに気分が高揚しているように思える。 それを思い返すとちょいとばかし、嘆息が漏れてしまう。

 

 

 

 

「………しかし、今から練習を始めると言うのに、何なのですか! その格好はっ!?」

 

 

 人差し指をビシッと立てて俺たちに向けられると、瞳を鋭くさせて怒りを表していた。 まあ、この格好じゃあ怒るのも仕方ないが、そんなにしわを寄せていると綺麗な顔が台無しだぜ?

 

「……何か言いましたか、蒼一?」

「い、いいえ……なんにも………」

 

 

 うわっ、あっぶねぇ……目を光らせてこっちを見た時は、やべぇと思ったわ。 というより、俺の思考が分かったのかよ? あまり見てもらいたくないのだがな……

 

 

……っと、話を元に戻そう。

 

 

 海未どうしてこんなに怒っているのか。 それは、一目瞭然、海未以外の全員が揃って水着を着ていたからだ。 しかも、洋子までもが……

 

 そんな今すぐにでも海に向かっていきそうなこのメンツ、ちょっとやそっとじゃ動くことはできないだろうな。 けど、それに負けず劣らずなのは海未も同じなんだよな………

 

 

「海未ちゃん! 目の前に海があるんだよ、“海”が!」

「………“海未”は私ですが?」

「違う、そうじゃない」

 

 

 言うと思ったよ、と少々呆れながら冷静なツッコミを入れてしまう。

 というか、穂乃果が別荘の前に広がる海を指さしているのに、どうしてそれが自分のことに思ったんだろうか……鈍いにもほどがあるだろうよ………

 

 

「せっかく、海に来たんだから泳ごうよ!」

「そうだにゃ! 凛も早く泳ぎたいにゃぁ!」

 

 

 さっきから元気が有り余りはしゃぐ穂乃果と凛は、是が非でも海水浴をしたいと懸命にサインを送るのだが、当然海未はそんなことでは動くことは無く………

 

 

 

「ダメです! ラブライブがもうすぐだと言うのに、そんな悠長なことを言えるはずがあしません! 合宿は自らを鍛錬するためにあるモノです!」

「あらら……こりゃあ、スイッチ入ってるな………」

 

 

 言葉に力が入りだした様子を見て、明弘は顔を引き摺らせながら苦笑する。 それは俺だって同じ気持ちだ。 何せ、鍛錬バカという異名が付いてしまうくらいの張り切りっぷりを見せるため、俺たちですら手を焼いている。 μ’s結成当時だって、とんでもない練習メニューを考案しては、運動経験が少ない穂乃果たちに実行させようとしていたのだから恐ろしいものだ。

 

 そしてまた、同じようないやぁ~な予感が………

 

 

「それで、今回の合宿で行う練習メニューを考えてきました!」

 

「「「「え゛っ!!?」」」」

 

 

 まさかの言葉に、あの時のことを知っている俺たち4人は思わず濁った声を漏らしてしまう。 他のみんなも当時のことを知らなくとも、これまでの海未のことを知っているがために、あまり顔色が善くなかった。

 

 そんな俺たちのことを気にも留めず、海未はどっから持ってきたのか大きめの紙をドンッと壁に貼りつけたのだ。 そこに書かれていたのは………

 

 

「ら、ランニング10km………」

「腕立て腹筋20セット………」

「遠泳10km………」

「精神統一………って、何の修行だよ?」

 

 

 海未が示したその途方もなく実行し難い内容に対して、全員からどんよりとした空気が出始めている。 そりゃあ、普段からこんなメニューをこなしてないのに、いきなり運動部レベルのメニューを提示されたら誰だって嫌な顔するだろうよ………

 

 

「ちょっと、海未ちゃん!! 遊ぶ時間は?!」

「そんなものありませんよ?」

「いやいや、これ絶対に死人が出るにゃぁ!!」

「大丈夫です、気合と根性があれば成し遂げられます!」

「お前のその自信は一体どこから出て来てんだよ………」

 

 

 大きく胸を張って熱く語りだす様子を見て、だめだこりゃ……完全に入ってるわ………とよろめきかけてしまう。 こうなってしまっては、そう簡単に動かすことは難しい。

 

 そんな中、穂乃果と凛、にこ、そして明弘が顔を近付け合わせて何か相談しているようだ。 さながらあの日ハムのあの外野のアレの如く…… それが何かやるつもりだな、と勘付いてはいたが、そのまま様子を見守ることに。

 すると、凛とにこが海未の前に行くと――――

 

 

 

「海未ちゃん! あそこを見るにゃぁー!!」

「えっ?! ど、どこですか!?」

「そっちじゃないにこ! あそこにこ!!」

「えっ? えっ?! ど、どこだと言うのですか!?!」

 

 

―――などと、2人揃って明後日の方向に指を指して海未を釣ったのである。

 

 

……って、そんな感じで釣られるのかよ、海未……

 明らかにわざだなと気が付くはずなのに、海未ときたら本当に信じて指さした方向をどこだどこだと見回しちゃって………素直すぎんだよ、お前は………

 

 

 

「よし、掛かった! 今だぞ、おい!」

「今だぁ―――!!」

 

 

 明弘と穂乃果の掛け声を合図に、この場にいた全員は揃って海の方に向かって猛ダッシュ! それに気が付いた海未は、制止を呼びかけようとするも時すでに遅し。 もはや、追いかけてどうなるような距離ではなく、見送るほかなかったのだ。

 

 

 

「そんな………」

 

 

 小さくなっていくアイツらの姿を見て、海未は打ちひしがれるように膝を崩し、その場に座り込んでしまった。 いつもならば人に見せることはしない、しゅんと落ち込むか弱い姿をしてしまうほどのショックだった様子。 それが何とも居た堪れなく思い、近くに寄って、その手を引いた。

 

 ふわっとやわらかい手の平を包むように握ると、不安げな様子だった海未も少し落ち着いた気持ちとなったのだろう、表情が変わらずともそこから滲み出る喜びを感じとった。

 

 

「一体、何がいけなかったのでしょうか………」

 

 

 目尻を引き下げ、不安げに尋ねてくる海未。 植物が萎びたような姿を見せる彼女に、俺はツンっと額を突っつく。 「ひゃっ」と突然のことに驚きの声を上げると、「な、何をするんですか!?」と少々涙目になりながらわめきだす。

 そんな幼く感じさせる仕草に、くすっとさせられるとともに、まったくかわいいヤツだと喜んでしまう。 けれど、ちゃんと言わなければならないことはハッキリとしなければならないとして海未に迫る。

 

 

「いいか、海未。 確かに、お前に練習メニューを考えるように伝えたけどさ、いくらなんでもやり過ぎだと思うぜ?」

「なっ?! そんなことはありません! むしろ、これでも足りない方だと思うくらいなのですよ!?」

 

 

 予想通り、俺が指摘したことに関して、海未は眉を引きつって怪訝な表情で反発してくる。 海未の性格上、自分のつくったものにケチ付けられると怒ってしまうところがある。 自分の中では完璧だと感じているからこそ、そうした反応を示してしまうのは分からなくもない。 けど、結局のところそれは自分善がりのもので、現実に置き変えたら自分が思った通りに行けるなどということは稀なこと。

 未熟な海未には、まだ難しい壁なのかもしれない。

 

 

「なあ、海未。 実際にこのメニューをやったとしてさ、みんなが等しく追い付けると思うか?」

「出来ますとも! 気持ちが入れば十分に!」

「それじゃあ聞くけど、ランニングはいいとしてさ、遠泳が出来るメンバーがどのくらいいるか分かるのか?」

「えっ……!?」

「はぁ………やっぱりそこら辺のことを考慮してなかったな………」

 

 

 俺が指摘し始めた個所を突いてみると、いとも容易くボロが出る。

 

 

「アイツらの様子を見ても、あの中でまともに泳げるヤツなんて少ないと思うぜ? μ’sに入るまで運動をしてこなかったヤツだっているんだろうし、ましてや泳ぐことなんて尚更のことだ」

「うぅ………」

 

 

 さらに続けて指摘し出すと、反論できる様子もなく、ただただ悔しそうにその非を認めるようにさっきよりも強く打ちひしがれていた。

 さすがに、ここまで強く言い過ぎると凹んでしまうだろうと、次に俺はやさしく囁きかける。

 

 

「けど、海未はみんなのことを想ってつくってくれたんだろう? ありがとな、その気持ちは十分に伝わってるぜ。 それに、難しいことを押し付けてすまなかったな」

「そ、そんなっ……! 蒼一が悪いわけではないのですよ!?」

「いや、俺も一緒になって考えてやるべきだったのに、俺は海未に全部押し付けてしまった。 俺にだって責任はあるさ」

「蒼一………」

「だからさ、今でも遅くない、一緒に考えようぜ? そして、もっといいモノを一緒になってつくっていこうぜ?」

「………ッ! は、はいっ!!」

 

 

 そう言うと、海未は自信を取り戻したのか、しっかりとした声で返事する。 こんなところにまで来たのに、辛そうな顔をされても困っちゃうしな。 それに、嬉しそうに微笑んでいる姿こそ、海未には欠かせないモノだと感じているからな。

 

 

 

「それじゃあ、気分転換に泳ぎに行くとしますか!」

「そうですね、蒼一は穂乃果たちの水着にかなり御執心だったようですしね」

「げっ?! どうしてそれを………?」

「先程、やけに蒼一の視線が穂乃果たちに向けられていましたからね。 嫌でも気が付きますよ……破廉恥ですね」

「うっ………!」

 

 

 否定できないな………確かに、みんなどんな水着を着ているのかを見たかったという欲求が抑えられなかったのは事実。 故に、そこを指摘されるとかなり痛いのだ。

 

 

 

「うふふっ、冗談ですよ。 蒼一が見てしまうのも致しがたないことです。 何と言っても、みんなアナタのことをお慕いしていますし、そうした関係なのですからね♪」

 

 

 クスッと悪戯のような笑みをこぼしつつも、頬をほんのりと紅く染めて嬉しそうに語りだす。 特に、俺とそうした関係にあるということを不自然に強調して語る様子に、ちょっとかわいく感じてしまうのだった。

 

 

 

「……ですが、そうでない凛や洋子に対してもあのように見るだなんて………いくら私といえど、許しませんよ?」

「ぐっ……! そんなところまで………すまん」

「まったく、目を離していたら他の子にまで手を伸ばしそうで大変です………」

「俺はそんな節操のないことはしねぇよ。 少なくとも、俺はお前たちにしか手を出さないって決めてんだよ」

 

 

 もうすでに、8人の女の子に手をかけているのに、これ以上増えるようなことがあったらそれこそ大変だわ。 まず、俺の身体が持たないと言う事案にぶつかってしまうのが関の山だ。

 

 

 

 

「それじゃあ………それを今証明して下さい………」

「証明って、お前……何をするって………まさか………」

 

 

 海未が何を言い出すのかと思いきや、頬の周りをさっきよりも紅くしながらこちらを見つめだすので、一瞬で()()()()なんだなと察してしまう。

 

 

 すると、海未は俺の手を掴んで、この場所から反対の別荘の影となる場所にまで引っ張ってきた。 あまりのその強引さに戸惑いながら、俺は為されるがままそこに連れて行かれる。

 

 別荘の壁を背中にした海未とその前に立つ俺。

 一体何が始めるのだろうかと思いきや、いきなり海未が着ていた服を裾からたくしあげ始めた! おい、ちょっと待て!! まさか、こんなところで脱ぎ始めるヤツがいるかよ?! しかも、それがまさかの海未だなんて思いもしなかったぞ、おい!!

 

 そのあまりにも唐突な展開に頭を抱えながらも、海未はじわじわと服を上げる。 すると何故か、海未の表情は噴火直前の火山のように羞恥心が臨界点に達しようとしていた。 同じく俺も同等な気持ちとなって顔を熱くさせている。 つうか、何故にそれを行っているお前が恥ずかしがるんだよ! とツッコミを入れたくなる。

 

 

 目を背けることが出来ないその光景の終焉は、服の下に隠れていた()()が曝け出されたところで迎えた。

 

 

 

 

「みず……ぎ……………?」

 

 

 海未が服をたくしあげてまでも曝け出したのは、純白の生地で作られたビキニブラだ。 清廉潔白で実直な海未らしいモノなのだが、意外にも胸を隠す布の範囲が極めて少なく、これほどまでに大胆な選択をしてくるのは予想だにしなかった。 また白く澄んだ肌の色とその水着の色に近く、離れて見れば全裸にも見えなくもないためかなり目のやり場に困ってしまう。 それでも彼女の美しいボディラインはいつ見ても惚れ惚れしてしまうため、称賛せずにはいられなかった。

 

 

「どう……でしょうか………?」

 

 

 どう……って言われてもさ、見たまま思ったままを口にしてしまうと、かなりエロいですとしか言えません………だって、中途半端に服を脱がずに胸の辺りを曝け出したり、ズボンの方も少しずれてそこから白の何かが見えているのだからどう穏やかに包み込めばいいのか戸惑ってしまう。

 

 

「いい……と思うぞ………うん、綺麗だ………」

「本当ですか……! 嬉しいです………/////」

 

 

 褒められたことがそんなに嬉しかったのか、堅くなっていた表情が緩み出してだらしなくなりつつあった。 というか、それよりも早くその格好をどうにかしてくれ、と心の内で叫んでしまう。

 

 

 

「では……全部脱ぎますね………」

「ふぁい?!」

 

 

 その変な意味にも捉えられてしまう言葉に、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。 お前、そんな趣味があるのかよ! って疑ってしまいがちになりつつある中で、それが本格的に顔を出してきたように感じると、とてもじゃないがどうしようもない。

 あぁ……μ’sからまともなヤツがどんどん減っていく………

 

 

 そんな俺の心配をよそに、俺の心を弄ぶかのように、いやらしくゆっくりと服を脱ぎ出す。 シャツを首から外し両腕のところだけだと言うのに、じれったく時間を使っていく。 しゅるりとシャツが身体から離れて地面に落ちると、今度は、ズボンに手をかけて、これもまたゆっくりと下げだす。 下に着ているのが水着なんだと分かっているのに、どうしてこうも心臓に悪いのだろうか? それに、身体の節々がいろいろと疼き始めてしまう。 も、もういっそのこと一気に脱いじゃって……俺のメンタルにすごく響くからさ………!!

 

 それから海未が水着一枚となるまで数分かかる。

 その格好で俺の前にもじもじと恥ずかし気に立つのだが、ごめん……こっちのほうがめっちゃ恥ずかしいです………姿かたちをどう見ても普通の女の子だと言うのに、今の俺の目に映りだすのは、魅力的で愛らしい1人の女性だ。

 ここまで執拗に焦らされたことがその要因なのだと思われるが、もう考えることさえも陳腐なモノとして思考を止めてしまう。

 

 今はただ、自らの欲求との格闘戦に没頭中だ。

 

 

 

「これは……どうでしょう………?」

 

 

 すべて脱ぎ終えた姿を恥ずかしながらも見せるのだが、それがあまりにも魅力的すぎて言葉が見つからなくなっていた。

 

 

「あ、あぁ……とても綺麗だ……本当に、綺麗だ………」

「そうですか……! そう言ってもらえて、嬉しいです」

 

 

 言葉が見つからず、同じ言葉を繰り返して口にしてしまうが、それでも宝石のように輝く笑みを見せるので少しばかりか胸が熱くなる。

 

 

 すると、海未は一歩前に出てきては、俺をジッと見つめてモノ欲しそうな瞳を煌めかせる。 その切なそうに見せる素顔に惹き込まれ、思わずこの手を彼女の身体に据えてしまう。 どくんと打ち鳴らし始める鼓動を無視しつつ、今目の前に映り込む美しいモノに取り込まれたいと思うのだった。

 

 

「蒼一……私は、もう……我慢が………」

 

 

 俺の身体に腕を絡ませ、瞳を滲ませて必死に訴えかける様子に心が揺れる。 俺だってしたいと思っていたのに焦らされたんだ、もう自分を抑えることも空前の灯火のようなもの。 今はただ、この身を彼女によって溺れさせたい。

 

 

 

「大丈夫だ……今は、誰も俺たちのことを邪魔するヤツはいない………思う存分、楽しませてもらうよ………」

 

 

 

 その言葉を皮切りに身体が密着し合いだす―――――

 

 

 

 

 

『んっ、ちゅっ――――』

 

 

 身体に響き渡る濃厚な口付けの音。 唇同士のやわらかな感触が交じり合う度に流れる熱。 それが口の中で絡み合う唾液となり、漏れ出る吐息となって俺に刺激する。

 鼻腔を突き刺す彼女の爽やかな香り。 なのに、こんなにも求め出す姿にギャップを感じてしまう。

 

 

『ちゅっ―――――んんっ、はぁ―――――んっ!』

 

 

 海未の求めがエスカレートし始める。 彼女は俺の胴に絡ませていた腕をもっと感じたいがために、後頭部に手を添える。 そうすることで、執拗に求めることが出来るようになり、彼女が満足しない限り離れることはできなくなるのだ。

 

 

「もっと……もっと私に注いでください……!」

 

 

 蕩けた口調で話す言葉に欲望の片鱗を見てしまう。 けど、だからと言ってこの行為を止める理由にはならなかった。 俺はその言葉通りに身体を動かした。 絡みつくように、執拗に、そう、まどろむように深く―――――

 

 

 

『ちゅる――――くちゅっ―――――んんっ、ひゃっ―――――!!』

 

 

 舌が絡み出すと、より一層彼女の積極性が高まり始める。 彼女の口の中に侵入した俺の舌を、待ってましたと言わんがばかりに絡みつき始める。 舌を回して舐め回し、そのまま引き入れると、今度は唇で吸い付く。 その必死そうに求め出す姿に見惚れると、思わず曝け出された肌に触れてしまう。 適度に太く、引き締まった感触を抱かせる太腿に指が触れると、ビクッと身体を震わせて嬌声を上げさせる。

 

 

「も、もう……いきなり触るなんて、反則ですよ……//////」

 

 

 嫌々そうに訴えかけるも、満更でもなさそうな表情を示すので、さらに上下に手を動かしてみる。 すると、ビクビクと身体を震わせ、閉じた口から熱の籠った我慢の声が漏れ出る。 もちろん、抵抗などしない。

 

 

「何だかんだ言って、こう言うのが好きじゃないのか?」

「そ、そんなこと……んんっ!!」

 

 

 やや否定気味に反応するので、御仕置きのように両手で彼女の身体を触りだす。 海未はそれが大層よかったのか、気持ち良さそうな声を上げて反応した。 口では否定しても欲望は抑えられない人間の性に抗えないのだ。

 

 

 

「そう言うなら、触るのを止めるぞ………?」

 

 

 熱を帯びる耳元でぽつり呟いてみせると、グイッと顔を寄せてきては一度口付けを交わしてから語りかける。

 

 

「そんなの嫌です! ……触るのなら………もっと、たくさん………触れてほしいです………/////」

 

 

 必死そうに語りかけるその姿に、さすがの俺もNOとは言えず、そのまま思うがままに触れ始める。

 

 

「あぁ!! 蒼一、そ、そこは………!」

 

 

 太腿からジワジワと上に登っていき、腰、脇腹、肋骨と手を伸ばしていく。 海未はゆっくり上がる手の感触に擽られて、顔を引き締める。 声を上げまいと必死に堪えようとするその姿に見惚れてしまいそうになる。 けど、これ以上は触れることはしない。 さすがの俺も気を引いてしまうラインだからだ。

 

 俺はそのまま手を引き始めた。

 

 

 

 

「や、止めないでください………!」

 

 

 それだのに、俺の気持ちをいざ知らず、海未は俺の手を掴んではそのまま胸に触れさせたのだ!

 

 

「う、海未っ?! そ、それはっ!!?」

「こ、ここまでしたのです………も、もう引くわけにはいきません………やるなら……私の隅々まで見て、触れてほしいのです………!!」

 

 

 必死なる願い。 なのに、瞳からは涙を流し、身体は震えている。 見るからに無理をしているのは一目瞭然。 それでも、彼女がそうしたいと願うのは何故か? 聞くことは容易いかもしれない、けど、それは野暮ってヤツだ。 言わなくたって分かりきったことなのだから、無理して聞く必要もなかった。

 

 

 

「………わかった。 けど、始めたら抑えられないぞ?」

「承知してます……その上で、こう申し上げているのです………」

「そうか……ほんと、海未はかわいいヤツだ………」

 

 

 その言葉を皮切りに、俺の手は動き出す。

 彼女の胸を覆った布をたくしあげ、隠された素肌を御開帳する。

 

 

 

「綺麗だ………」

 

 

 俺の前に曝け出された素肌に、思わず声が漏れてしまう。 光に照らされて透き通って見える乳白色の肌。 控えめな大きさの胸にピンと張り上がる桃色の突起物。 それが2つも並んで見える絶景に感嘆せずにはいられなかった。 そして俺は、いつの間にかこの手でその果実に触れ始め出していた。

 

 

 

「ひゃっ――――! あっ、あぁ、くっ――――!」

 

 

 2、3度その見事な球状の型を崩しだすだけで、驚くように乱れた声を上げた。 慣れたことじゃないのか、恥ずかしいのか、海未は人差し指の第二関節辺りを唇に押し付けて声を抑えている。 それでも、俺はこの手を止めることはせず、何度も型を崩させては漏れ出す嬌声を垂れ流させた。

 

 

 

「海未」

 

 

 その顔をこちらに向けさせると、そのままこの唇でだらしない唇を塞ぐ。 漏れ出す声を押さえてみるモノの、絡み合う舌同士と揉みしだく手による快感が、逆に声量を上げさせる。 また、火照り出した身体も強い熱を帯び始めて、くらくらしてしまいそうだ。

 

 交わるだけで、酔い潰れそうだ。

 

 

 

「海未っ……これでっ………!!」

 

 

 身体が持たなくなったと悟ると、このまま一気にスパートをかける。 持たなければ終わらせてしまえ、そんな格言を言っていた変態紳士もいたもんだが、まさに今の状態がそうだとは思いもしなかった。

 掴む指に力を込め、吸い付く唇に勢いを付ける。

 今ある俺のすべてを持って証明させるのだ。

 

 

 

「愛してるぞ、海未ッ――――!!!」

「私もっ、愛してますよっ!そうっ、いちっ――――あぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 互いの関係を証明する言葉を叫び合いながら、海未はこれまでにないくらいに乱れ狂ったのだった――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

―― 

――― 

―――― 

 

 

 

 乱れた行為に一区切りがつくと、荒れた吐息を漏らす海未を抱き締めながら気持ちを落ちつけようとしていた。 気温よりも大分高い熱を帯びてしまったのは、真夏のせいだろうか? 多分それも含まれるのだろうが、大方自分らの欲望が為したモノだと言える。

 

 

「好きです………あなたとずっと、こうしていたいです………」

 

 

 汗ばむ身体をひっ付け、緩みまくった表情を向けて甘い言葉が紡がれていく。 俺よりも細く華奢な身体に手を添える度に、護ってやらなくちゃいけないと、心の中で決意が改まる。 そんな時はいつも、彼女の身体を強く抱きしめてしまう。 こうしておかないと何だか落ち着かなかったからだ。

 

 

 

「俺もこうしていたいさ………」

 

 

 やさしく触れ合い、身も心も一体となったそんな瞬間がここに訪れたのだ。

 

 

 

 

 

 

「へぇ~……蒼一はずっとそうしていたいって言うのね………」

 

「「――――ッ?!!」」

 

 

 背中から掛けられた声に思わずギョッとしてしまう俺たち。 恐る恐る後ろを振り返ってみると、そこには、満面の笑みで仁王立つ真姫の姿が………

 

 

「ま、真姫……?」

 

 

 声を震わせつつ彼女に声をかけると、細めた眼からわずかに見えるギロリと光る瞳にゾッとする。 あっ、これはいかんヤツだ……と判断するまでに時間は要らなかった。

 

 

 

「何で私の敷地で、私の別荘の裏で、こそこそと海未とお楽しみをしているのかしら、蒼一……?」

「え、えぇ……っとだな………その……成り行きで………」

「そんなことはどうだっていいのよ! 私と交われなかったのに、どうして先に海未とそうしているのかって聞いているのよ!?」

 

 

 ヤバイヤバイ、これは本気で怒っているヤツですよ! こうなった真姫は、そう簡単に鎮めることが出来ないぞ。 か、斯くなる上は………

 

 

 冷汗をダラダラと流したてている中で、真姫は俺の近くに寄ると、着ていた水着をたくし上げて―――――

 

 

 

「私とも………イイコトしましょ………♡」

 

 

 

―――魅惑の果実を曝け出し、俺の唇を塞ぐのだった。

 

 

 

 

 そして俺たちは、再び肌と肌とを重ね合わせた淫らな行為を行うこととなる。 主導権は真姫にあったものの、途中から逆転して、真姫の身体を激しく弄ばせた。

 

 

 そして最終的には、海未も混じり合って、2人同時に嬌声を上げさせるに至るのだった。

 

 

 

 

 メンバーの元に戻った際に、海に入っていないのに全身びしょ濡れになったことを咎められたのだが、それは3人だけのヒミツとなるのだった――――――

 

 

(次回へ続く)




ドウモ、うp主です。

新シリーズに入ってから結構色っぽい描写が入ってしまっているのは、外伝の反動です(言い訳

最近は、海未の破廉恥な姿が見たい!という気持ちが高まっていたからこういうのを描いてみたい、と思っていたりする。そして、今回………

う、うん……後悔はしていない………

婬れるだけ婬れればいいと思うよ………(投げやり

どちらにせよ、カワイイのだし………


じ、次回も……うん、まだいちゃつくよ………ガンバル。


今回の曲は、

『ケンコー全裸系水泳部 ウミショー』より

彩音/『DOLPHIN☆JET』

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