蒼明記 ~廻り巡る運命の輪~   作:雷電p

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第9話




大人だって落ち込みたい時があるのよ・・・

<前回までのあらすじ・・・?>

 

 

【明弘】

昨日はさぁ~俺は蒼一と一緒に穂乃果の家に言ったわけよ・・・

 

けどよぉ、終始、俺はボコられっぱなしだったわけさ・・・!

 

 

ひでぇよ俺が何したって言うんだぁ―――っ!!!!

 

 

【蒼一&海未】

(自覚ねぇのかよ!!!)

(自覚ないのですか!!!!)

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

時刻は朝の7時少し前。

今日も何事もない、いい朝を迎えられることができてよかったなぁ~と

浸ることができるわずかな至福の一時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・だが、そんな一時も一瞬でどっかに吹き飛んで行っちまった。

 

 

 

 

その理由?ああ、それは前回の長々しい話を読めばすぐに理解できるはずだ。まだ読んでないヤツはすぐに《前の話》をクリックするんだ。もう読んでくれた、諸君は下にスクロールしながら、この物語を読んでくれ。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・蒼君?誰と話してるの??」

「いや、読者の諸君に注意事項を話していたところだ」

「???何を言っているのかわからないけど・・・みんな集まったよ」

「わかった、今行く」

 

 

 

見ての通りだ、今日から穂乃果たちの朝練の指導をするようになったんだ。まあ、俺が言いだしたことなんだがな・・・とにかく、毎朝7時には神田明神の男坂に集合ということが今後の予定の中に組み込まれたことになる。ん?俺は平気だな。毎朝5時頃には起きているし、6時くらいには朝食も済ませているから余裕を持って参加することはできるし、ちょうど、体を鍛え直したいと思ってたところだからありがたいと思っているのさ。

 

 

 

 

「よし、みんな集まったな」

 

 

 

 

神田明神男坂門に集まったのは、穂乃果、海未、ことり、明弘、そして、俺の5人。全員運動ができる服装(主にジャージ)を着ていて準備はできているようだった。

 

 

 

「それじゃあ、始めに柔軟体操から始めるぞ。海未はことりのサポートをしてくれ」

「わかりました」

「俺は穂乃果のサポートに入る」

「えっ!?蒼君がやるの!!」

「何か問題でもあるか?」

「い、いやぁ・・・そういうわけじゃないんだけどね・・・あはは・・・」

 

 

 

なんだ?不服なのかな?ふっふっふ・・・穂乃果、ありがたいと思うのだな。俺がみっちりに鍛えてやるぞ。

 

 

 

「蒼一、俺は一人で柔軟してるわ~」

「ん?ああ、わかった」

 

 

 

後で、一緒にやろうかと思ったが、まあいっか。アイツはアイツなりのやり方ってやつがあるからな。それにあわせることや乱すようなことはしたくは無いからな。

 

 

 

「それじゃあ穂乃果、座って脚を開いて前に手を伸ばしてくれ。俺が後ろから押していくからな」

「う、うん・・・やさしくだよ!やさしくやってよ!!」

 

 

 

ん?それは芸人的なノリを求めているのかな?ダチョウ倶楽部みたいに!!そうかそうか・・・

お前もわかるようになってきたのだな、芸人魂とやらを・・・!

 

 

 

「それじゃあ、始めるぞ」

 

 

 

穂乃果の背中を両手で触れ、少しずつ前に押していく・・・・が・・・

 

 

 

「うぐぐぐぐぐ・・・・!!!!」

 

 

 

穂乃果の体の角度が15°位になった時、体が全く動かなくなった。

おいおい、まさかこれが限界なのか?女性の体は男性と比べてかなり柔らかいという話は保健の授業の時に聞いたことがあったが・・・

 

 

なんということでしょう・・・穂乃果の体はまるで、ダッコちゃん人形のような形を保ちながら必死に曲げようとしているではありませんか。女性の体は必ずしも柔らかいということは無いのですね、新しい知識を身に付けたような気がします・・・

 

 

・・・って!劇的ビフォーアフターのような話し方をしているばあいじゃねぇ!!これは深刻だぞ!こんなに硬いんじゃあ、ダンスをする時ケガをしちまうぞ!くっ・・・ここは少しずつ体を解していかなければならないようだな・・・・

 

 

 

 

「う~~~~~!!!!」

「ことり、そんなに堅いと練習の時にケガをしてしまいますよ」

「う~~~~・・・だってぇ、私そんなに運動してないんだも~ん」

「・・・参りましたねぇ・・・」

 

 

 

 

あぁ、ことりも同じか・・・こりゃ、一筋縄ではいかないな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺と海未は話合って、今の穂乃果たちには海未が考えた練習内容を行うことは難しいと判断した。海未はしぶしぶそうすることを承諾してくれたが、もも上げと男坂の往復だけは行うことになった。

 

 

 

「穂乃果とことりは柔軟が不足、っと!」

 

 

 

今日行った練習で見つけた課題というのは、俺がノートに書きあげて記録することも行うようにしている。これも指導員としての役目だからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、明弘は海未が作成した練習メニューを一人で一通りやって見せた。案外簡単だったぞ、との感想を残して・・・

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

大学の講義も終わり、明弘と一緒に音ノ木坂学院の正門前に来ていた。

 

 

 

「あー・・・ホントに来ちまったな・・・」

「・・・ああ、なんか緊張してきたな・・・」

 

 

 

俺たちにとって初めての女子校訪問。

いや~、いざ入るとなると、こう・・・なんというか、変な気持ちになるな・・・多分、これは男性にしかわからん気持ちかもしれないな・・・この、期待だったり、罪悪感だったりそういったものが込み上げてくるんだよ。

 

 

 

「そんじゃあ、参りますか・・・」

「おう、いっちょやったりますか!」

 

 

 

 

((ザッ!))

 

 

 

 

俺たちは女子校内に大きな一歩を踏み出した。世界的に見れば大したことが無いと思うかもしれないが、俺たちにとっては大きな一歩なのだ・・・!!

 

 

 

 

 

 

「「・・・・・・・・」」

 

 

 

 

 

((スタスタスタスタスタ・・・))

 

 

 

 

 

「早く、職員室の方に行こうか」

「そうだな、何か嫌な予感しかしねぇ」

 

 

 

 

 

そう言い合いながら、俺たちは早歩きで校内に入っていった。

 

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

「蒼君たちまだかなぁ~」

 

 

 

 

帰りの学活が始まる数分前、蒼君たちがいつ来るのかワクワクしながら待っていました。確か蒼君たちがウチの学校に来るのは初めてだったかなぁ?去年の文化祭のときは、いろいろと忙しいからって断られたんだっけ?ということは、やっぱり初めてなんだ!ふふふ、やっぱり初めての女子校に戸惑っていたりしているのかなぁ?そんなかわいいところがあったりするんじゃないかなぁ?ん~~~見てみたいなぁ~~~。

 

 

 

 

「私たちの学校で蒼くんたちと一緒になれるなんてまだ信じられないよ~」

「それもこれもみんなことりちゃんのおかげだよ!」

「そんなことないよ~、私はただお願いしただけだよ~」

 

 

 

ううん、これはことりちゃんのおかげだよ!ことりちゃんがお願いしたから上手く行ったんだから、これはことりちゃんのおかげなんだよ!!!

 

 

 

「・・・本当にお願いしただけなんでしょうか・・・?」

 

 

 

 未だに、ことりのことで納得をしていない海未は今も難しい顔をして、穂乃果たちの会話に参加していた。

 

 

 

「高坂さん、南さん、園田さん。生徒会長がお呼びのようです。至急、生徒会室にくるようにとのことです」

 

 

ウチの担任が教室に入ってくると同時にそう言われたよ。なんだろう?私たちに何か用があるのかなぁ?あれ、でも私たち3人だけってことは・・・アイドル活動のことかな?!うわぁ!それなら早くいかなくっちゃ!!!

 

 

「海未ちゃん、ことりちゃん早く行こ!!」

 

 

 

自分のカバンを持って、さぁ!生徒会室までレッツゴー!!!

 

 

「待ってください、穂乃果!!」

「待ってよぉ~穂乃果ちゃぁ~ん!!」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

「ほぉ、この学校に男性が訪れるというのですか・・・ふふふ、これはチャンスですよ!いいネタを見つけました!!」

 

 

 

穂乃果たちがいる教室の隅に座っている少女が目を光らせて、穂乃果たちの話を聞いている。そして、お気に入りのメモ帳とカメラを手にとってすぐに教室を出ていった。

 

 

 

「どんなお方なのか、この私がその正体を暴いて見せますよ~~~!!!!」

 

 

 

 

 

――

――― 

――――

 

 

 

 

来客用玄関から校内に入った蒼一たちは、校内の職員の案内でそのまま理事長室の前まで来た。その職員は「理事長が御待ちになっておりますので、そのまま中にお入りください」と言い残して、その場を去っていった。

 

 

 

 

「ここがあの女のルームね!」

「いやいや、こんな時にボケを発動しなくていいから」

「ん、そんじゃあ、親鳥の巣って言っておけばいいのか?」

「アウトォォォォォォ!!!それ絶対あの人の前で言うんじゃねぇぞ!!」

「わかってる、わかってる。首がぶっ飛ぶくらい承知してるんだぜぇ」

 

 

 

メンタル面が強いというのか、ただ単に、バカなのかが全くわからないヤツがこの明弘という人間だ。

そして、なんかやらかしそうな雰囲気が出ているのがとても怖い・・・

 

 

「・・・それじゃあ、入るぞ」

「うぃっす!」

 

 

 

(コンコン)

 

 

 

俺は目の前にある大きな扉にノックした。そして中から・・・

 

 

 

 

『どうぞ、お入りなさい』

 

 

 

 

(ゴクッ)[唾を飲み込む]

 

 

 

 

あー緊張してきたー・・・いくら知り合いでもこういうのは全く別で、何というか、初めて会うような感じになるんだよな。一旦落ち着こう・・・ふぅ~・・・・・・よし!行くか!

 

 

 

 

ドアノブに手を伸ばして回した。そして、扉を開いて入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりね、蒼一君、明弘君」

 

 

 

「お久しぶりです、いずみおb・・・いずみ先生」

「ふふっ、蒼一君、今はおばさんでもいいのよ♪」

 

 

 

 

 凛として立っているいずみは娘の親友として迎えてくれるようにその表情に微笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

ぐぬぬ・・・こんなに若く見えるのに一児の母親なんだぜ?

一般人から考えれば羨ましいの一言に尽きるんじゃねぇか?

おばさんなんて言ったら罰が当たりそうだな。

 

 

 

「御無沙汰しております、いずみさん」

「明弘君も元気なようね♪」

「はい、いやぁ~いずみさんもいつもながらお綺麗ですなぁ~」

「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいわ~♪」

 

 

 

御世辞で言っているのか、口説くために言っているのかわからねぇヤツだなぁ・・・

後者の方だとしたら本当に不味いからな!

小説のネタとしては美味しい話題だがな・・・・

 

 

 

 

「それじゃあ2人とも、立ったままで申し訳ないけど、そのまま本題に入らせてもらうわよ」

「「はい!」」

 

 

 

 

 いずみは自分の机の席に座り、今度は理事長として蒼一らと対面した。

 

 

 

 

「2人は昨日にことりに手渡した書類を書いてくれましたか?」

「「はい、もちろんです‼」」

 

 

 

 

俺たちは昨日書き上げた書類をいずみさんに手渡した。記入しなければならない項目は数多くあったが、大学の課題と共に終わらせることができた。明弘はかなりへばってはいたものの、俺が激を飛ばしたせいかはわからんが終わらせることができた。全く、苦労したぜ・・・・

 

 

 

 

「ふむ・・・ふむ・・・良いでしょう、短い期間でしたのによくここまで書き上げることができましたね。これなら文句のひとつも言われずに二人を学院の臨時講師として迎えることができるでしょう」

「「ありがとうございます!!」」

「それでは、最後にこの書類にサインをしてくださいね」

 

 

 

 

いずみさんが机の引き出しから取り出したのは、俺たちがこの学院の臨時講師となるための契約書である。

内容は・・・どれどれ・・・

 

〔以下の人物をこの学院の講師として承認する〕

 

へぇ~これだけしか書いてないのに、列記とした契約書となるのか。

それじゃあ、書かせてもらいますか・・・

 

 

 

 

 

(さらさら・・・)

 

 

 

・・・っと、これでいいのかな?

 

 

 

「これでよろしいでしょうか?」

 

 

 

 

俺の名前を記入した契約書を手渡し、確認をしてもらう。

 

 

 

 

「はい。これであなたがた2人は正式に、我が音ノ木坂学院の講師として承認されました。ようこそ、音ノ木坂学院へ」

「「はい、よろしくお願いします!!!」」

 

 

 

よし!これで穂乃果たちの指導が本格的にできるってわけだな。

さてさて、どっから手をつけたらいいのやら・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「そういやぁ、いずみさん。どうして俺たちをこの学院に招き入れてくれたんですかい?いくら娘であることりの願いだからって、そんなに簡単に承諾したんですかい?」

 

 

 

明弘は軽い口調で話をしていたが、割と真剣な表情をしていた。

そういえば、俺も気になっていた。女子校であるのに男である俺たちを簡単に受け入れてくれたことが、どうしても俺の中では釈然としなかった。ことりに聞いてもちゃんとした答えを得られなかった。きっと何かがあるに違いないと考えている。

 

 

 

「・・・やはり、気になるわよね・・・」

 

 

 

そういうと、いずみさんは椅子から立ち上がり、蒼一たちに近づいてきた。そして・・・

 

 

 

 

「・・・かわいい娘の願いを叶えてあげるのが親というものよ・・・」

「おお!」

「なんと!!」

 

 

 

 

さすがは親だわ~娘のために頑張るなんて、まさに親の鑑だわ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・って、なんで顔を背けているんだ?ん?この感じはどこかで・・・・

 

 

 

 

・・・まさか・・・!!

 

 

 

 

 

「いずみさん」

「な、なんですか、蒼一君?」

「その・・・ことりからどういうふうにお願いされたんですか?」

「・・・・・」

「あの~・・・いすみ・・・さん・・・?」

「・・・ことりの・・・あんなにかわいい姿を見せられたら・・・断れなかったわ・・・」

「(えええええええ!!!??)」

 

 

 

 

いずみさああああああああん!!!!!

そんなぁ・・・ことりのかわいさによって、こんな重大なことを決めちゃったの!!!

ことり・・・恐ろしい娘!!!

大丈夫かよ、音ノ木坂・・・・この学院の運命、もしかしたらことりが握っているかもよ・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――

――― 

――――

 

 

 

 

 

「それでは2人とも、よろしくお願いしますね♪」

 

 

 

「「(さっきのことを何もなかったかにようにスルーしてる!!!!)」」

 

 

 

 

 

いずみさんからの衝撃的な告白によって、衝撃を受けた俺たちだったが一番ダメージが大きかったのは、なぜか告白したいずみさん自身だったという・・・自爆ですな・・・

その場でうずくまって、一人で反省会をしているという大の大人がするようなことじゃないことを俺たちの目の前でやっていたのに、今の状況だよ!!

もうなんていうか・・・すごい・・・

 

 

 

 

「どうしたんですか、2人とも?」

「「イイエナンデモゴザイマセン・・・」」

「そうですか?では、2人の今の状況についてもう一度確認させてもらいますね」

「「は、はあ・・・」」

「まず、今この時点からあなた方2人は音ノ木坂学院の関係者です。校内に出入りすることは、基本的に自由ですがくれぐれも入校許可書を忘れずにお願いします」

 

 

 

昨日ことりに渡されたこの許可証がずっと必要になるんだな。

 

 

 

「ちなみに、コイツを無くしちまった時はどうしたらいいんですかい?」

「その時は再発行の申請をしてもらうわ。でも、無くさないでね。無くした状態で校内に入ると警備員が全力で捕まえに来るから気を付けてね」

「「はい?!」」

 

 

 

この学院にも一応警備員はいるのか・・・この部屋に来るまでにそうした人は見かけなかったけど、本当にいるのだろうか?

 

 

 

「あと、2人には伝えておきますけど、あなたたちがやろうとしている活動は部として認められたものではありませんからね」

「え?それはどういうことですか?」

「あなたたちがやろうとしているアイドル活動はですね、この学院にはすでに行われていて、今でもそれに関する部が残っているのです。同じような活動を行う部活動が二つもあるとおかしいでしょ?そのため、あなたたちが行う活動は同好会レベルとして扱うこととしているのです」

「そいつはあれですかい?活動はしてもいいが、活動をするための運転資金は学校からは出さないということなんですよね?」

「そうよ明弘君、ただ、講堂やグラウンドなどの校内にある場所の使用は認められるけど、今の状態では、それ以上のことは望めないわ」

「逆に考えれば、そのアイドル活動を行っている部と俺たちが一緒になればいいってことじゃないか?」

「その考えが一番妥当なんだろうけど、当の部の部長は認めていないそうよ」

「むぅ・・・そうか・・・」

「それに生徒会もあなたたちの活動を認めてはいないそうよ」

「えっ?!そんなはずは・・・」

 

 

 

ありえないことだと思っていた。ここの生徒会には希が含まれているということは知っているし、希自身も俺たちが活動することに異議は唱えてはいなかった・・・ではなぜ・・・?

 

 

 

「生徒会と言っても認めていないのは生徒会長だけなんですけどね」

「生徒会長・・・」

 

 

 

以前、希から聞いたことがあった。アイツが2年生の頃に生徒会の副会長になった時に、生徒会長は自分の親友がやってくれる、といって喜んでいたな。まさか、その生徒会長と対立するような形になるとはな・・・

 

 

 

「こっちから乗り込んで認めさせりゃじゃねぇのか?」

「だめよ、あなたがたは学院の関係者であっても、生徒ではないの。認めさせるには私たちではなく、同じ生徒がやるべきなのよ」

「ぐぬぬ・・・・」

「明弘落ち着け。俺たちがどうこう言おうと、あっちからしてみればただのわがままにしか聞こえないさ。ここは穂乃果たちに任せるしかない」

 

 

 

お前の言いたいことはわかるが、ここは耐えるしかないんだ。

 

 

 

 

「生徒会が認めなくても俺たちは俺たちのやり方で活動をやっていくつもりです。いずみさん・・・いや、理事長の許可がもらえているのだからそれで十分です」

「蒼一君・・・」

「まずは、最初のライブが行えるように準備していく必要があります。それが優先されることです。部になることは後々考えればいい話です」

「・・・そうね、賢明な判断と思うわ。私の方からも再度お願いしてみるけど、あなたたちもことりたちを通して意見を述べてもいいのよ」

「御助言感謝します」

「ふふっ、いいわよ。この後、あなたたちは活動をするのでしょう?だったら、屋上を使うといいわ。今、他の場所は他の部活が使用していて使えないわ。あそこならば、誰にも邪魔をされずに出来ると思うから行ってみて」

「はい、重ね重ねありがとうございます」

「いいのよ。私もことりのことを応援しているのだから」

「ありがとうございます。それでは、俺たちはこれで・・・」

 

 

 

 

俺たちは一度礼をしてから振り返って、ドアノブに手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

「蒼一君、明弘君」

 

 

 

 

 

いずみさんの言葉を聞いて、俺たちは振り返った

 

 

 

 

「・・・ことりのこと、頼んだわよ」

「「任せてください!!!」」

「ありがとう。その言葉が聞けて安心したわ」

 

 

 

いずみさんは安心した表情で俺たちを見送った。

 

 

 

 

――

――― 

―――― 

 

 

 

 

「ふぅ、なんとか終わったようだなぁ」

「ああ。しっかし、ことりのかわいさというのは、母親の心までも揺るがすものだったとはなぁ~。一度見てみてぇなぁ~~」

「・・・俺は遠慮しとくわ・・・」

 

 

 

今日一番の驚きはまさにそれかもしれない。ことりはただ、お願いしただけだとしか言わなかったが、実際は、すごいことになっていたんだろうな・・・

 

 

 

「これからどうするよ?」

「ん~。まず、屋上に行ってみるか。どういうところなのか見てみたいからな」

 

 

 

 

 

理事長室を後にして、廊下を歩き続け、角を曲がろうとした時・・・

 

 

 

 

 

(パシャッ!)

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

 

 

 

シャッターの音がきられると同時に、白いフラッシュがたかれた。

その眩しさに一時、目の前が見えなくなった。

 

 

 

「いや~あなたがたが噂の男性講師2人組なんですなぁ~♪」

 

 

 

 

女の声?

 

 

 

 

しばらくして目が慣れてくると、カメラを持った一人の少女が俺たちの目の前に立っていた。

 

 

 

 

「ど~も~、はじめまして~。私、島田 洋子と申します~以後、お見知りおきを~♪」

 

 

 

 

 

(次回へ続く)

 





一人反省会をしている大人の女性ってどうよ・・・・?
正直にいえば、笑ってしまうような光景なのだが、割と好きだという人が結構、俺の近くにいるという現実・・・・俺の感覚はまともだよな・・・・?


こうして、蒼一たちは音ノ木坂に出入りすることが可能になりましたね。
他の作者さんたちは『共学設定』を取り入れていますが、俺はあくまで『女子校設定』を貫くつもりです。・・・内容は左程変わらないような気もするが・・・


新たな新キャラに文屋の洋子ちゃんが来てくれました~♪
初期設定を練っていた時には出なかったのですが、後々になってから、こういうヤツはいた方がいいんじゃね?ということで出してみました。
洋子の働きっぷりは後々になって解ってくるので見ていてください。



今回の曲は、
歌手、俳優・声優など幅広い分野で活躍しているこの方。


中川翔子/『フライングヒューマノイド』

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