陰の王と閃光   作:アルスDQ

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どうもアルスDQです。
今回はアスナsideです!
ではではいってみようー
コメントもできればよろしくですー!


彼女はそして始まる

私は結城明日奈、高校2年生だ。

小学生の卒業と同時に千葉から東京に引っ越した。そこから中学、高校と進んで行ったがやはり何かが足りない。八幡君がいないと寂しいな…。

 

比企谷八幡、私の初恋で今現在好きな人。小さい頃から一緒でよく遊んだりした。八幡君の妹の小町ちゃんも可愛かったなあー。

 

東京と千葉なので行こうと思えばいけるのだが恥ずかしい…。ということで行けていない。

 

(ちなみに八幡と明日奈の両親はお互いに連絡を取っており、八幡も同じ理由で明日奈に連絡をとっていないことを知っている。)

 

昔は2人とも将来結婚するとまでいっていた。・・・今思うと恥ずかしいな///

 

あと、結城家は平たく言うとお金持ちでその娘である私はよく婚約話が来る。しかし、私の両親は私を溺愛しているため全て断っている。

 

まあ、私は八幡君以外の人と結婚したくないからうれしいな。

 

(溺愛しているのは本当だが八幡と会ってからは他の害虫に娘をやらないようにしている。八幡のことは応援していて親公認。明日奈は知らない。)

 

勉強を終えてリビングでソファに座りながら私はこんなことを考えていた。

 

ふと、思ってTVをつけて見るとニュースをやっていた。その内容は明日発売されるあるゲームだ。

 

 

『ソードアート・オンライン』通称『SAO』

 

何でも世界初のVRMMOで人気殺到らしい。明日発売でたしか兄さんが予約していたはずだ。そう思っていると狙ったかのようにリビングに入ってきた。兄さんはそのニュースを見ると「げっ」といっていた。気になったので聞いてみることにした。

 

明日奈「どうしたの兄さん?」

 

浩一郎「ん?ああ、明日発売のこれ俺予約したっていったじゃん?」

 

明日奈「うん。」

 

浩一郎「それでな…、明日いきなり出張に入って家にいないんだ…。初日からやりたかったのに。」

 

兄さんが珍しく落ち込んでいた。そうだ!兄さんがやれないなら明日くらいやらせてもらえないかな?

 

明日奈「ねえねえ兄さん。」

 

浩一郎「なんだ?」

 

明日奈「兄さんがやれないなら明日だけ私やっていい?」

 

浩一郎「おう、いいぞ。やった感想教えてくれよ。」

 

そう言うと兄さんは明日の準備があるからといって部屋に戻った。私もいい時間だったので部屋に戻ってベッドに入った。明日を楽しみにしながら…。

 

 

 

そして次の日、私の手元には

"ナーヴギア"と"SAO"のソフトがある。ソフトを入れてナーヴギアを被るとベッドに横になって呟いた。

 

明日奈「リンクスタート!」

 

この時私は知らなかった。これが後にデスゲームと呼ばれ2年近くも続く始まりで、さらに大好きな彼と再会できるとは…。

 

・・・・・・・・

 

 

アスナ「わあー、すごい…。」

 

眼前のその光景に私は感動して、仰ぐように街並みを見回した。テレビ越しにしか見たことのないような古めかしい石造りの建造物が立ち並ぶ街並みだった。私はゲームをしないからよくわからないがこれがゲームの世界ってすごい思う。ここまで現実と同じように再現できるなんて 。

 

それから数時間街を彷徨っていた。

途中で何となく気に入ったフードを購入した。時間を見てそろそろ晩御飯の時間だからログアウト?をしようとした。そうすると…

 

アスナ「あれ、ない?」

 

そう私が告げた時に鐘の音がなった。

そのあと私の身体の周りに光が集まって私を覆った。

 

アスナ「きゃあ!」

 

私はどこかに転移させられた。

 

・・・

 

気がつくとどこかの広場にいた。

 

アスナ「ここは…。」

 

見渡すと周りにはたくさんのプレイヤーがいた。たぶん今この世界にいる人が私と同じように転移させられたのだろう。すると空にポツリと浮かぶ、紅く塗られた≪WARNING≫の表示が見えた。その表示が瞬く間に増殖し、空一面を紅く覆い尽くした。さらにそこから赤黒い液体が漏れ出し、空中に留まって一点に集まると、その形を別のものへと変化させていく。

 

アスナ「何よあれは…?」

 

そこに現れたのは、一体の巨大なアバターだった。紅いローブを纏いフードを被っているが、その中にあるはずの顔はないように見える。そのアバターは空中に漂いながら、大広場の1万人近いプレイヤーたちを睥睨すると大仰な仕草で語りだした。

 

?「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ」

 

先ほどまでざわついていたプレイヤーたちは、話が始まった途端水を打ったように静まり返った。

 

?「私の名前は茅場晶彦。現在、この世界をコントロール出来る唯一の人間だ」

 

たしかこのゲームを開発者だった気がする。ニュースでやっていたから私でも知っている。ログアウトできないことの説明かな?そう思っていた私は次の瞬間絶望することになった。

 

茅場「プレイヤー諸君はすでにメニューウインドウからログアウトボタンが消えていることに気がついているだろう。しかしそれは不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなくソードアートオンライン本来の仕様である。…諸君はこのゲームから自発的にログアウトする事は出来ない。」

 

え?ログアウトできない?

じゃあ、お母さんに会うこともお父さんに会うことができないの!?やだよー!帰してよ!

あ、でも外部からはずしてもらえば戻れるんじゃ…。その考えは次の言葉で意味がなくなる。

 

茅場「また、外部からのナーヴギアの停止、または解除による強制ログアウトもありえない。もしそれが試みられた場合、ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。」

 

え…。じゃあ2度と帰ることができないの?現実に。

 

茅場「しかし残念ながら、警告を無視してナーヴギアの解除を試みた例が少なからず存在し、既に213名のプレイヤーがこのソードアートオンラインの世界から、そして現実世界からも永久退場している。」

 

そう言った茅場さんは空中に幾つものウィンドウを出現させる。 そのウィンドウにはナーヴギアによる死亡者のニュースが流れていた。 流れてくるニュースによって茅場さんの言っている事が虚言ではない事がひしひしと伝わってくる。

 

茅場「様々なメディアが繰り返しこの事実を報道したことを鑑み、これ以上ナーヴギアの強制解除による被害者が出る可能性は低くなった。諸君らは安心してゲーム攻略に専念してほしい。諸君らがこの世界から解放される方法はただ1つ。この始まりの街の存在するアインクラッド第一層から第百層までの迷宮を踏破し、その頂点に存在するボスを撃破してこのゲームをクリアすることだけだ。」

 

百層・・・、そんなの無理に決まっている。

 

茅場さんの発言に耐えきれなくなったのかどこからか罵声が上がる。

 

男「ひゃ、百層だと⁉︎ふざけんなよ! βテストじゃろくに上がれなかったんだろ⁉︎そんなもん無理に決まってるだろ!!」

 

どこかの誰かの叫びを歯牙にもかけず、茅場さんは淡々と話を進めていった。

 

茅場「しかし十分に留意して頂きたい。以後、君たちのアバターはどんな蘇生手段をもってしても二度と蘇ることはない。そしてHPが無くなるのと同時に、ナーヴギアの出す高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を焼き付くし脳を破壊する。」

 

この世界での死=リアルでの死。

楽しいゲームのはずが死と隣り合わせのデスゲームになちゃった。

私は茅場さんがどこかの雑誌の取材で言っていた「これはゲームであって遊びではない。」という言葉を思い出した。 こういうことだったのね…。

 

茅場「それでは最後に。私から諸君へのささやかなプレゼントを用意した。各自アイテムストレージを確認してもらいたい。」

 

私は茅場さんの発言に従いふらつきながらもなんとかアイテムストレージを確認した。

そこには《手鏡》というアイテムが追加されていた。 私は追加された手鏡をオブジェクト化して鏡を覗き込むと青白い光に包まれた。

 

アスナ「きゃあ!、眩しっ。……なによ、これ。」

 

光が消えたのを確認し再び鏡を覗き込むと、そこには現実での私の顔が写っていた。

 

茅場「諸君らは今、何故、と思っているだろう。何故茅場晶彦はこのようなことをするのか、と。その疑問の答えは単純だ。既に私に目的は存在しない。私が焦がれていたのは、この状況、この世界、この瞬間を作り上げること。たった今、私の目的は達成せしめられた……」

 

これが目的…?何よこれ!私たちを閉じ込めて…。

 

茅場「それでは長くなったが、これでソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了とする。プレイヤー諸君、健闘を祈る」

 

そう言うと茅場さんのアバターは崩れていき10秒も経たない間に《warning》の文字と共に完全に消え去った。

 

その直後、広場は大混乱となった。

 

私はふらつきながらもなんとか広場を出た。行くあてもなく絶望していた。

 

そんなときに誰かとぶつかって しまい私は倒れてしまった。

 

?「す、すまない。立てるか?」

 

アスナ「こ、腰が抜けちゃって…。立てません…。」

 

私がぶつかったのは男性らしい。彼は私の言葉を聞いて手を差し出してくれた。私は彼の手をつかもうと顔を上にあげた。その時私のフードがとれて顔があらわになる。

 

私は彼の顔を見て言葉を失った。彼も私の顔を見て驚いているのか言葉を失ってた。忘れるはずもない…。だって彼は…

 

 

ハチマン「もしかして、明日奈か!?」

 

アスナ「まさか、八幡君!?」

 

 

私の大切な人で大好きな人、八幡君だった。

 

・・・・・・・・・

 

八幡君と再会した私は我慢の限界が来たのか。泣きながら彼に抱きついた。

 

アスナ「はぢまんぐんー!」ウワーン

 

ハチマン「お、おう。」

 

彼はそう言って泣いている私を抱きしめてくれた。やっぱり八幡君は優しい。しばらくして少し私が落ち着くと八幡君は聞いてきた。

 

ハチマン「明日奈、1人でここに来たのか?」

 

アスナ「うん。」

 

ハチマン「なら、俺と一緒に来るか? このままここにいるのはまずい。 とりあえず宿屋に行こうと思うんだかどうする?」

 

アスナ「もちろん行くよ!」

 

ハチマン「よし!立てるか?」

 

アスナ「まだ腰が抜けてて…。」

 

八幡君と再会できて安心しきってしまったのか、まだ力が入らない。そう思っていると

 

ハチマン「明日奈今から俺が運ぶからそのときに多分ハラスメント警告ってやつが出ると思う。それは絶対押すな。俺が捕まっちゃうから…。捕まっていいなら押してもいいけど。」

 

そんなわけない!八幡君が今いなくなったら私はどうしたらいいの?

 

アスナ「そんなの押さないから安心して。」 ニコッ

 

そう言うと少し八幡君は顔を赤くして

 

ハチマン「しっかり捕まってろよ。」

 

彼は私をお姫様だっこして宿屋に走っていった。

 

アスナ「きゃあ///八幡君にお姫様だっこされてる…。うれしいな///」

 

夢見たい…。そう思っていたら

 

ハチマン「・・・うっかり告白して嫁にしたくなる。」

 

アスナ「///お、お嫁さんだなんて。 えへへー///」

 

八幡君は気づいないけどそう言ってくれた。うれしいな///

 

そんなこんなで私たちは宿屋に向かった。

 

・・・・・

 

どうにか宿屋に着いた私たちは宿のNPCにコルを払い部屋の中に入った。八幡君は部屋を別々にするつもりだったらしいが私が「一緒がいい!」と言ったら同じ部屋にしてくれた。だって今1人にされたら不安になるんだもん。

 

彼は優しく私を下すといろいろと疲れたのかベッドに腰を下ろす。私もその隣に座った。

 

アスナ「ありがとう、八幡君。」

 

ハチマン「おう、ところで明日奈はなんでSAOに?」

 

アスナ「うん、兄さんが買ったんだけど丁度仕事で今日はできないから私が借りたの。」

 

そういうとなるほどというようにうなづいていた。

 

アスナ「それで勉強の息抜きにって思ってたんだけど…。」

 

まあ、それがいきなりこの世界での死=リアルでの死になるとは思わなかった…。けれども私は…

 

アスナ「でも…。」

 

ハチマン「ん?」

 

アスナ「ここでこうして八幡君に再会できたのはうれしいな。」ニコッ

 

ハチマン「そ、そうか。まあ、俺も明日奈に会えてよかったよ。」

 

アスナ「本当!?よかった!」

 

八幡君も同じこと思ってくれてたんだ!うれしいな。そういえば何で八幡君はこれをプレイしたんだろ?

 

アスナ「ところでなんで八幡君はここに?」

 

ハチマン「ああ、それはもともと俺はβテストをプレイしていたからだ。あとは現実から逃げる為かな…。」

 

βテスト…なるほど。

でもそのあとに現実から逃げるためって言わなかった?聞かずにはいられなくなった私は八幡君の顔にずいっと近づいて聞いてみた。

 

アスナ「なにがあったの?」

 

ハチマン「実は…」

 

八幡君はそれから私と別れてからのことをすべて話してくれた。

 

私は八幡君の言うことをただ黙って聞いていた。彼が話を終えると私は彼を抱きしめた。 私が抱きしめると彼は驚いた。

 

ハチマン「!?」

 

アスナ「…つらかったね。」

 

アスナ「八幡君はいつもそう。昔から自分で全て溜め込んで…。」

 

そう…、昔から、変わらない。

 

アスナ「たしかにその嘘告白のやり方は最低だったかもしれない。けど、八幡君はその2人を、そのグループを守ろうとしたんでしょ?それに過程は最悪でも結果はしっかりでている。しかも奉仕部の2人とも八幡君に依頼を押し付けて何もしなかったのよ?1番傷付いたのは行動した八幡君なのに。それなのに八幡君に拒絶するなんて絶対におかしい。」

 

だから私は…

 

アスナ「君は守ったんだよ。だから私は君を、八幡君を肯定するよ。」

 

そう私がいうと我慢の限界だったのか八幡君は涙を流していた。私はそれをみて胸に抱き寄せた。

 

アスナ「だから今ぐらいは吐き出していいんだよ?私が受け止めてあげる。」

 

その言葉をきっかけに彼は泣いた。我慢していたものを吐き出すように。しばらくすると寝息が聞こえた。私は彼をベッドに横にさせると頭を撫でた。

 

アスナ「今度は私が君を助けるからね。」

 

彼は強い。同時に弱い。

彼は他人を、助けることなら自分の身を構わず投げだす。その時に彼が傷つかないはずがない。だから私で彼の心を救ってみせる。

 

そう決意した私は八幡君に抱きついた。すごく安心する…。

 

そのまま私は朝まで寝た。

 

 

 


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