陰の王と閃光   作:アルスDQ

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どうもアルスDQです。
アスナ登場!
ではどうぞ!
感想もよろしくです。


2人は再会する

?「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ」

 

 

いきなり紅いローブを纏いフードを被った巨大な一体のアバターが出てきたと思ったらいきなりこんなことを言ってきた。もしかして、ログアウトができないことのお詫びや説明か?

 

…いや、違う気がする。嫌な予感がしてならない。

 

?「私の名前は茅場晶彦。現在、この世界をコントロール出来る唯一の人間だ」

 

 

『茅場晶彦』

このSAOをプレイしている人はおろかしていない人でも知らない人は少ないだろう。それもそのはず、彼はこのSAOの開発者だ。「ナーヴギア」をはじめとしたフルダイブ用マシンの基礎設計者にしてSAOの開発ディレクター。天才的ゲームデザイナー、量子物理学者として知られている。この人がいなかったらSAOはできなかっただろうと思う。この俺でも素直に感心したものだ。

 

しかし、彼は今まで表舞台に立ちたがらなかったはずだ。そんな人間がどうしてこのタイミングで出てくるんだ?

 

茅場「プレイヤー諸君はすでにメニューウインドウからログアウトボタンが消えていることに気がついているだろう。しかしそれは不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなくソードアートオンライン本来の仕様である。…諸君はこのゲームから自発的にログアウトする事は出来ない。」

 

……ん?

本来の仕様だって!?

じゃあ、βテストにログアウトできていたのが本来の仕様ではなかったということか!じゃあ、小町に会うこともできないのか!?うそだろ…。

 

いや、頭を冷やせ比企谷八幡。

こんなときに混乱していたら返って危ない。落ち着け、落ち着け…。考えろ、どうすべきか。

 

茅場「また、外部からのナーヴギアの停止、または解除による強制ログアウトもありえない。もしそれが試みられた場合、ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。」

 

たしか、ナーヴギアは電子レンジと同じ原理だったよな…。そう考えると脳を破壊することも可能だ。なんで気づかなかった数時間前の俺!

 

茅場「しかし残念ながら、警告を無視してナーヴギアの解除を試みた例が少なからず存在し、既に213名のプレイヤーがこのソードアートオンラインの世界から、そして現実世界からも永久退場している。」

 

そう言った茅場は空中に幾つものウィンドウを出現させる。そのウィンドウにはナーヴギアによる死亡者のニュースが流れていた。流れてくるニュースによって茅場の言っている事が虚言ではない事がひしひしと伝わってくる。

 

茅場「様々なメディアが繰り返しこの事実を報道したことを鑑み、これ以上ナーヴギアの強制解除による被害者が出る可能性は低くなった。諸君らは安心してゲーム攻略に専念してほしい。諸君らがこの世界から解放される方法はただ1つ。この始まりの街の存在するアインクラッド第一層から第百層までの迷宮を踏破し、その頂点に存在するボスを撃破してこのゲームをクリアすることだけだ。」

 

茅場の発言に耐えきれなくなったのかどこからか罵声が上がる。

 

男「ひゃ、百層だと⁉︎ふざけんなよ!βテストじゃろくに上がれなかったんだろ⁉︎そんなもん無理に決まってるだろ!!」

 

どこかの誰かの叫びを歯牙にもかけず、茅場は淡々と話を進めていった。

 

茅場「しかし十分に留意して頂きたい。以後、君たちのアバターはどんな蘇生手段をもってしても二度と蘇ることはない。そしてHPが無くなるのと同時に、ナーヴギアの出す高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を焼き付くし脳を破壊する。」

 

この世界での死=リアルでの死。

楽しいゲームのはずが死と隣り合わせのデスゲームになっちまった。

 

俺は茅場がどこかの雑誌の取材で言っていた「これはゲームであって遊びではない。」という言葉を思い出した。こういうことだったのかよ…。

 

でも今、俺が生きてるってことは小町は外さないでくれたんだな。よかった…。もし外していたら小町は俺を殺した罪悪感を一生背負っていくことになる。いやその前に自殺するかもしれん…。なんだかんだ言って小町もブラコンだし。

 

茅場「それでは最後に。私から諸君へのささやかなプレゼントを用意した。各自アイテムストレージを確認してもらいたい。」

 

俺は茅場の発言に従いアイテムストレージを確認した。そこには《手鏡》というアイテムが追加されていた。俺は追加された手鏡をオブジェクト化して鏡を覗き込むと青白い光に包まれた。

 

ハチマン「うおっ、眩しっ。……なんだよこれ。」

 

光が消えたのを確認し再び鏡を覗き込むと、そこにはそこそこ整った顔立ちにアホ毛、そして見覚えのある暗く濁った目がうつっていた。………俺の顔じゃん。なんで目まで再現出来てんだよ。ナーヴギアすげー!俺の目まで再現するなんて流石は天才、茅場晶彦。と、感心している場合じゃないな。

 

それより茅場はなぜこんな事をするんだ?何か目的があるのか?

 

茅場「諸君らは今、何故、と思っているだろう。何故茅場晶彦はこのようなことをするのか、と。その疑問の答えは単純だ。既に私に目的は存在しない。私が焦がれていたのは、この状況、この世界、この瞬間を作り上げること。たった今、私の目的は達成せしめられた……」

 

おいおい、雪ノ下かよ。人の心を呼んで…。まあ、俺達の考えてる事なんて天才にとっちゃ予測するのは楽勝なんだろうがな。

 

茅場「それでは長くなったが、これでソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了とする。プレイヤー諸君、健闘を祈る」

 

そう言うと茅場のアバターは崩れていき10秒も経たない間に《warning》の文字と共に完全に消え去った。

 

その直後、広場は大混乱となった。

 

俺はこのままここに留まるのはまずいと思い、キリトたちと合流したほうがよさそうだ。

 

そう思い俺は広場から急いで出ようとして人にぶつかって相手は倒れてしまった。相手はフードをかぶっていて性別がわからなかった。

 

ハチマン「す、すまない。立てるか?」

 

?「こ、腰が抜けちゃって…。立てません…。」

 

そう言われたので俺は倒してしまった相手に手を差し出す。相手は俺の手を掴もうとして顔を上に上げた。そのときに相手のフードがはずれて顔が見えた。髪が長く女性だろうと思いその顔を見た。俺はその顔を見たときに声を失った。

 

なぜなら、彼女は中学生に上がるまで小町と並んで俺のことを唯一理解してくれた彼女だったからだ。

 

彼女も俺の顔を見たとたん驚いていた。

 

ハチマン「もしかして、明日奈か!?」

 

アスナ「まさか、八幡君!?」

 

 

こうして2人は再会した

 

 

 

  


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