今回はキリトとクラインが登場です!
アスナは次に出る予定です。
ではではどうぞー!
八幡「リンクスタート」
俺は仮想世界にダイブするコマンドを叫んだ。
そして、比企谷八幡は『ソードアート・オンライン』への世界へとダイブした。
ハチマン「戻ってきた、この世界に。」
最初に必ず来るところは
アインクラッド 第一層 始まりの街
眼前のその光景に俺は柄にもなく興奮して、仰ぐように街並みを見回した。テレビ越しにしか見たことのないような古めかしい石造りの建造物が立ち並ぶこの街は、まさにRPGの中の世界と言った非日常感を漂わせていた。
ハチマン「まずはレベル上げでもするかな。」
俺はそう言ってフィールドに飛び出した。ちなみに俺は基本的にβテストではソロだったがアイツいや"キリト"と出会ってからはよく2人で行動したものだ。あいつも俺と同じでぼっちで何かしらあったのか、ゲームに逃げ込んでいる気がする…。
そんなことを思っていながらしばらくレベル上げしていたら1人のプレイヤーがもう1人のプレイヤーに何やら教えているみたいだ。βテスターと初心者か?よく見てみるとアレ?キリトじゃないか?アイツコミュ障じゃなかったけ?そう思っていると気がついたらしく
キリト「お、ハチマンじゃないか!おーい」
ちなみに俺のプレイネームは『Hachiman』
まあ、そのままだが。
ハチマン「よう、キリト。で、隣のやつは?」
キリト「ああ、こいつは…。」
クライン「俺はクラインってんだ。よろしなハチマン!」
ハチマン「お、おう。よろしく。」
キリト「今、クラインにソードスキルを教えてるけどハチマンも一緒にどうだ?」
ハチマン「おう、別にいいぞ。」
『ソードスキル』
魔法が存在しないSAOに設定された最大の攻撃システムであり、予備動作をシステムが検知することで発動する必殺技。「ソード」と名が付いてはいるが、いわゆる刀剣類だけでなく斧、投剣、手足(体術)といったSAOに存在する様々な武器に対応したスキル系統が無数に存在する。
「システムアシスト」を伴い、通常攻撃を遙かに凌駕する破壊力と攻撃速度を得ることが出来る。その反面、所定の硬直時間と使用間隔が存在する。
実は使用後に使ったソードスキルによって違いはあるが硬直時間がある。敵が単体なら別に大丈夫だが、複数ならその硬直時間にやられることもある。
だから大半はパーティを組むのだが、ぼっちの俺とキリトはソロでやっていたため大変だった。
俺たちはそんなこんなでクラインにソードスキルを教えた。
俺達がターゲットにしているモンスターはスライム相当である青いイノシシである。あ、スライムっていうのはみなさんご存知だろうがかの有名なRPGドラゴ○クエストに出てくる最弱と呼ばれるモンスターのことだ。
名前は《フレンジーボア》
《フレンジーボア》はキリトに気づき突進してくるが、キリトはそれをさらりと躱し、クラインがいる方向に促す。
キリト「クライン、行ったぞ!!」
クライン「おう!! おりゃー。ぐふっ」
クラインはイノシシの突進を受けて軽く吹き飛んでいた。まだ、戦いなれていないのか?
キリト「おいクライン。 だからモーションだって、構えるだけじゃなくて。 タメを作る感じで」
クライン「だってよー。 あいつ動くんだぜ。」
そりゃー動かなかったらこれほど楽なことがない。仕方がないアドバイスしてやるか。
ハチマン「クライン、お前が知っている必殺技とかを意識してやってみろ。例えばそうだな…、か○はめ波とか元○玉とか超電○砲とかだな。」
クライン「おう!ハチマンサンキュー!必殺技か……。 よし!!」
クラインは大きく、深呼吸し曲刀を肩に掲げる。このモーションにより曲刀がオレンジ色に染まる。ソードスキルの≪リーパー≫が発動され、ズバーンと音と共にモンスターがポリゴンになった。
クライン「おしゃー!! 倒したぜ。 これがソードスキルか。」
キリト「自分の体を動かしてモンスターを倒す方が面白だろ。」
クライン「でも、こいつ強かったなー。中ボスぐらいか?」
ハチマン「いや、そいつドラ○エでいうところのスライムだぞ。」
クライン「マジか!中ボスだと思ってたのに…。」
ハチマン「そんな簡単に中ボスがいてたまるか。」
クライン「それもそうか。」
クライン「俺は飯食いに1度落ちるわ。」
キリト「じゃあ、何かあったらここに連絡してくれ。」
クライン「おう!」
キリト「ハチマンもフレンド登録しようぜ。」
ハチマン「おう。」
クライン「あれ?」
ん?クラインがメニューを開いて困惑している。
キリト「どうしたんだクライン?」
クライン「いや、ログアウトボタンがないんだよ。」
そう言われて俺とキリトも確認して見たがクラインと同じくログアウトボタンがなかった。
キリト「俺もないな。」
ハチマン「俺も。」
俺のその呟きに続いて、始まりの街の鐘が大きく鳴り響いた。その瞬間俺たちの周りに光が集まっていき、俺たちは転移された。
気が付くと、俺は始まりの街の中央に位置する大広場に立っていた。
俺とアイツは別々なところに転移したらしい。まあ周りを見渡すとほとんどのプレイヤーがいそうなのでどっかにいるだろう。そう思っていながら周囲を観察していると、空にポツリと浮かぶ、紅く塗られた≪WARNING≫の表示が見えた。その表示が瞬く間に増殖し、空一面を紅く覆い尽くした。さらにそこから赤黒い液体が漏れ出し、空中に留まって一点に集まると、その形を別のものへと変化させていく。
キリト「なんだあれは…。」
趣味の悪い演出を経てそこに現れたのは、一体の巨大なアバターだった。紅いローブを纏いフードを被っているが、その中にあるはずの顔はない。そいつは空中に漂いながら、大広場の1万人近いプレイヤーたちを睥睨すると大仰な仕草で語りだした。
?「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ」
先ほどまでざわついていたプレイヤーたちは、話が始まった途端水を打ったように静まり返った。
?「私の名前は茅場晶彦。現在、この世界をコントロール出来る唯一の人間だ」
これが2年以上続くデスゲームの始まりだった。