なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
お久しぶりです、黒鬼です。
いやぁ感想の方はだいぶ数が少なくなってきましたね。
そりゃ更新をこんなに遅らせれば当然ですね、作者の自業自得…。
所で活動報告の方を少し前に更新しましたが、そこでお聞きしたことについてご回答してくださった読者さんはたった三名…。
ま、まぁ三章終わった時に番外編として先輩共の一覧と各キャラ原作との相違点や裏設定的なもんを書こうかなと思っております。
という事で久しぶりのイッセーくんの頭脳労働回、ダラっと行っちゃうの。
「うまい!日本の食事はうまいぞ!」
「うんうん!これよ!これが故郷の味なのよ!」
ファミレスにて目の前にある山盛りの料理たちを親の敵のごとく片付ける二人の少女。
教会の教え通りの生活は質素なものだとアーシアちゃんから聞いていた手前、この二人がホントに敬虔な信徒なのか疑わしい。
まったく、嫁入り前の女がそんなにガツガツとはしたない、ちったぁアーシアちゃんを見習いなさい。
内心俺は呆れ返りながら貪るように目の前の料理に食らいつく。
「……なんでお前まで食ってんだよ…」
片手で目頭をおさえる匙がボソッと呟く様に言うが、
腹が減っては戦は出来ないのである。
ただでさえ精神内で罪深く俺を拘束しやがった生ゴミ共と主犯であるあの
四肢を拘束し、変態共の下卑た視線に晒しながら奴の持っていた鞭でしこたまブッ叩いてやった。取り敢えずさっさと苦痛を与えたかったので人体の急所という急所を徹底的に淡々とシバいていたら、観衆の筈だったドMのカス共が『お情けを』と言いながら四つん這いで構えていた。
そんなゴミ共はガン無視決め込んでベルの奴を虐めたのだが、『これが本当のS…』と何やら敬う眼差しを感じたのでドライグに処理は任せて逃げた。
あの短時間で俺をここまで精神的に追い詰められる奴は現実世界では数える程である、ある意味強敵なのだ。本当にいつか殺してやる。
というわけで。
ここでエネルギーを補給し、面倒事の火種は早くから潰しておこうということである。
この二人がアーシアちゃんに手を出したら大事になる。
だから下手に動く前に釘を刺すなり物理的に潰しておくなり、何らかの手を施さねばなるまい。
「……それで? 僕までこの場に呼んだんだ、要件は?」
いつもの様子が嘘のように鋭く険悪な目線を教会二人組に向けている木場ちゃんはコーヒーを飲みながら俺に問う。
ぶっちゃけた話、木場ちゃんをこの場に呼んだのは教会二人組に対しての牽制の為である。
利用するようで申し訳ないが、こいつらの動きを抑制するにはいくつか方法がある。その一つが木場ちゃんという存在である。
木場ちゃんの事情はこの教会二人組も知っている。聖剣計画は教会内部でも異端視され、主導者は追放されたと聞いた。
なら敬虔な信徒であるこの二人も聖剣計画の被験者に対する感情は同情だ。
かといって情けをかけたりするような甘い連中ではないだろう、敵対するなら滅ぼす…、その言葉に嘘は無い。
しかし悪魔側との全面戦争を回避する為に悪魔側のトップである魔王さんの妹の眷属である木場ちゃんを無条件に殺すわけにはいかない。
木場ちゃんの事情は理解し、木場ちゃんの感情に納得し、木場ちゃんの言動を否定しきれない。
様々な事情と自分たちの信仰心、教会側の責任問題と人間としての自らの感情によって彼女らは木場ちゃんと完全に敵対しきれない。
故に木場ちゃんを敢えて教会二人組の傍につける。
いつ裏をかかれて命を脅かされるか分からない、しかし向こうからは手出し出来ず戦闘になってもなるべく殺してはならない事情を持つ相手が傍にいるのだ。
そうすれば奴らはアーシアちゃんに手を出す暇もなくなるし、監視&言動制限付きの奴らからアーシアちゃんを守るのは容易い。
そして何より、木場ちゃんは頭がいい。
俺の考えなどお見通しだろう、自身が利用されることを理解しながらもこの考えに乗ったのだ。
プライドと悲願を天秤にかけ、自らの意思で判断したのだ。
昨日唐突に帰ってから何かあったのか、激情を燃やしながらも冷静に状況を理解、判断している。
どうやら頭が冷えたらしい。
まぁ策はそれだけではない。
「そっちの戦力は?」
俺は敢えて木場ちゃんの問いかけを流し、イリナに話しかける。
「私たち二人だけよ」
イリナは訝しげな表情ながらも俺の質問に答える。
ここからの質問は現状整理を言葉にするためだ。
頭でなんとなく理解していても言葉に出せばそれに対する理解は深まり、より人は思考する。
自分達の目的は? 自分たちの戦力は? 闘う相手は? 相手との相性は? 作戦の成功率は? 負けたらどうなる?
その思考の渦に不確定要素を入れてやればいい、場を乱してやるのだ。
それが吉と出るか凶と出るか、冷静に考える頭があるなら俺の言葉を受け入れるだろうから。
「ふーん、勝てるの?」
「正直厳しいわね、無事生きて帰れる可能性は三割といったところかしら」
「現状での目的は?」
「奪われたエクスカリバーの奪還よ、昨日言ったじゃない」
「まぁまぁ」
俺の質問の意図が理解出来ていないのか、眉をひそめて苦言する。
あまり余裕がなさそうなイリナに対し、青髪メッシュちゃんは落ち着いている。
デザートのパフェを口にしながらも面白そうに俺を見ている。
こちらは冷静というよりマイペースという言葉が近いだろうか。
「妥協点はあるの?」
「……奪還出来ない場合はエクスカリバーを破壊する許可を得ているわ」
聞きたかった言葉が今飛び出した。
「じゃあ目的は破壊に変更したら? そしたら手伝ってあげる」
『ッ!?』
匙はソファにダラっともたれながら俺の話を淡々と聞くだけだが、他の教会二人組と木場ちゃん、塔城後輩は驚きを隠せなかった様子。
昨日の今日でいきなり協力体制の申し出があれば裏があると疑って当然、実際にあるしね。
「奪還は二人じゃないと出来ないけど、破壊だけなら誰でも構わないでしょ」
「どういう風の吹き回しだ? 何を企んでる?」
「慈善奉仕とでも考えれば?」
「君に限ってそれはないな」
「だろうね」
驚きながらも口角を上げて面白そうに俺に問う青髪メッシュちゃん。
向こうはこの作戦の成功こそが何よりの目的である、ならば一考の余地は十分あるだろう。
敵は強く成功率は低い、奪還どころか生きて帰れるかも怪しい。そこに実力不明の
協力と見せかけて闇討ちとか彼女たちの力を利用し邪魔な堕天使排除とかエクスカリバーを漁夫の利で横取りとか。
裏をかかれると考えられてるならそんなところか。
だからこそ、こちらのカードを少しだけ開示してやればいい。
「裏があるというか、まぁ考えはあるよ」
「ほぉ? それはお聞かせ願えるのかな?」
「まぁね」
デザートであるチーズケーキを完食し、ドリンクバーから取ってきたメロンソーダで口内を潤す。
そして俺は木場ちゃんと俺自身を指差しながらこう言った。
「エクスカリバーそのものに憎悪がある復讐者一人、あんたらに恩を売っておきたいのが一人
巻き添え戦力が二人」
彼女らのメリットは戦力補強と、俺から引っ付けといて何だが、彼女らにとって厄介な木場ちゃんの抑制の2つ。エクスカリバーの使い手ではなくエクスカリバーそのものに恨みがあるのだから、そのエクスカリバーを破壊する機会を与える代わりに協力、闇討ち裏切り防止という枷を付けさせれる。
そして俺が向こうに求めるのはアーシアちゃんに対する恩赦、又は不干渉である。
口に出さずとも彼女達は理解しているであろう。
「手助けしてやるからアーシアちゃんに手ェ出すな」という事を。
まぁホントは向こうがこの事件解決後にこちらの思惑を裏切ってアーシアちゃんに手を出してこようとも、
今回の喧嘩で向こうの戦闘スタイルや手口を把握出来るってのもあるけど。
木場ちゃん相手だとなんとも言えなかったが、エクスカリバー使いが二人でも成功率はかなり低いと言わしめた相手だ。本気やら奥の手やらを惜しまず出すだろう、そうなればコチラも対策を講じやすい。
後はうちの両親の恐ろしさをよく骨身に染みて理解していらっしゃる匙を脅してアーシアちゃん警備に加えれば完璧である。
『珍しくやる気に満ちているな相棒』
リアルに命掛かってたらそりゃ本気にもやる気にもなりますよ旦那。
色々頭使ってみたが取り敢えず我が身が可愛いイッセーくん、人望が薄いのも頷ける。
「いいんじゃないか?」
考えがまとまったらしい青髪メッシュちゃんは軽い口調でそう言った。
「ちょっとゼノヴィア!」
「そういきり立つなイリナ、現実的に考えてみろ。我々の最優先事項は任務の遂行だ。
戦力不足のまま無策で挑み無駄死しましたでは主の使いとして来た意味が無い。
それに悪くない提案だ、主の意には反したが見たところそれほど害のなさそうな魔女を見逃すだけでドラゴンの力が借りられる。
リアス・グレモリーは悪魔だが、家柄か立場か知らないがそう無茶なことはしないだろう、向こうも戦争は避けたいだろうしね。
魔女がその眷属となった今、放っておいても現状問題は無い事案だ」
「……あなたの信仰心って変わってるのね。……はぁ、いいわ、その提案に乗りましょう。
そうすればそこの怖ーい子に襲われないってことだものね、コカビエルとの戦いの前に変に消耗したくないもの」
「じゃあ、交渉成立ってわけで」
俺はそう締めくくり、状況を整えた。
てゆうかアーシアちゃんのこと魔女魔女って、なんなの? 天使じゃんあの子。
じゃなかったらうちの両親あんなに溺愛しないよ?
実の息子の存在忘れてるレベルで可愛がってるからね、あれ、なんだか俺可哀想。
木場ちゃんが神父に夜襲かけまくってる変態に襲われたこととか、
聖剣計画の黒幕がバンパーだかガリレオだとかいうオッサンだという軽い情報交換をし、みんな身支度を整えて席を立った。互いの目的は多少違うなれど、当面のすべきことは同じである。
その為の協力は双方惜しんではならない、そう、期間限定とはいえ今をもって俺達は仲間になったのだから。
そしてイリナがふと気付いた事を言った。
「そういえばここのお代、誰が出してくれるの? 知っての通り私達は一文無しなんだけど…」
その言葉を聞いた瞬間、俺と匙の指はお互いを指していた。
教会二人組はすっからかん、女子に払わすのは忍びないので木場ちゃんもダメ、塔城後輩なんかは後輩である。なら男子のどちらかが払わねばなるまい、じゃあ俺が払う? 論外である。
匙の奴はこう考えたのであろう。
即座に仲間を裏切りお代全額俺持ちにしようとするなど、なんというクソ野郎なのだろうか。
すぐさま醜い仲間割れが始まった。
「俺を呼び出したのそもそもお前だろ」
「歩合制だから。二人見つけたの塔城後輩だから役に立ってない匙はダメ」
「ふざけんな、俺は何も食ってねぇがお前は馬鹿みたいに食ってる。
それにこの前だって財布忘れたお前の代わりに俺が払ってやったろうが。
お前が払うべきだという要素を自分の胸に聞いてみやがれ」
「ダメだ匙、心当たり多過ぎて余計分かんなくなってきた」
「ブッ殺すぞ」
結局俺が払う羽目になってしまった。
匙の奴め、正論を並べて俺を謀るとはなんという男か。
母が兵藤家の財布の紐を縛っている限りお小遣い増量など望めまい。
またバイトでもするしかないだろう。
給料はいいがマトモな内容ではない、まぁ元浜や父の持ってくる話などそんなものしかないのであるが。
はい、結局イッセーくんが払いました。
バイト…、絶対ロクでもないことしてるんでしょうね、いつかバイトの話を番外編で書けたらなぁと思います。
作者、力量不足からか原作にのっとって書くとどうもギャグを入れづらい…。
フリーで書けたらギャグオンリーで書けるんでしょうけどね、特技は番外編!
バカ丸出しです。
しかしそんな作者もこの小説投稿開始時からかなり成長していると言われているのです。
変態の対処法とかね!
………………なにを成長させとんじゃ作者は。
前書きでも書きましたが感想の方もだいぶ少なくなってきましたね、20切ったのは初めてではないでしょうか。
アーシアちゃん傷つけたら談義がチラホラと。
ディオドラくんは言うまでもないでしょうが、コカビエルが神の死亡を告げるのはアーシアちゃんを傷付けるっていうのとは違うんじゃないかなぁと作者は思ってみたり。
傷ついてるのは確かでしょうがコカビエルがやったことではないし、システムの調和を保つためとはいえ隠蔽して騙していたのは教会側。
ちょっと意味合いというかニュアンスというかが変わってくるんじゃないかなぁと。
まぁ読み手次第だよね、作者はそういう感じで行くのであしからず。
……つってもコカビエル可哀想な感じにしてやるけどね!
はい、数も減ったことだしそろそろ変態も絶滅です。
いやぁ、長い戦いだっt――。
【一言】
一誠による不届き者(ゼノヴィア)の粛清が行われなかった...だと...。木場ちゃんが醸し出すとてつもないシリアスオーラにさすがに我らが一誠も自重してしまったか。ここで粛清がなければもうなさそうだから後に出てくるであろうコカビエルが一誠にフルボッコにされるのを楽しみにしてます。...一誠の両親がコカビエルをボコボコにするとことかもみたいけどあの二人が動くとなるとアーシアが傷つけられることのなるわけで。我らがスウィートエンジェルアーシアたんを傷つけるわけにはいかないから両親は動かないわけで。アーシアたんを傷つけずにあの二人を動かす方法はないものか...。
子猫の猫さんプリントパンツ俺も見たいぃぃぃぃぃいいい!!プリントされてる猫さんは白猫かな?黒猫かな?しかも高い高いしてる時ってことはほぼ目の前じゃないですか一誠さんいくら払ったらそのポジション変わってくれますか、ってかもうそのままスカートの中に頭突っ込んでクンカクンカしたいぃぃぃぃいいい!!照れて蹴ってくる子猫可愛いぃぃぃぃいい!!お持ち帰り確定!!ってことでどこに行けばこの可愛い子猫ちゃんを受け取れますかね?前半は真面目に本編について触れていたから今回は変態発言はないと思ってましたか?だが残念!変態は不滅!「真面目に本編の感想書いてあるやったー」って思わせてからのこれだよ!上げて落とす。一気に落とされて消沈してる作者さんが目に浮かぶようです。では、この作品の感想欄から変態(本編読んでるか怪しい下ネタ連発するアホ共を除く)が居なくならないことを祈りながらさようなら。
まだいたか変態め!!!
前半しっかり読んでくれてるよってホントに騙されちゃっただろ!
結局着地点は変態なのかよ!
取り敢えず作者は小猫ちゃんとイッセーくんを囮にトンズラします。
ではまた次回、さようなら!