なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

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気が付けば年が明け、三ヶ月もの月日が過ぎ行き、新年度が始まろうとしている中、作者は再び戻ってまいりました。
更新がこんなにも遅れて申し訳ありません、ごめんなさい。
全く続きが思いつかずだらだらしている内にテストやら実習やらが始まり、それが終われば家内で問題発生、いざ小説書いて投稿しようと思えば宗教関連の問題がニュースで取り上げられ、この章の話を出しにくい事態に……。
いいわけですね、すいません。取り敢えずは更新はかなり不定期で遅くなってしまいますが細々とやっていく所存であります。
よろしければお付き合い下さい。




『なんやかんやで状況把握』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神器に封印されているドライグや残留思念である歴代赤龍帝達は魂だけの存在である。

 

肉体がなければ食欲や睡眠欲といったものに囚われることなどない、なのに何故か性欲?は有り余ってるようだが…。ということは神器所有者である俺の意識があろうと無かろうと、ドライグ達の意識まで途切れることはないという事を意味する。

俺の許可さえあれば五感を共有する術を持っている彼らは俺に協力的な姿勢を保ち続けている。

それはもちろん彼らにも利益が存在するためである。

 

ドライグは違うが先輩方の本質は変態である。そう、変態なのである。痛覚を共有してやるだけであら不思議、喧嘩の度に受けるダメージはご褒美へと劇的ビフォーアフターする。ともすれば俺から奴らへ支払う報酬は別段考えて用意してやるまでもない。

てか放っておいても「ハイリスクノーリターンで奉仕させられてるよぅ…!」と喜ぶので問題無い。なので俺から一方的に命令しても一向に構わないし彼らも異存はないらしい。

 

 

この度は聖剣エクスカリバーが教会側から奪われたそうな。キナ臭い――、というかメンドくさそうな案件だったので話が長くなるであろう事は予測できた。

そこで俺はドライグや先輩達に話を聞いてもらい、俺自身の意識はお休みなさいという結論を出した。

 

中二病患者の社会問題のことは中二病患者が一番詳しい、蛇の道は蛇、餅は餅屋というわけだ。話を終えた後でドライグや先輩達に話を簡潔にまとめ分かり易くされた情報を俺が吟味すればいいだけなのだ。

 

そう、これが上に立つ者という奴である。

部下の手柄は上司のモノだし、部下は上司の手であり足である、つまり如何に上手に下の者を御し扱えるかで上司の器が決まるのだ。上の者は全体を見て下を統括管理し、そして最終的な結論を出す。指示と判断だけしておけば、後は椅子でふんぞり返っているだけなのだ。実に簡単なお仕事である、これが勝ち組というものか。わっはっは。

 

そうして30分くらいだろうか、俺が隣に座るアーシアちゃんのふわふわ柔らかい太ももを枕にお休みしていた内に話し合いは大方終わったんだろう。 

さぁ先輩達よ、報告してくれたまえ。その話を聞いて関わるかどう対応するかを決めるだけなのだ、スパッと決めてやろうじゃないか。

 

 

『『『取り敢えずエクスカリバー全部強奪して色んな勢力に虐められたい』』』

 

 

全く意味が分からなかった。

話の内容説明でもねぇしそこに至るまでの経緯も分かんねぇしむしろ何にも聞きたくなくなっちゃったよ。

 

こんなんで決断も判断も出来ねぇよ、取り敢えず頭痛がするほど腐った報告しやがったゴミを焼却することだけは即決した。精神世界に意識を飛ばし、視界に入った動くものを片っ端からシバき倒してドライグに燃やさせる。

ドデカイ図体のドライグが紅に輝く業火を大きなその口から辺り一帯に撒き散らし、俺は精神世界が真っ赤に染まる光景をドライグの頭の上で見ていた。

ドライグもドライグでかなりのフラストレーションが溜まっていたらしく、ガチっぽい威力の炎を繰り出している。現実世界なら燃えるではなくあまりの熱量と爆風で大抵のモノなら消し飛び、金属だろうと即座に融解し始めるであろう。

それほどの威力があると感じた。 これは流石に無事では済まないだろう。

 

 

『ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、()えろ俺の小宇宙(コスモ)ォォォォォォォ!』

 

『エクスタシィィィィィィィィィィ!!!』

 

 

ふざける余裕があるらしい。

全く効いていなかった、否、効いてはいるが苦痛が快楽へと変換されているらしい。被虐の専門家であるドM属性の連中なんかは爽やかな笑みでポージングを決め込み爆炎を全身で浴びていた。

……なにコイツらプロフェッショナル過ぎる…。

 

肌と髪は艶が増し、頬はほんのりと赤らみ、爆風で吹き飛ばされた煌く汗の雫が即座に蒸発する意味不明な光景。燃え盛る業火と鳴り響く轟音と爆ぜ散る爆風が無ければ、爽やかな青春ドラマのワンシーンと見紛いそうだった。もうどうすりゃいいのコイツら。

 

 

取り敢えず俺の魔力をドライグが使って結界とやらで先輩共を閉じ込めてその中を爆破。熱を保温し爆風は反射する結界らしい、ざっくり言うと手荒な蒸し焼きである。

内部酸素が尽きれば結界一部を解放し酸素を急速に供給、バックドラフト現象を誘発する。そして酸素が尽きるまで蒸し焼きの繰り返し、微塵も容赦が無かった。

 

 

『今度はここを集中的に爆破してくれ! 俺の股間をッ!』

 

『もっと熱くなれよォォォォォォォォ!』

 

 

ボクモウシラナイ。

 

 

こうしてても埒があかないので結局ドライグに説明してもらう。最初からそうしとけば良かったよ……、今更反省イッセーくん。

なんやかんやで教会側が保管してたエクスカリバーが堕天使幹部にパクられたらしい。だから悪魔側に手出し無用、てか無干渉でいろって言いに来たとのこと。確かに悪魔側にとって天敵である聖剣が教会側から失われれば手を叩いて喜ぶところだろう。

 

しかし勢力状況は三竦み、悪魔側は教会側は嫌いだが、堕天使側も嫌いなのである。一時的でも手を取ることですら反吐が出るほどだ、堕天使と同列視されるなんて心外だ。ましてやリアスちゃんの縄張りで事が発生してるのに手を出すなというのはどういう了見か、ということらしい。なんかもうややこしいね。

 

 

教会側から聖剣がなくなれば悪魔側も嬉しいだろうから堕天使と手を組む可能性も考慮された。だからこの地を管理しているリアスちゃんとコンタクトを取った。しかも教会側も牽制の意味を含めるため、交渉人にはエクスカリバーの使い手を二人も派遣したようだ。

如何に教会側がこの一件を重く見ているかが伺えるというものである。

手を出すならば殺す事も厭わない、イリナ達はそう脅しているのだ。

 

 

しかし、しかしである。

 

 

「カトリック、プロテスタントからの使者であるあなたたちの意志と今後の行動の確認は出来たわ。でも正教会の方はどうしてるの? 使者は出さないつもり?」

 

「ああ、奴らは私達がエクスカリバー奪還に失敗した場合を想定して、奪われなかった一本を守る為に人員を集中させるつもりらしくてな。今回の奪還作戦には保留という形で乗らなかったよ」

 

 

先の三大勢力の大戦を生き残った、聖書にもその名を記されている堕天使の幹部を相手に小娘二人だけ。いくらエクスカリバーを任せられるほど優秀といえども、堕天使幹部とは比べ物にならないだろう。

リアスちゃんのそういう意図を込めた質問に青髪メッシュちゃんは淡々と答える。

 

 

「堕天使に聖剣を奪われたままになるなら消滅しても構わない、そう上は判断した。

 私達に与えられた役目は最低でもエクスカリバーを堕天使達の手から離す事だ、その際奪還でも消滅でも問わない。

 任務の為なら、いやそれが神意というのなら私達はこの命くらいいくらでも捧げる所存さ」

 

「……神の為なら死すら厭わないのね…、相変わらずあなた達の信仰心は理解出来ないわ」

 

「それはそうだろうな、あなたは悪魔なのだから。 神にお仕えする喜びを理解出来る筈もない」

 

 

して欲しくもないがな、と青髪メッシュちゃんは鼻で笑いながら言う。

 

人間同士での戦争なら宗教戦争が一番怖いと言われる所以はこれである。自身達の信仰する神の為なら生物最大の恐怖である死ですら受け入れる。死をも恐れぬ兵ほど恐ろしく手強いものはない、死への恐怖を神への信仰心という行動理念が麻痺させているのだ。

自らの死でさえ神の糧となるに違いないと考えている者すら存在すると聞く。その争いに妥協点などありえない、どちらかがへし折れるまで戦い続けるのである。

完全な泥沼戦になるに違いない、そこに兵器重火器を取り扱う業者なんかが利益の為に介入し出す。そしてより一層戦争は激化し長引く。

そんな事が現実でも大いに有り得るのだ、これほど根の深い問題もあまりない。

 

簡単に言い表せないものがあるのだろう。

 

 

現にイリナも青髪メッシュちゃんも自分達が殺されるかもしれないような相手にこれから挑むというのに、随分と落ち着いている。目にも迷いなどなく、使命感に満ち満ちているではないか。なるほどね、これが教会が誇る神の使徒、神に選ばれし戦士(奴隷)か。

 

 

イカレてる。

 

 

「じゃあ伝えるべきことも言ったし、私達はこれでお暇させてもらうとしよう。 イリナ、帰るぞ」

 

「あら、そう。 お茶くらい飲んでいったら? お茶菓子くらいは出すわよ」

 

「いや、結構」

 

 

リアスちゃんの社交辞令を切り捨て、青髪メッシュちゃんは席を立つ。それに続いてイリナも「ごめんなさいね」と苦笑しながら立ち上がった。そして二人は出口である扉へ歩き出したが、立ち止まって振り返った。

 

二人の視線の先には俺――の隣のアーシアちゃんに向いている。

 

 

「兵藤一誠の家で見た時にもしやと思ったが、『魔女』アーシア・アルジェントとこの地で会うとはな」

 

「悪魔に転生したのね、これで名実共に『魔女』といったところなのかしら?」

 

 

二人はアーシアちゃんをまじまじと見つめ、感慨深い様子で言った。

魔女、という単語が二人の口から出る度にアーシアちゃんは泣きそうな顔でビクッと体を震わせた。リアスちゃん達はそれを見て苦々しい表情で見守る、まだ言葉だけだから手を出せないのだろうか。体裁ってのも面倒だね。

 

 

まぁ何はともあれ俺はいつも通りすることは変わらない、自分のペースを崩さない事こそストレスフリーに生きるコツなのである。

 

 

 

 

 






まったく話が思いつかない。
この章はギャグにしていいのだろうか……、ギャグにしても思いつかないよ…。

いやはや、おバカ作者がちんたらやっている内に50強くらいの感想が溜まっておりました。送ってくださった読者の皆様、本当にありがとうございます。
やっぱり書く側にとっては読者さんの存在は何よりも励みになるんだなぁと思いつつ目を通してみたら……。

次元を超えてきた変態共、規模が国家レベルに膨れ上がった謎の教団、増え続ける信者、作者のメンタルを讃える読者、毒さていく新規読者、アーシア天使説の確立、新たな扉を開いた変態、真面目な感想、狂気に塗れた告白、変態の統率希望の数々……。

………作者、戻ってこなかった方が良かったのではないだろうか…?
この三ヶ月でなにがあった…!? 今世間を騒がせている宗教よりもヤバイもんが出来上がっちゃってそうなんだけど…、大丈夫だよね…?……大丈夫だと言ってください……。

では早めに次話も投稿できるよう頑張ります。
さらばヽ(;▽;)ノ


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