なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

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お久しぶりです、黒鬼です。
いやぁ、もう大学が忙しくて書く時間が無い……。
ホントに申し訳ない、でも細々とでも頑張っていく所存です。
これ言うの何回目だ…、まぁ気にしない気にしない。

そんじゃいつもの様に、ダラっと行ってきます。


『なんやかんやで敵対面談』

 

 

 

 

 

 

 

結局は小一時間ほど談笑を楽しみ、彼女たちは帰っていった。アーシアちゃんは終始ビクビクしっぱなしであったが、向こうさんは特に変わった様子も無かったので問題はなかったと思う。しかし一時的にこっちへ戻ってきたというのはどういうことなのだろう。用事があったからというのは聞かなくても分かるが、恐らく荒事と思われる。

 

イリナじゃない方の青髪メッシュちゃんは明らかにアーシアちゃんを警戒していた。彼女の傍らに置いてあった長モノも形状と大きさから大剣か何かだ。柄を日頃から強く握る剣ダコも手のひらに確認したし、何よりあの眼。切れ長の鋭い眼、あれは何かしらを自らの意思で殺したことがある目付き。もしアーシアちゃんが何か変なアクションでも見せれば即座に切り捨てるつもりだったであろう。

 

そこに躊躇など生まれもしないほどあっさりと。

 

ある程度は命を殺めることに慣れているということなのかも。宗教に妄信的にはまりこんでいる人間の怖いところはここである、その行動に何の疑問も戸惑いも抱かない。神の御心のまま、主の願わん事だから、この大義名分を傘に着て自らの意思はそこに含まれないのだから。

 

まぁ上層部がクソだったらその敬虔な信仰心を私利私欲の為に利用されそうだけど。

アーシアちゃんは昔教会から追放されたという、これは彼女自身が俺に話してくれたことだ。ヤクザの世界だとなにかやらかして落とし前つけるとき、破門と絶縁の二種類がある。破門とはひょっとしたら将来許してもらえるかもしれない処置で、今後の対応次第では系列が同じの他の組に入れたりできるかもしれないらしい。

 

しかし絶縁ならばもう二度と返り咲きは望めない。といっても、どちらもケジメという形で小指(エンコ)詰めるか頭を丸坊主にして金を作って上納するかだ。ドスを握れなくする為に小指を昔は詰めていたらしいが一時期はチャカの引き金を引けなくする為に人差し指を詰めさせることもあったそうな。最近は指を詰めるということ自体が少なくなっているらしく、指詰めという慣習は廃れてきたのであろう。

 

そしてアーシアちゃんの扱いは恐らく後者の絶縁状態だろう、敵である悪魔を癒したという行為は下手をすれば反逆行為、もしくは寝返り扱いかもしれない。しかも今はリアスちゃんの眷属入りまでして完全に悪魔側に身を置いている。神敵認定までされていたら最悪だ、隙あらば消そうとしてくるやもしれない。

 

 

まぁそんな事は俺が許さない、ましてや母の御前である。 守れなければ俺が死んじゃうもの。

 

誰より何より我が身が大事なイッセーくんです。良くも悪くも自分を偽らないのが俺クオリティ。良く言えば素直、悪く言えば自己中。生まれてこの方十七年、相も変わらず芯までこってり腐った兵藤一誠が兵藤一誠たらしめるスタンスである。バレたらアーシアちゃんから白い目で見られないか内心怖々なのは内緒である。

 

でもまぁアーシアちゃんは盃を交わした家族である。損得も駆け引きも無しにしても守ってあげる義務があるのだ。

結局何が言いたいか分かるな?アーシアちゃんは我が家の天使、最凶最悪の邪神()破壊の権化()の御加護をその一身に受ける彼女はある意味無敵の存在なのである。

 

 

『しかし相棒、あの獲物はエクスカリバーだぞ。

 教会の保持する戦力の中でも対悪魔における最高峰の武器とその使い手を二名。

 ただ事じゃないのは確かだな』

 

 

そんなにヤバイ事なの?たかが剣二本でしょ、エクスカリバーが有名なのも知ってるし伝承通りなら凄いけど、それでもそんな大事には思えない。所詮は武器でしかないのだ、重要なのはその使い手にほかならない。

ただのフォークでもストローでもウチの母が持ってこちらに向けてみろ、濃密な死の予感しかしねぇよ。食事か抹殺のどちらかをよく見極めて言動せねば尊い命が一瞬で失われるであろう、奴の手に持つフォークやストロー(食器もしくは凶器)によって。おい、ストローで殺すってどうやるんだよ、吸うの?吹くの? 逆に用途が分からなさ過ぎて怖い。奴なら何があってもおかしくないのだ。絶対エクスカリバーより兵藤家の食器の方が強いと思うのは俺だけ?

 

 

『相棒の基準があの両親だからそう思えるのさ。

 人間界で言うところの核兵器のようなモノだ、最大戦力にして抑止力。

 対悪魔としての相性がそれだけ優れているんだ、まともに斬られれば消滅は免れない』

 

 

謂わば相性の問題ってことね。悪魔に対して絶対的なアドバンテージを誇る武器、聖剣。なにそれアーシアちゃんに持たせてあげたい、護身用で。

 

 

リアスちゃんの眷属であるアーシアちゃんはやはりはぐれ悪魔とやらが出現した場合、彼女も共に出撃しなければならない。いくら魔王の妹といえども組織内の地位としては一介の若手上級悪魔であるリアスちゃん。

大公アガレスとやらからの出撃指令が下った場合は拒否権など無い。そしてリアスちゃん達の中で要である回復役のアーシアちゃんは戦闘におけるキーパーソンというか生命線である。

だがしかし、彼女自身に戦闘能力はない、皆無なのである。普通に歩いていても転んで半泣きになってしまうような今時絶滅危惧種レベルのドジっ子純情娘なのだ。剣を扱えないにしても持たせてやるだけでブラフになりうる可能性もある。ましてや持たすのなら悪魔の苦手な聖剣、のこのこ近づくのは自殺志願者か消滅願望のあるドMの変態だけであろう。

 

 

『聖剣は適性が無いと意味がないといっただろう。

 ましてや悪魔が持つなど自殺行為だぞ』

 

 

アーシアちゃんは種族悪魔とやらだけど本人はマジ天使だからイケるんじゃね?神に祝福された剣なんだったら、ウチのアーシアちゃんも神に祝福と加護を受けてるよ。神は神でも邪神()だが。

邪神様の方が聖書の神より超強いから多分大丈夫だと思う。もう盃すら交わしちゃってるからもはや向かうところ敵無しである。いやもうほんとに邪神教でも始めればいいと思うよ俺は。ウチの母が信仰対象で教祖は父、宣教師は俺、布教としてのプロパガンダはもちろんアーシアちゃん。

 

 

この世の終わりである。

 

 

『取り返しのつかないことになる様な気がするのは俺だけか?』

 

 

その宗教が広まれば力こそ正義であり法であり、血で血を洗う仁義なき抗争が常とされる世となるだろう。強い奴こそ正義、勝てば官軍、この宗教唯一の教えにして絶対の理である。なにそれ世紀末? もしそうならやっぱり母が頂点となるではないか、リアルも妄想も根底は覆らなかったよ…。

 

だがしかしみんなのアイドルアーシアちゃんがいる限り、彼女を欲さんとし、そう易々と教えから抜けられない負のスパイラル。まぁ彼女の身辺警護を邪神様からのお告げという名の厳命を下された俺が近づくゴミはこの世から抹消するのだが。

だからアーシアちゃんを害そうとする今日のキリスト教徒など「異教徒めっ!」とかいって人間災害()が特攻カマすかもしれない。その時は是非ともお供してやろうじゃないか、我らが天使を汚そうとはこの世に存在する価値は無し。

 

少なくとも主人公が垂れ流していい様な思想ではないのは確かである。

 

最近は黒鬼教とかいう頭のイカれた武装集団がここら近辺にも出没しているらしいし、新興宗教ブームなのかもしれない。なんてもん流行らしてんだ、ダメだこの街。

 

 

 

 

 

次の日の放課後。

 

旧校舎の一室であるオカルト研究部の部室に部員総勢が集められた。ソファに座っているのはリアスちゃんと姫島先輩、相対するソファにはなんとイリナと青髪メッシュちゃん。自らを悪魔という人外だと名乗る寒気のするほど痛いコミュニティのボスの妹と、

知ってる奴だけでも頭のネジが数えるのが億劫になるほどブッ飛んでいらっしゃる輩が多く在籍している教会所属の人間。

 

なんとも珍妙な組み合わせである。

 

本来の設定なら敵対関係にある組織の者達であるはず、そしてコンタクトを取りたいと申し出てきたのはなんと教会側のイリナ達だという。

教会の人間って拒絶レベルで悪魔とか嫌ってなかったっけ?記憶ではイリナの父なんか悪魔が視界に入っただけで脳ミソが戦闘モードに移行して殲滅行動をオートで開始するほどだった。気が付いたら血の海のど真ん中でビックリしたと爆笑しながら語っていたのをよく覚えてる。

オートで殲滅ってお前はロボコップかとでも言ってやりたかったが、例の西洋剣を握り締めてブンブン振り回しながら身振り手振りジェスチャー付きで話すもんだから怖くて言えなかった。

 

 

ピリピリとした肌を刺すような雰囲気での沈黙。互いが互いを欠片たりとも信用していないからこそ、相手側の挙動を一つ一つ警戒している。両陣共、攻撃の素振りを少しでも見せれば即死レベルの反撃をする気である。イリナと青髪メッシュちゃんはすまし顔でいながらも敵愾心バリバリ、何しに来たのコイツら。

 

リアスちゃんは揺ぎのない意思を見せるためか威風堂々とした振る舞い。姫島先輩はいつもの様にニコニコしているがなんとなく冷たい笑みである、あの細めた目の奥で超睨んでるよアレ。妹メイドさんはいつも通り淡々と使用人としてお茶の淹れ出し何かをしながらしっかり警戒していた。

いつもそんぐらい真面目にしてくれ頼むから。じゃないと心労で倒れちゃうよ、主に俺とメイドさんが。塔城後輩はリアスちゃん側のソファの後ろに控えており、有事の際はいつでも飛び出せる気迫を携えている。

 

そして問題は木場ちゃん、いやもう警戒とかそんな領域超えていつでも殺れる態勢だよあの人。殺気ダダ漏れていうか隠す気もなさげだし、手に剣をいつでも出せるように小さい魔法陣展開してるし。

 

 

全員が沈黙を貫く中、俺が噛み砕くせんべいのバリバリという音だけが響く。やっぱり緑茶のお茶請けには醤油せんべいが合う合う、和菓子でもいいけどね。正式なお茶請けは和菓子の方なんだっけか、まぁどっちも好きだからその日の気分だ。

 

もぐもぐとせんべいに舌鼓を打っていると、何故だかみんながすんごい目で俺を見てくる。だってさ、俺どっちにも属してないから暇なんだもん、そりゃせんべいも食べたくなるさ。俺の傍にいるアーシアちゃんなんかはプルプル震えながら涙目である。うん、可愛いけど俺の肩掴んで揺するのは勘弁して。 せんべいが気管に入っちゃうよ。

綺麗なお目々をうるうるさせながら俺の肩を揺すり続けるアーシアちゃんとされるがまませんべいをかじる俺。そんな俺達の姿を見て何故かみんな脱力した。

 

おい、言いたいことがあるなら言いたまえ。

 

 

はぁ、とどこか安堵したような溜息をつき、苦笑を浮かべたイリナがこの沈黙を破った。

 

 

「…イッセーくんはやっぱり相変わらずね、でもそこがキミの良い所なのかな?」

 

 

親しげな雰囲気を俺に向けたイリナにオカ研一同は驚いている。特にリアスちゃんなんかは苦々しい顔を浮かべた後、俺を睨んできたではないか、解せぬ。そしてアーシアちゃん、ふくれっ面で俺の頬を抓るのを止めていただきたい、急にどうしたの?

 

深く息を吐き、雰囲気を真面目なモノへと整えたイリナはリアスちゃんをしっかりと見つめて、こう言った。

 

あ、なんだか嫌な予感。

 

 

「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及びプロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」

 

 

そろそろ面倒事を回避する為に本気で誰も俺を知らない地へと夜逃げする計画を立てながら、今日も俺は惰眠を貪る。

 

 

 

 

 

 





イッセーくんの嫌いな面倒事が再び。おせんべい囓ってるのは関わりたくないという意思表示でもあります。ちったぁやる気出せや主人公……。

感想ですが「前に覇龍使ってんのに死ぬのはおかしくね?」という質問が。それらも踏まえて発言したんだよ。ネタバレになって展開が面白くなくなるから明かさないって言ってんだろうがい。てな訳でスルーの方向でお願いします。まぁたまには矛盾点とかあったりすると思います、それは確実に作者が悪い。しかしこの作品名は「なんやかんやで赤龍帝」です、作者の構想もなんやかんやで適当なのであんま気にしないでください。……それでいいのか作者。

【一言】
(この作品の)アーシアは天使(一誠がこんなだからそう感じる)。異論反論は聞くけど認めない。兵藤家総出のとこに+1で俺を足してくれてもいいのよ?作者さんの誕生日ってことで、前回くらいは感想に変態的な文章は載らないと信じてた自分がいる。俺だって真面目に作者さんの誕生日を祝ったっていうのに...毎度毎度変態文章で騒げば変態だとでも思ってるのか。きちんと作品を読んで、面白さを感じて(ある場合は誤字報告して)、作者さんのことを考え(妄想して)、一旦落ち着いて、そして作者さんへの想いをぶちまける。これが俺のいつも。変態文章書く前に作者さんのことをきちんと考える(感想より本編大事にしてほしい、だと思う...)のが最初。出来ない方は回れ右。作品読まずに感想だけ書いてるような奴がいる気がしないでもない。まぁ作者さんへの熱い想いがあるならもう少し本編にも目を向けようぜって話(みんな向けてくれてるとは思うんだけどね)。本編が若干シリアスよりだったので前回に続き真面目な俺の感想でした(そろそろはっちゃけるためにアップが必要かな?)。真面目になったせいで長文になってしまった、失礼。変態文章では書けないことをまとめ書きした気がする。んじゃまた次回も楽しみにしてます。

いつもはブッチぎりで弾けているこの読者さん。こんな感じでこの作品読んでくださったんだなぁと思うと感謝と感激の念が心の底から湧き出てくるようです。いや、一部完全に変態隠しきれてないけどね?真面目に本編も読んで内容理解して楽しんでくれてる方ってここの読者は少ないんじゃないかと、マジで。本編読まずに感想だけ書いてる奴とか絶対いるよね。作者もそう思います。調べようがないんでどうしようもないですがそういう奴は大抵感想もつまらないものです。あーだこーだと現実でこんな変態なことがあったと下品なことを大袈裟に言えば面白いと思っているのでしょうか。感想の意味も分かってないアホはお呼びじゃねぇからとっとと失せろと言いたいです。
はい、ただの愚痴です、すいません。アップしてるの言葉に動揺と恐怖を隠せず誤魔化したんじゃないですよ?……ほんとだよ?

最後にこの人。
【一言】
すいません、邪神(一誠母)への礼拝はどこでやればよろしいでしょうか?やはり、メッカ(兵藤宅)に全財産と臓器全てを捧げなければいけないのでしょうか?分かり次第すぐに行くつもりなのでよろしくお願いいたします。

やばい、洗脳が始まってる!? これは荒れるぞ……!(いろんなものが)
ではまた次回、さよならです。


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