なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
読者の皆様はこの夏を楽しめましたでしょうか?
あまりネタが思いつかず、また書く時間も取れないので更新はどうしても滞ってしまいます。
もう少し早く書ければいいんですが、後期はドンドン大変になってきますので更に更新は遅く…。
まぁ細々とやっていく所存です、気が向きましたらどうかお付き合い下さい。
※それと今回の本編の話では最後の方は視点が変わりますのでご注意を
それじゃあ、ダラっと行くっきゃない。
ザァザァと地面を叩く雨音が部室内に空しく響く。
この冷めた空気が余計に音を反響させているのだろうか?
こういう雰囲気の中で聞こえる雨音は、より一層気分を空虚にしそうであまり好きじゃない。
幸いにも球技大会が終わった後に降り出した。
服が濡れることなく球技大会は終了したので運が良かった。
結局は我らオカルト研究部の優勝という結果に集結。
男子共から殺意と憎悪に満ち溢れた表彰式での
全員を血の海に沈めて、部室に戻ってみれば――。
――パンッ――
「少しは目が覚めたかしら?」
リアスちゃんが木場ちゃんをビンタした。
最近はポケーっとしていた木場ちゃん、それはこの度の球技大会でも例外ではない。
何回かは試合に貢献はしてくれたのだが、基本はポケーっとしていた。
なんとズルいことであろうか。俺なんて面倒だからトンズラこいてサボってやろうとした瞬間に、姫島先輩や塔城後輩にその行動を予測され、無理矢理連行されて試合に出場させられたというのに。そして試合最中は怒り狂った男子共の相手をしなければならないので休む暇も無かったのに。ちなみに生徒会チームは俺を殺す為に参集した男子共の暴走を止める為試合には出なかった。では何故男子の襲撃が減っていなかったのか、
そんな事を考え、友を一人失うことになるのかと憂いていると我が精神にいる変態が叫びを上げる。
『何故、何故あの凶弾の嵐をお受けにならなかったのです王よ!先程のビンタにしてもそう!
冷めた眼で見られながら魔力を纏った一撃を受けてこそ
試合最中の男子共の殺意の篭ったボール、そしてさっきのリアスちゃんのビンタを何故喰らわなかったのかと抗議しているこの変態。この男の名はアディストス。 又の名を狂虐のアディス。
俺の精神にカビの如くしつこくこびり付いている変態共。やはり変態の名に恥じぬだけのイカレた特殊性癖と狂った異常思考を兼ね備えている。もはやその二つは変態共にとって標準装備なのである。その中で被虐性癖、つまりはドM属性を持つ者は少なくない。むしろ多いと言える方である。しかしこのアディス、そんなマゾヒスト共の中でも一際飛び出す超弩級のMな変態なのである。言葉でも仕草でも直接的でも間接的でも精神的でも肉体的でも毒をも無視でも雰囲気でもなんであれ、全ての刺激を快感と捉え、それを他者にも強制的に共有しようとする、全方位死角無しの拡散型ドM変態野郎なのである。二つ名も虐げるのではなく、狂ったように虐げられたいと豪語する為つけられた恐ろしい輩なのだ。
『ああ、でも目の前で垂涎モノのお仕置きがされているというのにコチラには見向きもしない…。
これは放置プレイか? 嫉妬でも抱かせようというのか? それとも何か?
私自ら「お仕置きしてください」とでも言わせようとしているのか!?
…ふふふ、なんという虐げ、なんという屈辱…! それでこそ我が魂は滾るというモノよ!
中々に底意地の悪い事をしてくれるではないかリアス・グレモリー…。
貴様も素質十分というわけか…。 しかしその程度の事でこの私を籠絡出来ると思うな!
我が変態心、不滅なり! さぁ、私を罵って蔑んでいたぶって下さい!』
知らぬ所で変態に目を付けられ、そして知らぬ間に変態だと担がれてしまったリアスちゃん。同情の念を感じずにはいられぬと共に、リアルな殺意がとどまる事なく湧き出てくる。久々に称号持ちという有権者が出てきたと思ったらとんでもなく濃い奴ブッ込んできやがって。さすがのドライグも眼に手を当ててさめざめと泣いている。ならばお望み通り魂の髄から殺し尽くして二度とそんな妄言吐けなくしてやろうじゃないか。
そう思って全身をふるふると怒りと殺意に震わせながら拳を強く握っていると、こちらに木場ちゃんが近づいて来た。少し困ったような薄い笑みで俺を見据えている。
「キミも怒っているのかな? そうだね、今日はキミのおかげで優勝出来たもの。
チーム一丸となってとかキミは好きそうじゃないと思ってたんだけど…。
僕が思っていたより案外熱いんだね、キミは」
はい? なにやら知らない内に話が随分と進んでいたらしい。
全く話聞いてなかった上に事情も理由も知らない尽くしだから何のことやらさっぱりちっとも分からんちん、この子何言ってんの。一体何の話なんだろうか?
『キレイに勘違いされているな』
あ、やっぱり? 勘違いされてそうなのはなんとなく分かったよ、うん。でもやっぱり俺もドライグも聞いてなかったから話が分からん。役立たずなトカゲは後で逆吊りの刑に処し、変態はみっちりと始末してしまおう。
「僕にはしなくてはならない事がある。その為だけに僕は生きている。
根本から僕を形成しているのはあくまで復讐心でしかないんだ」
先程の薄い笑みを消し、確固たる決意と憎悪の映るその表情。俺の目をまっすぐに見つめる真剣味を帯びたその瞳。いつもの優しげな様子からはかけ離れた木場ちゃんに少し驚いてはいるが、それ以上に。
どうしてかそんな木場ちゃんが泣きたいのを我慢して強がっているようにしか見えなかった。
雨が止む気配はない。 そんな中、僕は傘も差さずに道を行く。思えば主であるリアス・グレモリーに反抗らしき態度をとったのは今日が初めてだ。 僕の為を思って言ってくれているのは痛いほど分かるが、それでも僕の気持ちは収まらない。収まるはずがない、この激情が。
失うはずであったこの命を繋ぎ留め、仲間を、生活を、この名を、居場所を与えてくれた彼女。今こうして僕が生きているのは彼女が僕を死の淵から掬い上げてくれた事に他ならない。感謝、なんて言葉だけでは収まらない多大な恩があるのは確かだ。
しかし彼女に僕の気持ちが理解できる訳が無い。憎悪や復讐心があるのは把握しているが、被害者でも加害者でもない彼女が、同志達が文字通り命を犠牲にして切り開いてくれたことでようやく逃げ遂せた僕の感情が真に理解できる訳が無いのだ、それは仕方のない事なのは分かってる。だが、事情を知っているのに…、と思ってしまう。彼女は何一つ悪くはないのに。こんなものは僕のわがままでしかないが、それでもやり過ごせない感情なのだ。死にゆく同志はその命を犠牲にしてまで僕を逃がしたというのに、僕は逃げる事しか出来なかった、助けることも、共に死ぬ事も出来なかったのだ。これほど惨めなことがあるか。自身の弱さを聖剣同様呪うしか出来ない、なんと情けない。
リアス・グレモリーに拾われてから僕の生活は激変した。師を得る事もでき、剣を教わった。戦う術を教わった。仲間も優しく僕を迎え入れてくれ、同志達も通いたがっていた学校にも通えた。何も出来なかった無力な僕が、僕より生きたかった同志達の得たかったモノを得た。そんな事が許されていいものか、与えられるばかりで僕から何もしてあげられなかった。生き残った僕に出来る事は…。
思い、悩み、たどり着いた答えは復讐しかなかった。それ以外で僕に出来ることなどない、彼らの無念を晴らし、少しでもそれが同志達への餞けになれば…。その一心で今日まで生きてきたつもりだった。
だが、平和な学園生活に慣れていく度にその想いも露骨には表に出なくなっていた。決して忘れたわけじゃない、ましてや薄まるほど軽い感情ではない。しかし優しい仲間と平和な学園生活の雰囲気に浸ってしまっていた。イッセーくんのアルバムにあった写真を見た瞬間にまた憎悪が表に出てきたのがその証拠だ。僕の生きる意味をまた強く再確認させられた。いつまでも仲間に甘えて温い生活に身を任せれる様な安気な立場じゃない。何故僕はそんな事を今更になって…、自分に反吐が出そうだ。
自己嫌悪を荒れ狂う激情で熱くなった頭を雨で冷やしながら歩いていると、目の前で男が倒れていた。神父服に身を包み、十字架をその手で握りしめていたが、顔に生気が感じられない。腹部を斬られたらしく、流れ出る真っ赤な血液が雨に打たれて流されていく。
いったい誰が――、などと思っている矢先に強烈な殺気を感じた。即座に魔剣を創り出し背後から振るわれた斬撃に向かって剣を振るう。甲高い金属音と火花を撒き散らし、奇襲を仕掛けてきた輩を視認する為に間合いを取りながら後ろへ向いた。
白髪に鋭い目付き、にやりと笑う口元。こちらも神父服を着込む、見覚えのある顔立ちの少年。先日の堕天使レイナーレの一件で剣を交えたはぐれ神父。名前は確か、フリード・セルゼンだったかな。相変わらずのふざけた言動や笑みはどうも癪にさわる。
「…まだこの街にいたんだね。 それで、何か用? 今日の僕は至極機嫌が悪いんだけど」
今は言葉も交わしたくない。ただでさえ神父は嫌いなのだ、この手の輩とは関わらないのが得策だ。
「おーいおい、そんな釣れないこと言わないでおくれよぉ! 俺っち寂しくて泣いちゃいそうっ!」
このまま斬りかかってもいいかと隙を伺っていたら、彼の持つ長剣に目がいく。全身に悪寒が走り、本能が逃げろと叫んでいる。かつての記憶がフラッシュバックし、鳥肌が立った。間違いない、間違えるはずがない。悪魔の弱点である聖なるオーラを濃密に発し、闇を照らすかの如く光り輝く刀身。
あの剣を、忘れるわけがない。
「いんやぁ、僕ちんもそこらの神父さんで辻斬りごっこも飽きちゃいまして。新しい刺激がないかとうろちょろしてたらキミとの甘酸っぱい運命の再会しちゃってテンションガン上げでございますよぉ! 僕ちんの暇潰しにちょぉっとブッ殺されてくんない? このエクスカリバーでさ!」
忌々しいエクスカリバーを。
キナ臭いことになってきましたね、本編も。
感想は相も変わらず変態の魔窟です、スタンガンで喜ぶんじゃねぇドM共め。変態発言の方が本編の感想より多いっていう異常な事態に慣れすぎて今更「あれ?これもしかしておかしんじゃね?」ってなっちゃったぞおい。ちったぁ本編の感想も欲しいよ作者は。書いてくれてるひとはありがとうございます、励みになってます。
【一言】
更新お疲れ様です。作者さんがスタンガンを装備した。そのままSMプレイに突入ということですね。作者さんにビリビリされちゃうぅぅぅ(ビクンビクン)。もしくは、作者さんをビリビリしちゃうぅぅぅ(ビクンビクン)。ってことですね。とまぁ、俺と作者さんのプレイ実況(妄想)は置いといて。今日気になったのは一誠のこの一言。「いつまでも責められるのは好きではない」それはつまり、プレイ中は受けと攻めを交互にヤりたいってことですよね。受けも攻めも出来る一誠、同じく受けも攻めも出来る俺、受けでも攻めでも居てくれるだけで俺が喜ぶ作者さん。三人でそれぞれ受けと攻めの欲望を発散させ合える俺達って相性抜群じゃないですかね。何者にも邪魔出来ない究極の絡みが完成しましたね。やはり俺と作者さんは結ばれる運命にあるんですよ、うん。では、作者さんと結ばれる為の式場を探しながらさようなら。
お前は相変わらず過ぎる……。文章だけでここまで作者を弱らせれるのってある意味スゲェよ。なんなの、対作者用兵器なの? 効果ありすぎだろ手加減してくれよぉ…。
【一言】
エースの球に球当たっちゃいましたけど見てるだけでというか読んでいるだけで色々いたいですね。心とか球とか。女性であると思われる作者さんなので痛みがわからないと思います。まぁ簡単にいうと足の小指をタンスに勢いよいぶつけた感じの数倍です。それはそれとして変態を育て変態に育てられた作者さんなら似非変態が分かるのも納得です。それに、スタンガンをがあるなんて似非変態増殖の触媒になるだけですよ。はっ、もしかして父親までが変態の魔の手に…スタンガンなどという変態のご褒美のようなものを作者さんに勧めるなんて。(最近hunter×hunterにはまっているのですがさ作者さんの念能力ってまさか「変態共の終着点(エデンクリエイト)」ではないかと思いはじめた自分は末期)
ついに作者は念能力まで会得したらしい。神器もえげつないし作者意外と強いんじゃね? ていうかハンターハンター読んでないから分かんないよ。しかし、ヒールで股間を攻撃するのも一つの不審者撃退法だと言われてますが、兄にしても最初は痛がってましたが回を重ねるごとに「あ、もうちょっとでなんか開けそう」と清々しい表情で言ってました。ほんとに痛いのかな…?疑問に感じちゃうのでスタンガンで股間に攻撃したら流石にダメージを与えられるんじゃないかと作戦立てています。というわけでパパー、つよーいスタンガン欲しいなぁ?(上目遣い)
次回は何書こう……、さっぱり決まってません。更新はいつになるか分かりませんが、頑張りたいと思います。ではまた次回、さようなら。