なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

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やっと戦闘シーンに入りました。 いやぁ長かった、ここまで来るのに一年以上かかったよ。
原作十七巻も読んだし、ロスヴァイセちゃんが可愛すぎてヤバイ。
第三巻からは結構淡々と進めたいね、うん。
戦闘描写とか苦手だし、下手くそでもご容赦を。
でもでもやっぱり〝なんやかんや〟らしく……、ってね。
二巻終わったら番外編どうしよう。
イッセーくんと匙くんのアホな日常でいい?
それともアキラくんコージくん視点でまたイッセーくんとか書く?
どっちがいいかな?

そんじゃ、ダラっと行くのである。




『なんやかんやで多対一』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よくある物語の主人公達のように『さぁ、やってやるぜ! 俺の力をとくと見やがれ!』

とかそんな熱血さは微塵も無い。

ましてや、『リアスちゃんの涙を見たからにはお兄さんをぶっ飛ばすしかない!』

っていうのも無い。

そんなのキャラじゃないし、いつも通りダラーンとさせてもらおう。

誰それを救う為、とか恩着せがましいのは嫌いだし、あくまでこれは俺の為。

マイペースが一番ラクチンなのである。

 

さて、目の前には女の子が十数人、野郎が一人。

これから喧嘩なのであるが、どうやって遊ぼうか、悩み中なのである。

 

 

『圧倒的な力を見せつけて叩き潰し奴らのプライドを砕き踏みにじり高笑いでもするといい。

 そして絶望と恐怖に満ち溢れた奴らを羽虫を踏み潰すかの如く無機質に殺してやれ、

 そうだそれがいいそうするべきだ』

 

 

悪趣味過ぎるだろトカゲちゃーん。

イイ感じにクソ野郎じゃんかそいつー、でもちょっと楽しそうとか思ったのは秘密。

でもでも、舐めた口利いてくれた落とし前はつけさせてもらうけど。

 

さて、眷属の女の子達、それはそれは愉快で奇怪で個性的な皆さんである。

いかにもなローブを着込んだお姉さんとか、チャイニーズな子とか、完全ロリな双子とか、

騎士っぽい鎧と剣装備の人とか、仮面付けた格闘家っぽい人とか、

相も変わらずお嬢様テイストな縦ロールちゃんとか。

見事なまでにコスプレ集団ですね、分かります。

お兄さんの将来の職業はイメクラ経営者にしか思えないが言ったら怒られそうなので黙っとく。

しかしあの、頭は空っぽで下半身に思考回路が搭載されてそうなお兄さんのことだ、

彼女らのほとんどがお手つきなんだろう。

え、もしかしたら実の妹にも手ぇ出してんのかな。

だとしたら守備範囲広すぎるぜお兄さーん。

 

 

『血が繋がってる家族とか……、ウホッ、大好物でしゅ!』

 

 

先輩(変態)は黙ってろ。

 

 

「なんだなんだ、俺の眷属達を見て……。 羨ましいのか?」

 

「お兄さ――、いや、遺伝子散布機さん」

 

「馬鹿にしてるのか! 言いたい事があるならハッキリと言え!」

 

「お兄さんのエネルギーって全部下半身に行ってんの?」

 

「殺せ!!!!」

 

 

だって相手は十数人だよ? 超大変じゃん。

ハッキリ言えって言うから言ったら逆ギレされた、ワケワカメ。

そしてお兄さんの命令に、十人くらいが俺に向かって飛びかかってくる。

得物も自らの拳が武器って人もいればデッカイ剣の人もいるし、

挙げ句の果てにはチェーンソー振り回しながら近づいてくる双子まで。

…チェーンソーは見たことなかったなぁ、喧嘩で使う奴。

 

 

『兵士、騎士、戦車は前衛、僧侶と女王と王は後衛らしいな。

 実に典型的でありきたりだ、何の面白味もない。

 軽く叩き潰してやれ相棒、そして奴に真の絶望を…!』

 

 

もう完全にさっきのこと根に持っちゃってるトカゲさん、何を見ても辛口判定である。

今回は実力を見せつけるという主旨だ、小細工無しで叩き潰すのがやっぱり効果的だろう。

取り敢えずは一撃でド派手なのをばーんってやるよりか、手数で行った方がいい。

苦戦せず状況と敵に応じて的確な対処と余りある力を見せる方向で殺ろう。

だから必死こいて本気でやらない方がいい、

こいつら如き余裕で倒せるくらいには強いぜ俺って印象を与えたい。

その方が交渉材料として際立つ。

 

 

まずは双子に結構本気な速度で近寄って、

認識される前に二人のチェーンソーのチェーン部分を握って引き千切る。

チェーンの回転よりも速く手を動かせれば怪我する事もない、まさに一瞬の間だ。

そのまま双子の間に入って左足を軸にして、体を回転させながら二人を蹴り飛ばす。

もちろん他の敵がいる方向にである。

そして次の敵の所へと向かう為、俺はすぐに地を蹴った。

一定の場所に居着く、留まるという事はしない。

移動後に攻撃、また即移動の繰り返しだ。

そうすれば下手な後衛の援護射撃は出来ないだろうし、したとしても――。

 

 

「喰らいなさい!」

 

 

敵を盾にしてやればいい。

ローブを着たお姉さんが何かを飛ばしてきたが、わざわざ喰らってやる必要も無い。

棒を持って突撃してきた女の子の足を掛け、武器である棍棒を蹴っ飛ばし、

バランスを崩した所で蹴り飛ばした双子の片割れがその子とぶつかった。

思惑通り、二人は完全にパニックである。

俺は二人を軽く持ち上げるように蹴り上げ、ちょうどいい高さにしてからその子達の影に入る。

飛んできた魔法の射線上には棒を持った子達がいる訳で、二人に直撃。

 

物凄い爆音と共にその女の子達は光に包まれて消えていった。

ゲームで戦闘不能になった時の措置だそうだ、つまりはあまりに過剰な攻撃をしない限り、

滅多なことでは死なないということだろう、何それ便利。

敵の全員はフレンドリーファイアに動揺し、消えゆく仲間達を見ていた。

甘い、味方が殺られた時こそ攻撃のチャンスだというのに。

仲間を見たという事は俺から視線を外したという事だ、そして攻撃により発生した爆音と爆煙。

気付かれずにこの場を移動するにはもってこいである。

恐らくこの場の誰よりも俺の移動速度は速いだろう、ならば気付かれる前に殺る。

 

 

もう一人の双子の突撃を喰らったチャイナ服を着た女の子の背後を瞬時にとり、

背の肩甲骨の間より少し下の部分に裏拳を喰らわせる。

活殺という人体の急所の一つである。

攻撃に対し意識もしておらず、

無防備でクリティカルヒットの攻撃を急所に喰らえば一溜まりも無い。

ガハッと血を吐きながら光に包まれ消えていく。

ついでに双子片割れには鳩尾にエルボー、この子も光に包まれて消える。

その近場にいた前衛の数人を巻き込みながらまとめて叩き潰した。

 

 

さて、ここで一旦俺は停止し、姿を完全に敵全員に見せ付ける。

瞬く間に、何をされたかも分からないまま味方が半数倒され、無傷の敵が平然と立っている。

動揺、狼狽、恐怖、疑惑。

そういった感情が少しずつ芽生えてきただろうか。

多対一とは、計算が必要である。

いかに無駄なく効率的に敵を消せるかが勝利の鍵となる。

これで敵も油断はしなくなっただろう、全力で来るに違いない。

再度位置を編成し直したお兄さんと眷属諸君、全員が俺の動き一つ一つに警戒している。

 

 

さて、ここで一つ。

一点に集中している際にその集中が乱されればどうなるだろうか。

答えは簡単、隙が生じる。

先程のやり取りで蹴っ飛ばした棍棒がバトルフィールドの壁に衝突。

衝撃というのは重さ×速さである。

重量は大した事ないが、かなり強めに壊さない程度で蹴っ飛ばした。

なので音速を超えた棍棒が当たった部分の壁が崩れ、

お兄さん達の背後から意外と大きな音が鳴る。

そして警戒している方向と真逆の背後から音が発生し、一瞬意識をそちらに向けたお兄さん達。

しかしその一瞬で十分だ。

 

身を低く屈め、大地を蹴っ飛ばし、停止(ゼロ)から最高速(トップ)へ。

空気を裂く程度じゃ遅い、大気を貫通する程の速度で飛び出した。

ここでいきなりお兄さんを狙う。

敵の大将に突然危害が加われば、倒されずとも一瞬動揺するだろう。

勢いを殺さず腰を捻りながら、拳を握りしめて前へ前へ。

狙うは無防備な顔面だ、一発叩き込んでやる。

 

握り締めた右拳を振りかぶり、腰を捻って狙いを定める。

お兄さんの顔面へと拳を突き出し、思いっきり振り切った。

すると、パァァン!という甲高い破裂音が鳴り響き、お兄さんの頭部全体が消し飛んだ。

 

…あ、ヤバイ、殺らかした。

 

 

「ラ、ライザー様ッ!?」

 

 

やっと事態に気付いた周りの女の子達は、頭部を失って倒れたお兄さんに駆け寄る。

そして俺に再度警戒心を向けるが、今度は怒りやらの感情も混ざる。

うーん、仕えてた主が目の前で頭ぱーんってなったらそりゃ恨みもするか。

どうしよう。

 

 

『目を瞑って唸っている所に悪いが、終わってないぞ』

 

 

頭部のブッ飛んだ死体でも踏みつけろと?

お前、俺より酷くない?

どんだけキレてんのさ、もう殺しちゃったんだから残った体の方から血やら内蔵やらを、

新鮮な内に取り出してから捌く裏ルート探すことが先決でしょ?

 

 

『そうじゃない、相棒の方がよほど酷いぞ……。奴はフェニックス…。 

 つまりは不死鳥、その家名に恥じんだけの能力を有しているという事だ』

 

 

はい?

いやいやそんな中二な家名を持ち出されてもイッセーくん困っちゃう。

 

なーんて思っているといきなり背筋がぞわっとした。

十七年間兵藤家で培ってきた危機察知の本能が今まさに反応したのである。

お目々を開けると視界いっぱいに広がる熱そうな炎。

え、やだ、こっち来てるよ、ものっすごい勢いで。

熱そうだなぁ、でもでも普通の炎くらいなら喰らっても大丈夫――。

 

 

『フェニックスの炎はドラゴンの鱗にすら傷を付ける。 喰らうのは得策じゃないと思うが』

 

 

早く言えやクソトカゲ。

後ろに下がっても勢いの付いた炎は避けれない。

左右にも広がっていて、範囲としては本気を出せない俺の速度ではギリギリ避けれるかどうか。

ならば上である。

足に力を込め、大地を蹴りつけて宙に舞う。

高さ的には15メートルくらいである。

だが空中ということで奴らからは格好の的になってしまっている。

その上倒したのは前衛のみ、遠距離、中距離攻撃のできる後衛布陣は全員健在なのだ。

いつの間にやら頭部が再生してるお兄さんと縦ロールちゃんの出した炎の塊、

ローブを着たお姉さんの爆発する変なの、

魔法使い気取りな服装してる女の子が放ったおかしな光る謎の物体やらなんやら。

確実に全ての攻撃は直撃コースで俺に向かって一直線、狙いがいいね。

でも、素直に喰らってやるのは面白くない、ならどうするか。

 

 

そう、こんな時こそ謎の万能エネルギー、魔力とやらの出番なのである。

魔法陣を通してやることで様々なモノへと変貌を遂げるこの魔力。

時には火に、時には水に、時には雷に、時にはよく分からんもんに、

頑張れば次元だって超えちゃう意味不明で未知のファンタジーな力なのである、まる。

 

俺はあまり魔力の扱いが得手ではないので、大雑把な運用しか出来ない。

だがこの場合は大雑把で十分らしい、まずは魔力とやらが俺の体を包むイメージをする。

魔力の使用において大事なのはイメージらしい。

なるほど、中二病に必要不可欠な妄想ということか。

任せろ、お年頃な男子高校生なら妄想なんてお手の物さ。

後はイメージ通りに魔力を動かすだけでいいらしい、おい魔力はどうやって動かすの。

動かし方が分かんねぇんだよこのすっとこどっこい。

そう愚痴を漏らしていると、攻撃が当たる直前に真っ赤なモヤモヤが俺を瞬時に包み込んだ。

イメージが明確だと、後は勝手に魔力が動いてくれるらしい。

流石中二界の万能エネルギー、魔力なのである。

そして最後に俺を包んでいる魔力とやらの密度と硬度を上げるイメージ。

エネルギー体を物質化するイメージが分かり易いだろうか。

 

 

ズドォォォォォォォォォォォォンッ!と腹から響くような爆音が鳴り響く。

だがしかし、俺は無傷である。

俺の魔力はアホみたいに多い為、

そんじょそこらの攻撃の百や二百なら魔力展開しただけで絶対防御らしい。

どんな密度で出してんのコレ、熱くもないんだけど。

爆炎とものすごい煙に包まれながら俺は爆発の勢いでカチ上げられ、そして落ちていく。

そう、まるで夏の風物詩、花火の気分である。 

何処か切ない気持ちになるのはどうしてだろうか?

 

しかしこれは好都合、全弾が直撃したのを確認した為か、追撃が来ない。

俺を仕留めたと思った様である。

そして今の俺は炎と煙に包まれて向こうからは視認できないであろう。

不意を突くなら絶好の機会に違いない。

 

 

そして俺は空高くから落ちながら俺を中心に巻き起こる炎と煙の中で、

お兄さん達のいる方向に向き直り、再び拳を固く固く握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、読者様に話の内容が理解されないというのは少し悲しいモノがあります。
いつイッセーくんは腕力を用いて交渉をしたのでしょう、意味不明。
イッセーくん、頑張って頭使ったと思うんですが、何処で腕力使ったと思われたんだろうか。
謎である。

いきなり作者のパッパラパーな頭の疑問を詳らかにしてみた所で、後書き始めましょう。

【一言】
更新お疲れ様です。今回も楽しく読ませていただきました。これを読むと「やっぱり女の子なんだなぁ」と実感いたします。何故かって?そりゃあここまで登場人物の黒い部分を考えられるのは常に性別を問わず『人』と会話の中で駆け引きをしている『女』の部分が見えるからですよ。やっぱり女って怖いですねw次回も楽しみにしております☆

え、そんなに黒い事書いてる!? 作者的にはかなり抑えてるつもりなのに!?
いやもっとエグいリアルな事書いてみようかとか思ってみたけど、
基本ギャグなのにそんなの書いたらなんか嫌でしょう? なので自重してみました。
が、結構男っぽい文章を意識して書いてたつもりですが……、うーん、難しいね。

前回の前書き後書きでキツイ事書いてたりしましたが、
作者を擁護してくださるような感想を送ってくださった方がチラホラ。
ありがとうございます、作者はそんな方々の支えあってコレが書けてます。

【一言】
ストーカー殺人怖いですよねホント警察仕事しろと言いたくなります。ですが安心してください地上に現れた女神である作者さんに変な奴が寄り付かないように我々84万5031人の「作者さん信者」が24時間365日作者さんを見守っています、ですので作者さんはなにも怖がる必要などないのです。

うーん、ストーカーより君らの方が怖いよね。ちょっと待って見守るってもう作者特定してんのかよ何処で情報洗って出しやがったこの変態め!

【一言】
とりあえず一言<未だにカップリングを議題に出すなど古いわ!>これを見て思った
【作者さんも初期に比べてだいぶ染まってきましたね】と(ニヤニヤ

馬鹿め、日本語を勉強し直せ。染まったんじゃなく対応に慣れたっつうんだよこのお馬鹿さんめ。
もう即座に変態発言をサラッと流せるようになっちゃったわ、誰かタスケテ。

【一言】
更新お疲れ様です。遂にムーンウォークを極め、後ろを振り向かずとも危険物を察知して避けれる様になった今日この頃。街中をムーンウォークで闊歩してると警察の方に職質されました。内心大分焦りましたが、「愛する人に、想いを届けに行くんです...」、と答えた所涙を流して敬礼しながら見送ってくれました。日本の警察はとても優しいんだと再認識した瞬間です。機動隊の方々も優しい人が多いと嬉しいです。いや、俺の愛の大きさと深さを知ればきっと見送ってくれるはずだ。みんなの一誠君でイケナイ事を考えるサーゼクスなんて死すべし。そして俺の作者さんの作品にケチをつける輩も死すべし。作者さんのハートはガラスよりも脆いんだぞ!前書きと後書きでは強がってるけど、家では涙で枕を濡らしているに違いない。作者さん、待っていて下さい。俺の胸で良ければいくらでもお貸ししますよ。さぁ、今すぐ飛び込んで来て下さい。俺が優しく慰めてあげましょう。大丈夫です。初めては痛いと言いますが、出来るだけ優しくします。すぐに気持ち良くなれるはずです。では二人で行くためのホテルを予約しながらさようなら。P.S.作者さんが涙で濡らした枕。いくらで譲って貰えます?

……………………………………………………うーん、二百万かな!
とりあえずその警官さんはお仕置きしてやる。変態を見逃すんじゃありません、ぷんぷん。
日本中のこの小説読者な変態がムーンウォークを練習してる夢を見てしまった作者。
もう街を歩くのが怖いよ……。機動隊の方は直ちに出動を! それがダメなら自衛隊かSWATを!

はい、前書きでも書きましたが、番外編どうしよう……。
イッセーくんと匙くんのアホな日常でいい?
ではまたさようならー。




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