なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

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いやー、前回の感想でイッセーくん格好良いみたいな感想がチラホラと。
はい、この小説の主人公がそんな格好良い訳がありません。
どことなく締まらない奴、やっぱり彼はこうでなくちゃ。


ではダラっと行きまっせ。




『なんやかんやでカチコミ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は扉を開けた。

光る扉を、迷いなく開けた。

 

これから行くのは俺にとっては戦場だ、覚悟を決めた、腹も括った。

よし行こう、自分の成すべきモノの為に。

 

 

扉をくぐり、視界に入り込んできたのは広大かつ禍々しき景色。

紫色の空、ドス黒い雲、満ちる魔力。

そして感じるのは心地よい風、そして体全体を包み込む浮遊感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………浮遊感?

 

 

 

 

 

そう、ドアからの転移先は空中だった。

いやいやいやいや、かなり高いんだけどここ。

落ちてるもん、現在進行形で速度を増しながら落ちてるもん俺。

風が心地いいとかいうレベルじゃないよ、寒くなってきたよ。

どゆことコレ。

 

 

『高さの座標を間違えたんだろうな。 下を見てみろ、披露宴会場だ』

 

 

……天井に激突して侵入しろと?

いやそれもはやカチコミ通り越してテロじゃん。

俺色々と悪さはしてきたけど、テロは流石にしたことないよ。

貴族が開いたパーティに天井からズドンでこんにちはとかホントにシャレにならんじゃーん。

え、やだ、ウソ、このまま落ちるの?

パラシュート無しのスカイダイビング続行するの?

なんとかする方法無いの?

 

 

『無いな。 まぁ相棒なら死なないだろう、激突の瞬間に気をしっかり持てよ』

 

 

ドンドン近づく披露宴会場として使われている豪華な建物。

恐らくヤラカシやがったのは先輩共だろうから、奴らへの呪詛を呟きながら――。

 

 

――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!――

 

 

墜落した。

 

まさに人間砲弾な事やらかしちゃったので、流石の豪華な会場も耐えられなかったみたい。

崩れた屋根の瓦礫の山の頂辺で、俺はぐったりと寝そべる。

 

 

「……二度とドアに魔力なんて込めるものか…」

 

 

仰向けのまま俺はボソッと呟いた。

痛くはないけどコレは酷い、周りの人達も引いちゃってるもの。

ヤバイ、恥ずかしくてもう帰りたくなってきた、帰っていいかなぁ。

こういうのって俺締まらないなぁと自分で呆れかえるイッセーくんなのであった、まる。

 

 

「貴様、何者だ!」

 

「ここが何処だか分かっているのか!」

 

 

シュバッと出てくる衛兵っぽい人達。

わらわらウジャウジャ、鬱陶しい事この上ない。

俺だってね、なにもこんな登場の仕方したくなかったよ。

こう、スマートかつスタイリッシュにシャキーンって登場、みたいな?

 

 

『水を差す様で悪いが、キザったらしい真似など相棒には似合うまいよ。

 どちらかと言うと相棒は童顔だからな、幼げな顔立ちで格好付けても背伸びにしか見えんぞ』

 

 

確かに。

そこに突っ立てる金髪ヤンキーお兄さんみたいにやたらと格好付けても俺には似合わないか。

お兄さん、なんだかんだ言ってもイケメンさんだもんね、一応、様にはなってるもの。

うん、俺ってカッコイイ系じゃないもんね。

流石は日本人、顔が幼いのはデフォルトなのである。

 

披露宴の招待客達は皆一様に口をポカーンと開けて驚いている。

俺もポカーンってしたいよ、まさかこんな恥ずかしい事になるとは。

今の状況を理解出来てる人はほんのひと握りみたい。

俺はキョロキョロと辺りを見渡し、お目当ての人物を発見。

その人に向かって歩き出すと、衛兵さん達が俺の前に立ちはだかった。

 

 

「貴様、何処へ行こうとしている!」

 

 

槍の切っ先を俺に向け、殺気を出して威嚇してくる衛兵さん。

しかしながら、彼らはまだまだ甘いと言わざるを得ない。

まず第一にこんな重要な式典の際、

俺の様な不確定要素、危険分子を会場内に入れてしまった時点でアウト。

第二に、俺を発見したら言葉を飛ばす前に拘束するなりしてまず対処するのが先決。

抵抗したら殺すのが定石ではないだろうか、貴族社会なんてそんなシビアでハードな所だろう。

そして最後に、得物を向けた相手が悪かった。

 

 

「邪魔」

 

 

思いっきり本気で睨む。

俺は魔力?操作が壊滅的なほどにド下手らしく、

感情によって漏れ出る魔力の起伏が激しいらしい。

つまり無意識下であっても、

今の様に本気で睨むだけで相手には魔力による圧力?が掛かるらしいのだ。

ふむ、自分で言っててアレだけど、さっぱり意味が分かんない。

まぁ、今のところは威圧出来るって認識で良さそう。

でもでもあんまりやりすぎると、

いつかの魔獣とやらみたいなミンチに大変身を遂げてしまうらしいので注意。

どこの精肉所なら買い取ってくれるだろう、そのミンチ。

 

 

衛兵さん達は怯んで動けなさそうなので、俺は目的の人物に向かってテクテク。

絢爛豪華な衣装を身に纏い、深みのある笑みを浮かべながらその人は俺を見据えている。

今回ばかりはアンタの手のひらの上で踊ることにしたよ。

今の俺にはそれしか出来ないし、

それがこの状況を打破できる唯一にして、最良の選択だと思うから。

アレを読んで、俺の考えなんてとうにお見通しなんでしょ?

 

 

「私に、何の用かな? 兵藤一誠くん」

 

 

白々しい。

敢えて俺に聞くって所が意地悪だ。

絶対腹黒だねこの人、お友達にはなりたくない人種の一人だね。

 

 

「あー、えっとー、なんだっけかな……。あ、そう、お返事聞きに来たんだ。…魔王さん?」

 

 

そう、リアスちゃんのお兄さんである。

彼は魔王という役職についている、詰まる所、この業界のトップに君臨している。

この人に逆らうことが出来るのは、同等である他の魔王の三人だけのはず。

ならば俺がコンタクトをを取るべきに人はこの人以外有り得ない。

なんたって、リアスちゃんの実兄だし。

 

周りのおっさん達が、

「貴様人間の分際で魔王様に話しかけるなど!」的なブーイングを飛ばしてくる。

しかし野次馬など今は無視無視、イッセ―くんは気にしません。

そして一度は濁して何事も無かったかの様に淡々と言うのがミソである。

こちらにとっては極々自然で当たり前、正当な事をしているつもりだと相手に思わせる為だ。

催促してる時点でちょっと礼儀作法には欠けるけど。

 

 

「ああ、グレイフィアから受け取ったよ、あの手紙。

 内容は……、実に興味深いの一言に尽きるね。

 君の持つアドバンテージを存分に発揮できる、君ならではの策だ」

 

 

俺がメイドさんに渡していたのは、この魔王なお兄さんへの手紙、というより要望だった。

内容としては至ってシンプルである。

 

 

「魔王である私と、契約したい……、か。 いやはや、コレには私も少し驚かされたよ」

 

「なッ! 馬鹿な、貴様たかが人間が魔王様と契約など! 恥を知れ!」

 

「身の程を弁えよ人間! 

 魔王様という高貴な御方が貴様の様な下賎な輩の相手をする訳が無かろうが!」

 

 

魔王といえども悪魔の一人。

最も偉い悪魔だとしても、悪魔稼業をしてもおかしくはない。

まぁ相手は相当のVIPに限るだろうけど。

 

ヤジは概ね予想通りの反応が返って来た。

しかしヤジはあくまで外野の人の言葉、放っておけばいい。

だって決めるのはお兄さんなんだから。

そして最高権力者である彼の決定には誰も逆らえはしないのだから。

 

 

「みなの言う通り、私は魔王だ。 

 一組織のトップたる者、ただの人間相手においそれと契約を結ぶわけにはいかないね。

 悪魔全体が軽く見られてしまう、それは我々としては面白くない。

 いくら君が私と顔馴染みで、妹と懇意にしていようと、コレはそう簡単に曲げられない」

 

()()()じゃなければいいって事?」

 

「そうだね、君が魔王である私と契約を結ぶに値する、

 君だけのアドバンテージ、有用性があれば話は変わる。

 君にはあるんだろう? 自分だけのモノが」

 

 

敢えて俺の口から言わそうとしている。

俺の逃げ道を無くす為、そして周りの奴らを黙らせる為、理由としては数多くある。

しかし一度それを口にすれば、俺はこの人からもう逃げれない。

覚悟でも試してるんだろうか?

もしそうならば、彼は俺を甘く見過ぎているといえるだろう。

彼は〝力〟を持っている。

権力、財力、知力、武力、魅力。

どれを取っても凄いの一言だろう。

だが、だがしかし、それらのモノだけで俺を縛ろうとは片腹痛い。

 

 

「赤龍帝、それが俺の持ってる手札(カード)だよ」

 

 

サラッと間髪入れずに言ってやる。

少々お兄さんも面を喰らっている様子だ、若干目を見開いている。

分かってるよ、俺が言った言葉の意味は。

 

中二だよコンチキショー、仕方ないじゃん、もうこうするしかないんだから。

郷に入っては郷に従え。

中二の世界の問題に首を突っ込むならばコチラも中二病になるしかない。

これで俺も中二病患者の仲間入りだよ満足かコラ。

赤龍帝とかもう口に出すだけで恥ずかしい、もう痛々しくて見てられないよ。

そんな明らかにに頭の中がファンタスティックなことになってる、

イカレた妄言ほざいてるおバカは誰だ。

まったくもう恥ずかしい、ああ嘆かわしい。

って赤龍帝名乗ってるのは俺だった、ちょっと軽く死にたい。

 

こうならない様に気を付けていたはずなのだが、中二で疫病神なトカゲちゃんを宿した業は、

そう易々と回避出来ないらしい。

これは後でドライグを惨たらしく完膚無きまでに惨殺せねばなるまい。

覚悟しとけや爬虫類。

 

 

でもでも、これで俺を制御出来るとは思わないことだぜお兄さん。

誰にも手綱など持たせてやるものか、じゃじゃ馬なんて可愛いもんじゃないぞ。

暴れて暴れて暴れ尽くして手に負えないくらいに好き勝手してやる。

手放そうとしても最早手遅れになるくらい振り回してやる。

だから今回は潔く、負けを認めよう。

だからお兄さんを利用しよう。

さぁ、乗ってこい。

精々痛手を追わないように気を付けて。

 

 

「ほう、もし君が本当に赤龍帝ならそれは是非とも契約したいものだ。

 だがいくら本当に赤龍帝だとしても、弱いのでは話にならない。

 どうかな、その天龍の力、今此処でこの私に、会場の皆に見せてはくれないだろうか?」

 

 

暴れてやるさ、この力尽きるほど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







【一言】
作者さん頑張ってください!確かに私も変態です。作者さんをprprしたり、hshsしたりしたいです!縛って、監禁したいです!でも、それで作者さんにフラストレーションを与えるわけにはいかないと考えているんです!我々は作者さんを崇め、奉り、信仰する信奉者なのだから!故に感想欄にいる変態諸君!卿等はその程度の変態なのか!卿等ならば至れるはずだ!女神を崇めるコズミック変態メルクリウスのような存在に!我々は到達すべきなのだ!その極地に!さあ、卿等も女神と共に行こう!女神を至高天とす世界へ!我等が変態の日(Dies irae)はすぐ其処だ!

どうだい? 凄く変態だろう? でもこんなのがいっぱいいるんだぜぃ?
はっはっは、そうビビるなよマイケル、人生諦めが肝心だぜ?(←白目)

はい、いきなりです、すいません。始まりましたよ変態蔓延る後書きが。
今回は凄いですね、かなりレベルが高くなっており、数も増えております。
そろそろ変態がHENTAIになってもおかしくありません。

【一言】
更新お疲れ様です。えぇまだです。まだ成長します。俺の限界はこんな所じゃありません。俺はもっと上を目指すのです。この作品を私よりも早くから読み始めて感想を書き続けている先輩方(変態達)の後輩として恥じない程に成長しなければいけないと思っているので。そもそも限界とは何か。その人が諦めたらそこが限界なんじゃないのか。つまり諦めなければ限界なんて無いんだよ!俺はまだ諦めない。そう、諦めなければその先に辿り着ける。きっと、作者さんと結ばれる未来があるはず。次元を越えても届かない?きっと元から違う次元に居たに違いない。つまり次元を越えたことでより距離が縮まったはず。地平線より向こう?作者さんは俺がいる方とは逆方向に地球を一周回ってるんですね。それはつまり作者さんが俺の後ろから近付いて来ているということ!なるほど正面から俺と会うのが恥ずかしかった訳ですね。作者さんは意外と照れ屋なんですね。これは気付かずに申し訳ありません。少し配慮が足りなかったようです。他に何か俺に伝えたいこととかありませんか?色々困ったり、疲れたりしているよですし、俺で良ければ相談に乗りますから。では作者さんが気持ちを落ち着けて俺の所に辿り着いてくれるのを待ちながらさようなら。P.S.照れ屋な作者さん、羞恥プレイってどう思います?

…………つまりは変態ってことですね、分かりま――…分かりたくない!
ブレーキとか停止とか後退という単語を辞書で調べて是非とも実践してください。
そしたらパンツあげます、兄の。

【一言】
お久しぶりです!!最近感想書けなくてすみません………リアルが忙しくて……。それにしても……相変わらず変態が多くて困ってるみたいですね。私もリアルで変態が近くに居るので、ストレスが半端じゃないくらいに堪っていきます。最近は兄がもう本当に病院に行った方が良いくらいに童貞を捨てさせてくれ、って迫ってくるんです。下着を盗むのは最早日常茶飯事ですかね。下手すれば白い液体がこびり付いた私の下着一式がベッドの真横に置いてあったりします。………私の貞操………奪われないよね?寝込みを襲われないよね?(泣まぁ、姉の方は変わらずにベッドインしてくるんですが………。あ、最後に変態の相手お疲れさまです。

下着が無くなり、突如消えた下着がガピガピになって帰ってくるのは兄を持つ妹の宿命だそうです。
状況を改善するには兄を亡き者にするほかありません。 兄=変態なのですから。
お互い頑張りましょう。

そして彼が帰ってきてくれました。
【一言】
嗚呼、嗚呼 作者さんのストリップショーが見たい!!恥じらいながら顔を赤くしてチラチラこちらをうかがいながら上着から一枚一枚焦らしながら脱いで見えるか見えないかの瀬戸際を垣間見ながら興奮して鼻血を出してテクノブレイクして逝きたいっ!!フゥ今までのぶん吐き出したぜ

はい変態。 もう願望がマニアック過ぎて何を目指していらっしゃるのか皆目見当もつかねぇや。
変態は進化するモノと聞きますが、彼にもまた上の段階が存在するのでしょうか。
観察して論文出したら表彰モノじゃね?的な考えも……。

はい、作者を神と崇め奉らんとされていらっしゃる方も存在し、
これからも変態共の憩いの場を創り出せとのご感想も。
ふむ、まずは中枢組織を作って信者を増やし、着々と変態を増加させてゆくゆくは世界征服?
みんな変態になれば怖くないってか? なにその変態補完計画、怖ぇよ。

長くなりましたが、こんなもんでしょう。
さて次はイッセーくんがカマしてくれます、まだバトルじゃありませんが。
ではまた次回、さようなら。

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