なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
誠に勝手ですが、今しばらくお付き合いいただければと思い、感じている所存であります。
さて、今回は本作初なのではないでしょうか。
作者、黒鬼が本気で書いてみました恋愛描写。
稚拙なのは重々理解してはおりますが、それでもコレは頑張りました。
ご感想頂ければ幸いです。
それでは、ダラっと行こ?
私――リアス・グレモリーは混乱している。
自分の中に霧がかかっているかのように、しっくりと来ないのだ。
自身の感情が、状態が理解できていない。
先日のレーティングゲームで負けた私は、ライザーと婚約しなければならない。
その婚約披露パーティーの控え室に私はいる。
正直、嫌で嫌で仕方がない、今すぐにでも逃げ出したいほどだ。
だが、そんな事をすればグレモリーの名に、魔王であるお兄様の顔に、
そして何より私の眷属達に泥を塗る事になる。
実質逃げ場はない。
元々あのゲーム、いろいろとコチラに不利な条件が多くあった。
あの子が交渉してくれなければ、もっと悲惨な目にあっていたであろう。
ゲーム未経験で眷属も全員揃っていない私と、ゲーム経験豊富で眷属はフルメンバー、
その上『王』は不死の特性を持つフェニックス。
勝ち目など、最初からほぼ無かったのだ。
しかし、文句をどれだけ重ねようとも、状況は一切変わらない。
私自身を見てくれない人、私が望んだわけでもない人との結婚。
怖い、怖くて仕方がない。
自分が何なのか、誰なのか見失ってしまいそうで怖いのだ。
私だって年頃の女だ、何も思わない訳が無い。
魔王の妹、グレモリー公爵家の次期当主、
御大層な肩書きが付こうとも〝個〟というモノは私にもある。
決して〝全〟ではない、意思がある、想いがある、……個人の感情だってちゃんとある。
私が力及ばずなばかりに、肩書きに振り回されている事ぐらい、嫌というほど理解している。
それにあの子に何度も指摘された通り、私は全てにおいて考えが甘かった。
何かを得る為勝ち取る為ならば、何かを失う、何かを捨てる覚悟が必要だったのだ。
全てを丸く収めるなんて考えは理想でしかなく、現実は酷いくらい冷たく厳しい。
これではアーシアを世間知らずだなんて言えたものではなかった、私もなのだ。
結局は物事の明るく綺麗な所しか見ていなかった、
暗く汚い、裏の部分まで知ろうとしなかった。
その甘さの結果がこの状況だ、他の誰でもない、私自身の失態だ。
勝ちたいのなら、勝つ為にどんな手でも使うぐらいの気概で挑まないと、
勝てるものも勝てない。
その気迫が足りなかったのが敗因として最も大きい所だと自己解析する。
こんな憂鬱な私が考えるのは、あの子の事ばかり。
サボり癖のあるあの子はちゃんと学校に行ったのか。
そもそも惰眠を貪る事を何よりも至上としているあの子は朝起きれたのか。
学校で悪さをしていないだろうか。
そんな過保護な考えがグルグルと頭の中を駆け巡る。
もう可愛くて可愛くて仕方がないのだ。
気になって気になって、傍に置いておくのがいろんな意味で一番安心出来る。
ああ、ゲームが終わって三日経つが、あの子とまだ会えていない。
私がゲームに負けたのも、もう知っていることだろう。
あの子は何か思ってくれるだろうか?
怒ってくれるだろうか、悲しんでくれるだろうか、悔しがってくれるだろうか。
……いや、あの子は生粋のめんどくさがり屋だ、他人事で心は動くまい。
そう思うと、胸に棘が刺さったようにチクリと痛む。
もし彼がこの件について何も感じていなかったら――、そう思うと怖いのだ。
会いたくて仕方がないのに、会いたくない。
顔を見たいけど、その反面、顔を見るのが恐ろしい。
あの子に触れたい、でも触れられるのが怖い。
そんな、どうしようもない心のジレンマ。
私はあの子のことを一体どう思っているのだろうか?
そう考えるとモヤモヤする、何なんだろう、この気持ちは。
私とあの子が初めて出会ったのは深い森の中、当時の私は六歳だった。
ソーナが家に遊びに来ていて、その頃から魔法などを詳しく勉強していた私達は浮かれていた。
魔法が使えるというだけで、自分がとても強くなったように感じ、
肝試しとしてソーナと魔物の森に入った。
魔物の森は危険な魔獣が多く生息しており、
上級悪魔でも入る事すら煙たがる様な危険区域指定されている場所だ。
そんな所に少し魔法が使える子供二人だけで、私達は入っていった。
グレモリー領の近くにあるその森は、肝試しには最適だと思えたのだ。
そして運悪く、森の主に遭遇した。
最上級悪魔でも戦闘はなるべく避けるほどの強さを誇る凶悪な魔獣。
体格も大きく、森に住む数多の魔物の中でも別格の強さなのでそう呼ばれていた。
流石に六歳の私達は怖くて何も出来ず、ただただ怯えることしか出来なかったが、
タイミング良くグレイフィアが助けに来てくれた。
突然屋敷から消えた私達を追って来てくれたそうだ。
森の主も確かに強いが、グレイフィアの方がまだ強い。
一対一でならまず負けないだろうが、そこには私達がいた。
足でまとい二人を守りつつ、凶悪な森の主と戦うのは非常にまずい状況だった。
しかしだ、そこであの子が現れた。
森の主とグレイフィアが睨み合い、牽制し合っている間の空間が少し捻じ曲がり、
突如あの子が現れたのだ。
私達が驚愕していると、あの子は冷静に森の主の方を向き、何かをした。
何かは分からなかった、私達は気絶したのだから。
途方も無い量の何かに押さえつけられるかの様な圧力を感じ、あえなく気絶。
気が付けば屋敷の自室にソーナと共に寝かされていた。
目が覚めると、そこには
これでもかというほどこっぴどく説教された後、
私達を助けてくれた男の子にお礼を言いに行かされた。
しかし、助けてくれたといってもあの子は私達よりも年下の子供、
時間を稼いでくれていたのだろうか?
その隙にグレイフィアが森の主を倒したのだろう、という見解に当時の私達は行き着いた。
お礼を言った後は、遊びに誘った。
誘った遊びはおままごと、男の子であるあの子にはつまらないモノだったかもしれない。
しかしあの子は文句一つ言わず遊んでくれた。
おままごとの要である妻役を譲らなかった私とソーナを宥めてくれたのもあの子だ。
……少々やり方が積極的だったと記憶している、いや、肉食系?
それでも当時の私達は嬉しくて、ついついあの子に抱きついた。
確かにあの頃はあの子の事が好きだった。
しかし、それは恋ではない。
小さい頃に女の子が父親に「大きくなったらお父さんと結婚する!」というアレの類だ。
周りには異性が極端に少なかったのだ、仕方ないといえば仕方ない。
あの頃の私達は六歳、親愛も恋愛も分からない年頃なのだ、
惚れた腫れたなんてまず有り得ない。
あの歳でもし本気で恋愛したとするなら、その子はきっと異常だろう。
小学五年生までは、
あの子が人間界に帰る際に渡した通信用魔法陣でちょくちょく連絡を取り合っていたが、
年が経つごとに回数が減り、中学に上がる頃にはほとんどなくなった。
そして高校での再会。
まぁ、きっかけは予想もしていなかったモノだったが……。
それでも旧友に会えたようで嬉しかった。
出会ってから今日まで約十二年、特にここ最近はあの子と色濃く関わってきて、
大雑把にならあの子のヒトトナリを理解しているつもりだ。
めんどくさがりで睡眠好きで、甘い物に目がない癖にコーヒーはブラックじゃないと飲めない。
お金も大好きだが、金儲けという行動自体を楽しんでいる節がある。
もちろん博打好き、ついでに言うとイタズラも好き。
よくよく調べれば、ご両親は悪魔界でも有名な強者、少なからずその強さは遺伝している模様。
顔の造形は中々整っており、いつも眠そうなトロンとした眼をしていて、
寝ている様子はさぞ可愛らしい。
ポケーっとしている時間が多く、思わずお世話してあげたくなる、構ってあげたくなる、
謂わば年上キラー。
それらの要素もあり、女の子には中々の人気を博している。
なので私もソーナも、ついでに男嫌いの朱乃でさえもついつい可愛がってしまうものだ。
目が離せない、構ってあげたい、そう思わせる年下の男の子。
……なんだかんだ理屈をこねたところで、結論は一つしかない。
今までの思考は、所詮は現状と自身の本当の気持ちの整理だ。
お互いに成長して、お互いに色んな面を見て、それでも私はあの子の事を目で追ってしまう。
あの子のヘニャっとした脱力している笑顔を見ると、ついつい口角が上がってしまう。
あの子が気持ち良さそうに寝ていると、ついつい心がほっこりとしてしまう。
あの子が何か無茶をしようとすれば、ついつい私の方がハラハラドキドキしてしまう。
間違いなく、私はあの子に惹かれている。
私はライザーと結婚したくない。
あの子が今、どうしているのか心配。
あの子は私をどう思っているのか気になる。
こんな事を考えてしまう理由なんて一つしかないじゃないか。
なにを難しく考えていたんだろう、簡単なことだ。
何故こんなにも私は思いつめているのか。
答えは単純明快。
私は
今更気付いた自分の気持ち。
涙が堪えきれず、頬を伝う。
あの子に会いたい、声を聞きたい、抱きしめて欲しい、寂しくてたまらない。
でも、もう手遅れ。
どうすることも出来ない、何もかもが遅過ぎたのだ。
まだこの身が自由である内に、鳥籠に入れられてしまう前に、あの子に会いたい。
それすらももう、そんな小さな願いすら、叶わない。
私は婚約披露宴会場へ、ライザーに呼ばれるまで、溢れる涙が止められなかった。
ええ、実はこの話、第一巻の内容書いてる序盤の方で原型は出来ておりました。
ぶっちゃけ、第二巻はこの話を出したいが為でした、じゃじゃん。
だって作者もお年頃だもん、こういうのは興味あるもん。
こっ恥ずかしくて堪らないんですがね。
【一言】
更新お疲れ様です
今回本文よりあとがきの方が長かったような気がするのですが気のせいですよね?
そしてこんな時間に投稿したらダメですよ!夜ふかしはお肌の天敵って言うじゃないですか
作者さんは今の美貌を保ってくださいね!
あと、あとがきで書いてた照れ方がとても可愛かったです!結婚してください!
意外にも、前回の後書きは好評でした。
そりゃ作者だって人間だもの、褒められたら照れちゃうもん。
嬉しくてニコニコしちゃうよね。
兄にも「なんか嬉しそうだな、ちゅーするか?」と真顔で聞かれて、
ついニコニコしたまま脛坊さん蹴っちゃったし。
【一言】
面白いっす!更新楽しみにしております(`・ω・´)変態に負けないで!
p.s.
黒鬼さん・・・・好きうん………好き
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き黒鬼さんア・イ・シ・テ・ル
このネタどうでしょ?
…………ネタ、だよね!
うんそうに決まってるさ! うん、ネタだよ……ですよね?
【一言】
何故人、特に日本人は大衆から少し趣味嗜好がずれてるものを異端として認識し、「変態」と呼び隔離してしまうのか。これは新たな人種差別なのではないのか。国連で話し合われるべき問題ではないのか。そもそも変態とは何か。我々『ロリ智学協会』は、この差別的人間社会で変態の社会的地位を向上させる活動に、日々勤しんでおります。『ロリ』とついてはおりますが、化石……もとい熟女、石油……もとい老女、『聖衣』スクミズなど、特定の萌えポイントに対するあくなき愛情さえあれば、拒みは致しません。もちろんロリコンの方は大歓迎です。今日を機に、新しい自分へ生まれ変わってみませんか?ご連絡は、××××-×××-××××か外道神父のページまで!気楽にご連絡ください。
………という訳で、黒鬼さん。どうっスか?
どうもこうもねぇよ……、なに、ここってロリの討論会場?
ていうかもはや学会レベルだった。
【一言】
更新お疲れ様です。リアルが忙しくなるって?彼氏ですか?彼氏なんですね!そんなホイホイ男についてっちゃうような子に育てた覚えはありませんよ!お仕置き(おしりペンペン)するからこっちに来てそのおしりを高く上げなさい!......あ、ちゃんと下着まで脱いで下さいね。やっぱりさわr......叩くなら生のほうが効果がありますからね。決してちょっと作者さんの生おしりが見たいなぁ、なんて考えてる訳じゃないですからね。......ホントダヨ?
彼氏じゃないです、いませんよ。
絶対お尻見せるものか! 作者は慎みある子を目指してるもの!
この変態さんめッ!
【一言】
まずいな俺の変態パゥワーが低下している、右肩下がりだと思い始めた今日この頃いい感じに上がるようなことないかな~とそんなとき
『えへへ』
………………………………………………………///キュン
ぬわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!
なんだこれは!!変態パゥワーじゃなくてラヴパゥワーがうなぎ登りしやがった!!!
くそ!!俺には一回もデレてくれなかったのに……
俺、変態路線から外れようかな…………
あなたにデレたら作者の貞操が終わっちゃうでしょうが!
めっ!
………しかし、彼が本当に変態止めたら、
その分の有り余るエネルギーは何処に向かうのだろう?
……ちょっと気になる。
さて、今回はこのくらいで。
大体の想像はついていらっしゃるかと思いますが、リアスちゃんの恋を敢えて文字にするなら、
〝ピュアな初恋〟というコンセプトです。
本編の感想待ってます。 ではこの辺でさようならー。