なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

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ご都合主義? たんまりです。
展開に無理がある? 百も承知です。
主人公が外道? バッチ来いや。

ありとあらゆる賛否両論変態達を乗り越えて進む覚悟でございますよ作者は。
ってなわけで本格的に第二巻の内容に入りますが、
今までに無かった様な『なんやかんや』にする予定です。
お付き合い下さい。


それじゃ、ダラっと行こうね。







『なんやかんやで作戦会議』

 

 

 

「作戦会議を始めます」

 

 

部室で俺はそう宣言した。

みんなは頭にクエスチョンマークを浮かべて俺を見ている。

 

 

「いきなりどうしたのイッセー?」

 

 

リアスちゃんは困った様な笑みで俺に言う。

ああそうだ、確かに急だろうよ。

しかし、事は早急に対処しなければならない案件なのだ。

 

 

「婚約の件は聞いた。 

 そこで俺は他でもないリアスちゃんの為に一肌脱ごうと思ったワケです」

 

 

なんとか力になってあげたい、

という旨を伝えるとリアスちゃんは感激した様な表情で俺を見つめる。

塔城後輩と金髪ちゃんは胡散臭そうな目、姫島先輩に至っては完全に警戒色を宿した視線。

言うまでもなくアーシアちゃんは「イッセーさんは偉いです!」と大喜び、

おいこの子チョロ過ぎでしょう。

 

 

「作戦会議って言っても、何の作戦会議なのかな?」

 

 

金髪ちゃんは苦笑いを浮かべながら俺に問う。

ふむ、こういうのは下準備が大事なのですよ。

お互いの主張が平行線なら、一旦当人同士が会って話し合いにする他ない。

それでも決まらなければ、白黒つけられる勝負事に発展させるというのがセオリーだ。

向こうさんもリアスちゃんも貴族、

そうそう簡単に折れてくれる様な扱いやすい奴ではないのは明白。

とするならば、話し合いでは到底決まらず、勝負事でケリをつける事になるだろう。

 

 

そこで俺の出番である。

その勝負事、親同士の決めた婚約なら、

少なからず反対を申し立てるリアスちゃんが不利な条件のモノの筈。

不利な状況を緩和させ、

尚且つ出来る限りリアスちゃん達が好条件下で勝負に望める状態へなる様に、

俺が相手方に交渉するのだ。

 

 

「イッセー、あなた交渉が出来るの?」

 

 

リアスちゃんは心底意外そうに言う。

他の部員達もうんうんと頷き、俺の交渉力を疑う。

実は俺、意外と交渉とかは得意なのですよ。

あんなもんは理屈捏ねまくって相手捲し立てて自分を正当化すれば勝ちだ。

ヤンキーたる者、難癖つけて因縁吹っ掛けるのは得意分野なのである。

 

 

「出来るよ」

 

 

そう言うと、リアスちゃんは「何もしないよりマシよね」と言い、

何をすればイイかを聞いてくる。

まず一番最初にしなければならないのが、情報収集だ。

コレを欠いては何も出来ない。

それに相手方と接点の無い俺じゃあ出来ないので、ここはリアスちゃん達に任せるしかない。

俺は相手方と双方の親、そしてリアスちゃんのお兄さんの情報を集めてと頼む。

相手方だけでは決定打になりうる情報が少ないかもしれない。

親兄弟の今回の婚約に関する情報を引き出し、外殻から攻めていける様にする為だ。

そしてあわよくば味方につけよう、そういう魂胆だ。

まぁ、お兄さんにも立場というものがあるので、そうそう期待は出来ない。

しかし、せめて敵には回さない様に手を打っておく、というのが真の狙いだ。

 

 

そして二つ目、相手の弱点を探る。

こちらが考えている相手の嫌な部分や世間一般から問題視されている所を洗い出し、

今回の婚約の一件になんやかんやでこじつけて、そこを責め立てる。

 

 

最後に三つ目、こちらの弱点を把握、

及びにそこを責められた時の対処法をあらかじめ考えておく。

動揺せずにサラッと言い返せれば、相手も攻め込みにくくなる。

コレをするだけで戦況はかなりコチラへ傾くんではないだろうか。

 

 

『……確かに、交渉は大丈夫そうだな』

 

 

他にも、相手を責める時には大声でハキハキと容赦なく、そして反論の余地を与えない事や、

こちらが責められた時にはすんなりと謝罪し、解決策や異論反論をインターバル無く言い返す、

こういったテクニックなども駆使する。

しかし、油断は禁物だぜドライグくん。

相手にも「交渉しよう」と伝えてあるんだ、

交渉の〝こ〟の字も知らないド素人を出させるとは到底思えない。

なかなか手ごわい敵が出てきそうな予感。

 

 

「でもイッセー? 正攻法じゃあ難しいわよ?

 一応相手が言っている言い分も間違っているわけでもないし」

 

「正攻法なんて生ッチョロイもんは使わない。 

 卑怯だろうが姑息だろうが、無理くり相手を言いくるめてしまえばいい」

 

「そんな方法で交渉する気!? 

 理論や筋を立てて、相手にこちらの言いたい事を伝えるのが先決でしょう!?」

 

 

おいおいおいおいリアスちゃんや、俺達はニュースキャスターじゃないんだから。

相手の心に届く言葉よりも、ハラワタや心臓に届く武器を考えなきゃ。

リアスちゃんの言っている言い分というのは、血筋や家柄問題だ。

これらの思想や伝統というのは根強い、これらを覆す為なら多少の嘘も引っ掛けて、

情に訴えるしかあるまい。

そして今回はあの銀髪のメイドさんが、

中立な立場での進行役及びお互いの監視抑制で出席するそうだ。

なんとかコチラに引き込めないだろうか。

 

 

『無理だろうな、芯が強そうな女だ。 懐柔は難しいだろう。

 中立と言ったからには、是が非でもその立場を貫くタイプだなアレは』

 

 

なら、中立の者から見てこちらの申し立ての方が正当だと感じさせる方向でいこう。

しかし、そうなったら当人であるリアスちゃんの手が必要となる。

でもでも、リアスちゃんは典型的ないいとこのお嬢様だからね、

こういうのは好きじゃないだろう。

まぁ、それでも納得してもらわねば、困るのは他でもないリアスちゃんだ。

 

 

「ね、ハッキリ言っていい?」

 

「ええ、どうぞ」

 

「リアスちゃん、甘過ぎ。 現実はもうちょっと苦味辛味多めだよ?」

 

 

怪訝そうな顔でリアスちゃんは俺を睨む。

厳しい事を言うようだが、こちらにも考え有っての物言いだ。

リアスちゃんは優し過ぎる、でもリアスちゃんが優しくとも現実は優しくないのだ。

さて、この作品における俺の初めての長ゼリフを言ってみよう。

噛まないように気をつけます。

 

 

「あのね? 話し合いや交渉なんて、所詮は格闘技の試合と同じだよ。

 どちらが綺麗に技をキメるか、どちらが相手を術中に修めるかで勝負が決まる。

 こと言葉の場において技というのはまさに言葉の言い回しや言い様、

 術中の術というのは外堀から埋めて相手を追い詰めていく手腕やコネや権力財力の事を指す。

 多少の反則なんざ、さほど重要視はされないし、着目すべきはそんなトコじゃない」

 

 

眉間に皺を寄せて、リアスちゃんは静かに聞く。

他の部員達も神妙な雰囲気で俺の次の言葉を待っている。

俺がまずすべきな下ごしらえは、相手への対処ではなく、味方に腹を括らせる事みたいだ。

 

 

「今リアスちゃんが考えるべきなのは、

 〝どうすれば相手に自分の考えを理解してもらえるか、納得してもらえるか〟ではなく、

 〝どうすれば相手を追い詰めて陥れられるか、

 相手の弱点をどう見つけてどう攻め込んでいくか〟なんだよ。

 今回、一応は公平な立場だと公言した第三者がいるんでしょ?

 だったらその人に裏で手を回して味方につけるか、

 その人にコチラが有利に事を運べる様に、

 好印象を与えるアピールや言い分を練っておかなきゃだよ」

 

「で、でもそれはとても正々堂々じゃあ……」

 

「そんな寝呆けたキレイ事は勝とうが負けようがどっちでもいい時に言うモンだ。

 もし全力や最善を尽くさず負けたとして、

 文句や愚痴を一切言わないと自分自身に誓えるのならご自由に」

 

 

誇り高い貴族であるリアスちゃんにとっては辛いだろう。

それでも誰かが教えてあげねば、この人は分からない。

憎まれ役だろうがなんだろうが、今回の一件が上手く行けば何の不満もない。

お金の事もあるが、俺自身、婚約の話はしっくり来ない。

何故だかはさっぱり分からないけど。

 

 

「その言い方は少し卑怯だと思いますわ」

 

 

ここで姫島先輩が参戦。

確かに、傍から見れば今この場においては俺が悪者だ。

金髪ちゃんも塔城後輩も、同じ意見のようで、俺を見ている。

 

 

「うん、卑怯極まりないね、俺。

 でも、こう言ったら更に卑怯になっちゃうけど、言うね? 

 じゃあ、他に何か有力有効な代案がある?」

 

 

そう言うと唇を少し噛みながらの沈黙。

そりゃそうだ、お友達に卑怯な真似させようとしている俺が悪者、言い得て妙である。

だがしかし、それで負けたら本末転倒に他ならない。

これからの一生が懸かっている問題だ、万に一つにでも負けてはならない。

ああ、分かってるよ、それでもリアスちゃんが泥を被っていい訳がない。

だから――、

 

 

「だから、卑怯なのは俺だけでいい」

 

 

リアスちゃんはこの交渉の件の全責任を俺に一任した。

それを聞き入れた俺は自由に勝手に交渉の方向性を見出したのであって、

リアスちゃんはソレを容認したワケでも、許容したワケでもない。

だから俺が一人で好き勝手して、悪質な手段を用いて勝つ。

あらすじはこんなもんでいいだろう。

 

 

「ふざけないで! あなただけに重荷を背負わせろと言うの!?」

 

 

俺の考えを聞いたリアスちゃんは大激怒。

しかし貴族というのは悪評に弱い、世間体などを気にしなくてはならないからだ。

ならリアスちゃんの眷属?とやらに入っていない俺ならば、いくらでも切り捨て可能。

ていうか俺は名誉だの名声だのはめんどくさいのでいらない。

なので悪い噂が立とうが、悪評が回ろうがどうだっていい。

実質俺は貴族とかとほぼ関わりが無いので、デメリットも無いだろう。

だからその分報酬は弾んでねって話ですよ、イッセーくん的には。

 

 

「それが一番効果的だし。 波風が立たない方法だよ」

 

「そんな……、元はと言えば私が巻き込んだのに……」

 

「だーかーらー、もうちょっとシビアになりなよ。 

 俺がいいって言ってんだからいいの、はい決定」

 

 

無理やりにでも押し通します。

それが一番俺的にもやりやすいので。

いやぁ、他人に何一つ気兼ね無く好き勝手に相手をイジメていいってことだもんね。

俺がどんだけ相手をボロクソに言っても、こっちに実害はほぼ無し。

もうコレ完璧じゃね?

後は俺の演技力とシナリオ書きの才能次第だね、あ、あと相手側の交渉する人の実力。

 

 

リアスちゃんは俺を潤んだ瞳で見ながら、「イッセー…」と俺の名を小さく呟く。

ふむ、リアスちゃんは友達想いだ。

これが匙とかだったら「じゃ、頼むわ。 後、負けたら殺す」くらいは言ってくるだろう。

それかリアスちゃんからして、

俺がそんなに信用が無く、任せてもイイのか判断に苦しんでいるとか?

 

 

『鈍感の域を超越しているな、ほとほと呆れるぞ』

 

 

なんでお前に呆れられなきゃいけねぇの、目玉抉り出すぞ。

視神経の代わりにバネを取り付けて、文字通り〝飛び出す目玉〟にしてやろうか。

 

 

『ふむ、そろそろ自殺する頃合か?』

 

 

トカゲちゃんがなにやら本気で精神的に追い詰められている。

なんと可哀想な、もちろん手心など加えない。

 

 

さてさて交渉は三日後だ、筋書きでも考えて寝よう、うん、そうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、作者です。
早速で悪いのですが、ここで前話の感想共をどうぞ。

【一言】
どうも、兄です。嘘です。
更新お疲れさまです。
続き楽しみにしてます。
P.S.お風呂上がりの黒鬼ちゃんは湿っている。あとパンチュは…うん。美味しく戴きました^q^
【一言】
更新お疲れ様です。次回の後書きはお義兄さんのについての話ですか。
まぁ、将来的にお義兄さんになる人ですから、色々と知っておかないと駄目なこともあるでしょうしね。生活態度だったり、好みだったり、話し方に対応の仕方。これでまた作者さんとのゴールインに一歩近づいた訳ですね。フフフフ、嬉しい限りです。お義兄さんの次はお義父さんお義母さんについても知りたいですね。では、作者さんと行く式場を物色しながらさようなら。
【一言】
初感想という・・・はい、本編より感想のほうを先に読みました。あれですね、うん、作者さんがんばれ 本編の感想としてはテンポよく先に進んで笑ってばっかりでしたw
これからも無理しない程度に執筆してください!!
PS.手作りクッキーやらケーキを用意しておきますので偶にはゆっくり現実逃避してもいいと思うのです、ぎゅ~なでなででも致しましょうか?膝枕でも致しましょうか?作者さんが逃避している間は変態達のお相手しておきますので・・・ふふふふっ(黒
PSのPS.作者しゃんぎゅ~ってしてもふもふしたい すいません、私も変態なのです、胸は手に収まるサイズが至高です。
【一言】
どうも(後書きを)楽しく拝見させて頂いてます。
文章は淡泊ながらも、コーラをキーボードに吹きかけてしまうぐらいには面白いので、期待して更新待ってます。
PS.毎晩作者さんの事を思うと胸とナニが熱くなって仕方がありません。どうかこの火照りを沈めてください。PSのPS.サイズは普通が一番!ちっちゃすぎても、大きすぎても駄目!
【一言】
二週間待っていた これは焦らしプレイなのかと……いつも変態コメント書いてる紳士達へのお仕置きなのかと……ハァハァしながらずっと待っていた 作者さんはお仕置きが上手ですね
そして更新されて驚きの事実!!え?…………一誠きゅん卒業したの?そんな馬鹿な?!いつだ?いつ卒業したんだ?!畜生!!俺が奪いたかった!!奪われたかった!!まぁ、卒業したならおめでとう してないならいつでもよんで?いっしょに卒業しよ?ついでに作者さんも3Pでヤろう?
p.s.作者さんのお兄さんへ
兄弟姉妹持ちはそういう感情一切湧かないと聞いたことあるんですがお兄さん大丈夫ですか?
間違っても近親相姦はしないでくださいね?僕らガあなタヲ殺サナケレバナラナクナルカラネ?
【一言】
まあ・・・いろいろ大変(態)でしょうが頑張ってくださいね(まあ自分が言うのもなんですが(黒笑))
P,S 作者さんの兄さんですか・・・とりあえず作者さんを快楽調教をしたあと送るビデオレターはその人に送りましょう☆と・・・いう訳で監禁されません?
【一言】
楽しく読ませていただいております。質問なのですが、作者様はいつ頃本編に登場されるのでしょうか?早いところイッセーきゅんとの絡みが見たいです。あとパンツください。
最近寒くなって参りました。私も先週末に風邪をひいてしまいました。執筆も大変かとは思われますが、作者様も読者様も変態の皆様も、全裸靴下で外に出て風邪等ひかぬようお気をつけください。
P.S.作者様はまな板に親近感を覚えますか?あとパンツください。靴下でもいいです。


ええ、相も変わらずブッ飛んでやがりましたとも。
ねぇこれホントに大丈夫なの? 彼らはこれで日常生活に問題が生じないの!?
彼らの周りも変態なの!? 変態で身を固めてるから彼らも一般人とは一線を画してるの!?
いやはや、流石はこの小説を読む、この世に蔓延る変態達の精鋭ですね。
さて、前回予告しました作者の兄について。
彼と私の会話をちょこっとだけ。 ではどうぞ。


とある日、脱衣所から出てきた兄が作者の下着を握り締め、
自室に行こうとしていた姿を発見した作者は、兄に向かって
「この変態! いっつもいっつも下着盜んで! もう死んじゃえ!」
と怒って怒鳴り散らしました。 
すると兄はあろう事か、フーっと溜息をついて作者にこう言ったのです。

「あのな、お前は俺に向かって変態変態って言うけどな。
 お前に聞くぞ、変態の何がダメだって言うんだおい。 
 今の世の中は嘘だの建前だのに満ち溢れてる、
 そんな自らを偽らなきゃ渡っていけないご時世に、自分を包み隠さず、全てをさらけ出す。
 これがどれほどの勇気を必要とすることかお前に分かるか? 
 批判されることもある、糾弾されることもある、時には軽蔑されることすらある。 
 それでも逃げない諦めない、自らを流れに任せて偽る上手な生き方を知らない……、
 そんな不器用な生き方しか出来ない奴らを、人は変態と呼ぶのさ……。 分かるな?」

「分かんない」

ていうか分かりたくない。

「そーかそーか、分かんないのか。 
 分からない頭の不出来な可愛いお前には、お仕置きにチューしてやる」

「スッゴイ分かりました! だからお仕置きは必要ありません!」

「そうか、ならご褒美にチューだな」

「救いは無いのか!?」

「そう騒ぐなよ、大丈夫、ベロチューだから」

「誰か助けてー!!!」

作者に近寄るオスは例え宇宙人であろうが駆逐殲滅してやる、
と豪語する父が兄に渾身のボディーブローをカマし、事無きを得た作者。
彼には決して3メートル以内には近寄らないと固く固く決意しました。

こんなもんでどうでしょう? 後書き長いなおい。

えー、ロリコン道を極めんとしていらっしゃる読者様のお一人から、
オーフィスを出してくれとのご要望をいただきました。
番外編で出せばよろしいんでしょうか?
他に番外編のご意見が御座いましたら、メッセージとか飛ばしてくだされば頑張ってみます。
それでは、ここら辺で失礼させていただきましょう。
ではでは、さようなら。

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