なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
今回は頑張った。
一番文字数があると思う。
コレで第一巻の内容は終わり。
ではでは、ダラっと行っちゃいましょう。
他の人は手出し禁止と言うと、みんな一様に驚く。
いやぁ、不完全燃焼もいいとこだし、ちょっと動きたかったんだよねぇ。
リアスちゃんは俺を止めようとしたが、途中で諦めてエールをくれた。
なんでも、負けたら許さないそうだ。
獲物を俺に取られたのがそんなにご不満なんだろうか?
『明らかに心配してのことだろう……、どう教育すればこんな鈍感になるんだ?』
先輩方にも『宙に浮き上がって爆発しろ』との言葉を賜り、
俺をク○リンにしたいのか、とお仕置きを献上して差し上げることが脳内で決定。
ヤンデレちゃんはさもやる気で…、いやいや、殺る気である。
両方のお手々にピカリと光る槍を構える。
「……ホントにあなたを殺したら逃がしてくれるの?」
「うん、約束」
「………何のつもりかは知らないけど、自分で言い出したんだから死んでも恨まないでね!」
バサッと黒い翼を羽ばたかせ、俺に突撃ヤンデレちゃん。
取り敢えずそのまま後ろに仰け反る感じで避け、ブリッジの要領で手を床につく。
避けられたヤンデレちゃんは勢いはそのままである。
そのヤンデレちゃんの首に足を巻き付けてクリンチ、
そしてそのままバク転をすればあら不思議。
ヤンデレちゃんの頭頂部が床に叩き付けられた。
「あぅっ!」
大きなタンコブが頭に生え、涙目でフラフラ立ち上がるヤンデレちゃん。
ここで俺はある事に気が付いてしまう。
何たることか、俺としたことが……。
「ごめんヤンデレちゃん」
「誰がヤンデレちゃんよ! 謝るんならこんな痛い技せずに大人しく殺されてよ!」
「タンコブ、胸に出来てたら膨らんでたのにね」
「殺してやるぅぅぅ!!!」
まただ、またヤンデレちゃんの威圧感が増した。
どういう事だ、このパワーアップの正体は何なんだ、ヤンデレちゃん侮る難し。
動きのキレがさっきとはまるで違う。
残像が見えるほどだ、やれば出来るじゃないか。
あれか、泣いたら強くなるという体質なのか?
うるうると涙目で凄まじい攻撃を繰り出してくるヤンデレちゃん。
しかしこの程度で遅れを取るほど俺は弱くはない。
最小限の動きで槍を躱して、隙を窺う。
そして一瞬の隙を見つけ、握り締めた拳で槍を破壊し、
籠手の装着された左手を大きく振りかぶる。
まぁ、こちらは殺す気はないので、ヤンデレちゃんの顔の前でピタッと拳を止める。
パンチの余波でヤンデレちゃんの髪が大きく靡き、後ろの壁が派手な音を立てて吹き飛んだ。
建物も半壊状態だね。
お目々をパチクリさせて、その場にへにゃっとへたり込むヤンデレちゃん。
しばらくポケーとした後、ポロポロと涙をこぼし始めた。
「うぅぅ……、何なのよぉ……、何で勝てないのよぉ…!」
何だか俺がイジメてるみたいでゾクゾクする。
なんだろう、この衝動。
でもまぁ、絵面的には非常にまずいので、
取り敢えず地面にペタッと座っているヤンデレちゃんの前に腰を下ろす。
グスグスと泣いているヤンデレちゃんは俺に向かって不平不満を漏らす。
「……任務で簡単に殺せたと思ったら生きてるし…、
まともに戦ってもザコ神器しか持たない人間に勝てないし……!
あなたホントに人間!? 絶対普通じゃないわよこの化物ッ! うぅぅ……」
「どうも化物です、こんにちは」
「秘密裏の計画も邪魔されるし……、部下もやられるし……、
挙げ句の果てには私の事を…、ひ…、貧乳呼ばわりするしッ……!!!」
「ごめん、今はこんばんわの時間だった」
「謝るポイントがズレてるしッ!!!」
ワンワン泣きながらがなり立てるヤンデレちゃん。
もうこれ幼児退行でしょ、やっぱりこの娘、情緒不安定だ。
精神安定剤でも投与した方がいいと思います。
誰か処方してあげてー。
結局誰もヤンデレちゃんにこれ以上どうこうする気は失せたらしい。
処遇は俺とアーシアちゃんで決めろとの事。
「わ、私は許してあげたいです!」
アーシアちゃんの言葉にみんなが驚愕。
ヤンデレちゃんは信じられないようなモノを見る目である。
ていうかねアーシアちゃんや、それを何で俺に向かって言うの?
いやいや、俺もこれ以上イジメる気はないけどね。
でもまぁ、一段落はした訳だし、ケジメはつけとこうか。
ちょっと気を入れて、魔力?を体中に巡らす。
雰囲気を出したかったのだが、巡らそうとしたはずの魔力?が多過ぎて、
何か紅い炎みたいになって俺をすっぽりと覆う。
なにコレ、ド○ゴンボール?
もうなんか、周りの空気がビリビリ振動してるよ、リアスちゃん達もビックリビリビリ。
眼をキュッと細めて、睨みを利かせる。
「喧嘩売るんなら、相手見て売れよ」
これだけ脅しておけば、もうそうそう悪さはしないと思う。
第三者視点から見ればかねりヤバそうな絵面だ、コレもう通報モノだろ。
涙目でコクコクと何度も頷くヤンデレちゃん、そんなに頭振ったらもげちゃいそう。
アーシアちゃんも見逃してあげてと言ってるし、俺としてももうヤンデレちゃんに用はない。
「よし。 じゃあ、逃げてもいいよ」
「……ふぇ?」
『え?』
「え?」
小首をかしげるヤンデレちゃん、驚いているその他の人達、そんな人達の反応に驚く俺。
いやいや、戦意の無い女の子を手に掛けるほどゲスに見えますか俺。
みんな勘違いしてるけど、俺紳士だし?
めちゃくちゃ優しいもん、もはや仏様より優しいもん。
目頭が熱くなってきたのは気のせいだもん………。
『まるで呼吸するかの様に嘘を吐けるのはさすがというべきか……』
地獄すら生ぬるいと思えるほどいたぶり殺してやんぜトカゲちゃーん。
輪廻の輪から強制的に解脱するぐらい魂の髄から殺し尽くしてくれるわ。
『……仏の様な優しさはどうした?』
俺優しいからね、少しでも長くお前が生きていられるように、すぐには殺さない。
いたぶって罵って殴って蹴って踏んで潰してちぎって投げて切り刻んで、
お前から「もう殺してくれ」という言葉をこの耳に聞き入れた時に初めてお前を殺してやるよ。
『優しいという言葉を辞書で引いてみろ』
兵藤一誠の様な人間って書いてあるよ。
ドライグの野郎は侮辱罪名誉毀損の罪で、取り敢えずフルボッコの刑に処す。
トカゲちゃんがぐちゃぐちゃのペースト状のスライムに進化したところで話を戻そう。
「ほ、ホントに逃がしてくれるの……?」
「うん」
「……許してくれるの?」
「うん」
コクコクと何度も軽げに頷く俺に、重ね重ね質問するヤンデレちゃん。
しかし、所属している組織に内緒にし独断で部下達を失った上に、
敵対勢力のトップの血族に喧嘩を売る様な真似を晒したのだ、無罪放免という訳にはいかない。
恐らく今組織に帰っても、始末されるだけだろう。
そうなれば逃がしてやった意味が無い。
ドライグ、堕天使さん?のとこのトップは俺の事知ってると思う?
『兵藤一誠という一個人の人間については知らないだろうが、
赤龍帝の事は嫌というほど知っているだろうよ、赤龍帝の名を使ったらどうだ?』
うん、そうする。
そこで俺はA4のコピー用紙に、
油性のマジックで堕天使さんのトップの人に向けてメッセージを書く。
そして紙の端っこに俺の血を一滴だけ垂らす。
ところで、何で血が必要だったのさ。
『赤龍帝の血は特殊な効力を宿すからな、
この手紙の送り主である相棒が本物の赤龍帝であるという証拠になる』
え、俺の血を調べられるの?
どうしよう、最近甘いもの食べまくったから血糖値高過ぎとか糖尿とか言われたら……。
『健康診断か!? 血に宿る魔力の質とかを調べるんだ!』
なんだよ、そっちか。 紛らわしいにも程がある。
でもまぁコレでヤンデレちゃんもそう悪いようにはされないだろう、多分。
リアスちゃんにもヤンデレちゃんを逃がすのを説得し、事無きを得た。
流石にここまでされては黙っていられなかったのだろう、
ヤンデレちゃんはアーシアちゃんに念入りに謝っていた。
そしてそこはアーシアちゃん、菩薩の如き広い心でニッコリとしながら許していた。
もうあの娘こそが仏様なんじゃないの?
『さすがは〝元〟聖女……、といったところか。
1%でいいから、その優しさを相棒に分けてやってほしい……』
おうおうおうおう、トカゲちゃんよぉ。
今日はやけに突っかかってくんじゃねぇかよ、おうコラ。
叩いて潰してミンチにした後こんがり焼いて喰ってやろうか。
『……ドラゴンのハンバーグか、…表情はまったく笑えんが、膝が笑いまくってやがる…!』
まずは挽肉にしてやんよぉ。
と、意気込んでいたのだが、リアスちゃんが俺を呼ぶ。
仕方ないのでクッキングは後回しにし、リアスちゃん達の方へ行く。
するとリアスちゃんは俺を背中からギュッと抱きしめ、ヤンデレちゃんに言葉を放つ。
「イッセーもシスター・アーシアも許したのだから私としてももう言う事はほとんど無いわ。
でも、もしまた私のイッセーやこの土地にちょっかいを出すというのなら、
その時は私の手で直々に消し飛ばしてあげる、覚悟なさい」
「もうしないって言ってるじゃない!
ここまでされたらアーシアにも兵藤一誠にも手を出せないわよ!」
まぁ、なんやかんやでこの件は終結。
手紙は綺麗に折りたたんで、ヤンデレちゃんに渡す。
内容は俺しか知らない。
なので帰ったら上司に渡すように言っておいた。
不安げに「分かったわよ」と呟くと、背中の翼で飛んでいった。
いやはや、なんと呆気無い結末か。
もうちょっと骨のある奴はいないのか、手応えが無さ過ぎる。
かといって、ウチの母みたいなのが来たら土下座一択なのであるが。
『龍とはいろいろなモノを呼び寄せる。 また喧嘩の機会は転がり込んで来るさ』
まぁ、程々にね。
俺は帰って寝たいのですよ。
コレで今回の一件は全て終わったと思っていた俺。
しかし世の中はそんなに甘くないようで……。
「ところでシスター・アーシア。 あなた、悪魔にならないかしら?」
こうして人の縁は繋がっていくらしい。
また騙されてそうだが、相手がリアスちゃんならそう悪い様にはしないだろう。
さてさて最後は綺麗なカタチで締めたいので、なんやかんやでイイ言葉を言わせてもらおうか。
こうして俺、兵藤一誠と中二病患者達との物語は始まった。(※色々と違います)
前回の後書き……、しまった、変態共の糧となる事を書いていたとは……。
なーんてビックリしてみたり。
大丈夫です、作者の心は強靭です。(多分)
それと特定されないように、書く内容には気を付けておりますのでご安心を。
作者のリアル第二弾、メッセージの方で楽しみというモノが送られてきたりしたので、
ちょこっと行ってみましょう。
実は作者、この前部屋を大掃除したのですが、変なビデオテープを発見いたしまして。
再生してみると、作者の小さい頃のホームビデオでした。
内容としては、作者が保育園へ通う様子。
しかし当時の作者は保育園に行くのが嫌だった様子でして、親から離れようとしません。
保育園の保母さんが「○○ちゃん、イイ子だから」とミニ作者の腕を掴んで引っ張ります。
親は背中を押して、作者は半泣きで保育園の門をくぐらされました。
ここで事件は起きたのです。
ミニ作者はどうしても保育園に行きたくなかったのでしょう。
イヤイヤと震え声で拒んでいたのに、無理やりにでも保育園に行かされようとしたもんですから、
怒りのボルテージがMAXになった様です。
しかし、ミニ作者はまだ園児、語彙は少ない少ない。
言いたい事を全部ハッキリ伝えるのは難しかったのでしょう。
そして作者のチョイスした言葉はコレでした。
「燃えてしまえーーーーーーーーーーーー!!!!!」
なんとミニ作者、保育園の抹消を望んだようでして。
コレにはみんなが大慌て。 親は謝るわ、園長は爆笑するわ、てんやわんやでした。
気に食わなければテロを望む、とんでもない園児だったようです。
えー、こんなもんでどうでしょう?
感想はどしどし遠慮なく送ってください。
感想初投稿だろうと、複数投稿だろうと構いません。
作者は変態に真っ向から挑みます、どんなキワどいド変態な感想が来ようと挫けません!(多分)
はい、では次回は番外編という事で。
とんでもない話になってしまいました、純度百パーのギャグです。
そして前後編に分かれます、両方ギャグです。
それが終われば第二巻に入ります。
第二巻ではギャグが加速します、初っ端から飛ばしていこうかと。
そして所々真面目な奴が入ったり、恋愛チックなのが入ったり。
第二巻では、これまでの『なんやかんやで赤龍帝』に無かった色んな要素や展開、
キャラの新しい一面を書きたいと思ってます。
長くなりましたが、ここらで一旦締めましょうか。
これからも『なんやかんやで赤龍帝』をよろしくお願いします。
ではまた次回、さようなら。