なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

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うんうん、ダラっと行っちゃおう。


『なんやかんやで勘違い』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

階段を下りると一本道だった。

地下にも電気が通っているようで、暗くはない。

どんどんと奥へ進み、そのまま歩いていくと大きな扉を発見。

多分、ここだ。

 

 

『さて、相棒。 ここから先は敵だらけだ、味方など誰一人としていない訳だが』

 

 

いいでしょ、こういう切羽詰った状況も。

ちょっと燃えてくるよね。

 

 

『それでこそ赤龍帝、いや、この場合は兵藤一誠か?』

 

 

くっくっく、と笑いながらドライグは言う。

この場合じゃなくて、どんな場合、どんな状況、どんな時でも俺は俺ですよ。

さてさて、喧嘩と花火は男の華と聞くが、確かにうずうずして堪らない。

今回は奴さんも沢山いることだし、ハナっから飛ばして行こうか。

少し気合を入れ直し、大きな扉の前に立つ。

 

 

すると、扉の方から勝手に開いた。

え、なに? 自動ドアなの?

オートシステムですか、地下なのにハイテクとはこれ如何に。

 

 

「いらっしゃい、イッセーくん」

 

 

部屋中神父だらけだった。 ヤンデレちゃんもいる。

オイ待てこんなにコスプレイヤーいるの?

多過ぎるだろ、ちゃんと仕事しろよ中二病患者共め。

全員ライ○セーバーを所持している、神父くんから盗るの忘れてたからここで失敬しよう。

 

 

部屋の最奥に巨大な十字架があり、その十字架に磔にされている少女を発見。

新手のSMプレイの一種だろうか?

タイトルは『禁忌! 美少女シスターの緊縛プレイ!』といったところか。

……ドライグの変態め。

 

 

『俺は何もしていないんだがッ!?』

 

 

その少女、虚ろな表情で顔を上げる。

 

 

「………イッセーさん?」

 

 

よく見るとアーシアちゃんだった。

俺とタメくらいの年なのに、もうこんな高度なプレイに目覚めちゃったの?

さっそく騙されてそうだよこの娘、絶対このコスプレイヤー達に変な入れ知恵されてるよ。

 

 

「イッセーさん…………」

 

 

ホロリと涙を流すアーシアちゃん。

プレイを俺のせいで止められたことがそんなに悲しいのだろうか。

いやいや、彼女にどんな趣味があったとしても受け入れなければならない。

フォローしておこう、それが出来る男というものだ。

 

 

「大丈夫、何があっても俺らは友達だから」

 

 

キリッと良い表情で言ってみる。

たとえ縛られるのが好きな、ちょい変態入っている娘だとしても、

その程度のことで態度を変えては器が知れるというものである。

我が精神に宿る数多の変態な先輩達には遥か届かず、この小説の読者の足元にすら及ばない。

そう、俺は変態に慣れてしまっているのだ、……泣いていい?

 

 

「……イッセーさん、私…、私……!」

 

「感動の再会のところ悪いけど、儀式にはあなたが邪魔なのイッセーくん。

 だからそこの神父たちに殺されちゃってちょうだい、ホントは私が殺したかったけど…」

 

 

ヤンデレちゃんが言うや否や、神父たちがライ○セーバーを構えて突撃してくる。

かなりの人数だ、うかうかはしてられそうもないね。

 

 

「悪魔に魅入られた下衆め!」

 

「我らの手で断罪してくれるわ!」

 

 

うじゃうじゃと群がってくるコスプレ集団。

ぎゃあぎゃあ喚いてうっとおしい、喧嘩に文句は必要無いのだよ。

グッと強く踏み込み、最前列の奴の懐に瞬時に潜り込む。

左の手のひらを相手の腹にそっと当て、反動を付けて握り締めた右拳でブン殴る。

ズドォン!、と音が響き、周りの神父を巻き込んで吹っ飛んだ。

間髪入れずに横にいた奴を蹴飛ばし、わらわらと神父がいっぱいいる方に向け、

思いっきり左拳で宙を殴りつける。

 

 

父がよくやるこの技、拳が速すぎて衝撃波が発生するという荒業だ。

ちなみに母がするとあまりの拳の威力に空間が耐えられない。

 

 

衝撃波が多くの神父を巻き込み、打倒する。

そんなやりとりをしている内に大体の神父はもう片付いており、

立っているのは片手で数えられるほど。

ヤンデレちゃん、何故だかビックリしている。

あーもー、お腹減ったなぁ…。

 

 

「い、一瞬であの量の神父達を……! あ、あなた一体何なのよ!?」

 

「ナポリタンが食べたい」

 

『おい、堕天使がなにか叫んでいるぞ、聞いてやれ』

 

 

あまりにもモブがザコ過ぎて、全然別の事を考えていた。

まぁ、晩飯については後でじっくり考えようか。

ヤンデレちゃんは何だって?

 

 

『相棒は何者だ、と聞いているようだが?』

 

 

なるへそ。

答えは至って単純明快じゃないか。

そんなもんは――。

 

 

「テメェで考えろ」

 

 

残り最後の神父をブッ飛ばす。

殴り飛ばした神父がアーシアちゃんが磔られている巨大十字架を破壊しながら転がった。

アーシアちゃんを固定している鎖も壊れたので、彼女も解放された。

こちらを潤んだ目で熱心に見ているので、かなりご立腹のご様子。

これだけ盛大に趣味である緊縛プレイを邪魔されれば当然………なのだろうか?

 

 

『いろいろ違うと思う』

 

 

………ヤンデレちゃんはなんなの、あの服。

完全に女王様じゃん、SMプレイなのは確実だね。

 

 

『堕天使の女は男を誘惑する、だから大抵スタイルが良く、きわどい服装をしている者が多い』

 

 

なるほど分かった、ヤンデレちゃんは痴女さんだったのか。

だんだんパワーアップしていくヤンデレちゃんにイッセーくんは驚愕ですよ。

 

 

『全然違う』

 

 

さっきからなんなのさ?

そんなに俺の言った事否定してさ、批判中毒なの?

ついに迎えた反抗期ですかコノヤロー。

そんな会話を精神内でしていると、ヤンデレちゃんの背中から真っ黒い翼が生え、

宙を飛んで逃げていった。

どうやら上へと向かったようである。

あの女、トンズラこきやがった。

ていうかお空飛んでったよ、いつの間にワイヤーを仕掛けていたんだろうか。

ジャ○ーズもビックリのワイヤーアクションだぜヤンデレちゃん。

未だウルウルした瞳でこちらをガン見しているアーシアちゃんを抱えて階段へとダッシュ。

 

 

地上へ出ると、ヤンデレちゃんと彼女を囲うリアスちゃん達。

完全にイジメの現場の絵面である、リンチですか。

俺達に気付いたリアスちゃんが手招き。

アーシアちゃんを抱えたまま近付く。

 

 

「……兵藤くん、その血は……!」

 

「全部返り血」

 

「ああ、そう……」

 

 

金髪ちゃんに言われて初めて気付いた服の汚れ。

敵の生死なんて気にせず暴れたし、服が真っ赤っかである。

どうしよう、洗濯の際に母にブッ殺される……。

ちょっと涙目になった俺。

そんな俺を見て、リアスちゃんが抱きしめて頭を撫でてくれる。

 

 

「イッセーの心をこんなにも傷付けて……! 私はあなたを許さないわ!」

 

『おい、絶対に勘違いしているぞ』

 

 

傷付いたっていうより、これから傷付けられるといいますか、殺られるといいますか……。

どっちにしろ何の事だかよく分かっていない俺。

どういう意味だろうか、先輩方。

 

 

『巨乳万歳』

 

 

もういい、お前らに聞いた俺が馬鹿だった。

ついでにお前らも馬鹿だった。

おまけにドライグも馬鹿だった。

 

 

『罵倒される事に慣れてしまった俺はどうすればいいんだろう……?』

 

 

その次のステップは心地良くなってくると思う。

トカゲの将来がちょっぴり心配なイッセーくんなのです。

アホな掛け合いをしていると、顔が真っ青になったヤンデレちゃんがこちらを見る。

すると俺の足に縋り付いて叫び散らす。

 

 

「イッセーくん! 私を助けて! この悪魔が私を殺そうとしているの!

 私、あなたのことが大好きよ! 愛してる! だから一緒にこの悪魔共を倒しましょう!」

 

 

切羽詰った女の言う事ほどアホくさいモノは無い。

なんだかすっごく萎えた。

久々の大喧嘩だと思えば、カスかヘタレしかいないじゃないか。

拍子抜けも大概にして欲しい。

 

 

「テメェで売った喧嘩なら、最期までケツ持てよ」

 

「お願い! 信じて! 私はあなたの事が――」

 

「いい加減にしなさい」

 

 

リアスちゃんがご立腹。

言葉を遮られたヤンデレちゃんは俺の後ろへと隠れて、ブルブルと震えて黙る。

お前はマナーモードか。

イヤイヤ助けて殺さないで、と俺に縋り付いているヤンデレちゃん。

こういうの見るとついついイジメたくなっちゃう。

なのでついつい――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、俺を殺れたら逃がしてあげようか」

 

『なっ!?』

 

 

言っちゃったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






勘違い成分を含めたお話でした。
コレ、タグ増やさなくてもいいよね? だってちょっとだし。


そして前回の作者おっぱい口論から約一週間。
ええ、まぁ作者の話はもう出ないかなぁなんて甘い考えに浸っていた矢先のことだったのです。
【一言】
更新お疲れ様です。感想1000件おめでとうございます。感想もずいぶん増えましたね。
増えてないのは作者さんのバスt・・・ゲフンゲフン。まぁ、小さいからって気にすることはないでしょう。需要ありますしね。大丈夫ですよ。パンツの色を聞かれた、ということですが、何故即答しなかったんですか。そこは男らしく答えてあげないとその友人が可哀想じゃないですか。
はっ!?それともまさか履いてないんですか?
それなら恥ずかしそううつむきながらに「・・・肌色・・・」とでも答えてあげるべきです。友人だけでなくクラスの男子どもが狂喜乱舞することでしょう。辺りは一瞬で地獄絵図となりますね。
では、次回の更新を作者さんのパンツの色を想像しながら待つことにします。
更新頑張って下さい。

【一言】
今回はギャグ少なめ?でしたね。あ、後書きのパンツ見せてって本当ですか?
ワタシガシマツシテアゲマスヨソノヒト………。あ、私は今白の紐パン履いてます。
作者さんはどんな下着が好みですか?私、作者さんが望めばどんな過激なプレイでも………ポッ///

【一言】
更新お疲れ様です。次回は一誠無双ですかね。ああ、いつも通りですね。
作者のパンツは何色か?……白だろう……!純白だろう……天女の羽衣のように滑らかな肌触りの白だな!もしくは、ちょっと大人びた黒…レースのスケスケの官能的な雰囲気を醸し出す危ない下着である黒。大穴で…スケルトンと予測した!
これから黒鬼たんのおっぱい談義から下着談義にシフトします。
ヒャッッッッハァァァァァ!!!!ミナギッテキタ!!!
次回も楽しみにしてます。
追伸:作者は誰が何と言おうと「「美乳」」です!!!貧乳といった者は戦争じゃぁ!
いつもニコニコ作者の後ろに這い寄る混沌………堕天使ノ翼………ですっ!!!

【一言】
下着の色何色ですか?マジで気になります!!!!!!!!!!
クンカクンカしてええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!むしろはいてなくても興奮するからいいですが!!!!!!!!!!!

【一言】
で、結局パンツ何色?というかはいてる?


………履いてますよ(泣)。
そりゃ作者だって下着ぐらい付けますよ(ふるふる)。
ここまで下着の話でヒートアップするとは思わなかったです……。
日本の未来は一体どうなってしまうのでしょうか……。


えー、作者も体育祭終わりました。
大変疲れましたが、なかなか楽しかったです。
さて、問題は文化祭。
また今度あるのですが、何故作者はメイド服をリアルで着なければならないのでしょう……?
ああいうのは物語の中のイベントでしょう、何で作者が……。
ええそうです、完全に愚痴です、やさぐれちゃってます。

次回の後書きは、前に作者のリアルで起こった笑い話が意外と好評だったので、
第二弾でもしようかと……。
そして次話で一巻の内容は完結かも?
その後は番外編です、お楽しみに。

それでは、ではではさようなら。





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