なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
木場ちゃんの視点でのお話。
つまりは普通の感性の持ち主からの視点。
木場ちゃんはイッセーくんの事をよく知らないので、こんな考えなのかなぁというお話。
ダラっと行きましょうよ。
シスターであるアーシア・アルジェント。
彼女を助けるために僕――木場祐希と小猫ちゃん、そして兵藤くんは教会に来ていた。
部長と朱乃さんは外で堕天使三人の相手をし、
僕達三人はシスター・アーシアの身柄を確保するのが役目。
小競り合いに過ぎないと言っても、コレはれっきとした殺し合い。
悪魔である僕達と堕天使とはぐれ神父との抗争だ。
実戦は何度も経験したし、怖れもない。
はぐれ悪魔討伐の依頼もこなしてきている。
神父や堕天使は個人的にも憎いほど嫌いだし、今回の騒動については何の異論反論も無い。
しかし、いくら何度も経験しているからといって、実戦前の緊張は拭えなかった。
これから殺し合いをする。
この事実は、言葉では軽いが現実ではひどく重苦しい。
一応格下だろうと予想されているが、油断は禁物だ。
悪魔が苦手とする光の攻撃、一撃喰らえば致命傷なのだ。
一歩間違えれば死に至る、同志達の無念も果たせず死ぬと思えば怖くて仕方がない。
小猫ちゃんも普段は無表情だが、今日は少し顔が強張っている。
それが当たり前だ。
しかし、兵藤くんはどうだろう?
トロンとした眠そうな瞳は欠片たりとも緊張感など帯びていない。
だが、まだかまだかとこれから起こる殺し合いを楽しみにしているかの如く、
ウズウズしている。
彼は人間で、一般人だ。 部長からもそう聞いている。
昔、部長と出会って、悪魔などの存在は知っているが、ごくごく普通に暮らしてきたらしい。
なのにそんな彼が、まるで殺し合いを待ち望んでいた様な雰囲気。
腑に落ちない、違和感が拭えない。
これから起こる事が正確に理解できていないのだろうか?
一般人からすればゲームや漫画でするような殺し合い、
いや、それよりももっと血生臭い事態になるだろう。
まさかとは思うが、殺し合いを軽く考えているのだろうか。
そうだとしたらナメているとしか思えない。
喧嘩慣れをしているのかもしれないが、そんなものは実際の殺し合いには何の役にも立たない。
自分が死ぬかもしれないという覚悟を必然的に要求されるのだ。
喧嘩などとはワケが違う、殺し合いに比べれば遊びの様なモノだ。
正直羨ましい、裏の汚い世界を知らない事に。
怒りも多少感じているかもしれない。
兵藤くんは悪くない、悪いのは僕の運命。
普通の人生を歩めたらどんなにいい事だろうか。
普通の女子校生らしく、勉強に恋愛に励めたらどんなに幸せだろうか。
怒りと羨望、それらの他には同情を感じている。
これから彼は、裏の世界に足を踏み入れようとしている。
いくら神器を持っているからといって、正直〝龍の手〟では心許ない。
元一般人が楽に暮らしていけるほど、この世界は簡単じゃないのだ。
かなりの苦労を強いられるであろう、そんな彼への無駄な同情。
僕がどう思おうが、部長は彼を欲しているみたいだ。
彼女、リアス・グレモリーには多大な恩がある。
彼女のおかげで僕は生き長らえ、復讐を果たす事が可能になったのだ。
兵藤くんには悪いが、部長が望むなら無理やりにでもこちらに引きずり込む覚悟だ。
さて、完全に身の上話になってしまった。
読者の皆様には面白みに欠ける話になってしまっただろうか。
ここらで話を戻そう。
「ご対面! 再会だねぇ! 感動的だねぇ!」
ぶっちゃけ、今までの話は現実逃避だ。
兵藤くんが扉を蹴破ると、中には見覚えのある白髪神父。
彼は苦手だ、悪魔を殺すことに快感を覚えてしまっている、厄介なタイプの神父。
実力もかなり高い方で、
銃撃音を発さない祓魔弾を放つ銃と光で刀身を形成された剣を器用に扱う。
「やぁやぁ人間くん! チミ、イッセーくんっていうらしいねぇ?
気が合う面白い奴っつう事で、華麗に無惨にぶっ殺してあげるよぉ!
んー、俺ってば優しい!」
「誰だお前」
「忘れたんかい!?」
見事な掛け合いだ、状況が状況でなければ笑えていただろう。
そして兵藤くん、君はどれだけ緊張感が無いんだい?
まぁ、少しは緊張が
彼といると、ちょっと和む。
「そういえば、アーシアちゃん何処?」
「んー、そこの祭壇の下にねぇ、隠し階段があるワケ。
そっから地下に行くと儀式場がありましてぇ、そこで何やらシコシコ励んでるぜぇ?
きゃーやらしい!」
相変わらずふざけた口調だ。
あっそ、と兵藤くんはあっさり返す。
ふらーっと祭壇まで行き、蹴っ飛ばす。
すると、そこの神父が言う様に、本当に階段が存在した。
くるりとコチラに振り返り、兵藤くんは言う。
「その神父くん、任せていい?」
……下には沢山の気配。
堕天使の配下となったはぐれ神父がうじゃうじゃいるんだろう。
その上、堕天使達の親玉も居る様だ、それらを一人で片付けるということだろうか?
彼はそこまで自分の強さに自信が?
「大丈夫なのかい?」
彼は馬鹿ではない。
それはなんとなく分かっていた。
根拠も理由もない、なんとなく本能で理解していた。
僕は色々の言葉を端折って聞いた。
それらを理解出来ないほど、彼は愚者ではない。
本当に彼女を助けれるのか?
大勢の敵がいるとしても、君自身の身を守れるのか?
堕天使の主犯格を相手取ることが出来るのか?
そして何より、君は本当に強いのか?
「ん」
短く、肯定的な返事だった。
でも、なぜだか不思議と信じれた。
テクテクと階段を下りていく兵藤くん。
彼も男だ、一度口にしたのだからそうそう簡単には殺られまい。
それに、彼が助けれなくとも、目の前の神父をさっさと倒して援護に向かえばいい。
僕一人ならまだしも、小猫ちゃんだっている。
「……さっさと神父を倒して、先輩の所に行きましょう」
グッと拳を握り締め、ファイティングポーズの小猫ちゃん。
どうやらかなりやる気の様だ、これは頼もしい。
「……あれだけ大口を叩いて負けてたら、笑ってやります」
………理由はどうであれ、やる気なのは良い事だね!
向こうも剣と銃を構える。
僕も光を喰らう剣を神器で創り出す。
さて、兵藤くんはシスター・アーシアを当初は一人で助ける気だったみたいだけど。
それほどの実力が彼には備わっているのか、お手並み拝見だね。
僕と神父が同時に飛び出し、二つの剣が交差した。
小説情報のページを見ると、感想数が千件を軽く超えていた。
わぁ、と思って感想欄を開くと………。
作者のおっぱい談義が広がっていた。
神よ、私が何をした………。
何故この度し難い変態共に裁きをお下しにならないのですか!?
作者の事を貧乳だとほざく馬鹿共に鉄槌を!
なーんて感じで言ってみたり。
学校、完全に始まりましたね、ええ。
皆様は元気に過ごされていますでしょうか?
作者は新学期登校初日からクラスメイトに「今日のパンツは何色?」と聞かれました。
何故そんな事を聞くのか、と問いただすと「バ、バッカ! そんなん言える訳ねぇだろ…」
と恥ずかしがられました。
恥ずかしがるのは作者であって、お前じゃないです、解せぬ。
えー、アンケートのつもりはありませんでした、違うからね!?
なんかゴメンなさい! 違うんです!
なんといいますか、活動報告した方がいいですか?
今回は木場ちゃんの勘違いみたいなお話でした。
次回はイッセーくんに視点が戻り、おバカな思考で頑張ってくれます。
そして作者の頭の中では、
モロ恋愛系の話はヒロインごとの構想及びコンセプトは決まっております。
流石に恋愛系の話はおフザケ無しのガチで行きたいですね。
まぁ、ちゃっちゃと第一巻の内容を終わらせて、番外編のギャグ話ブッ込んで、
早く二巻に行きたい。
という訳でまた次回、さよならです。