なんやかんやで赤龍帝   作:黒鬼

19 / 79
ダラっと行こうよ。


『なんやかんやで再び修羅場』

 

 

 

「粗茶です」

 

「どうも」

 

 

ズズッと一口、お茶を飲む。

いやぁ、やっぱ日本のお茶って美味しいよねぇ。

体も心も温まるっていうかさ、うん。

煎れ方が違うのかな。

 

 

『で、この状況をどう切り抜けるんだ相棒』

 

 

そう、問題はソコである。

 

 

現実逃避にも限界というものは存在してしまっている、悲しいことに。

もし、「私の事、覚えてる?」なんて聞かれてみろ。

下手な答えを出せば、待つのは『死』である。

「忘れちまったぜ」なんて言ってしまえば、思い出すまで脳ミソをアポンされるであろう。

それだけは避けたい。

 

 

だが、「もちろん覚えてるぜ」と言えば、なんだか修羅場になりそうな予感。

当然俺が逃げられないように金髪ちゃんが俺の腕に抱きついている。

幸せな二つの膨らみから逃れられない男の性に乾杯したい所だ。

束の間の天国、間も無く地獄という状況。

まぁ、平たく言うと雁字搦め、八方塞がりである。

さぁさぁ、困った困った。

 

 

「さて、イッセー? 何故私達が今まであなたの存在に気付かなかったか、

 何故あなたは私達から隠れていたのか、説明してもらえるかしら?」

 

 

前門の修羅、後門の夜叉とはよく言ったものだ。

目の前でリアスちゃんがドス黒いオーラを纏っている一方で、

いつの間にやらソーナちゃんが俺の後ろで水と氷の剣を携えている。

下手な挙動を見せれば、悪・即・斬♡な臨戦態勢である。

 

 

『……虎と狼じゃなかったか?』

 

 

そんな可愛らしいものではない。

 

 

逃げ場など微塵も存在しない。

なるほどなるほど、こういうのを〝詰み〟と呼ぶのか。

感心している場合ではないぞ俺。

ていうかソーナちゃんいつ入ってきた?

数々の修羅場を切り抜けて来た俺の気配察知を余裕でくぐり抜けてきたぞ。

さすがはソーナちゃん、侮れない。

 

 

さて、隙を見てトンズラしたいんだが……。

 

 

「うふふ。 逃げようなんて、考えてはダメですわよ?」

 

 

俺の頬に手を添えて、にっこり微笑む姫島先輩。

俺、この人の事よく知らない、怒らせるような事してないよ。

なに、ドSなの?

我等が精鋭なる友達(ヘンタイ)にドMはいたが、ドSはいなかった。

扱い方など分からない。

俺もどちらかと言えばSな方だ。

受身にはなれないのである。

 

 

「ねぇ、イッセー。 教えてくれるわよね?」

 

「そうですよ、イッセーくん。 今まで何をしていたんですか?」

 

 

リアスちゃん、ソーナちゃん、昔はあんなに可愛かったのに……。

怖い、ああ怖いね。

言わなきゃ殺られそうだったので、人外に会うと襲われるのが面倒だったのでと答えた。

 

 

「「そう……、嘘じゃないわよね?」」

 

 

ドス黒いオーラを纏い、目の笑っていない笑顔を浮かべる女と、

含みのある笑みで氷の剣を首筋に当ててくる女を前に嘘を吐けるほど、

俺は根性据わってない。

 

 

(中二的な)伝説の赤龍帝といえども、恐怖心は抱くものだ。

我が母上とまではいかないが、確かな殺意が向けられている。

半端なく怖いし、居心地も悪い。

 

 

何が嬉しくてこんな修羅場に陥らなければならないんだ。

「女の数は男の甲斐性」と母は言っていたが、それ以前の問題だと思う。

今、この場においては甲斐性よりも命の絶対数が必要だったと思わざるを得ない。

というより、何故二人がこんなに怒っていたのか分からない。

先輩赤龍帝達が俺の事を『鈍感クソ野郎』と褒め称えていたが、

俺はこう見えても感覚は鋭い方なのである。

我が兵藤家で一瞬でも殺気を感じ取るのが遅ければ命に関わる。

十七年間無事生き延びてきたこの俺が鈍感な訳が無い。

もちろん、褒めてくださった先輩方にはもれなく股間にコークスクリューブローをした後、

ドラゴンスープレックスで謙遜しておいた。

「礼儀正しい子だ」と、さぞ褒めそやされる事だろう。

 

 

なんやかんやで説明と言い訳を終える。

するとリアスちゃん、ソーナちゃんがチェスの駒を何処からか出し始めた。

だが、二人共駒の数が少々足りない。

あ、もしやコレが?

 

 

『ああ、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)だな。 

 数が少ないのは、既に誰かに使用しているからだ』

 

 

なるほど。

ドライグや黒歌が前に言っていた奴か。

自身の与えられた駒の種類によって、得られる特性が違うとか何とか。

ややこしい中二病設定まで持ち出して、二人は何をする気なのだろうか。

 

 

「ねぇ、イッセー。 あなた、私の眷属になってくれないかしら?」

 

「あら、抜駆けは良くないわよ、リアス?」

 

 

どうやら俺を仲間に入れたいご様子。

中二病コミュニティに入る気なんて、サラサラ無いんだが。

リアスちゃんもソーナちゃんも、ニッコリ笑顔のまま睨み合っている。

火花が飛び散っている様に見えるのは俺だけ?

 

 

「ソーナ、あなたこの前『良い眷属候補が出来た』って言っていたじゃない。

 その上でイッセーをも取ろうなんて、我儘が過ぎるんじゃないかしら?」

 

「それとこれとは話が別だと思うのだけれど。

 良い眷属は何人でも欲しいモノ、

 悪魔が欲深い生き物なのはあなたもよく知っているでしょう?」

 

「良い眷属が欲しいのは私も同じよ。 でもイッセーだけはどうしても譲れないの。

 それに私の眷属は数が少ない。 だからイッセーに駒の種類も選ばせてあげられるし、

 イッセーの価値を考慮してもあなたの駒数じゃあ足りないんじゃないかしら?」

 

「イッセーくんを譲れないのはあなただけじゃないわ。 

 それに駒の問題についても策は考えています。

 そして私の方がイッセーくんの力を存分に引き出せると思うわ。 

 あなたの様にバカ正直に突っ込んで行くのではなく、

 しっかりと策を練り、適した役目を与えてあげてこそイッセーくんの力は活きる。

 なら私がイッセーくんを貰う事こそ彼の為にもなるのではなくて?」

 

「「ふふふふふふ……」」

 

 

修羅場再び。

笑ってはいるが、目がマジである。

何故俺をそこまでして欲しがるのか……。

先輩方から今度は『鈍感ゴミ野郎』との称号を貰い受けたので、

照れ隠しに目玉とキ○タマとを入れ替えて差し上げる為に、俺は精神世界へと意識を飛ばした。

 

 

 

 

 




えー、この小説を読んだ方に続々と恋人が出来たりしているそうで。
皆さん、暑い夏を乗り切るには、コチラも熱くなってやろうという意気込みの方は、
どうぞ、この小説を読んだり、お友達に紹介してあげてください。
恋人と濃密な夏のひとときを過ごそうではないか!

※出来る恋人が異性とは限りませんので、ご了承ください。


ゲイが増加中ですね。
怖い。
気温が上昇すると、変態数も上昇するのでしょうか?
虫か!? とツッコミたくなりますねハイ。 作者も夏バテで頭がパッパラパー。
元からだろ、と言った奴ァ、汲み取り式便所で飛び込み練習させてやる。

この小説、ギャグは面白いと褒めてくださっているコメントがチラホラと。
作者は純文学を書いているかの如く清らかな心で執筆していますので、
ギャグとかちょっと分かんないって言ったら友達に殴られました、トホホです。
冗談はさておきです、どんなギャグがどう面白かったか、
結構具体的に書いていただけると嬉しかったりします。
人気のギャグは派生させて天丼ネタとして使えますし、どういう系が皆さんの好みなのか、ね?

最近は作者ツンデレとか言われてます。
べ、別に読者の為とか思ってないんだからねっ、勘違いされても困るんだからっ!
まぁ、何でもかんでも受け入れるわけではないですし?
ああしろこうしろとか、小説の方向性やキャラの性格とかクーデレとか、作者困っちゃう。
メインヒロインは誰々がいいと言われましても……。
適当にダラっと暇つぶしで書いてるので、そんな小難しい事は出来ませんので悪しからず。

適当に書いてる割には、もう一方の小説より数倍人気が有るこの小説って……。

まぁ、最近の感想は変態成分が少ない。
後書きは続けてと言われても、書く事があまり無いのだから困る。
むしろ少ないというより、薄いというべきか、パッとしたのが……。
かと言って、度肝を抜かれるような事書かれたら作者慌てるね、きっと。
結局作者はどうして欲しいんだ?

質問に答えます。
作者は変態ではありません、聖人君子です。

とある人は変な野郎に告られて大変だったそうではないですか。
家に来る前に嫁に来てください。

多かったコメントとしましては、『作者は禁手するのか?』。
……、作者、神器だったの!?
だとするならば名前は『変態創造』? おい、神滅具より凶悪だろコレ。
禁手は『猛り狂う変態達の宴』。
世界は破滅すると思う。 これ最強じゃない?

次回は何書こうかな?
多分説明回だと思われる。
ではまた次回、さようなら。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。