なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
いつも通り、ダラっと行きましょ。
卒業式。
世には様々な卒業式が存在する。
学校からの、子供からの、童貞からの、その数、内容はまさに多種多様。
そして今日は○△中学の卒業式。
つまりは俺達の卒業式なのだ。
俺達はなにもコレが初めての卒業式ではない。
小学校、もしくは保育園、幼稚園で経験した者もいることだろう。
皆一様に学校生活を振り返り、時には涙、時には感動、時には後悔と、
様々な感情が入り乱れる、正しく最後の学校行事。
小学校の卒業式。
思い起こせば、アレは三年前の三月中旬。
春の到来が待ちわびしい、まだ少し肌寒い日だった。
小学校卒業式の直前、将来の夢について考えようという特別授業。
校長から卒業証書を受け取った際に、自分の将来の夢を宣言するのだ。
その為の準備をするので、この様な授業を設けたのだろう。
「将来、大きくなったら何になりたいですかぁ?」
担任の質問にみんな、色んな答えを出す。
「消防士になりたい!」
「お花屋さんになりたーい!」
「お巡りさんになるー!」
可愛らしいモノである。
現実の辛さ過酷さも知らない
そんな中、ひときわ異質な答えを元気いっぱい?叫んだ、一人の
「はーい、ヤクザになりたいデース」
俺だった。
先生、ソレを聞いて我が家へすっ飛んで来た。
「ご両親はどのような教育をなさっているんですかッ!?」
顔中に青筋を立てて怒鳴り込んで来た。
そりゃあそうだ。
まだアルトリコーダーでチャルメラのラーメン屋の曲を吹いている様なガキが、
机を叩いてあろうことか「ヤクザになりたい」と高らかに叫ぶもんだから、
先生も心中穏やかではないだろう。
先生の話を聞き、
父は涙を流したという。
母は体中が震えたという。
「「ほほう、あの子もついに自分の進むべき道を見つけ出しましたか…」」
二人して、遠い目をしていた。
――ヤクザになる――
それは幼少期の頃からの夢だった。
「いいかイッセー。 相手がグダグダ喋っている間に、何処に鉄パイプが転がってて、
何処にレンガが落ちているかをよーく見て確認しとけ。
事が始まったらソレら拾ってドタマをカチ割ってしまえ!」
なんてことを生まれた時から毎日俺に
「まずは首、次は足の付け根、それでも動く様なら心臓を真上から刺しなさい。
でもここで気を付けるのは、胸を刺す時は刃を横に寝かさないと肋骨に当たって、
心臓に届かないからね? 刺す前によく確認しておきなさい、いいわね?」
などという事を三時間おきに俺に講義する母の下で生まれ育ったのだ。
当然の結果と言えば、そうかもしれない。
だが、それだけが理由と説明するのでは少し足りない。
その昔、俺は考えた。
このままダラダラ過ごしては、プー太郎へ一直線である。
早くから将来の夢、目標を立てた人間ほど、それらを実現しやすい。
だから、俺は色んな職業を調べ、考えた。
そして、一つ気になった職業があった。
そう、『ヤクザ』だ。
日本にいれば必ず一度は聞いたことのあるであろう。
だが、大まかなことしか知られていない。
興味本位で、俺は父に聞いた。
「ヤクザってどんな仕事?」
「年収一千万以上で、可愛い茶汲み付きで、タレントとお友達になれて、
社用でベンツとかの外車や経費使い放題で、毎晩豪遊しまくりなお仕事」
そして俺の夢が決まった。
当時の俺は純粋だった、いや、純粋過ぎた。
浄も不浄も分からなかった、深く物事を考えなかった。
だから、『ヤクザ』に憧れを抱いていた。
それからというもの、俺はヤクザを目指して
ドロップアウトのエリートコースを突っ走った。
そこらのヤンキーにガン垂れ喰らえば、穴が開くほど睨み返した。
イチャモンつけられれば、何も言いたくなくなるほど殴ったし、
殴られれば相手の顔が潰れるほど蹴ったし、
足を踏まれりゃ、踏んだその足を折って差し上げた。
それが今の流行り、最先端だと信じて疑わなかった。
何処の誰とどの様に喧嘩し、どうやって勝ったかを毎日両親に聞かれ、
答える俺も俺だが、満足そうに頷く親も大概だと思う。
だが、中学生に上がって俺は気が付いた。
――コレ、なんか違う気がする――
すごく、今更だった。
そんな事ばかりしていた俺。
悪名は知れ渡っていたのだろう。
こちらとしては、悪い事とすら思ってもいなかったのだが、
地元のヤンキーが俺の名を聞けば卒倒するほどだったらしい。
まぁ、なんやかんやで中学生活を面白可笑しく過ごしたが。
いろいろ振り返っている内に中学卒業式の全てのプログラムが終了。
会場から出ると、俺達は眼をこれでもかと言うほど見開いた。
校門に真っ黒なベンツ、アルファロメオ、ロールスロイスが沢山並んでいたのだ。
「兵藤一誠くんだね、どうだい? プロの方でやってみる気はないかね?」
と、ピッカピカの指輪をしてアルマーニの黒スーツを着た恐~い人達が、
俺に猫なで声で言って来た。
「帰って下さい」と言える強い男になりたい。
本気で切実にそう思った。
どうすればいいのだろう?
断りたいけど何て言えばいいんだろうか、分からない。
「お言葉は非常にありがたいんですが、僕は社会人の方に進みたいです」
とでも言えばいいのだろうか?
『旦那、此処は俺に任せな!』
俺の心に直で聞こえてくる声。
歴代赤龍帝の一人、リベイルだ。
通称、〝短気のリー〟と呼ばれている。
その二つ名の通り、この男、驚くほど気が短い上、行き当たりばったりなのだ。
どのくらい気が短いかというと、クソが出る前にケツを拭くくらい気が短い。
ここまで来ると、逆に見事なモノである。
いいだろう、リー。
ここは任せようじゃないか。
いい感じで断ってくれたまえ。
そうして俺は彼に体を預ける。
すると、怖い方々にギンッ!っと睨みを利かし、堂々と言った。
「ワレらが俺の子分になるんだったら考えてやるよ、おうコラ」
鈍器が欲しい。
今すぐにこのバカの頭を潰してしまいたい。
読者たちは携帯やら何やらが壊れたらしいが、コイツは頭が壊れているらしい。
言うだけならまだしも、並ぶ高級外車のドアをボッコボコに蹴り潰してやがる。
プロの面目丸つぶれ、こうなれば向こうも黙ってはいない。
「プロとアマチュアの違い、見してやるよクソガキャァァァァ!」
金バッジが欲しくて堪らないヤクザ二軍の方々が、一斉に俺に向かってくる。
先ほどやらかしてくれた
この状況をどうにかしなくてはいけない。
先に喧嘩を売ってしまったのは不本意ながらも俺である。
あまりボコボコにするのは申し訳無い。
奥歯が折れるくらい全員ド突き回してシバき倒して、
折れた奥歯に被さっている金歯を片っ端から外して差し上げた。
もちろん、金歯は知り合いの勤める○×鉄工所に持って行き、
炉で溶かしてアクセサリーにでも加工して、売り捌く予定である。
「高校生活は普通に生きたいね」
と約五十人の歯が抜かれて倒れているヤクザ二軍の方々の山の上で呟きながら、
精神世界で一人の男を半殺しにする俺であった。
まぁ、幼い頃からの夢を諦めるのもいいかもしれない。
自分がなるより、友達にいた方が何かと便利だしね。
ども、お久しぶりです。
最近はテストがあったり、熱中症になったり、異性に告られたり、同性に告られたり、
ストーカーされたり、痴漢されたりと色々あった。
うん、ちょっとおかしいね。
感想、ええ、見てますよ。 すごいですよ。
でも最近は変態よりも励ましの方が多い。
別に変態が嫌い!って訳ではない、色々刺激的で、逆にこちらが笑わせてもらっている。
励ましのご感想も勿論のこと嬉しい。 誹謗中傷を見た後読むと和みます。
【一 言】
先日、作者さんのことを占ってみました。そしたら、こんなん↓が出ました。ガチで。
夜道に気を付けて下さい。あなたを慕う人々の抑えきれない愛(性欲)により、
襲われる可能性、極大です。
うん…まぁ…あれだ…。頑張って下さい。
ストーカーってそのせいか!?
すっごい怖かったよ!?
痴漢もか! アレもこれ関係か!
そして野郎同士の生々しい体験談を書いている読者がチラホラ。
その話マジなのですか、ゲイなのですか?
すいません、作者、BLには興味無いので分かりません、分かりたくありません。
【一 言】
みんな一誠きゅん×作者ちゃんとか言ってるけどそれは違うぞ……作者ちゃん×俺だろ!!!!
バカか!?
みんな言ってねぇし、それも違ぇし、お前となんて嫌だわ!
そしてヒロイン希望が終わったからって、今度はカップリングを考えてくるんじゃありません!
もっとまともなモン考えやがってください、ご両親泣くよ!?
そして今回も女性読者と思われるモノと前回からのリピーターからもコメント。
イッセーくん、もしくは作者、はたまた両方をご所望な様子。
彼、イッセーくんはこの小説内で爆発させたいほどハッピーになると思うので、
作者を癒してください。
えー、中学卒業の話も書いたし……、原作入るかぁ。
原作ブレイクは多分するけど、流れそのものには沿わないとダメだし……。
書きやすいような書きにくいような……。
あ、ちょこちょこ番外編という名の完全ギャグ100%な話とか、いる?
書くんなら……、
第三者、つまりは町に住んでるヤンキー視点から見たイッセーとか。
誰でもいいけど、ヒロインとイッセーくんとのデートの話とか。
匙達とのおバカな話とか。
どれがいい?
どれもこれもギャグです。
感想で返答してもらえると嬉しいです。
ではまた次回。