なんやかんやで赤龍帝 作:黒鬼
励まし、応援のコメントを下さった方々に深い感謝の意をここに。
少数ですが、誹謗中傷の旨の書かれたコメントもございましたが、
ソレに対してのフォローのコメント、はたまたメッセージを送ってくださった方まで。
その上、アットノベルスにいた頃から懇意にさせていただいている方からも励ましのコメント。
この小説は、変態がちょいとばかし多いですが、読者に恵まれてるなぁと思いました。
怪文書みたいに過激な励まし方をして下さる読者様もいらっしゃいました、ホントありがとね。
アットノベルスの方で、例の件の方から謝罪のメッセージが届きました。
謝ってこられましたし、もう許してもいいかなぁ、とちょっと上から目線で言ってみたり(笑)。
それだけ印象に残ってたって事だよね、ポジティブに考えます。
えー、今回と次回の話は、番外編と言いますか。
ギャグは少なめ。
作者の書きたかった青春バカ話的なモノをコンセプトにします。
野郎同士の友情(笑)とか書きたかったのです。
ホモでもゲイでもありませんよ、言っときますけど。
なのでちょっと今までと書き方違います。
誰目線で話を進めるのか、さぁ誰でしょう。
では本編ダラっと行きましょう。
〝兵藤一誠〟――という男がいる。
曰く、天災。
曰く、化物。
曰く、天然ジゴロ。
その男に関する数々の噂が広がっている。
だがしかし、何を隠そう、その男と俺は悪友なのである。
現在俺達は中学二年生、青春真っ盛りなのだ。
俺こと、〝匙元士郎〟と奴が出会ったのは小学五年生の時。
その頃の俺は俗に言う悪ガキで、色々な悪さをしてきた。
中でも一番率先してやったのは喧嘩で、強い奴がいると聞けば、
すぐにソイツの下へと赴き、喧嘩を吹っ掛けていったものだ。
大学生四人相手に、小学生ながら単身で勝った事もあった俺は、
日本一強いと思っていた。
だが、当然上には上、世界一は存在するのである。
最近の喧嘩にも張り合いが無くなり、暇を持て余しているその頃。
巨乳好きの変態である友、松田がこんな噂を拾って来た。
『○△小学校にとんでもない奴がいるらしい』
ほう、面白そうじゃねぇか。
ソイツの特徴、詳細は?
「名前、兵藤一誠、男、同い年、イケメン、超モテる、喧嘩は化物級」
聞くからに男の敵である。
これは喧嘩せねばなるまい。
速攻で俺は授業を抜け出し、その兵藤とやらが通っている○△小学校へと乗り込んだ。
ちょうど休み時間だった様で、俺は生徒に兵藤の居場所を聞いて回った。
「あ、兵藤くん? キミもファンなの? 彼、カッコイイもんねー」
「兵藤くんの居場所知ってるの!? じゃあこのラブレター渡してくれない?
自分じゃあ恥ずかしくって……」
「あなた、私の兵藤くんに手ぇ出したら殺すわよ」
兵藤の名前を出した瞬間に、女子が群がってくる。
ますます腹が立って来るではないか。
俺は兵藤が屋上にいるという情報を男子生徒から聞き出し、すぐさま向かった。
バンッと屋上のドアを蹴破る。
そこには一人の男子がど真ん中で寝そべっていた。
「おい、お前が兵藤とかいうガキだな?」
ガキとは、謂わば生意気な奴というヤンキー語である。
ソイツはゆったりとした動きで此方を向いた。
ああ、イケメンだ。
あの顔ならば女は放って置かないだろう。
だが、奴の眼は死んだ魚のソレだった。
まるで生気が無い、この世がツマラナイ、そう訴えているような眼。
俺の事を見ている様で、見ていない。
俺というより、俺を含めた景色を見ているかの様である。
面白い、俺など眼中に無いってか?
イイだろう、俺が楽しませてやる。
「そうだけど、どちらさん?」
「匙元士郎、お前と喧嘩しに来た」
露骨に嫌そうな顔。
喧嘩、強いんじゃないのか?
「喧嘩したいなら、
「寝転んでんじゃねぇか」
「お前の相手するより寝る方が優先順位が上なの、察しろ」
完っ全にナメてやがる。
その余裕、ブッ潰してやろうじゃねぇか。
袖の中に隠してあった寸鉄を握り締め、
ノソノソと立ち上がった奴の頭目掛けて思い切り振り切った。
血が吹き出て、兵藤が横に傾く。
ヘッ、余裕カマしてるからだ、ザマァ見ろ。
喧嘩にルールなんて無いんだよ、勝ちゃあイイんだ。
アレ?
何でお前立ったままなんだ?
景色が横に見えるのは………?
ああ、そうか、やられたのは俺か。
いつの間にやら文鎮を握りしめている兵藤。
俺の攻撃が当たる前に、文鎮で俺の頭をカチ割ったらしい。
文鎮に俺の血が滴っている。
強い。
動きが見えなかった。
俺にも慢心があったのは認めるが、奴は俺より強いのは確かだ。
今のやり取りで、奴の方が強い事は理解は出来た。
だが、一撃で伸ばされるのは癪だ。
コチラも一発くらいド突いてやりたい。
軋む体に鞭打って立ち上がり、寸鉄で突く。
カチンッと響く金属音。
奴は器用にも、寸鉄をコンパスで挟んで止めていた。
何処からコンパス出した?
突如、足に痛みが走る。
見ると、『イッセー』と名前の書かれた三角定規が太ももに刺さっている。
一旦距離を置こうと思っても、靴が地面に張り付いているから動けない。
どうやら地面と靴を接着された様だ、奴が手にボンドを持っている。
その後は完全なワンサイドゲーム。
シャーペンで引っ掻かれ、消しゴムでド突かれ、モノサシで叩かれ、
筆でくすぐられ、マジックでラクガキされ、鉛筆を鼻に差し込まれた。
傍から見るとイジメに他ならない。
あれ、俺って何しに来たっけ。
ていうか結局何処から出したその文房具シリーズは。
お前は召喚術者か何かか。
文房具達でドレスアップされた俺をポラロイドカメラで写真を撮る兵藤。
容赦も情けも慈悲も無い。
鬼の様な男である。
「ほい、コレあげるからもう帰りな」
ポンと俺に写真とポラロイドカメラを手渡す兵藤。
これらがあれば、俺を脅す事も出来るのに……?
「喧嘩相手には逃げ道を作ってあげる、コレ、俺のポリシーね」
甘い、何と甘い奴なのであろうか。
徹底的に潰さなくては、後が面倒な事になるケースも少なくないのに。
こんな事、誰にでもしているのだろうか?
「俺主観でしつこくなさそうな奴限定だけど」
ツンツンと倒れている俺の頬をつつきながら言う。
どうやら少しは俺の事がお気に召したようである。
体もココロも痛いので「どうせ動けないし……」と、話をしようとする俺。
奴もトドメを刺す気は無い様で、フムフムと俺も話を聞いてくれる。
話してみると意外に面白い奴だった。
滅茶苦茶な癖に妙にマイペース。
独特の価値観と雰囲気を持ち、あくまで自堕落主義な男。
俺とは全然違う奴なのにどうも気が合う様で、そこから俺達の付き合いが始まった。
変態。
元の形と変わること。
これには複数の意味が存在する。
例えば昆虫。
――サナギが蝶へと変態する――
美しい羽を生やし、宙を舞う蝶へと進化する事なのだ。
なんと素晴らしい。
例えば工業。
――金属の変態――
これは物質が相を固体、液体、気体に変える事、固体状態で結晶構造を変える現象を起こす事。
それらの事や現象を差す。
勤勉な工業系の学生などが勉強する内容だ。
結構その道では大事なポイントだろう、覚えておかねばならない人は少なくない。
だが、変態にはもう一つ……、別の意味が存在する。
【一 言】
もう作者さんに縛られたい…////
きっとその先には素晴らしい世界が…!!
この様な異常性癖の持ち主。
この手の変態は何故か同じ所に集中する習性を持つ。
その最たるものがこの小説の感想欄。
脳に原因があるのか、精神的なものなのか、検討もつかない。
変態は総じて異常な言動、はたまた、異常な性癖を持ち、
ソレを何の躊躇いも無く外界、つまりは、現実へとブッ込んでくる。
異常なまでの性癖を持つ代わりに、羞恥心は持っていないようだ。
【一 言】
作者さんにいじめられたあああああい!!!(願望)
そして何故か作者を巻き込みたがる。
最近車に轢かれたり、バイクに撥ねられたり、チャリに突っ込まれたりして、
完全に弱りきった作者にトドメを刺そうとしているように思えてならない。
だが、この小説でも先週なんやかんやあったので、変態も空気を読んで、
そのナリを潜めている。
いつ復活し、そのイカレた言動に巻き込まれるか、ハラハラドキドキな毎日。
後書きの内容が濃過ぎて、本編が頭に入らないと言われたこの作品。
一応後書きはオマケのつもりだが、こんな事を言ってはまた変態達が喜びそうなので怖い。
そして最近ゲイがこの小説の感想欄で異常発生。
本気で怖い。
【良い点】
読者に変態が多いこと
------------------------------------------------
【悪い点】
作者が変態じゃないこと(笑)
だからソレ作者悪くない。
作者は変態っていうお馬鹿ちゃん達と、変態ではないからダメっていう残念な方々と、
変態になろうぜって誘ってくるイカレポンチ共の三つ巴。
ちょっとちょっと、作者を巻き込まないで恐いから。
本編だけでなく、後書きもちょっと変わったテイストで書いてみた。
どうだったかな?
次回はイッセーくんの出番はほぼ無し(笑)。
じゃあ、また次回。