【三人称side】
アザ「リアスのやつ。こりゃあ後が大変だな」
空中に投影されたモニターを見ながら、アザゼルが呟いた。そのモニターは今までリアス対ソーナのレーティングゲームが映し出されていた。レーティングゲーム観戦会場のVIPルーム。そこにはアザゼルの他に魔王であるサーゼクスにセラフォルー、北欧からのオーディンが集っていた
サ「確かに。下馬評ではリーアたんたちの勝率は7割以上。結果だけを言えば下馬評では通りだが」
アザ「活躍したのはほとんどが新しく入った眷属の2人。眷属の手柄は主の手柄になるとはいえ、これは周りから何か言われるな」
先ほど繰り広げられたゲームでは絶斗とゼノヴィアの2人が他を圧倒していた。結界に囚われるもすぐに脱出。その後ゼノヴィアは『
アザ「はっきり言って異常だぜ?どうしたらあんな的確に、冷静に対処し避けられるんだ。あの年でできるのはグシャラボラスとバアルのとこぐらいだと思ったのによ」
2人が評価をされているのは試合にただ勝っただけではない。戦闘がなかったリアスや守られていたアーシア・朱乃を除き、前線に出たものたちは重軽傷問わずダメージを受けた。しかし絶斗とゼノヴィアは一撃もダメージを受けていなかった。最前線で戦っていたにもかかわらず
サ「確かに。2人の戦闘能力は素晴らしいものだ。しかしアザゼル。リーアたん達を指導していたのは君なら何か知ってるんじゃないのかな?」
アザ「知らねぇよ。あの2人に関しては俺はノータッチだ。俺が知ってるのはあの2人が青龍の下にいたってことだけだ」
オ「ほぅ、あの悪魔嫌いで有名なところにのぉ」
アザ「じじぃ。青龍のこと知ってるのか?」
話に首を突っ込んだのはオーディンだった。北欧と日本とでは関わりがないようにも思えるが
オ「欧州にも四神の1人がいるからの。そのものは特に何をするわけではないが、そ奴を通じてどういうものかだけは知っておった」
アザ「なんだよ。知らねえのかよ」
オ「ほっほっほ。知ってるとは一言も言っとらんわ。後はあのドラゴンの小僧たちじゃのう?見る分には楽しめたからの」
ドラゴンの小僧たち・・・リアスの眷属である赤龍帝のイッセーとソーナの眷属である
オ「(青龍は日本に言った時にでも見ればよかろう。近々日本への用事もあることだしの)」
アザ「いずれにせよ、リアスにはトレードの要請が殺到するはずだ。まだ日も浅い眷属ならばトレードに応じるかも知れないと考える悪魔もいるだろうからな」
サ「そうだね。だがそれはリーアたんが決めることだ。手放さないと思うけどね。さて、ゲームは終わった。私は向こうに向かうよ」
サーゼクスは立ち上がり、オーディンに挨拶するとその場を後にした。そしてアザゼルも続くようにある場所に向かった
【絶斗side】
ゲーム終了後。俺達はとある医療施設に来ていた。オカ研も生徒会もレーティングゲームに出たものたちははここで体を休めている。と言っても怪我もしなかった俺とゼノヴィア、部長、朱乃さんにアーシアはお見舞いとするために来ていた
リ「入わよ?」
イッセーのいる病室の前に着いた部長は、ノックをして中に入った
イ「部長!」
リ「元気そうね。安心したわ」
イッセーの体には包帯を巻いており、殴られた跡がまだ消えずに残っている。確かレーティングゲームの設定は一番軽いもの。死ぬようなダメージを受けても死なないようになっていたはずだ。それでも傷が残るなんてどれだけ重傷を負ったんだ?ともあれアーシアが
ア「終わりました。イッセーさん、どうですか?」
イ「ああ!どこも痛くない。ありがとな」
ア「いえ、結局私は何もできませんでしたから。あっ!他の方も癒してきますね」
朱「なら私もついていきますわ。特にギャスパー君は心配ですもの」
イッセーを治し終えたアーシアはお礼を言われたがどこか悔しそうだった。確かに朱乃さんの後ろにずっといたもんな
リ「イッセーはもう大丈夫ね。だけど勝手に動いちゃだめよ?まだお医者さんからの許可がないんだから」
イ「はい。・・・すみませんでした。俺、あまり活躍できなくて」
リ「いいのよイッセー。これから強くなれば。あなたはまだまだ強くなれるのだから」
部長がイッセーの頭を撫でる。イッセーの顔が赤くなるがその目はある一点に集中していた。まあ仕方がないと首を振ると隣にいるゼノヴィアが軽く頭を出してきた
ゼ「絶斗。私もしてほしい」
絶「ああ、まあいいか。頑張ったしな」
ゼノヴィアは一人で『
サ「すまないね。取り込み中だったかな?」
ゼノヴィアの頭を撫でていると。魔王のサーゼクスさんとアザゼル先生が病室に入ってきた
リ「お、お兄様!いえ、突然だったもので、驚いてしまって」
サ「それはすまなかったね。実はこれを渡しに来たんだ」
ゼ「これは・・・?」
サーゼクスさんは懐から小箱を取り出すと、ゼノヴィアへと差し出した。それを見た部長が驚いた表情をしていた
サ「これはレーティングゲームで活躍した者や印象的な戦いを演じた者に贈られるものだ」
リ「すごいじゃないゼノヴィア!その箱を貰えたのはすごい名誉なことなのよ!」
部長がすごい喜んでいる。それ程の物なのか?
絶「や、てことは複数に当たることもあるわけですか?」
サ「そうだね。今回は匙君にもあげたよ。結果は残らないとはいえイッセーくんを、あの赤龍帝を倒した。私たちは君の戦いを観戦室で興奮しながら見ていた。見ていた多くの者たちがあの戦いに賛辞を贈ったほどなんだよ」
イッセー達も激しい戦いがあったんだな
サ「これからもリアスの力になってくれ」
ゼ「あ、ありがとうございます(上がまだいるとはいえあの程度で表彰ものか。安いものだな)」
やっぱりぎこちなくなってる。内心複雑だろうなぁ。ゼノヴィア
アザ「ところで。お前たち2人はこのゲームで特に活躍したが何故急激にそこまでの力をつけられた?何を使った?」
今まで声すら出さなかった先生が俺とゼノヴィアにたずねた。その疑問は最もだろう
サ「私もそれは疑問に思った。シトリー達だって決して弱いわけではない。ましてソーナ君達は戦略も考えられてたし連携も見事だったからね」
絶「言えません。口止めされてます」
アザ「どうしてもか?」
少し声に力が込められていたな。さて、どうするか
絶「そうですね。慣れていた、とだけ言いましょう」
ゼ「これ以上は直接本人から聞いてください。アザゼル先生ならば可能でしょう?」
これが限界かな?ゼノヴィアも同じ考えなようでよかった
アザ「チッ、しかたねぇか」
サ「アザゼル。もしわかったら」
アザ「心配するな。教えてやる」
特別なことはしていないし無駄だと思うけどな。もしここれ同じやり方をするならばフェニックスの涙が必要なわけだし
絶「そろそろ俺達も他の人のお見舞いに来たいで失礼します。行こうか、ゼノヴィア」
ゼ「ああ」
これ以上聞かれたら堪らないな。そう判断した俺はゼノヴィアを連れて病室をあとにした