ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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特に必要はないですけど入れたくなりました。やはりゼファードル達に比べかなり書きやすかったです


ゲームを見終えて

【絶斗side】

 

グシャラボラス家とバアル家のレーティングゲームが行われた次の日。俺とゼノヴィアは変わらず蒼歳(そうせい)町で修行をつけられていた

 

絶「くっ、速い・・・」

 

迫り来る拳や脚、指や膝等を躱し、剣で相殺し防いでいる。以前よりもラッシュが速い。本人はそのつもりもないのだろうけど

 

白「一通り教えたので次の段階だそうです。何を使うようになるか、何を伸ばすかは貴方次第。だそうです」

 

そう言われても防ぐだけで手いっぱいのこの状況じゃあ何もできない。相手は白音さん。本当は蒼枒さんが相手だったらしいが朝からいないらしいため代わりに白音さんが相手してくれている。ちゃんづけはやめた。年上だし教えてもらう相手にちゃんづけは如何なものかと思ったからな

 

絶「(マズい、押し切られる)」

 

白「(まあ、持った方ですか)」

 

じわりじわりとこちらに近づいて来る。風の斬撃は隙が大きすぎて使えない。風を操ろうにも意識を割くこともできない。二刀流になり手数を増やそうと思うが《アミル・ガウル》の羽根に持ち変える瞬間にできる隙を突かれてしまう。このままではジリ貧と思った時には白音さんに手を掴まれていた

 

絶「(マズッ)」

 

抵抗する間もなく一瞬で投げ飛ばされる。意識が飛びそうになるのを何とか持ちこたえ、姿勢を整えると空気の足場を作る。足をつけ顔を上げると、目の前には既に白音さんが迫っていた

 

絶「(死ぬ!)」

 

拳が目の前に迫り死を感じる中で必死に顔を逸らした。辛うじて頰が切れる程度で済んだが

 

絶「がぁぁぁあああ!!?」

 

拳は止まることなく俺の右肩を砕いた。戦いの中で声を上げるなと言われているが痛みによる悲鳴は早々に抑えることができるようにものでもなかった。そして反撃する暇も余裕もなく、脚が腹に突き刺さり打ち上げられると次の瞬間には地面へと落とされた

 

 

 

 

絶「はっ!?」

 

白「やっと起きましたか」

 

どうやら俺は気絶していたらしい

 

白「まだ手加減しなければならないですかね?重りをつけ、技も使わず気も妖力その他も封印し、身体能力のみで相手をしているのですが」

 

絶「いや、そのままでいい。格上の相手と戦えるようにならないとこの先生き残ることも護ることもできないからな」

 

立ち上がりながら右肩を回す。砕かれていた肩も気絶している間に白音さんが治してくれたようだ

 

白「貴方がそういうならそれでいいです。ですがそれでは私に益がないですね・・・」

 

そういう白音さんは手を伸ばすと先から大量の炎を吹き出し始めた。それは人の形になると溢れていた炎が収まり

色が付き始めた。その姿は完全に白音さんと一致していた

 

絶「分身、ですか?」

 

白「そうです。お姉ちゃんのように数十と言う数を同時に操ることはできませんが、私もできることに越したことはないので。私よりも弱いですが甘く見たりしないことです」

 

絶「分かっています」

 

元より甘くなど見ていない。おそらくだが、この町の戦う者の中で一番弱いのは俺だろう。そんな中で相手を軽く見るようなことなどできるわけがない。向かってくる分身に俺は《アミル・ガウル》を構えた

 

 

 

 

 

 

 

【ゼノヴィアside】

 

葉「そういえばレーティングゲームはどうでした?」

 

私は今青龍の妹、葉月に張られた結界の中に閉じ込められていた。中から結界の弱い点を探し出し、それを突くことで脱出するのがこの修行の目的らしいが、力ばかりにかまけていた私に、こういう精密なのは辛い。張っている葉月は結界の上に腰掛けながら自ら生み出した水竜2体を自身の分身と戦わせていた

 

ゼ「バアル家が負けたな。グレモリーは残念がっていたよ」

 

互いに本気を出し始めてからはすごかった。あの戦いは魔王同士の戦いだと魔王サーゼクスは言っていた。確かに今の私たちでは誰一人としてあの3人に勝てないだろう。それほどまでに力の差を感じた

 

葉「そうですか。何か得るものはありましたか?」

 

ゼ「技術的なことは何も。相手の情報だけだな」

 

どちらの眷属も確かな強さを持っていた。戦闘に秀でてなくても他の者と組みサポートしたりと自身の力を発揮していた。いずれ戦うであろう彼らのことはもっと知るべきだが、特に情報が欲しいのは最後に戦っていた4人だ。凄まじい戦闘能力を持つ(キング)のサイラオーグに彼の兵士(ポーン)である『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』。彼らはさらに禁手化(バランス・ブレイク)を行うこともできる。『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』。それを纏ったサイラオーグはその凄まじい戦闘能力をさらに上げていた。だがそんな彼らでさえ勝つことのできなかったのがグシャラボラス家の(キング)女王(クィーン)だった。女王(クィーン)は獅子に変身した『獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)』を元の戦斧へと戻す槍を持ち、禁手化(バランス・ブレイク)でもしたのか槍の他に大きな水晶と背に輝く光輪を浮かべた時は『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』を纏ったサイラオーグに対し未来でも見えているような攻撃・防御を行っていた。移動はすべて乗っている馬が行っていたが・・・。(キング)であるゼファードルは単体でサイラオーグと同等の戦闘力を持ちながらさらにドラゴンへと変身もできる。その状態では僅かばかり『獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)』を纏ったサイラオーグに僅かばかり劣っていたが、さらに変化できるのか剣を持った細身の姿になったり、巨大になったりしていた。最後は元のドラゴンの姿に戻り炎の掌底を叩きこんでいた。それが決め手となりグシャラボラス家の勝利となった

 

葉「情報は大切ですよ。孫子にも彼を知り己を知れば百戦殆うからず、と書かれてますし。戦う相手のことだけではなく身内のこともよくしておいてくださいね。でなければ思わぬことが起きるかもしれませんよ。・・・ですが実力が離れすぎていればそれも意味をなさず潰されてしまうことなんですけどね」

 

ゼ「まあ、そうだろうな」

 

今座っている葉月や彼女の兄たちならばグシャラボラス家にも勝てるだろうか?彼女を含めた4人の本気の戦い。あれを見てからというもの彼女たちに対して勝てるイメージが全くつかない。サイラオーグとゼファードルも同じく勝てないと思ったが、葉月たち比べるとまだ勝てる見込みがあると思えた

 

葉「さて、話はこれぐらいにして。見つかりましたか?」

 

ゼ「いや、まだダメだ」

 

全く見つからない。いっそのことデュランダルで破壊してしまおうと思ったが、それでは修行の意味がないと思いなおした

 

葉「視覚ではなく、感じたほうが分かりやすいですよ」

 

そう言われて目を閉じる。教えてもらった気はまだ使えない。残るは魔力と聖剣の力だが、魔力は使えなくなることを考えると残るは聖剣の力。まだまだ使いこなすには程遠いがいまはやるしかない。聖剣が放つオーラを結界の面に伸ばしていき、弱いところを探る。すると自分の立っているの面の一部が怪しいと感じた

 

ゼ「これか!」

 

私はその場所をデュランダルで突き刺したが、結界は割れることなく健在だった

 

ゼ「何故だ?確かに弱点を突いたはず」

 

葉「それは偽物ですよ。まさか対策をしていないとでも思ったのですか?」

 

言われてみればそれは当然のことか。弱点がある事を知っているのにわざわざ放置するわけがない

 

葉「今のは一番わかりやすい偽物でしたがその調子です。はやく見つけれるように頑張ってくださいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【黒歌side】

 

今日は朝起きたときから蒼枒がいない。急にいなくなったことを考えるとスサノヲ様に連れていかれたのだと思う。蒼枒が予定していた修行は代わりに白音がつけていた。それも終わり夕方を過ぎても蒼枒は帰ってこない。夕飯も食べ終わり、お風呂に入ってもまだ帰ってこない。葉月達はすでに寝てしまった

 

黒「蒼枒ぁ・・・」

 

もう少しで丸一日が経つ。これほど長く離れるなんて片手で数えるほどしかない。クッションを抱えたままソファーに横になる。寂しさを紛らわすようにクッションを抱きしめた

 

黒「はやく、はやく帰ってきてにゃ・・・」

 

いつもなら抱きしめてもらいながら撫でてもらって、時折キスして、たくさん甘えさせてくれる。今日はそれがなかった。寂しさから涙が目に浮かび始めたころ、家の中に突如神の気配が2つ現れた。そしてその1つは

 

黒「蒼枒!」

 

私はすぐにその場所へと瞬間移動した。そこにはスサノヲ様とピクリとも動かない倒れたままの蒼枒の姿が

 

ス「流石は蒼枒だな。早くも天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を使いこなすか」

 

黒「蒼枒は!蒼枒は無事なんですかにゃ!!?」

 

ス「気絶しているだけだ。完全に力を使い果たした上でさらに力を使ったからな。よくあることだ」

 

確かに、力を限界以上に使って気絶するのは私も何度も同じ経験をしている。だけど蒼枒がそうなるのは見たことがなかった

 

ス「今日は興が乗ってな。存分にやり合えて楽しかったぞ。ではまたな」

 

スサノヲ様はどこからか瓢箪(ひょうたん)を取り出すと飲みながら帰っていった。瓢箪(ひょうたん)の中身、きっとあれはお酒だ。蒼枒はおそらく、軽く酔っているスサノヲ様が満足するまでずっと相手をさせられたのだろう

 

黒「・・・しょうがないにゃあ」

 

力を使い果たしたということはすぐに起きることはない。私は蒼枒に張られている重力符を剥すと分身と一緒に蒼枒を私たちの寝室まで運び、布団に寝かせた

 

黒「にゃふふ、蒼枒ぁ」

 

私も布団にもぐりこむ。ああ、やっと蒼枒を感じられる。この暖かい気に包まれる感覚は蒼枒だけ

 

黒「蒼枒・・・大好きにゃ」

 

私は蒼枒の頭を胸に抱きよせる。胸の中に愛しい旦那様を感じながら私も瞳を閉じた

 


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