そしてすごく難しかった。メインキャラが一人も出ないからしかたないけど
あ、時系列的にはコカビエル戦後、会談前です
・・・本当に難しかった
【レイナーレside】
朱「貴方はあの時の堕天使!なぜここに!?」
会いたくないのに会ってしまったわ。これがフラグ回収というやつなのかしらね。・・・それにしても困ったわ。今の私は買い物の帰り。神宮まではまだ少し距離があるし両手は荷物でふさがっている。飛んでいこうにも荷物を落としたら大変だし・・・
朱「答えなさい!あなたはここで何を企んでいるのですか!?」
グレモリーの眷属は手に魔力を籠めこちらに向けている。言葉を聞いてくれるような雰囲気でもないし、だからといって逃げられそうにもない。本当にどうしようかしら。せめてミッテルトがいてくれたらこんなことにはならなかったのに
レ「・・・何も企んでなんていないわよ。今だってお使いの帰りだし」
朱「お使い・・・堕天使のあなたが誰かの下につくなんて」
レ「そういうあなただってグレモリーの眷属じゃない!バラキエル様の娘にも関わらず」
あ、顔が険しくなったわね。今言ったのは失敗だったかしら?・・・あれ?バラキエル様の娘?自分で言って気づいたけど、この娘ってバラキエル様と朱璃さんの子供!?なんで悪魔にいなっているの!?
朱「リアスは関係ありませんわ!」
レ「まあ、別にいいけど。それよりも私がここにいる理由だったわね。それは行き場の失った私たちを拾ってくださったからよ」
朱「拾われた?一体誰が!」
?「おや?こんなところでどうしました?」
漆黒の翼を翻し私たちの間に降りてきたのは上司である烏天狗の楓様。いつみてもカッコいいわぁ
朱「・・・あなたは?」
楓「あなたは朱璃さんの娘さんの朱乃さんですね。私は楓と言います。蒼枒様の直属の部下で普段は神宮の運営を行っています」
以後お見知りおきを。と滑らかな動きで礼をする楓様。だけど相手はまだ警戒を解いていないみたい。・・・堕天使と勘違いしているのかしら?
朱璃「朱乃!」
慌ててこっちに走ってくるのは朱璃さん。たまにS気が入るけど私に仕事お教えてくれた人。確か今日は休みのはずだったけれど、娘と会うためだったのか
朱「お母さん!来ちゃダメ!」
朱璃「すみません!娘がご迷惑を!」
朱「なんで頭を下げてるの!?この堕天使はイッセーさんとアーシアさんの命を奪った元凶なのに!!」
いや、アーシアは確かに私のせいだけど、あの少年は私じゃないわよ!
楓「・・・皆さん一度落ち着きましょう。ここでは何ですから話せる場所に案内します。レイナーレさんは使いを果たしてからいらしてください」
レ「わかりました」
任されていた荷物をしまい、報告を終えた私はクランが来た時に案内された建物に向かった。部屋に入ると既に楓様が説明なさっていて、先ほどまでの睨むような視線は受けなかったが警戒はまだしているようだった
楓「ご苦労様です。貴女がここにいる訳は先に話しておきました」
レ「ありがとうございます。それで、何故貴女はそんなに警戒しているの?」
朱「堕天使を警戒しない理由がありませんわ!」
まあそれは当然のことよね。はぐれになった私たちでも堕天使であることには変わりないし。でもそれだけが理由でここまで警戒するなんてことはないはず
朱「訳だって納得したわけじゃありません!拾ってくれたというのは嘘で本当は貴方が操ってるんじゃないんですの?ここには私の母もいますし後ろ盾を得るのは簡単だはなくて?」
レ「ちょっと!!それはないわよ!そんなこと私ができるわけないじゃない!」
そんな術も能力も持ってないわよ。それに他者を操るのはかなりの精神力がいるって聞いたことがあるし、私よりも上ばかりのこの場所で私が操ることができる者なんていないわよ
楓「少し落ち着きましょうか」
朱璃「そうよ朱乃。何が気に入らないかわからないけどあなたはレイナーレさんに何をしてほしいの?」
朱「・・・私は、2人に謝ってほしいですわ。自分の身勝手で傷つけたことを」
謝ってほしいですって!そんなの
レ「私だってできるなら謝りたいわよ!私のアーシアを殺してしまったんだもの!でも、私一人で外を出歩くことなんてできるわけないじゃない!ましてグレモリーが近くにいるんだったら尚更よ!」
今の私たちは黒歌と同じくはぐれ認定されている身。私たちが何事もなく暮らせてるのは、この町が悪魔嫌いの青龍によって大体の悪魔が排除されるためであり、協会がないこの町には天使も来ない。堕天使も自由に動けるのはわずかな者のみで私がここにいることを知っているのはバラキエル様のみ。だが、この町を出れば私たちを守るものがなくなり見つかり次第殺されてしまう。そんな状態で会いに行くことなんてできるわけない
楓「・・・なら機会を設ければよろしいのではないですか?そのアーシアさんと私たちが同伴で会うならば問題ないんでしょう?」
朱「そんなことできませんわ!貴方のことをまだ信用しているわけではないんです。レイナーレがまた
失礼ね。もう狙ってないわよ。あの時だってアーシアは
楓「そうですね・・・では私はレイナーレが襲わぬよう結界に閉じ込めます。その中から互いに話せるようにしましょうか。レイナーレさんの全力でも私の張る結界を破ることはできませんので。貴女はアーシアさん一人を連れてくること。あまり大事にはしたくないですから。そして連れてきた後はいつでも動けるように貴方が見張る、というのはどうですか?」
レ「ええ!?でも、この町の外に出るのは危険だしそこまでしてもらうのはご迷惑では」
楓「流石に1日は無理ですが1時間程度なら私一人でもついていくことは可能です。それでどうですか?予定はそちらで決めてもらって構いませんが」
朱「・・・わかりましたわ。予定は後日」
【3人称side】
レイナーレが朱乃と出会ってから何日か経ったある日。駒王町のある小さな公園に人払いの結界が張られていた
ア「朱乃先輩、ここに連れてきたのはどうしてですか?」
朱「貴女に会いたいという方が来ますわ。・・・私としては会ってほしくはないのですが」
そこへ朱乃がアーシアを連れていていた。公園の中に入ると黒髪の男女が待っていた。男のほうは神主の服装を、女性は巫女服を着ていた
ア「!?レイナーレ・・・様?」
レ「アーシア・・・」
アーシアはレイナーレの姿を見ると小走りで向かった。だが、手を伸ばせば届くというところで何か壁のようなものにぶつかった
ア「痛い。一体何が・・・?」
楓「大丈夫ですか?結界が張られているのでそれ以上は近づけませんよ」
アーシアを阻んだのは楓が張った結界だった。その範囲はレイナーレを囲うように展開されており、それを見た朱乃は少し心が落ち着いた
朱「約束通りにしてくれたますわね」
楓「当然です。ですが、あなた方は約束を破ったみたいですね」
朱「え?」
イ「レイナァァレェェエエ!!」
朱乃が楓の向ける視線を先を見るとそこにはイッセーとリアスがいた。二人は襲い掛かろうとこちらに向かってきており、イッセーの左腕
リ「アーシア!朱乃!大丈夫!?」
朱「リアス!それにイッセー君も!なんでここに!?」
リ「二人が出ていくのを心配してついてきたのよ。それにしてもまたアーシアの
リアスが朱乃と話す中、イッセーはレイナーレとアーシアの間に割って入るように飛び込み、アーシアを後ろに隠した
イ「レイナーレ!!お前、まだアーシアを狙っているのか!?」
レ「違うわよ!私はただあの時に殺してしまったアーシアに謝りたいだけ。ただそれだけよ」
イ「嘘をつくなぁ!!そんなこと言って油断させるのが目的だろ!」
相手の話を一切聞かず、自分の考えを押し通すイッセーはレイナーレに殴り掛かろうとしたが、アーシアと同様に結界に阻まれた
イ「これは結界か!こんなもの」
イッセーは倍加した力で結界を殴り壊した。結界を壊したことでレイナーレが守るものが無くなったと思ったイッセーは余裕の表情を見せた
イ「これでお前の張った結界はなくなった!覚悟しろ!」
楓「ふむ。破られてしまいましたか。まあ強度を内外逆にしていましたし当然でしょう」
自身が張った結界を分析していた楓。レイナーレしか目に入っていなかったイッセーは楓がいきなり現れたように感じた
イ「うお!いつの間に!?」
楓「始めからいました。ですが厄介なことになりましたね」
楓は来る予定のない二人を見ていた。イッセーはこちらを完全に敵視してアーシアを自身の後ろに隠したまま。リアスも朱乃の傍を離れないが変わらずレイナーレたちを警戒していた
イ「お前は一体何者だ!なんで一緒にいる?レイナーレの仲間か!?」
楓「申し遅れました。私、レイナーレさんの上司をしています楓と申すものです。・・・さて、レイナーレさん。予定が大幅に変わりました。私が部外者は私が抑えて置くので手短にお願いします」
レ「はい。って、え?抑えるって」
レイナーレの返事を確認した楓は懐から一枚の扇を取り出し、イッセーに向かって横に一薙ぎした。ただそれだけでイッセーの身体は空へと舞い飛ばされた
イ「ウワアアァァァァ」
リ「イッセー!」
楓「貴女もですよ」
そういうと下から掬い上げるように扇を仰ぐとリアスも風にさらわれ天へと飛ばされた
朱「リアス!」
楓「悪魔ですから羽は持っているでしょう。あとはこちらに来ないようにするだけですから怪我は極力させないようにします。朱乃さんは巻き込まれないようにアーシアさんと一緒にいてください」
そう言い残すと楓は背中から翼を出して悪魔たちを追いかけた
レ「アーシア・・・」
ア「レイナーレ様。イッセーさんとリアス部長が!」
レ「大丈夫よ。余程のことがない限り楓様なら2人に怪我をさせないようにしてくださるわ。それよりも・・・」
2人なら心配ないと言うレイナーレはアーシアに対し、深々と頭を下げた
レ「アーシア・・・ごめんなさい!私のせいで殺してしまって。あの時ちゃんとフリードを抑えていれば死ぬことも、悪魔に転生することもなかったのに」
ア「レイナーレ様・・・
レ「許してくれなくても構わないわ。私は貴女にそれだけのことをしたのだから。でも、謝らせて。本当にごめんなさい」
ア「・・・頭を上げてくださいレイナーレ様。私は、悪魔になってよかったと思っています。神に祈ることができなくなったのは確かに残念ですが、大切な人と、たくさんのお友達もできました。だから・・・貴女のことを許します」
レ「アーシア・・・」
頭を上げるレイナーレ。2人は互いに手を伸ばそうとするが再び結界によって阻まれた
朱「・・・約束は守ってくださってますけど、雰囲気が台無しですわね」
朱乃がそう思うのも無理はない。楓は誰にも悟られずレイナーレを結界の中に入れておいたからだ
ア「レイナーレ様」
レ「しょうがないわ。あなたの安全のためだもの。それよりも大切な人ってもしかしてあの子のことかしら」
そういってレイナーレが空を見上げるとドラゴンショットを放つイッセーの姿があった。だがそのドラゴンショットも楓に届く前にエネルギーを散らされ、霧散してしまっていた
ア「はい。イッセーさんのことです」
レ「そう。騙しとは言えデートした私からアドバイスよ。あれは目移りが激しいわ。デート中も楽しませようとしていたけど少し際どい服を着た女性が通り過ぎればそちらに目が移っていわ。だからアーシア、手綱はしっかり握っていなさい。できるならば尻に敷くぐらいまで」
ア「イッセーさんを尻に敷くなんて」
レ「そういう意味じゃないわよ!」
何か勘違いしているアーシアにレイナーレが助言をしていると、上空から楓が降り立った
楓「謝罪は済みましたか?こちらも無力化し終わりました」
楓の後に続くようにイッセーとリアスが現れた。静かに地面へと降ろされた2人だが身体が動かなくないようで無理矢理動かそうとするもうめき声をあげるだけだった
朱「リアス!」
ア「イッセーさん!」
楓「心配せずとも体を麻痺させただけです。10分もすれば動けるようになりますよ」
リ「堕天使が私たちにこんなことして・・・どうなるかわかっているの!?」
楓「知りませんね。それに、何を勘違いされてるかわかりませんが私は烏天狗。堕天使ではありません」
自分が天狗と言う楓にリアスはそんなこと認められないというように反論した
リ「嘘よ!だって堕天使と同じような黒い翼が生えてたじゃない」
楓「烏だから羽根が黒いのは当然じゃないですか。・・・さて用事は終えましたし私たちは帰ります」
レ「わかりました」
何を言ってるんだという風に首を振る楓。用事を終えた彼はこの場所にいる理由もなくレイナーレを連れて帰ろうとしていた
イ「くっそおおぉぉぉ!待ちやがれ」
リ「そうよ!なぜアーシアには謝っておいて同じように殺したイッセーには何も無いの!」
レ「アーシアを殺した原因は私にあるわ。だけどその少年に謝る理由はないわ」
リ「イッセーも殺したじゃない!」
レ「ちゃんと急所を外したわよ。救急車も手配していたしあの公園に来るまでの時間も考えて行動していたわ。貴女が何もしなくても病院に運ばれ問題なく回復したはずだったのよ。そうでなければ私が蒼枒様に消されてしまうもの。それに、彼にはあの時に謝ったしね。勝手に悪魔にしたのは貴女じゃない」
レイナーレの言う通り、リアスは意識のないイッセーを本人の了承もなく勝手に悪魔へと転生させた。そんなことしなくても助かっていたにも関わらず
レ「だから改めて貴方には謝るようなことはしないわ」
楓「もういいですか?あまり長いようならば置いていきますよ」
レ「すみません。・・・私のことは忘れなさい。近くにいい子がいるのだから気持ちにこたえてあげないとかわいそうよ」
そういってレイナーレは楓と共に翼を広げると飛んで行った。それから10分後、楓の言う通りしてリアスとイッセーは体を動かせるようになると朱乃へと問い詰めていた
リ「今回は無事だったからよかったけど次も同じようになるかはわからないわ。こんな危険なことをするなら一言私に話を通してからにしてちょうだい」
朱「そうですわね。今回のことはすみませんでした」
リ「わかってくれたならいいの。それよりも青龍の件ね。黒歌のことといい私たちに対して邪魔ばかりするわね」
朱乃から今回のことの経緯を聞いたリアスは本来ならば討伐しなければならないはぐれの存在を匿う青龍に対し頭を悩ませることになった
アーシアとは和解できてもイッセーとは無理でした。
一応、ここのイッセーはレイナーレのことを原作よりは憎んではいません。しかしレイナーレの姿を見ると、がまたアーシアを狙っていると勘違いをし、アーシアを守る為に突っかかっていきました。誤解を解く機会も楓に処理された後では話をすることができませんでしたし、そもそもイッセーは敵の言葉は聞こうとしなませんけどね