ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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最近忙しく、内容を考える時間も書く時間も全然取れないです(そのため書いていてイマイチな感じがします)

8/31 加筆修正しました


運命の選択

【絶斗side】

 

蒼枒さんからの条件は予想通り、悪魔をやめることだった

 

ゼ「な、何を言って・・・」

 

絶「ゼノヴィア、何も不思議なことじゃないだろ。今までのことを考えれば蒼枒さんの出す条件は当然だと思うぞ。悪魔が嫌いなんだからな」

 

蒼「いや、別に悪魔は嫌いではないぞ」

 

おや?おかしいな。あれほど悪魔を排他的にしてきた蒼枒さんが悪魔は嫌いではないと言った。何故だ?それはゼノヴィアも同じ考えの様で

 

ゼ「何故だ!?嫌いでもないなら何故悪魔をやめろというんだ!」

 

黒「・・・ねえ貴女。好きの反対って何かわかる?」

 

蒼枒さんの後ろから抱き着き、首に腕を回している黒歌さんが目を細めながら唐突に問いを投げた

 

ゼ「そんなの嫌いに決まっているだろ!」

 

絶「違うぞゼノヴィア。好きの反対は・・・無関心だ」

 

蒼「ほう。知っていたか」

 

絶「そりゃあ色々読んだりしてますから」

 

主に漫画やゲームだけど

 

蒼「ゼットの言う通りだ。好きの反対は嫌い。これも正しいと言えば正しいが、これはどちらも相手を意識していてのことだ。嫌いだから目に入り、気に入らないから相手の行動を否定する」

 

ゼ「なら無関心は?」

 

蒼「無関心は相手が誰であろうが何していようが関係ない。例えそれが自分の利になる事をしているかもしれないがな」

 

絶「つまり蒼枒さんは悪魔に対し何も感じないと」

 

蒼「そうだ。あの宣告の後、俺は悪魔を機械的に処理している」

 

黒「純血悪魔だけだけどね。転生悪魔は程度によっては助けてるにゃ(純血でも例外はあるけど)」

 

絶「程度・・・?」

 

程度という言葉が気になった。転生したらすべて悪魔になるのではないのか?それとも俺みたいな半端ものは意外と居るのか?

 

蒼「そのことも話してやる。だがまずはゼットのことからだ。少し時間がかかるが、その間にどうするか決めろ」

 

 

 

 

 

 

分身体の蒼枒さんたちが腰かけていた建物の中に案内された俺たちは足付きの座椅子に座らされた。目の前には蒼枒さんと黒歌さんがいるが、白音ちゃんと葉月ちゃんはどこかに行ったようだ

 

蒼「ここでなら人の目も気にせずに集中できる。入れるぞ」

 

絶「はい」

 

蒼枒さんが以前と同じように半透明になった手を胸の中に入れる。その光景を始めてみたゼノヴィアは悲鳴を上げた

 

ゼ「絶斗ーーー!!何をしているんだ!!?」

 

黒「そんな叫ばなくても大丈夫にゃ。ただ蒼枒が精神や魂に触れてるだけにゃん」

 

 

 

 

 

【3人称side】

 

絶斗の精神世界へ侵入した蒼枒は何も無い白い空間に立っていた

 

蒼「(ここに来るのはこれで2回目か。となれば相手もすぐに気づくだろう)」

 

蒼枒の背後から振り下ろされる巨大な刃。蒼枒はそれを一歩ずれることで回避した

 

蒼「(当然、来るよな)」

 

蒼枒が振り向くとそこには青白い身体に白く長い髪、金色に光る籠手や脚あてを付けた精霊がいた。その大きさは蒼枒の10倍以上あり、その手には大きな2本の羽根が握られていた

 

蒼「(さて、こいつとは話は出来なさそうだ。こいつの全力を調べつつ、もう一つの反応のほうに分身を送るか)」

 

蒼枒は両手から2本の木刀を生み出し、手に取ると同時に足元からもいくつもの木を生やし精霊、《アミル・ガウル》へと襲いにかかった。当然《アミル・ガウル》は刃と化した羽根で切り裂くが、その間に蒼枒は分身体を生み出し、もう一つの反応のほうへと送り出してた

 

 

 

本体の蒼枒が《アミル・ガウル》と戦っている間、分身体の方の蒼枒は《アミル・ガウル》とは別の反応の方へと向かった。その背後では切り裂く音や雷が走る音が鳴り響いていた

 

分蒼「(大体この辺り・・・あれか)」

 

分身体が目を向けた先には褐色白髪の青年が本体と《アミル・ガウル》が戦っているのを見ていた。その隣には大きなひびが入った悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が1つ浮かんでいる。分身体は青年へと近づいた

 

分蒼「お前は何者だ?」

 

前「うおっ!いきなり誰だ!?」

 

本体と精霊との戦いに見入っていた青年の前に分身体は突如として現れる。その分身体に青年は驚きと警戒を露わにした。まさか《アミル・ガウル》と戦っている奴が目の前に現れるとは誰も思わないだろう

 

分蒼「俺は東雲蒼枒。あそこで戦っている本体の分身だ。依然来たときは気付かなかったが、ゼットの中にあの精霊とは違う反応があったから来てみたが、お前は何物だ?」

 

前「そうか、お前がゼットの言ってた奴か。俺は前任者とでも呼んでくれ」

 

蒼枒の名を聞いた前任者は警戒を解いた

 

分蒼「そうか。なら前任者とやら、いくつか聞きたいことがある」

 

 

 

分身体が前任者と話をしている一方、本体の蒼枒は青龍へと姿を変え2体の木龍、捕植龍と植壊龍を作り出し《アミル・ガウル》と戦っていた

 

蒼「(やはり決定打は与えられない。ここはあいつの領域だからしかたがないか)」

 

その巨体から繰り出されるパワーと数多くの触手による手数で相手を追い詰める植壊龍。超高速で飛び回り、角や尻尾の鎌で動きを封じる捕植龍。超高速をも超える雷速で迫り、牙・爪・尾で相手を鎮めようとする蒼枒。3体の龍を相手に傷つきながらも《アミル・ガウル》は致命傷を受けずに冷静に対応していた。このままではいずれ圧し負けると理解している《アミル・ガウル》は羽根に食らいついている捕植龍を蹴り飛ばした

 

蒼「(距離をとった。何をするつもりだ?)」

 

何をしでかすかわからない。だがそれに対処するために蒼枒は警戒領域をさらに広げた

 

蒼「(光に包まれ・・・そうか。それが本気か)」

 

 

 

 

 

蒼「・・・わかったぞ」

 

1時間後。閉じていた目を開けた蒼枒は手を抜きながらそう呟いた

 

黒「何か分かったのかにゃ?」

 

蒼「ああ。だがその前に確認したいことがある」

 

ゼ「な、なんだ?」

 

蒼「お前の中の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の状態を確認させてもらう。時間はかからないはずだ」

 

蒼枒は絶斗の前からゼノヴィアの前へと移動し、絶斗にした時と同じように手を伸ばした

 

絶「大丈夫だゼノヴィア。痛みとかはないから」

 

不安がるゼノヴィアを絶斗が慰める。蒼枒がゼノヴィアの中へと手を入れるが、1分もしないうちに手を抜いた

 

蒼「なるほどな。さて、以前にお前の中は面白いことになっていると言ったが、まずはそれから答えようか」

 

蒼枒は絶斗たちの対面の座椅子に座る。その隣の席でお茶を飲んでいた黒歌は蒼枒の腕へと抱き着いた

 

蒼「ゼット、お前の中にある悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は1つ分しか価値がない」

 

ゼ「な、どいうことだ!?・・・ですか」

 

ゼノヴィアが驚くのも無理はない。リアスが絶斗に使った悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は確かに2個で、それはゼノヴィアもその場で見ていた

 

蒼「それは絶斗、お前の中にいる精霊が封じ込めたからだ」

 

絶「なっ、《アミル・ガウル》が!?」

 

絶斗は驚きを隠せなかった。まさか自分を護ってくれている精霊が能力強化の恩恵を封じているからだ

 

蒼「そうだ。あいつは異分子がお前の中に入ることを嫌っているらしい。俺もいきなり斬りかかられたからな」

 

まあお陰で楽しめたがなという蒼枒。絶斗は驚きながらもどこか納得していた

 

蒼「その精霊は2つある内の1つを封印し、まずは片方の破壊を行っているようだ。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は以前見た時よりもさらにボロボロで、完全に白くなっていた。そしてゼノヴィアの中にも《アミル・ガウル》因子が入り込んでいると思われる。確認したがゼノヴィアの中の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)もすでに白く染まり、小さく細かな(ひび)が全体に走っていた。おそらくだが絶斗のそばにいため、その余波でゼノヴィアの中の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)にも影響がでているのだろう」

 

蒼枒からの説明によりゼノヴィアは疑問に思っていたことが解消できた。何故自分の羽根は白く染まっていくのか。それは絶斗の中の精霊《アミル・ガウル》が原因だった

 

蒼「これで聞きたいことは答えてやった。それでどうする?条件が飲めないならばお前らはこの先、何千年も悪魔に仕えなければならない。俺の修行を受けられず、さらに2年もたたないうちに日本から出なければならなくなる。条件を受け入れるのならば比較的すぐ力を手に入れられるが、悪魔をやあのオカ研の仲間を裏切ることにもなるだろう」

 

 

 

【絶斗side】

 

蒼「さぁ。どちらか決まったか?」

 

蒼枒さんがこちらを鋭い目で睨んでくる。当然か、この選択次第では敵対、いや狩られるものと判断されるからな

 

絶「ゼノヴィアは決まったか」

 

ゼ「ああ。決めている」

 

そうか、俺も既に答えは決まっている。ここが運命の分かれ道

 

絶「俺は・・・悪魔になることをやめます」

 

蒼「ほう。だがそれはこれからどういうことになるか、分かってるんだろうな」

 

絶「当然です。部長やイッセー達を裏切ることになるでしょうね。それに生き返らせてもらった恩もあります。ですが俺が一番大切なのはゼノヴィアだ!ゼノヴィアを守れる力が手に入るのならば俺は悪魔を裏切っても構わない!」

 

ゼ「絶斗・・・」

 

これが俺の答え。確かに部長には死んでしまった俺を生き返らせてくれた恩があるし、オカ研のみんなといるもの嫌いじゃない。だが悪魔になって部長の下にいても安全とは言えない。特殊で強力な能力が多い部長の眷属たち。自分のものにしたいと狙っている者もいることだろう。実際白音ちゃん達を狙うは悪魔は殺してから無理矢理眷属にする考えのようだし。同じ悪魔でも眷属にできるのならば、何らかの事故を装って殺してから悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使って蘇生、眷属化させようと考えている奴もいるはずだ。そんな奴らからゼノヴィアを守る為には早く強くならなければならない

 

蒼「その覚悟、本気だな。さてゼノヴィア、お前はどうする?」

 

ゼ「私は・・・私も悪魔をやめる!私はあの時決めたのだ!絶斗と共に歩ことを」

 

絶「・・・俺に付き合う必要はないんだぞ」

 

ゼ「分っている。だが私は決意は変わらない。例え(ののし)られようと、(さげす)まされようと私は絶斗と共にいる」

 

ゼノヴィアも同じ気持ちだった。このことに俺は嬉しさを感じるがこれから先、様々な困難が待ち受けているだろう

 

蒼「愛する者のために全てをを捨てる覚悟を決めたか。俺好みのいい答えだ」

 

俺たちを見る蒼枒さんは微笑みを受けべていたそしてその手には何かふわふわしたものが掴まれていた

 

蒼「言質はとったぞ。それに言霊(ことだま)もな。半神ではあるが神の前で宣言したんだ。神に対する裏切りは許されないぞ」

 

蒼枒さんは掴んでいた何かを袖から出した札へと封じ込めた

 

蒼「だがこれで修行をつけてやれる。流石に今からとはいかないがな」

 

絶「もし悪魔でいることを選んでいたらどうしてました?」

 

蒼「どうもしない。以前の宣告道理のことをするだけだ」

 

つまりは何の関与もしない。期限を超えれば狩られるということ

 

蒼「今ではどうでもいい事だが、悪魔でいたかったのならば《アミル・ガウル》を封じて、定期的に悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を入れ替えればいい」

 

そんなその場しのぎの様な対処法って、他にいい方法はなかったんですか

 

蒼「俺は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を作ったわけでもない。ただ取り出せるだけだ。・・・どうせ今日はこれから修行をするわけでもないしついでだ、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)について俺の分かる限り教えてやる。だが最初に言っておく。これからいうのはすべて推測だ」

 

その言葉に俺たちはうなずいた

 

蒼「まず悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は肉体と魂を悪魔にするものだ。駒は転生させる者の身体に入ると魂に根付く。その根は魂と肉体の隅々まで伸ばしていき、やがて完全な悪魔へと変化させる」

 

そんなおぞましいものだったのか悪魔の駒(イーヴィル・ピース)って。身体の中に入ってしまえば後は見えないため、実際はかなり凶悪なものだな

 

蒼「だが転生させるにも相性というものがある。相性が悪いものは完全に悪魔になるのに時間がかかるし、逆に相性が良いものはすぐに悪魔になる。後は本人の意思も関係あるだろう。お前たちは《アミル・ガウル》が認めてないからな。根が伸びる先から潰されている上に駒自体も浄化されていっている。そしてこれは推測でしかないが・・・このまま放って置いても絶斗は後1年。ゼノヴィアも数年もしないうちに完全に悪魔をやめることになるだろう」

 

何もしなくても。何かあればそれは短くなるということか?それに悪魔をやめたあとは人間になるのか?

 

絶「その後はどうなるんですか?」

 

蒼「分らん。おそらくだが、精霊になる。これが一番近いだろう」

 

つまりは《アミル・ガウル》と同じ存在になるのか。ゼノヴィアも一緒に

 

蒼「今それを考えたところで何もならない。先ほども言ったが今日は修行をつけない。悪いがまだ俺達も先の続きがしたいのでな。明日から修行をやるが俺たちの戦いを見たいのならば勝手見ていくがいい」

 

そういうといつのまにか寝ていた黒歌さんを連れて外へと向かった。外には葉月ちゃんたちと復活したヴァーリさんたちが立っていた。彼ら各々御手段でその場から消えた。俺とゼノヴィアは立ち上がり急いで追いかけると彼らは上空で戦闘を再開していた


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