ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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今回はそれなりに量が書けました。悪魔至上主義な思考をしなくて済む分楽でした(だからと言って展開が進んでいるとは言っていない)


それぞれの方針

【絶斗side】

 

翌日。部長とその眷属である俺たちはグレモリー家の庭に集まっていた

 

アザ「先に言っておくぞ。今から俺が渡すものは将来的なものを見据えてのトレーニングメニューだ。すぐに効果が出る者もいれば、長期的に見なければ出ない者もいる。まずはそれを理解してから聞くことだ」

 

成長には個人差があるしまあ当然か。今が弱ければ成長は早いし才能があれば伸びしろも大きい

 

アザ「ただ、おまえらは成長中の若手だ。方向性を見誤らなければ良い成長をするだろう。さて、まずはリアス。おまえからだ」

 

リ「はい」

 

まず最初にアザゼル先生に呼ばれたのは部長だ

 

アザ「お前は才能・魔力・身体能力はどれをとっても一級品だ。このまま普通に暮らしていても成人になる頃には最上級悪魔の候補にも挙げられてもおかしくはないだろう。が、お前の望みは今すぐにでも強くなりたい。だな?」

 

先生の問いに部長は力強く頷く

 

アザ「ええ、その通りよ。私は皆の『(キング)』として相応しい者になりたい」

 

アザ「なら、この紙に記してあるメニューをこなしていけ」

 

アザゼル先生が手元にある紙を一枚部長に渡す。手渡された紙を見た部長は不思議そうな顔をしていた

 

リ「・・・これって基本的なメニューよね?」

 

アザ「お前はそれでいいんだ。おまえは全てが総合的にまとまっているからな。だからこそ基本的な修行で力が高められる。問題は『(キング)』としての資質だ。参考までにフェニックスとのゲームを見させてもらったが・・・なんだありゃ。考えもなしに突っ込むなんて『(キング)』のすることじゃないぞ]

 

それは俺も思ったことだ。あの時の部長は普通に説得しても止められそうもなかった。今思えば卑怯な方法と思えるが部長の眷属への信頼を盾にすることで無理矢理『(キング)』同士の一騎打ちに横入りしすることが出来、イッセーが来るまでの時間稼ぎをすることができた

 

アザ「主に『(キング)』は力よりもその頭の良さ、機転の良さが求められる。要するに眷属が最大限に力を発揮できるようにしてやるのが王の役割なんだよ(一部を除いてだがな)」

 

少し気になったので部長の修行メニューの紙を覗いてみた。本当に基本的なことばかりだな

アザ「次に朱乃」

 

朱「はい」

 

次に呼ばれた朱乃さんは俺たちの一歩前に出てアザゼルの前に立つ

 

アザ「おまえは自分に流れる堕天使の血を受け入れろ」

 

朱「もうすでに受け入れてますわ」

 

アザ「だよなぁ」

 

はぁ、と溜息を吐くアザゼル先生は頭を掻きながら

 

アザ「まぁおまえを指導するのは俺じゃないからいいか。一応考えては来てたんだがな」

 

朱「無用な心配ですわ。私は父、そして母に教わってきます」

 

アザ「そうだ。お前を指導するのはバラキエルの奴・・・ん?母?」

 

朱「悔しいことに私よりも母のほうが強いですから。母の攻撃は一日に一度限りしか放つことが出来ませんが私の最大の攻撃を軽く凌駕します。一撃での決着の模擬戦を何度か行いましたが母は必中と言うほど当ててきます。親は子のことをわかると言っても5戦全敗はあり得ませんわ」

 

朱乃さんが母親に会いに行ってるのは知ってるけどそんなことまでしてたのかよ!いや、本人たちがそれでいいなら他人である俺が言うことではないが、なんだかな

 

アザ「(一般の奴まで今のリアスたちのレベルを超えるのかよ。全く化物揃いだな、あそこは)今は『雷の巫女』だったな。修行を経て『雷光の巫女』になってみせろ」

 

朱「もちろんですわ」

 

アザ「なら次は木場だ」

 

祐「はい」

 

次に呼ばれたのは祐斗。これって部長の眷属になった古いほうから呼ばれてるのか?

 

アザ「まずは『禁手化(バランス・ブレイク)』している状態で一日保たせろ。それが出来れば次は実戦の中で一日保たせる。レーティングゲームが始まるまでに最低でも一週間は持続出来るようにしなければ実際の戦闘ですぐにガス欠で使えなくなっちまうぞ」

 

それは祐斗だけじゃなく全員に言えることだ。すぐ力を使い切って動けません、じゃ話にならない。力をセーブしながら戦える相手に毎回出会えるわけもないからな

 

アザ「神器(セイグリッド・ギア)については俺がマンツーマンで教えてやる。剣術のほうは・・・確か師匠に習うんだったな?」

 

祐「はい。一から鍛え直してもらう予定です」

 

へぇ、木場にも師匠がいたのか。俺も師匠代わりはいるけど、一体どんな人だ?

 

アザ「次、ギャスパー」

 

ギ「は、はいぃぃぃぃぃ!!」

 

すげービビってる。まあでもすぐにダンボールに引き込まらないあたり進歩はしているか

 

ギ「おまえはまず、引きこもりをなんとかしろ。そうじゃないと話にならん。おまえはスペックだけなら相当のものだからな」

 

それは意外だな。いくら『変異の駒(ミューテーション・ピース)』が使われてるとは言え、神器(セイグリッド・ギア)の能力だけでなくスペックも高いのか

 

アザ「それを克服出来ればゲームでも実戦でも活躍出来るはずだ。とりあえず、『引きこもり脱出作戦!』なるプログラムを組んだから、それをこなしていけ」

 

ギ「は、はいぃぃぃ!が、頑張りますぅぅぅぅ!!」

 

そう言って修行内容の書かれた紙を受け取るギャスパー。受け取るときもガタガタ振るえているが頑張るのは嘘ではないようだ

 

アザ「ところでギャスパー。イッセーの血を飲んだことはあるんだよな?」

 

ギ「は、はいぃぃ。さ、三度程・・・」

 

アザ「ならいい。赤龍帝の血は神器(セイグリッド・ギア)の成長には都合がいいからな。修行前に一度吸わせてもらえ」

 

アザゼルがそういうとギャスパーはイッセーの方をじっと見つめる

 

イ「な、なんだ?」

 

ギ「ぼ、僕は先輩の首筋から直接飲みたいなぁと思って」

 

それに伴って部長とアーシアが何故か視線をギャスパーに向けていた。朱乃さんはなぜか笑顔だった

 

リ「(ギャスパーはかわいい私の眷属。ギャスパーはかわいい眷属)」

アシ「(イッセーさんにかみつくなんて・・・)

朱「(あらあら。イッセーくんはどんな顔をするのでしょう)」」

 

アザ「じゃあ次はアーシア」

 

アシ「は、はい!」

 

ギャスパーに意識を向けていたアーシアは呼ばれたことで慌てて返事をした。かわいらしいが話は聞いておこうな

 

アザ「おまえもリアスと同様だ。基本トレーニングで身体と魔力の向上を目指せ」

 

アシ「わかりました!」

 

アザ「それとだ。回復範囲を大きくすること。これも目標に入れろ。今のままでは範囲が狭すぎる」

 

アザゼル先生の言う通りだな。今のアーシアは相手に触れなければ回復させることが出来ない。これが自分を中心にサークル状に展開できればその中に入るだけで回復できるようにもなる

 

アザ「さて、イッセーは後回しだ。修行相手がまだ来ないからな。だから先に絶斗とゼノヴィア」

 

絶・ゼ「はい」

 

アザ「おまえらはそれぞれの得物を今以上に使いこなせるようにしろ。絶斗は神器(セイグリッド・ギア)を使いこなせていないようだし、ゼノヴィアはデュランダルに振り回されている所がある。2人とも出来るだけ制御できるようにしろ。そのためのメニューはこれなんだが・・・この後すぐに行くんだろ?」

 

絶「はい。時間もありませんし、あの方ならば制御の仕方も分かるでしょうから」

 

ゼ「絶斗が行くなら私も行こう。別にここで修行しなければならないというわけではないのだろう?」

 

アザ「そうだな。ダメもとで行ってこい。無理ならばすぐにでも戻って来いよ」

 

絶・ゼ「わかりました」

 

一応アザゼル先生からの許可は出た。だが蒼枒さんが話を聞いてくれるかは言ってみなければまだわからない

 

リ「あら?どこに行こうとしているの?それにあの方って?」

 

アザ「ああ、リアスにはまだ言っていなかったか。2人が行こうとしているところは日本の青龍のところだ」

 

日本の青龍と聞いたとたん、行くことに反対を示したのは予想通り部長とイッセーだった

 

イ「!あんな奴のところに行く必要なんてない!」

 

リ「そうよ!危険だわ!!イッセーみたいに殺されてしまうかもしれないのよ」

 

絶「だが蒼枒さん以上の件お使い手を俺は知らない。実際に受けたイッセーならわかるはずだ。腕を斬られたあの時、斬られたことに全く気付かなかっただろ?」

 

イ「確かにそうだが・・・」

 

絶「あの後、祐斗とも話したが蒼枒さんは剣の極地にいると考えていいと思う。そんな人に教えてもらえるかもしれないんだ。行かないわけにはいかないだろう」

 

2人が反対することは何となくわかっていたし、行くことは既に決定事項だけどな

 

アザ「2人とも落ち着け。一応あの場にいた悪魔たちは日本にいることが許可されているんだ。いきなり斬られるってことはないと思うぜ」

 

朱「そうですわ。私も母に会うために何度も蒼歳(そうせい)町を訪れてはいますし、大丈夫と思いますわ」

 

アザゼル先生と朱乃さんの援護により一先ずは落ち着いたようだが、部長達からしたら信用はないのだろう

 

アザ「(思えば青龍とリアスたちは妙につながりがあるな。血筋を辿(たど)ればグレモリー家と東雲家は親戚(しんせき)だし、朱乃の母親もまたそこにいるからな。まあ偶然が重なっただけだろうがな)レーティングゲームの日程はまだわからないとはいえ冥界から行くには時間がかかるだろう。その時間を無駄にするわけにもいかないからな。2人とも早く行ってこい」

 

絶「はい!」

 

俺とゼノヴィアは用意していた荷物をもって駅に向かう馬車に乗った。これで次冥界に来るときは転移で来れるようになるそうだ。途中でドラゴンが部長の家に降りていくのが見えたが、俺はゼノヴィアと二人っきりの旅を少し間楽しみながら日本へと帰った

 


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