今回時間経過を表すため行を空けているのが多いでご注意ください
【絶斗side】
夏休みが始まってから数日後・・・何故か駒王学園の夏服を着て集合場所である駒王町の駅に来ていた。一番初めに来ていたのは朱乃さんのようで、彼女の服装も夏の制服だ。何でも冥界に行くならこの服装が一番らしい
絶「はぁ。蒼枒さんのところに行こうと思ってたのに。それにバイトの予定が・・・稼ぎ時がー」
ゼ「仕方ないだろ。私たちは眷属なのだから余程のことでない限り命令には従わなければならない」
朱「申し訳ありませんわ。私たちが気づかぬばかりに・・・」
部長が言うには冥界は一度正式に入国しなければならず、誰かの魔法陣などで冥界に行ったとしても違法入国扱いになってしまう、とのことだ。だから長期の連休であるこの機を逃したくないみたいだった。それは俺もわかるし、コカビエルや会談で色々立て込んでいたから言うのを忘れていたってのも理解できる。だけど・・・
絶「頭で理解できても気持ちはそうはいかないんだよ」
ゼ「しょうがないが今回は諦めよう。だが夏休みの間ずっと冥界にいる、というわけでもないだろう。時間があれば一緒に訪ねに行こう」
絶「・・・そうだな」
決まっていることを悩んだって仕方がない。さりげなくデートの予定を決めながら冥界に行ってもできることを考えることにする
朱「あら?ならその時は私も誘ってください。私の母も青龍の神宮で働いていますの」
絶「そういえばそうでしたね」
ライザーが部室に来た時にその話を聞いていた。それからもちょくちょく会いに行っているらしく、この駅から電車で1時間ほどで青龍の住む町、蒼歳町に着くらしい
朱「もちろん神宮についてからは別行動しますわ。私もデートの邪魔をしたくはないですもの」
絶・ゼ「あ、ありがとうございます」
そんな気を使ってもらわなくても・・・だけどありがたいです
俺とゼノヴィア、そして朱乃さんが待っていると祐斗がギャスパーを連れてきた。相変わらず女装しているため知らない人から見ればカップルに見えなくもない。次にアザエル先生が到着し、残すはイッセーと部長、そしてアーシアだけとなった
リ「あら、もうみんな来ていたのね。なら行きましょうか」
誰一人遅刻することなく集合した俺たちは軽く挨拶を交わすと部長を先頭に駅の中に入っていった。少し歩いたところで駅に設置してあるエレベーターの前で部長が止まった
リ「まずはイッセーとアーシア、祐斗とギャスパーが乗ってちょうだい。私と先に降りるわ」
絶「降りる?ここから?」
部長の言葉を不思議に思う俺。なぜなこのエレベーター、というよりはこの駅は上の階しかないのだから降りるということができないはずだ。もしかしたら地下があるかもしれないが一般人は行けない
リ「朱乃、後のメンバーについては任せたわよ」
朱「了解ですわ」
俺と同じく不思議そうな表情を浮かべるイッセー達がエレベーターに乗り込むと扉が閉まる。エレベーターが動く音がするがもちろん上のランプは動かないままだ。待つこと1分、戻ってきたエレベーターのドアが開かれたがそこにイッセー達の姿はなかった
朱「私たちも参りましょう」
朱乃さんに従い俺たちもエレベーターア内に入る。扉が閉まるのを確認すると朱乃さんがスカートのポケットからカードらしきものを取り出し、電子パネルに当てると、ピッと電子音がなりエレベーターが下がり始めた
絶「・・・本当に降りるのか」
30秒ほど経っただろうか。浮遊感を感じていたがエレベーターが停止すると同時に重力が元に戻る。ドアが開かれると大きく掘られた空間に出た。そこには赤に染められ豪華な装飾を施された汽車が座していた。それだけでも目立つのにさらに『グレモリー家専用車両』とでかでかと書かれていたものだからさらに目立つ。・・・これに乗るのか
汽車に乗ること数時間、無事に冥界についたようだ。汽車の旅は快適な物だった。シートはふかふかで揺れもなかった。途中でこの列車の車掌が出てきて新人悪魔かを確認するための機械に通されたりしたが俺もゼノヴィアも無事に通過した。・・・本当に判断できているんだろうか?俺もゼノヴィアも純粋な悪魔ではないと思うのだが
絶「グレモリー本邸前ってなんだよ!」
空が紫に覆われていたのにも驚いたけど自分家の前に駅を作るか普通
リ「何やっているの?早く降りるわよ」
絶「あ、はい」
確かに田舎とかでは個人の家や店の名前がバス停名になってたりするところがあるのもテレビで知ったけど、駅は流石にないだろ。金持ちだからか!それとも権力か!
絶「「アザゼル先生は降りないのか?」
皆が降りていく中アザゼル先生だけ座ったままだった
アザ「俺は今からサーゼクスとの会合でな。このまま魔王領まで行く」
絶「そうですか。しばらくは離れそうですね」
アザ「まあ後かですぐに合流するんだけどな」
あっけらかんと言う先生を残し俺たちは降りる駅のホームに降りると、待っていましたと言わんばかりにグレモリー家から出迎えに来たであろう執事やメイドの大群からの挨拶の轟音が鳴り響いた。
「「「リアスお嬢様!!お帰りなさいませ!!」」」
さらにはあちこちで花火も打ち上がり、楽隊らしき人達が一斉に音楽を奏で始める。・・・これは両方か。帰るだけでここまでやるのか
グ「お帰りなさいませ、お嬢さま。道中、ご無事で何よりです」
リ「ただいま、グレイフィア」
グ「さあ、眷属の皆さまも馬車へお乗りください。本邸までこれで移動しますので」
多くの執事やメイドの大群の中から見知った銀髪の女性、グレイフィアさんが一歩出てきた。彼女は部長を迎えると俺たちをこれまた豪華絢爛そうな馬車に誘導した
馬車に乗ること1時間。道が舗装されているためか、乗り心地は思っていたよりも良かった。流れる景色を見ていると、俺の視界に巨大な建造物が映った
絶「なぁゼノヴィア」
ゼ「なんだ?」
絶「あれが・・・家か?」
ゼ「道であそこにつながっているのだからあれが家なのだろう」
馬車が進む道の先、そこにあるのは巨大な城がそびえ立っていた。
馬車が停まり、ドアが開かれ降りると先に出ていた部長たちと合流した。目の前には巨大な城門が。ゆっくりと開かれていくのを見ているとグレイフィアさんが会釈をして、俺達に進むよう促した
グ「お嬢様、そして眷属の皆様。どうぞ、お進み下さい」
グレイフィアさんに言われ歩き出そうとしたとき、小さな影が部長さんのほうへ駆け込んでいき抱き着いた
?「リアスお姉さま!おかえりなさい!」
リ「ミリキャス!ただいま。大きくなったわね」
イ「部長・・・その子は?」
部長も愛しそうに抱きしめ返しているなか、イッセーが聞くと
リ「この子はミリキャス・グレモリー。お兄さま、サーゼクス・ルシファー様の子供なの。私の甥ということになるわね」
と部長は紹介してくれた
リ「ほら、ミリキャス。挨拶をして。この子たちが私の新しい眷属よ」
ミ「はい。ミリキャス・グレモリーです。初めまして」
イ「俺は兵藤一誠。部ちょ、リアス様の『
イッセーに続きそれぞれが自己紹介と挨拶を済ませた。そこで俺は気になっていたことを聞いてみた
絶「ちなみに母親は?」
ミ「お母様は・・・」
そう言って一瞬どこかに視線を向けたがすぐに反らした。流石に現魔王の弱点になるようなことは口外しないか。それでもと思い向けられた先を見るとグレイフィアさんがいた。彼女で間違いないか。フィーリスさんと会った時も確かミリキャスって言ってたし。・・・そう言えば蒼枒さんの母親ってグレイフィアさんの妹さんだったよな
絶「ところでミリキャスの年齢は」
ミ「12歳です」
絶「12歳かー。・・・ずいぶんと歳の差があるなぁ」
?「どういうことかしら?」
声のする方を見ると髪の色が亜麻色の、ドレスを着た部長さんに似ている女性がいた。誰だ?若いし部長さんのお姉さんか?
リ「お母さま。ただいま帰りましたわ」
イ「お、お、お母さまぁぁぁぁああああっ!?だって、どう見ても部長とあまり歳の変わらない女の子じゃあないですか!」
リ「悪魔は魔力で見た目を自由に出来るのよ。お母様はいつも今の私ぐらいの年格好なお姿で過ごされてるの」
ヴ「初めまして、ヴェネラナ・グレモリーですわ。よろしくね、新しい眷属悪魔さんたち」
悪魔ってすげぇ。イッセーほどじゃないが俺も驚きを隠せない・・・冷静になれば蒼枒さんたちも同じようなものじゃないか
ヴ「ところでずいぶんと歳の差がある、とはどういうことかしら?」
絶「そのことですが・・・ここで歴史の問題だ。第二次世界大戦、終結した年は一体何年だ?イッセー!」
イ「えっ、俺!?えっと・・・」
いきなり始まめたクイズ。回答者をイッセーを指示したがいきなりことに戸惑っているようだった。だけどな
絶「おいイッセー。テストで範囲だっただろう。1945年だ」
リ「それがどうしたというの?」
この時点で察しがついているのはグレイフィアさんだけか
絶「蒼枒さん達が生まれたのは終戦後すぐと言ってました。今年から逆算すると60歳は超えている可能性が高いです」
ア「そうですね」
絶「そして蒼枒さんたちの母親は誰でしたっけ?」
この時にようやく気付いたのかハッとする部長達。気付くのが遅すぎだ
絶「気付きましたか?部長たちグレモリー家と蒼枒さん達、東雲家は親戚関係であるということ。そして甥であるのほうが圧倒的な年上であるということに」
ヴ「まさか・・・蒼枒って」
絶「あれだけのことをしたのならば流石に聞いたことはありますよね。蒼枒さんは青龍であり神。そして悪魔い対して日本の出入りを禁止した方です」
そう告げた瞬間メイドさんや執事さんも騒ぎ出し、ちょっとした騒動になってしまった。まあ当然と言えば当然か。魔王と親戚関係にある者が直接悪魔の出入りを禁止してるのだからな。悪魔からしたら信じられないだろう
ミリキャスの年齢は適当です。wikiにも載ってませんでしたので仕方なかったのです