ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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お待たせしてるかわかりませんが後編です!やはり決闘者編は文字数が増えますね。最近書く時間があまりなく、間に合うか不安でした


決闘者編 その5 後編

【ユーガside】

 

サーキットは半分を過ぎたってところか。状況はロセにだいぶ不利だ。先を走るシェリアは封じていた力を解き本来の姿になり、強化されたフォルクスはスピードが増した。そしてシェリアと並走するように召喚した4体のドラゴンが浮かんでいた。対してロセのフィールドはモンスターはなく永続魔法の《守護神の宝札》だけ。そして手札は《暗黒竜 コラプサーペント》1枚のみ。《暗黒竜 コラプサーペント》の効果で《ゼラの天使》を除外すれば次のターンのスタンバイフェイズにフィールドに帰還できるが1ターン無防備になってしまうことには変わりない。《守護神の宝札》の効果で2枚ドローできるが果たして

 

ロ「私のターン。《守護神の宝札》の効果により2枚ドロー。魔法カードを発動、《一時休戦》。このカードによりお互いに自分のデッキからカードを1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になります」

 

いいカードは引けなかったようだ。だがこれで1ターンの猶予はできたか

 

ロ「そして私は手札の《バスター・ビースト》を捨てて効果発動。デッキから《バスター・モード》を手札に加えます。私は一枚伏せてターンエンドです」

 

今伏せたのは《バスター・モード》だろう。ということは次のターンにシンクロ召喚から/バスターにつなげる気だな

 

シ「我のターン。このターンで終わらせるのは無理のようだな。しかしできることもある。アーク・タリチュ-レ!」

 

そういうとシェリアの持つ水晶が浮き上がり彼女の周りを回り始める。そしてシェリアも槍を振るい、まるで舞いを踊っているかのように見えた。何のためにと思ったが、彼女の召喚したチビドラゴンと跨るフォルクスはバフをかけられたように力を漲らせていた

 

ロ「再び強化されましたか」

 

ロセの言う通りまたしてもパワーアップを果たしたのだろう。さらに厳しくなったがこれに対する手はあるのか?

 

ロ「!私のターンです」

 

ターンエンドの宣言はなかったが自動でロセにターンが巡った。ドロー次第では状況に変化は起こせないが果たして

 

ロ「2枚ドロー。私は魔法カード《光の援軍》を発動。デッキの上からカードを3枚墓地へ送り、デッキからレベル4以下の「ライトロード」モンスター1体を手札に加えます(《エフェクト・ヴェーラー》、2枚目の《ゴブリンのやりくり上手》、《ガード・ブロック》ですか)」

 

これでチュ-ナーは揃ったか。だが《スターダスト》では状況を打開するのは難しいぞ

 

ロ「《ライトロード・アサシン ライデン》を召喚。さらに墓地の《ゼラの天使》を除外し手札の《暗黒竜 コラプサーペント》を特殊召喚!」

 

これで次のターン《ゼラの天使》がロセのフィールドに戻ることが確定したな

 

ロ「《暗黒竜 コラプサーペント》に《ライトロード・アサシン ライデン》をチューニング。王者の鼓動、今ここに列をなす。具現せよ天地鳴動の力!シンクロ召喚!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

ゼ「何だと!!?」

 

シ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》・・・」

 

ロセのフィールドに紅蓮の悪魔竜が召喚された。まさかロセが《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を入れているとは。てっきり《スターダスト》三枚積みかと思ったが

 

ロ「シンクロ素材となった《暗黒竜 コラプサーペント》の効果でデッキから《輝白竜 ワイバースター》を手札に加えます。さらにトラップカードを発動。《バスターモード》!このカードは自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして効果が発動。リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる「/バスター」と名のついたモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚します。灼熱の鎧を身にまとい、王者ここに降臨!出でよ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の身体が炎に包まれた。炎を振り払うかのように右腕を横に薙ぎ払った《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の身体には悪魔の顔を模した鎧が身に着けられ、腕と脚にも身体と同色の赤紫の鎧を着けて現れた

 

ロ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》でシェリアに攻撃!エクストリーム・クリムゾン・フォース!」

 

フ「これは、マズい!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》時よりも黒く大きくなった炎を右腕に炎を纏いシェリアに向かって突き進む。フォルクスは危険を察知し逃げようとするも攻撃宣下が下されたモンスターからは逃げきることはできなかったようでシャリアに直撃してしまう

 

シ「・・・・・・」

 

攻撃を受けたにもかかわらず舞を踊るシェリア。召喚したドラゴンを使えばある程度は防げたはずだがそれをしなかったってことは指示を出せない状態なのか?

 

ロ「さらに《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》の効果発動します。このカードが攻撃した場合、ダメージ計算後にこのカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊します。クリムゾン・ジ・エンド」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》は身体を丸め込み力を溜めると一気に解き放ち炎の衝撃波を放った。それはフィールドすべてに襲い掛かりシェリアのドラゴンはすべて破壊された

 

ロ「私はこれでターンエンドです」

 

これで状況は一気にロセに有利になったな。攻撃力3500の《/バスター》がいる上に、もし破壊されても《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が召喚される。さらにスタンバイフェイズには除外された《ゼラの天使》も戻ってくる。舞を踊り終えたシェリアはどうするつもりだ?

 

シ「・・・流石に耐えきれなかったか。だがこれは読めていたこと。この技は自身に効果が発動するまで舞を踊らねばならず、何もできないという欠点を持っているからな」

 

やられることを織り込み済みか

 

シ「だが、舞を踊り終えた我にも効果が発動される」

 

シェリアが言葉を終えると金色のオーラが溢れ出した。それは先ほどまで味方に掛けていた効果よりも強いということ

 

シ「流石は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》だ。先ほどの攻撃もその効果も厄介。ゆえに退場してもらおう。エーレグブリッツ!!」

 

シェリアは槍を掲げると突如暗い雲が集まって来た。ゴロゴロと雷が雲を走るとシェリアの持つ槍先に落ちた。《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》へ槍を向けたシェリアだが、空気を割るような音が聞こえうと同時に稲妻が《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》を貫いていた。その直後筒状の雷の塊が槍から放たれ《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》を包み込んだ

 

ロ「くっ。ですが《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》が破壊された時、自分の墓地の「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を特殊召喚できます。現れよ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

ロスヴァイセのライフ:5000→4200

 

雷に包まれ、姿が見えなくなっていた《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は鎧を犠牲にして攻撃を防ぎきっていた

 

シ「攻撃力を上げただけでは破壊しきれぬか。まあいい。ソウルズ・フラスティ!これで我はターンエンドだ」

 

ロ「(再びドラゴンを召喚されましたか。この状況では破壊しきるのは厳しいかもしれませんね)私のターン。スタンバイフェイズに除外されている《ゼラの天使》は私のフィールドに戻ってきます」

 

ロセの隣の空間が縦に裂ける。中には《ゼラの天使》が剣を振り下ろしている姿でおり、ロセのフィールドに舞い戻ると裂けた空間は何事もなかったのように元に戻った

 

ロ「ドロー。墓地の《暗黒竜 コラプサーペント》を除外し、手札の《輝白竜 ワイバースター》を特殊召喚。さらに私は《シャイン・エンジェル》を通常召喚」

 

このデュエル中で2回目の登場となる2体のモンスターが現れた。ここからエクシーズ召喚に繋げるだろう。だが《輝白竜 ワイバースター》のサーチ効果は使えなくなってしまうな

 

ロ「私はレベル4の《輝白竜 ワイバースター》と《シャイン・エンジェル》のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

《輝白竜 ワイバースター》と《シャイン・エンジェル》が黄色のオーラに包まれ、空中に出現した暗い渦の中に吸い込まれる

 

ロ「現れよNo.(ナンバーズ)39。白き翼に望みを託せ。エクシーズ召喚!光の使者、《希望皇ホープ》!」

 

渦が爆発した直後に現れたのは白と金の2色の塔のような形状をしたモンスター。その塔は変形をするとホ~プ!と、咆哮を轟かせ2本の剣を持つ戦士の姿へと変えた

 

ロ「さらに《希望皇ホープ》1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!現れよ、CNo.(カオスナンバーズ)39!混沌を光に変える使者!《希望皇ホープレイ》!」

 

現れた《希望皇ホープ》は塔の姿に戻ると地面に浮かぶ暗い渦の中に入っていく。光が爆発し現れたのは黒と金に染まる1本の剣。その剣は変形を始めると、背中に大きな剣を背負い腰の両側に1本ずつ剣を差し、鈍く光る銀色のアーマーを着た戦士へと姿を変えた

 

ロ「そしてこれが最後!《希望皇ホープレイ》1体でモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!!現れろ、《SNo.(シャイニングナンバーズ)39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》

 

《希望皇ホープレイ》も剣へと戻り渦の中に入っていった。再び爆発が起こり現れたのは肩のアーマーに2本の剣を差した白銀の戦士、 《希望皇ホープ・ザ・ライトニング》

 

ロ「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と《ゼラの天使》で攻撃!」

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のアブソリュート・パワー・フォースと《ゼラの天使》の剣撃が先を走るシェリアに迫るが、2体のモンスターが迫っているにも関わらず慌てるそぶりを見せない。直撃するかと思われた攻撃はドラゴンが割り込んで防がれてしまった

 

ロ「!?まだです!《ホープ・ザ・ライトニング》で攻撃!ホープ剣ライトニング・スラッシュ!」

 

《ホープ・ザ・ライトニング》が方のアーマーから剣を抜き取ると空を駆けてシェリアへと迫る

 

ロ「この瞬間《ホープ・ザ・ライトニング》の効果を発動します。このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、このカードのX素材を2つ取り除いき、このカードの攻撃力をそのダメージ計算時のみ5000にします」

 

自身の周りに浮かぶ4つの光の玉のうち2つが胸の宝石へと吸い込まれる。すると両手に持つ剣に雷がほとばしる。シェリアに追いつき剣を振り下ろす《ホープ》だったがどちらの剣も2体のドラゴンがその身を犠牲にして攻撃を防いでいた

 

ロ「なぜ!?《ホープ・ザ・ライトニング》の効果で相手は効果を発動できないはずなのに!?」

 

シ「我は何も発動しておらん。ただ我を守れと指示を出しただけだ。指示は効果には含まれぬのだろう」

 

ロ「私はカードを3枚セットし、ターンエンドです」

 

さて厳しい状況になったな。まさか《ホープ・ザ・ライトニング》まで防がれるとは俺も思わなかった。確かに指示は効果の発動とは違うが、無傷でこれだけのモンスターの攻撃を切り抜けられるとはな

 

シ「我のターンだ。ソウルズ・フラスティ!」

 

これで3度目となるドラゴンの召喚。あれには制限がないのか?

 

ロ「またドラゴンが」

 

シ「この術は特に優秀でな。わずかな魔力で何度でも召喚出来る」

 

なんといううことだ。召喚制限がほぼなくその上強化によって攻撃力が上がっていく。さらにほぼ自動の防衛機能

までついているだと!さらに破壊されても召喚主であるシェリアには何も影響がない。なんて強力な術だ

 

シ「合わせろフォルクス!セイグリッド・ファキストレイ!」

 

サーキットを駆けていたファルクスが宙へと浮かびロセへと向き直ると、シェリアは天に槍を掲げる。すると槍先から光が溢れだし盾を形成、そこから数多の光線が天へと放たれた。光線は途中で曲がり雨のように降りそそぐ。

 

ロ「この瞬間《ホープ・ザ・ライトニング》の効果を発動!攻撃力を5000にします。キャアアアア」

 

サーキットごと壊すかの如く降り注ぐ光線に《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と《ゼラの天使》は破壊される。ロセも破壊された爆風と降り注ぐ光線、荒れる路面に悲鳴を上げていた

 

ロスヴァイセのライフ:4200→1800

 

2体のモンスターが破壊されてしまった。しかし《ホープ・ザ・ライトニング》は残っていたオーバーレイユニットをすべて使い、雷を伴った剣で光線を防ぎきっていた

 

フォ「まだ私の攻撃が残っているぞ!」

 

フォルクスの着けている兜の角から光でできた剣が現れ、それが振り抜かれる。さらには4体のドラゴンが一斉に《ホープ・ザ・ライトニング》へと襲い掛かった。シェリアの放つ光線を防ぎ動くことのできない《ホープ・ザ・ライトニング》は襲い掛かる攻撃に対処できず、4体のドラゴンの突撃によってバランスを崩され、光剣が胴を切り裂き破壊されてしまった

 

ロスヴァイセのライフ:1800→500

 

ロ「《ホープ・ザ・ライトニング》までも・・・」

 

ロセのライフは後僅か。それにリバースカードこそあるが手札もない。それに対しシェリアは技や術を発動してもいまだに疲れを見せることはなく、さらには守る4体のドラゴンまでいる。攻撃力も《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を破壊したということはシェリアは3000を超える攻撃力を持っており、全体攻撃持ちのフォルクスもドラゴン混じりとはいえ《ホープ・ザ・ライトニング》を破壊し、1300のダメージを与えている。これは負けたか?

 

シ「これで貴様のライフはわずか500。次のターンで我の勝利となろう」

 

ロ「(シェリアの言う通り私のライフは残り500。このターンで決めなければ私の負け。しかしシェリアを攻撃するにはあのドラゴンたちを何とかしなければなりません。そしてそれができるのはあのモンスターだけ・・・)私のターン、ドロー」

 

これで手札は2枚。さて、どうなる?

 

ロ「(引いたカードは《スターダスト・ドラゴン/バスター》と《ワン・フォー・ワン》。ダメ、これでは勝つどころか呼び出すこともできない。残こる手は伏せたカード。これにすべてがかかっている)リバースカードオープン、《ゴブリンのやりくり上手》。このカードは自分の墓地に存在する《ゴブリンのやりくり上手》の枚数+1枚を自分のデッキからドローし、自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻します。墓地にはある枚数は2枚。よって3枚ドローし1枚をデッキの下に戻します。ドロー!」

 

これで手札は4枚。これだけあれば何とかできるはずだ。・・・ん?おかしいな。何故か処刑用BGMが聞こえ始めたぞ

 

ロ「(これのカードは!)《リビングデットの呼び声》を発動!墓地の《ゼラの天使》を攻撃表示で特殊召喚」

 

カードから墓が現れ紫色の煙が立ち上り始め、その煙の中から《ゼラの天使》が現れた。《ゼラの天使》は左手を天に向けてあげるとそこにレベルと同じ形をした星を1つ出す。そこにテントウムシ型のロボットが現れ星を奪うと、自身の背中へと星を掲げた

 

ロ「そして《ゼラの天使》を一つ下げ《レベル・スティーラー》を墓地から特殊召喚。手札から魔法カード《七星の宝刀》を発動。レベルが7になった《ゼラの天使》を除外して2枚ドロー。さらに《マジック・プランター》で《リビングデットの呼び声》を墓地に送り2枚ドローします」

 

《ゼラの天使》が手に持つ剣で天を突くと空間が割れた。中からは2枚のカードが現れロセの手札へと飛んで行く。それを見届けた《ゼラの天使》は自身が開けた空間の中へと入っていき、裂け目を修復した。残された墓は巨大な窯の中に投げ入れられ溶かされる。墓は2枚のカードになるとロセの下に送られていった。しかしこれで4まいのドローか。怒涛のドローだな

 

ロ「《デブリ・ドラゴン》を通常召喚。このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を効果は無効にして特殊召喚します。私は《エフェクト・ヴァーラー》を特殊召喚。レベル1《レベル・スティーラー》にレベル1《エフェクト・ヴァーラー》をチューニング。希望の力、シンクロチューナー、《フォーミュラ・シンクロン》」

 

現れたのは俺とのデュエルでも召喚されたF1マシンの姿をしたシンクロチューナーモンスター、《フォーミュラ・シンクロン》。その効果は・・・

 

ロ「《フォーミュラ・シンクロン》の効果で1枚ドロー。そして最後の伏せカードを発動。《強化蘇生》。自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体をレベルを1つ上げ、攻撃力・守備力が100アップして特殊召喚するします。《聖鳥クレイン》を特殊召喚。《聖鳥クレイン》の効果で1枚ドロー。《クレイン》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を墓地から特殊召喚。そしてレベル4となった《聖鳥クレイン》にレベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング」

 

緑の4つのリングへと変化した《デブリ・ドラゴン》に墓地から蘇った白い鶴、《聖鳥クレイン》がリングの中へと飛び込み、太い光がリングを貫いた

 

ロ「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!」

 

光の中から1体のドラゴンが飛び出した。そのドラゴンは《スターダスト・ドラゴン》。白く輝く星屑を散りばめながら現れた。遂にロセのエースモンスターの登場したが、このままではシェリアに勝つことはできない

 

ロ「《ネクロイド・シンクロ》を発動。《暗黒竜 コラプサーペント》と《ライトロード・アサシン ライデン》をゲームから除外し、《スターダスト・ドラゴン》をシンクロ召喚扱いで特殊召喚します」

 

ロセはさらに《スターダスト》を召喚した。2体出したところで変わりない。片方はアクセルシンクロするというのは分かるが・・・何を狙っている?

 

ロ「《ワン・フォー・ワン》を発動。手札をカードを1枚捨ててデッキから《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を特殊召喚します」

 

現れたのは小さなピンク色のドラゴン。その見覚えのあるドラゴンに今まで静かに見ていたゼファードルが反応した

 

ゼ「まさか《スターダスト・ドラゴン》にもあの形態があるのか!?」

 

ユ「ああ。そしてロセのフィールドにはそのモンスターを召喚する条件がそろっている」

 

ロ「レベル1の《レベル・スティーラー》とレベル8の《スターダスト・ドラゴン》にレベル1の《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング!」

 

ロセのマシンが加速を始める。まさかシンクロ召喚中にアクセルシンクロをやるのか!?

 

ロ「レベル8、シンクロモンスター《スターダスト・ドラゴン》にレベル2、シンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング」

 

加速を始めたロセのマシンは空気を、光を切り裂いていく

 

ロ「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す・・・」

 

《レベル・スティーラー》と《スターダスト・ドラゴン》が巨大化した《セイヴァー・ドラゴン》に包まれる。その横では《フォーミュラ・シンクロン》が姿をリングへと変えロセをモンスターごと包み込んだ

 

ロ「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!アクセルシンクロ!!」

 

シェリアを抜き去りさらに加速したロセは光に包まれ、いくつかの緑のリングを通ると《スターダスト・ドラゴン》達ごと姿を消した

 

シ・ゼ「消えた・・・!?」

 

ゼファードル、そしてシェリアが驚く中、シェリアの後ろに複数の緑のリングが現れ、その中から2体のモンスターと共に消えたはずのロセが飛びだしてきた

 

ロ「光来せよ、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!《シューティング・スター・ドラゴン》!」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》と《シューティング・スター・ドラゴン》は空へと飛び上がっていく。2体のドラゴンは激しく回転しながら雲の中を上昇すると、翼を広げ停止した。その衝撃で空を覆っていた暗い雲は消え去り残るのは光り輝く白いと青のドラゴン。まさか俺も初心者であるロセが成功させるなんて思ってもみなかった。実際消えるし、しかも遊星と同じような召喚するなんて・・・《セイヴァー・スター・ドラゴン》もアクセルシンクロについていったし

 

ロ「私は《貪欲な壺》を発動。墓地の《エフェクト・ヴァーラー》、《デブリ・ドラゴン》、3枚の《エンジェル・トランペッター》をデッキに戻しシャッフル、そしてデッキから2枚ドローします!」

 

チュ-ナーもデッキに戻した。完全に狙っているな

 

ロ「これで最後です!魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動!自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚します。墓地の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と《ホープ・ザ・ライトニング》を除外し、融合召喚!《波動竜騎士(はどうりゅうきし) ドラゴエクィテス》!!」

 

・・・まさか《ドラゴエクィテス》まで召喚されるなんて。すご過ぎる

 

ロ「私は《ドラゴエクィテス》の効果。1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。《ライト・エンド・ドラゴン》を除外しその効果を得ます」

 

これで強力なダウン効果が発動可能になった。ロセの場には《セイヴァー・スター・ドラゴン》もいる。後は《シューティング・スター・ドラゴン》の効果次第だ

 

ロ「さらに《シューティング・スター・ドラゴン》の効果を発動。デッキの上からカードを5枚めくり、このターンこのカードはその中のチューナーの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる」

 

ゼ「複数回攻撃能力を持つモンスターだと!」

 

ロ「1枚目、チューナーモンスター《デブリ・ドラゴン》!2枚目、チューナーモンスター《エンジェル・トランペッター》!3枚目、チューナーモンスター《ライトロード・アサシン ライデン》!4枚目、《星屑の残光》!5枚目、チューナーモンスター《エフェクト・ヴァーラー》!」

 

シ「馬鹿な。合計4回の攻撃だと!?」

 

・・・成功させやがった。これは本当に凄い。本来ならば《ダーク・ドリアード》等で確定させるものを、チューナーをデッキに戻しただけでに4枚もチューナーを引き当てるなんて

 

ロ「バトル!《シューティング・スター・ドラゴン》で攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

 

《シューティング・スター・ドラゴン》が手足を折りたたみ突撃モードへと変形する。そして3体の分身を生み出すとシェリアに向かって突撃した

 

シ「くっ。だがソウルズ・フラスティによってすべて無効だ!」

 

先を走るシェリアはフォルクスと共に向かってくる《シューティング・スター・ドラゴン》へと向き直る。召喚した4体のドラゴンに指示を出すとドラゴンはその身を犠牲にして《シューティング・スター・ドラゴン》の突撃を受け止めた。《シューティング・スター・ドラゴン》の攻撃は防がれたがこれでシェリアを守るものは何一つなくなった

 

ロ「これで止めです!《セイヴァー・スター・ドラゴン》と《ドラゴエクィテス》でシェリアにダイレクトアタック!」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》がシェリアに向かって突撃を開始する。大きく旋回し速度を上げる《セイヴァー・スター・ドラゴン》だが、その上にはなぜか槍を構える《ドラゴエクィテス》の姿が

 

ロ「《ライト・エンド・ドラゴン》の効果を得た《ドラゴエクィテス》の効果発動。攻撃力・守備力を500ポイント下げ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力はエンドフェイズ時まで1500ポイントダウンさせます。ライト・イクスパンション!」

 

シ「ま、また・・・」

 

《ドラゴエクィテス》から青い波動が放たれるとシェリアは苦しそうな表情を見せる

 

シ「だが、これで終わるわけにはいかない!我は・・・」

 

ロ「使わせません!《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果発動!1ターンに1度、モンスター1体の効果をエンドフェイズ時まで無効にします!サブリメーション・ドレイン」

 

槍を両手で掲げて何かを発動しようとしたシェリアだったが《セイヴァー・スター・ドラゴン》の口から放たれた光の放流に飲まれ効果を吸収されてしまう

 

シ「まさか・・・この我が・・・」

 

ロ「これで正真正銘止めです!スパイラル・ブラスター・ソニック!!!」

 

《ドラゴエクィテス》を背に乗せ、青い光を纏いながら回転しながら突撃する《セイヴァー・スター・ドラゴン》。その姿はまさに1本の槍のようだった。光の槍と化した2体のドラゴンはシェリアの突き出した槍を諸共せず、フォルクスごと吹き飛ばした

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

シ「・・・ここは?」

 

ユ「お!ようやく起きたか」

 

シェリアが目を覚ました。デュエルを終えた俺達は気絶したシェリアを連れて俺の家に帰ってきた。運ぶとき光輪とかが大変だったけどなんとか頑張った。身体に怪我などは見られなかったが、なかなか目を覚まさないから心配したが大丈夫そうだな

 

シ「我は・・・そうか。負けたのか」

 

ゼ「そうだ。《セイヴァー・スター・ドラゴン》と《ドラゴエクィテス》の突撃を食らって気を失っていたお前をユーガの家に運んだ」

 

シ「フォルクスは・・・」

 

ユ「それならロセが面倒を見ている。あちらも特に異常はない」

 

シ「そうか・・・」

 

そういってベットから降りると光に包まれる。背後に浮かんでいた光輪も水晶も消えていき、シェリアは初めに会った姿へと変わった

 

シ「あの時は勝つ姿が見えたのですが」

 

ゼ「ユーガの持つ1部のカードは特別な力を持っているからな。お前の力が通じないのも無理はない。帰ったらまた修行だな」

 

2階の住居スペースから1階に降りていく俺達。そこにはフォルクスをなだめているロセがいた」

 

シ「フォルクス!ロスヴァイセさん!」

 

ロ「シェリアさん!目が覚めたのですね」

 

シ「はい!フォルクスも無事でよかったです」

 

シェリアは相棒の姿を見ると走って抱き着いた。その姿を見て本当に身体はなんともなさそうだなと感じた

 

ロ「すみませんでした。今回は無事でしたが下手すればシェリアさんが死んでいてもおかしくはなかったはずです」

 

シ「そんな謝らないでください。そもそも私から提案したことなんですからロスヴァイセさんに非はないですよ」

 

頭を下げるロセをシェリアは慌てて止めていた。ロセが心配するようなことはないように調整しているから大丈夫なんだが。ちなみに俺のは無制限でやれる

 

ロ「ですが・・・」

 

シ「それよりも。またいつか、私とデュエルしてください。次は負けません」

 

ゼ「そうだな。また戦えばいい。ユーガがいれば余程でない限り何とかなるからな」

 

全力で戦って悔しかったのだろうか再戦をお願いするシェリア。それはいいとしてゼファードル!

 

ロ「そうですね・・・。またいつかやりましょう」

 

暗かったロセの表情が何か吹っ切れたように明るくなった。しょうがない。ゼファードルの言う通り、死んでしまっても俺ならばできる。何かあったときは俺がなんとかしよう。・・・起きることはないと思うけど

 

ゼ「シェリアも起きたことだし俺たちは帰るぞ。仲間が待っている」

 

シ「ですね。ユーガさん、ロスヴァイセさんまた会いましょう!」

 

ユ「おう!またな」

 

ロ「また会いましょう」

 

ゼファードル達はフォルクスを連れて帰っていった。残るっているのはロセ1人。

 

ユ「ロセはどうする?」

 

ロ「そうですね・・・。明日も予定は決まっていますよね?」

 

ユ「まあな」

 

1日で乗りこなすとは予想できなかった。休みの2日でいいところまで教えるつもりだったから実際予定はないと言ってもいい

 

ユ「だが時間も遅いし・・・泊まっていくか?」

 

ロ「えっ!?」

 

ユ「ロセが嫌なら無理にとは言わないけど」

 

ロ「と、泊まります!泊めさせてください」

 

 

 

その夜、俺とロセは長い夜を過ごした。だが、この日のデュエルを見られているとはこのときの俺は思いもしなかった


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