ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

73 / 137
すみません!時間が足りずに中編を作ってしまいました。本来ならば後編だけにする予定だったのですがどうしても時間が足りませんでした


決闘者編 その5 中編

【ユーガside】

 

昼飯を済ませた俺達はアースガルズの郊外にある草原に来ていた。そこで俺はフィールド魔法《スターライト・ジャンクション》を発動。草原をこのカ-ドのイラストになっているネオ童実野シティのサーキットに変化させた。そこで俺はロセにD・ホイール乗り方を教え始めていたんだが・・・

 

ゼ「・・・乗り始めて1時間か。素人目だがあれは安定して乗りこなしているのではないか?」

 

シ「私もそう思うのです。私の場合は馬ですしたが、それでも初めて乗ったときは落ちてばかりでしたし」

 

ゼファードル達の言う通りロセは初心者とは言えないほどD・ホイールを乗りこなしている。時折、急な変化にも対応できるようになるためにルートを変えたりあらかじめ設置しておいた障害物を出現させたりと色々な妨害を起動したが、すべてクリアしてしまった

 

ロ「・・・ふう。どうですかユーガ?」

 

コースを巡ってきたロセは俺たちの前に止まった。ロセの姿はヴァルキリーの姿をしている。ヘルメットはしてくれていたが正直必要ないんじゃないかって俺は思う。鎧にそういう加護ついてそうだし

 

ユ「ホントに初心者かってくらいうまかった。後はバック走とか細かいテクニックを覚えれば十分だな」

 

ロ「本当ですか!?フフッ」

 

うれしそうに笑うロセ。それに見とれながらも

 

ユ「どうしようか?」

 

次のことを考える。ライディングデュエルしようにも流石にSp(スピードスペル)の入ったデッキをロセは持ってないだろう。かくいう俺も作ってはいなかったわけだけど。ここは普通のデュエルをD・ホイールに乗りながらやってみるのがいいか?

 

シ「お兄様、そしてユーガさん。私もロスヴァイセさんと戦ってみたのですが・・・許可を頂けないですか?」

 

ロ「あの、ユーガ。シェリアさんとライディングデュエルするって話になったのですがよろしいですか?」

 

・・・あれ?なんでそんな話になってるんだ?悩んでいる間に話が進んでいた。それもありかもしれないがゼファードルの妹がどれほどの強さかわからないから不安だな

 

ゼ「やってみてもいいのではないか?ロスヴァイセはデュエルの腕ならばお前にも勝つほどなのだろう?」

 

ユ「確かにスタンディングでは負けることもあるが・・・ライディングデュエルはスタンディングに比べて危険が跳ね上がっている。オートパイロットも緊急停止装置もついているが不安は残る。ちなみにシェリアってどれぐらい強いんだ?ゼファードルの女王をやってるぐらいだ、相当強いんだろう?」

 

ゼ「ああ、シェリアは俺に次ぐ強さだ。出会いはシェリアが暴走していたときだったが、そのときは俺とティアマットの二人で抑え込まなければならなかったほどだからな」

 

それってヤバいだろ!そんな相手とロセを戦わせるわけにはいかない!

 

ゼ「だがティアマットに修行つけられ力の制御もできるようになった。そこまで心配することもないだろう。それにいざとなったらお前が神すら動けなくする鎖を使えばよかろう」

 

確かに《デモンズ・チェ-ン》ならば対処可能か。あれの拘束力は半端じゃない。ロキも縛れるからな。・・・《サイクロン》で簡単に割れるけど

 

ユ「わかった。ただし、俺が危険と思ったらすぐに辞めさせるからな」

 

ロ・シ「はい!ありがとうございます」

 

 

 

 

というわけで《スターライト・ジャンクション》を改めて発動し巨大なサーキットを出現させた。今度は障害物はない普通のサーキットだ。だけど

 

ユ「馬のままで決闘疾走だと!?ふざけやがって!!」

 

ゼ「・・・いきなりどうしたんだ?」

 

ユ「いや。デュエリストとしてこれは言っておかなくてはならないからな」

 

スタートラインに並ぶロセとゼファードルの妹のシェリア。ロセはもちろんD・ホイールに乗っているが、シェリアはなんと連れ添っていた黒馬に乗るというだ。しかもその馬は今まで体を小さくしていたのか二回り程大きくなり、王者の風格を醸し出していた

 

ユ「だが大丈夫なのか?D・ホイールはかなりスピードが出るぞ」

 

ゼ「それならば問題ない。フォルクスは騎士(ナイト)だからな。速さなら俺達の中でもトップクラスだ」

 

ゼファードルがそう判断するならば問題ないだろう。ロセの走っている姿も見ているしそのスピードも知っているはずだからな

 

シ「頼みますね、フォルクス」

 

フ「ブオオゥゥン」

 

シェリアはフォルクスを撫で終えるとその背中に乗り一本の槍をどこからともなく取り出した。その槍は持ちては細く、武器として振るうには耐久力の面で大丈夫かと思える形をしていた。だがその槍を手にした瞬間、シェリアの雰囲気が変わった

 

シ「汝の力、我が試してやろう」

 

ユ「おい!なんか雰囲気がかなり変わったぞ!」

 

ゼ「戦闘モードに入っただけだ。この時のシェリアはかなり高圧的になるぞ」

 

見た目はほとんど変わっていないのにな。流石のロセもその変わりように驚いているようだった

 

ロ「あの、シェリアさん?大丈夫ですか?」

 

シ「我の心配なぞしている余裕はないぞ。確かにこのままの状態では我は勝てぬだろうがな」

 

不敵に笑うシェリアに対しロセは警戒を強めた。おそらくだがシェリアもゼファードル同様、何か切り札的なものを隠しているに違いない。だがそれはデュエルすればわかることだろう

 

ユ「2人とも、準備はいいか?」

 

ロ「もちろんです」

 

シ「問題ない」

 

ユ「よし!なら先攻の決め方だが・・・スタートしてから最初のコーナーを先に杉田ほうが先攻だ!」

 

2人がうなずくのを確認すると俺は自分のDホイールにまたがりスイッチを押す。すると2人の前にある3つのランプが赤く点灯する。それは一つずつ音と共に消えていき、すべて消えた瞬間、ランプがすべて青に変わった

 

ユ「ライディングデュエル!アクセラレーション!」

 

スタートの合図とともに勢いよく走り出す2人。それに続き、俺とゼファードルも空へと飛んで後を追いかけた。上空から見ると驚くことに先頭走っているのは馬に乗っているシェリアだった

 

ユ「なっ!馬のほうが速いだと!?」

 

ゼ「それはそうだろう。カタパルトや電磁石などで撃ち出すわけじゃなのだからな。初速は生物のほうがはやいに決まっているだろう」

 

ユ「・・・確かにな。だがこのままでは先攻をとられちまうか」

 

基本的に先攻のほうが有利だ。普通のデュエルと違い、妨害されることもなく場を整えることができる。贔屓(ひいき)して悪いが先攻は譲れない

 

ユ「ロセ!右ハンドルにある青いスイッチを押せ!」

 

ロ「これですね。ッ」

 

D・ホイールを通じてロセに通信を入れた。ロセは指示通りにスイッチを押すとD・ホイールが急激に加速し、シェリアよりも前へと出た。5D'sにもあったとあるシステムだがもちろん搭載しておいた

 

ゼ「急に加速しただと?あれはなんだ?」

 

ユ「あれはオーバーブーストシステム。一度だけ圧倒的な加速を得られることができる装置だ」

 

その後の最高速に制限がかかる、なんてデメリットはもちろんない。一度使ったら再使用に時間がかかるからデュエル中に一回しか使えないという点では変わりないが。D・ホイール一台分の差をつけてカーブを曲がったのはロセだ!

 

ロ「私の先攻!カードをセットし、ターンエンド」

 

シ「ずいぶんと消極的だな。いや、これで良いのか」

 

フィールドを制圧し、相手の行動を封じるという手はデュエリスト相手でなければ使えない。基本的に破壊・除外・バウンスはプレイヤー扱いの相手には通用しないからな。破壊こそ使えないこともないがそれでもダメージを与えれるかは不確定だし、それならば防御カードを入れたほうがいい判断だ。ロセのデュエルディスクも実体化できるから、デッキもデュエリスト用とリアル用の2種類を持っている

 

シ「我のターン。まずはこれからだ。・・・宴を始めよう。究極の宴よ、我を存分に楽しませるがいい!ハルバーム」

 

シェリアが詠唱を唱えると、辺りから小さな音が聞こえてきた。それは次第に大きくなり、太鼓や笛の音が響き渡る。それに伴いシェリアにも赤いオーラが揺らぎ始めた

 

シ「準備は整った。いくぞフォルクス!」

 

フォルクスは了解したとばかりに一鳴きするとロセ目がけて突撃した

 

ロ「フィールドにモンスターがいる限りプレイヤーに攻撃はできません!」

 

シ「そんなことは知っている。だがそのカードは貫かせてもらう!」

 

ロセを守るように伏せられたカードがシェリアの前へと立ちふさがる。シェリアは関係なく槍を突き出すとカードが反転しモンスターが現れた。4枚の羽根を持つ金髪の天使。《シャイン・エンジェル》が防御体勢をとって現われたが、シェリアの槍に貫かれ、破壊された

 

ロ「くっ。ですが《シャイン・エンジェル》が戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できます」

 

ロセはデッキからモンスターを引き抜こうとしたが、何かに驚くような声が聞こえた

 

ロ「なぜ私のライフが減っているのですか!?」

 

ロスヴァイセのライフ:8000→6200

 

どういうことだ?守備表示だからライフは減らないはずだが・・・

 

シ「我を誰の妹と思っている。兄上のように防御した相手を問答無用で潰すことはできなくても防御を貫通することはできるぞ」

 

なんということだ。遊戯王の効果的に考えると、このモンスターは守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。という効果を持っているということになる。これは守備表示で凌ぐということができないな

 

ロ「私は《オネスト》を召喚します」

 

《シャイン・エンジェル》の効果で新たなモンスターがロセのフィールドに召喚された。現れたのはウェーブの金髪に青い服の天使《オネスト》

 

シ「モンスターは残ったか。我はターンエンドだ」

 

ロ「私のターンです。ドロー!メインフェイズに《オネスト》は手札に戻すことができます」

 

ロセのフィールドからモンスターがいなくなった。残っているのは伏せカード2枚のみ

 

ロ「(ライフが1800ポイント減ったということはシェリアさんの攻撃力は2600。ギリギリ《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を超えてますか。なら)魔法カード《予想GUY》を発動します。このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚します。私は《エンジェル・トランペッター》を召喚」

 

魔法カードにより召喚されたのは花弁をトランペットのように吹く植物の妖精。通常モンスターだがチューナーだ。一体何を召喚するつもりだ?

 

ロ「さらに《聖鳥クレイン》を通常召喚。そして《聖鳥クレイン》に《エンジェル・トランペッター》をチューニング!」

 

ロセが召喚したのは長く赤い尾を持つ鶴。鶴は緑の4つのリングへと変化した《エンジェル・トランペッター》の中へと飛び込み、太い光がリングを貫いた

 

ロ「シンクロ召喚。現れよ《ゼラの天使》!」

 

ロセがシンクロ召喚したのは戦士ゼラが《天空の聖域》で天使の力を得た姿。スタンバイフェイズに除外されていたら帰還する能力を持つ上、攻撃力も2800と高い

 

ロ「バトル。《ゼラの天使》で攻撃!」

 

ロセの指示に従い《ゼラの天使》がシェリアに攻撃を仕掛ける

 

シ「なっ!?パワー負けしているのか」

 

《ゼラの天使》の攻撃を槍で防ぐが攻撃力が足りずに段々と押され始める。わずか200の差故に粘っていたシェリアだったが《ゼラの天使》の蹴りにより遂に槍が弾かれ、シェリアは斬撃を食らった

 

シ「くっ。だがこの程度」

 

ロ「魔法カード《二重召喚(デュアルサモン)》を発動。私はこのターン通常召喚を2回まで行う事ができます。モンスターをセットしターンエンドです」

 

2ターン目にしてロセの手札が尽きたか。レベル4軸は手札消費が激しいから仕方ない。だが伏せたあのカードはきっと《メタモルポット》だろう。でなければ《オネスト》を残して手札を減らす意味はないからな

 

シ「我のターン。いくぞ!あらゆるものを切り刻む刃よ、現れよ!ティロスチョッパー!」

 

ロセと並走するシェリアが先ほどとは違う詠唱を唱えた。すると彼女たちの上に巨大な鋏が出現した

 

シ「行け!その天使を切断しろ!」

 

シェリアの命令が下ると鋏は自分から動き出し《ゼラの天使》を切断しようと刃を広げる。だがロセの手札には

 

ロ「手札から《オネスト》を墓地に送り効果発動!私のモンスターはターン終わりまで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップします。よって《ゼラの天使》の攻撃力は貴女の攻撃力分アップします」

 

《オネスト》がある。これにより純粋な戦闘では相手がどんなに攻撃力を上げようとも無意味になる。シェリアは反撃を受けると思ったが

 

シ「甘い!我が槍は触れたものをそのものの初期状態まで戻すことができる!」

 

《オネスト》の力を受け、翼を4枚に増やした《ゼラの天使》だったが鋏と共に突撃してきたシェリアの槍を受けた瞬間、《オネスト》の翼が消え去った。力を失った《ゼラの天使》は鋏に挟まれ、破壊されると鋏も消滅した

 

ロスヴァイセのライフ:6200→5900

 

ロセ「《ゼラの天使》が・・・」

 

シ「我はターンエンドだ」

 

まさか相手限定の《禁じられた聖典》の効果を持っているとは厄介だな。これは純粋な攻撃力で勝るモンスターしかダメージを与えられないな

 

ロ「私のターン。ドロー。!今引いたカードを伏せてリバースカードをオープン。《メタモルポット》を反転召喚。カードがリバースした場合、お互いの手札を全て捨て、お互いはデッキから5枚ドローします」

 

捨てると言ってもシェリアは手札どころかデッキも持ってないしロセも手札は0枚だ。ただ単に手札補充しか機能しない

 

ロ「(《レベル・スティーラー》に《ゴブリンのやりくり上手》、《スターダスト・ドラゴン/バスター》は墓地に行ってもいいですね。しかし《バトルフェーダー》と《召喚僧サモンプリースト》は残して置きたかったですが、このままでは何もできません)私はこのターンに伏せたカード《守護神の宝札》を発動。このカードは手札を5枚捨ててこのカードを発動でき、デッキから2枚ドローします。さらにこのカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分ドローフェイズの通常のドローは2枚になります」

 

《守護神の宝札》か。コストは重い上すぐに破壊されるため、普通のデュエルならば使われることはないが、デュエリストが相手ではない場合、基本的に破壊されることがないから有効なカードだな

 

ロ「ドロー。!私は墓地の《バトルフェーダー》を除外し《輝白竜 ワイバースター》を手札から特殊召喚」

 

ロセが出したのは青い身体に白く輝くアーマーをつけたドラゴン。以前ロセに何もできずに負けたあのデュエルにも使われていたあのカードだ

 

ロ「さらに《レスキュー・ラビット》通常召喚。このカードを除外し、デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚します。私は《エンジェル・トランペッター》を選択」

 

青いドラゴンの隣に現れたのは黄色のヘルメットを被ったかわいい兎。《レスキュー・ラビット》はヘルメットから2枚のカードを取り出した。そのカードが光ると2体の《エンジェル・トランペッター》が現れ、役目を終えた《レスキュー・ラビット》はどこかに走っていった

 

ロ「私はレベル4の《エンジェル・トランペッター》2体でオーバーレイ!」

 

《エンジェル・トランペッター》が茶色のオーラに包まれると空中に出現した暗い穴に吸い込まれ、光が爆発した

 

ロ「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ《ダイガスタ・エメラル》」

 

現れたのはガスタとの融合を果たしたエメラルドの戦士、《ダイガスタ・エメラル》

 

ゼ「なんだ!あの召喚方法は!?」

 

今まで静観していたゼファードルが驚きの声を上げた。まあ今まで見たこともないし当然か

 

ユ「あれはエクシーズ召喚。エクシーズモンスターの素材となる同じレベルのモンスター2体以上を重ねてその上にエクシーズモンスターを置くことで召喚されるモンスターだ。シンクロ召喚よりも召喚しやすいが、素材にトークンは使えない。そしてエクシーズモンスターはオーバーレイユニットを使用しなければ効果を発動できないものが多い」

 

ゼ「なるほど。あのモンスターの周りをとんでいるあの光、あれがオーバーレイユニットなのだな」

 

飲み込みが早くて助かるな。詳しいことはまた後でもいいだろう

 

ロ「《ダイガスタ・エメラル》の効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い、自分の墓地の効果モンスター以外のモンスター1体を選択して特殊召喚します。《エンジェル・トランペッター》を特殊召喚」

 

光が《ダイガスタ・エメラル》の胸のエメラルドに取り込まれると《エメラル》は盾で魔法陣を作り出し、そこから《エンジェル・トランペッター》が現れる

 

ロ「《輝白竜 ワイバースター》に《エンジェル・トランペッター》をチューニング。シンクロ召喚!《ライト・エンド・ドラゴン》!」

 

そして《エンジェル・トランペッター》がその体を4つのリングへ変えると《ワイバースター》がリングに包まれる。光が貫くと純白の長い身体と同じ色の4枚の羽根を持つ、金色の装飾を身に着けたドラゴンが現れた

 

ロ「シンクロ素材となった《輝白竜 ワイバースター》の効果。デッキから《暗黒竜 コラプサーペント》を手札に加えます。バトル!《ライト・エンド・ドラゴン》で攻撃。シャイニングサプリメイション」

 

《ライト・エンド・ドラゴン》が攻撃準備を始め、胸の宝玉に光が集まる。だがこのままでは攻撃力の足りない《ライト・エンド・ドラゴン》は破壊されてしまうだろう

 

ロ「この瞬間《ライト・エンド・ドラゴン》の効果発動。攻撃力・守備力を500ポイント下げ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力はエンドフェイズ時まで1500ポイントダウンさせます。ライト・イクスパンション!」

 

しかし《ライト・エンド・ドラゴン》にはこの強力なダウン効果がある。この効果により相手の攻撃力が3600までならこのカードで戦闘破壊できるのだ。まあこのカードを使わなくても普通のデュエルなら対処法はいくらでもあるのだが、破壊も除外も意味をなさないプレイヤー扱いの相手との戦いでは他のカードよりも採用すべきカードだ

 

シ「なんだ。急に、力が・・・」

 

《ライト・エンド・ドラゴン》の全身から放たれた光によってシェリアの力が抜ける。これで攻撃力が1100になっているシェリアは反撃はできないはずだ。例えあの槍で《ライト・エンド・ドラゴン》攻撃力を戻してもただ攻撃力を上げるだけだ

 

ロ「続けて《ダイガスタ・エメラル》で攻撃!」

 

《ライト・エンド・ドラゴン》の胸から放たれた光が放たれシェリアを包み込んだ。さらに《エメラル》も手に持つ二つの盾から2つの竜巻を放ち追撃をかけた

 

ロ「私はこれでターンエンドです」

 

ロセの場には攻撃力2100の《ライト・エンド・ドラゴン》と1800の《ダイガスタ・エメラル》。守備力600の《メタモルポット》がいる。せめて《メタモルポット》は処理しておきたかったがまだライフには余裕があるし大丈夫だろう

 

シ「・・・やはりこのままでは勝つことはできないか」

 

光と突風を受けたシェリアとフォルクスだったが、少し服や皮膚が焦げていたり切り裂かれていたが、その表情には余裕があった

 

シ「まずは力をとり戻せばならないな」

 

そういってシェリアは自身の持つ槍を掲げる。すると周りの太鼓や笛の音が消え、纏っていた赤いオーラもなくなった。自分に使えば下げられた力を元に戻すことができるのか

 

シ「ここからが本当の勝負。覚悟はよいか!」

 

シェリアに続きフォルクスも声を上げる。フォルクスがスピードを上げロセを抜くと彼らが光に包まれた

 

ユ・ロ「一体何をするつもりだ(ですか)?」

 

ロセを抜き前を走っていた彼女たちの光がはじけ飛んだ。そこにいたシェリアは白と黒、紫から赤へグラデーションのかかった煌びやかな衣装に身を包み、腰まであった亜麻色の髪は自身の身長をも超える長さになり毛先のほうは銀色へと変わっていく。そして背後にはブッタのような光輪を浮かべ、左手には先ほどまで持っていた槍を、右手には中から光を放つ青い巨大な水晶を持っていた。そしてシェリアのまたがるフォルクスもドラゴンを思わせるアーマーを身に着けており、まるで竜翼のような鱗と翼膜を広げ空を駆けていた

 

ユ「・・・禁手化(バランス・ブレイク)か?」

 

原作知識から俺はそう考えた。あの槍が神器(セイグリッド・ギア)だとしたらこれほどの変化を及ぼすのは禁手化(バランス・ブレイク)しか思いつかなかった。だがそれはゼファードルによって否定された

 

ゼ「違うな。シェリアのあれは自身の封印を解いただけだ」

 

ユ「封印だと?」

 

ゼ「ああ。そもそも本来は今の姿なのだ。元々は力を抑えるためにティアマットが施したものだ。今は力を制御できるため封印する必要もないのだが、あの状態では日常生活は色々と不便だからな。自分で開封を行い、普段は封印した状態で生活しているのだ。それでもかなりの戦闘能力には変わりないがな」

 

マジか。流石女王っていうだけあってその強さも伊達じゃないってことか。これはマズいかもしれないな

 

シ「まずはこれだ。ソウルズ・フラスティ」

 

今までと違い詠唱もなしに技名だけ。それだけで4体の小さなドラゴンが召喚された。封印の開放はここまで違うのか

 

シ「フォルクス。まずは雑魚を蹴散らせ」

 

フ「了解だ」

 

ユ「キァァァァアシャァベッタァァァァ!!!」

 

ゼ「何をそんなに驚いているのだ」

 

嫌だって今まで鳴き声だけだったろ。それがいきなりしゃべりだすから驚かないほうが無理だって

 

ゼ「まあ確かに初めてなら仕方がないのかもしれんな。俺も意思疎通はできていたがフォルクスが言葉を発した時は驚いたものだ」

 

そうだよな、それが普通だ。そのフォルクスは反転しロセへと向きを変えると、広げた翼の中に風を圧し纏めてロセのモンスターへと放った

 

ロ「《メタモルポット》が破壊されましたか」

 

《ダイガスタ・エメラル》とは違い突風のような風を起こしたフォルクスの攻撃は風の刃を伴いロセのモンスターへと襲い掛かった。《ライト・エンド・ドラゴン》と《ダイガスタ・エメラル》は無事だったが守備力が800しかないの低い《メタモルポット》は破壊されてしまった。ライフは減らなかったが全体攻撃とは厄介な

 

シ「行けソウルズ。目標はあの緑の戦士だ」

 

4体のチビドラゴンが纏めて《エメラル》に襲い掛かる。《エメラル》も盾を使い身を守り、時に殴って反撃するも数に押されて破壊された

 

ロスヴァイセのライフ:5900→5700

 

ロ「《エメラル》が・・・」

 

シ「まだ終わらぬ。フォククスよ、白いドラゴンに突撃しろ」

 

初速から爆発的な加速によって突進するフォルクス。しかしマズいな。今の《ライト・エンド・ドラゴン》は攻撃力が下がっている。もし効果を使ってシェリアの攻撃力を下げても、槍の効果で元に戻されてしまうか可能性が高い

 

ロ「く、キャァァァアアア」

 

ロスヴァイセのライフ:5700→5000

 

《ライト・エンド・ドラゴン》は再び胸の宝玉から光を放ち迎撃するもフォルクスは軽々と避けながら突っ込んでいく。そしてシェリアの槍が。ロセも俺と同じ考えなのか《ライト・エンド・ドラゴン》の効果は使わなかった

 

シ「我はこれでターンエンドだ」

 

シェリアは4体のチビドラゴンを連れてフォルクスと共に戻ってくるとロセと並走する。パワーアップ、いや本来の力を解放した彼女に対し、ロセは勝てるのか


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。