【絶斗side】
イ「ヤッホー、ゼノヴィア。会談以来ね!」
ゼ「そうだな。はやく中に入るといい」
イ「そうだね。お邪魔しまーす」
会談が行われてから最初の休日にイリナが俺の家を訪ねてきた。イリナは会談後にゼノヴィアと話をしたかったらしいが
イ「ここが二人の愛の巣か~」
俺とゼノヴィアの向かいに座るイリナはお茶を飲みながら部屋を見渡していた
ゼ「なぜイリナがそれを・・・!」
イ「ん~結構噂になってるからかな?グレモリーの眷属っていろいろ有名だから情報も巡って来るのよ。元々教会に所属していて聖剣を持ってるゼノヴィアは特にね」
そりゃあそうだよな。神の知らない人たちからしたらゼノヴィアは悪魔に魂を売ったと考えられてもおかしくない。実際はシステムを守る為の仕方がない措置だったが
ゼ「そうか・・・」
イ「あの斬り姫に男が!とかすごいわよ。まあそれは置いといて、・・・おめでとうゼノヴィア。よかったわね、思いが通じて」
絶「ん?ちょっと待て!なんでイリナはノヴィアが俺のことを好きだってことを知っているんだ!?」
俺はお菓子を食べながら笑っているイリナに問い詰めた
イ「特別なことがあるわけじゃないわ。ただ空港で別れるときに聞いただけよ。私もちょっとだけど後押しもしたしね。それよりも・・・」
な、なんだ?薄笑いしながら何を聞きたいんだ・・・
イ「2人はもう同じベットで寝たりしてるの?というよりももうヤったりした?」
何てこと聞くんだ!この人は
絶「いや、それはまだ・・・」
イ「えー、なんで?折角同棲してるんだし寝るのもいっしょにすればいいのに」
絶「我慢が出来そうにないからな。それに告白したのも会談の後だったし」
これ以上根掘り葉掘りされたくはない。俺は話題を変えることにした
絶「俺たちのことは置いといて「え~」・・・イリナはいつキリスト教の神の不在を知ったんだ?ゼノヴィアもそうだけどかなりの信仰家だろ?」
イ「ああ、それはね。実は・・・」
イリナはそう言って一対の白い羽を背からはやした
イ「実は私、ミカエル様から使徒に選ばれて転生天使、
ゼノヴィアは天使となったイリナを見て何とも言えない顔をしていた
絶「ゼノヴィア、大丈夫か?」
ゼ「ああ、自分で決めて悪魔になったとは言え、長年信仰してきたんだ。こう目の前で人が天使になったのを見ると、まだ心のどこかで神に対する思いが残っているなと感じただけだ」
絶「それはしょうがないだろ、人間だからな。・・・イリナはよく平気だったな。ゼノヴィアもアーシアもかなりのショックを受けたのに」
イ「平気なわけないでしょ!神の不在を知らされたときはショックで7日7晩寝込んじゃったんだから。今は信仰をミカエル様に変えて立ち直ったわ」
それでいいのかと思ったが、本人は気にしていないようだしいいか
イ「じゃあ私はそろそろ帰るね」
外を見ると空が赤く染まっていた。昼過ぎにイリナが来いたことを考えるとずいぶんと話していたみたいだ
ゼ「泊まっていかないのか?絶斗の料理はおいしいのに」
イ「うぅ・・・私としてもまだ話したいこともあるしあの料理も食べたいけど、二人の邪魔をしたら悪いでしょ」
悩むような苦しいような表情をして荷物を持つイリナ。俺たちも家の前まで出ていってイリナを見送くろうか
イ「じゃあねゼノヴィア、絶斗」
ゼ「ああ、またな」
絶「次来るときはご飯を作ってやるから」
イ「本当!?楽しみにしてるわ!」
手を振って分かれるイリナを俺たちは姿が見えなくなるまで見送った
【三人称side】
蒼枒は現在、霊峰青山の山頂に来ていた。ここは青龍または主神しか入れない場所であり、そこには小さな社と小屋が建てられていた
蒼「久しぶりだな。無限龍?」
オ「ん、青龍。久しい・・・」
小屋の中へと入っていく蒼枒。そこには長い黒髪の少女が布団に包まっていた。彼女の名はオーフィス。
蒼「ここにいてよかった。悪魔がなんか飲み込んでいたから抜き取っておいたぞ」
そういって箱から蛇を取り出した蒼枒はオーフィスへと投げ渡す。それはカテレアから抜き取ったものであり、今まで箱の中に厳重に封をされていた
オ「ん、これは要らない。好きに使うといい」
蒼「そうか。なら」
蛇を握りつぶすと蛇から膨大な力が溢れ出す。蒼枒はそれを
蒼「これであとは龍脈へと流れていくだろ。だがなんで悪魔なんかに蛇を渡したんだ?」
オ「我、今は
蒼「なんでまたトップなんて面倒で迷惑なことを」
オ「我は飾に過ぎない。青龍が育つまでの暇潰し」
蒼「それはまた迷惑なことで」
オーフィスの目的は真の静寂を得ることである。そのためには次元の狭間にいる邪魔な存在を排除しなければならない。
オ「それに、また面白い者を見つけた」
蒼「ほう、それはいったい何者だ?」
オ「人間、今はヴァルハラにいる。様々なものを召喚していた」
蒼「ああ、確かに北欧神話にそんなのがいるって聞いたな。だが俺が動けるようになるまで持たないだろう」
オ「問題ない。我が延命させる」
蒼「あまり変なことはしないでくれよ?」
蒼枒が心配しているのは魂の変質。自然にまたは突然変異などによる変質ならばまだ許されるが、故意に行われる変質は死後を管理するものたちに多大なる影響を与えるため好ましくない
オ「わかっている」
蒼「ならいい。・・・じゃあ俺はもう行く。またな」
オ「ん、また」
そう言ってオーフィスは布団の中に潜った。蒼枒は扉を静かに閉め、小屋を後にした
蒼「(
蒼枒はオーフィスの言っていたことについて考えて。破壊と混乱を起こそうとするテロリスト集団、それが
蒼「まあいい。害になるならば排除するだけだ」
蒼枒には関係ない。オーフィスがトップをやっているといっても自分から飾、そして暇潰しとまで言ったいたのだ。滅ぼしたとしても何も言われることはないだろうと考え、山を下りて行った